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職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律
制 定 平成二十三年五月二十日法律第四十七号
改 正 令和六年五月十七日法律第二十六号
職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律をここに公布する。
職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律
目次
第一章 総 則(第一条・第二条)
第二章 特定求職者に対する職業訓練の実施(第三条―第六条)
第三章 職業訓練受講給付金(第七条―第十条)
第四章 就職支援計画の作成等(第十一条―第十三条)
第五章 雑 則(第十四条―第十九条)
第六章 罰 則(第二十条―第二十二条)
第一章 総 則
(目的)
第一条 この法律は、特定求職者に対し、職業訓練の実施、当該職業訓練を受けることを容易にするための給付金の支給その他の就職に関する支援措置を講ずることにより、特定求職者の就職を促進し、もって特定求職者の職業及び生活の安定に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「特定求職者」とは、公共職業安定所に求職の申込みをしている者(雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第四条第一項に規定する被保険者である者及び同法第十五条第一項に規定する受給資格者である者を除く。)のうち、労働の意思及び能力を有しているものであって、職業訓練その他の支援措置を行う必要があるものと公共職業安定所長が認めたものをいう。
第二章 特定求職者に対する職業訓練の実施
(職業訓練実施計画)
第三条 厚生労働大臣は、特定求職者について、その知識、職業経験その他の事情に応じた職業訓練を受ける機会を十分に確保するため、次条第二項に規定する認定職業訓練その他の特定求職者に対する職業訓練の実施に関し重要な事項を定めた計画(以下「職業訓練実施計画」という。)を策定するものとする。
2 職業訓練実施計画に定める事項は、次のとおりとする。
一 特定求職者の数の動向に関する事項
二 特定求職者に対する職業訓練の実施目標に関する事項
三 特定求職者に対する職業訓練の効果的な実施を図るために講じようとする施策の基本となるべき事項
3 厚生労働大臣は、職業訓練実施計画を定めるに当たっては、あらかじめ、関係行政機関の長その他の関係者の意見を聴くものとする。
4 厚生労働大臣は、職業訓練実施計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前二項の規定は、職業訓練実施計画の変更について準用する。
<参照>職業能力開発促進法第十五条の八第一項及び本法第三条第一項の規定に基づく計画(平成29年厚労告第136号) |
(厚生労働大臣による職業訓練の認定)
第四条 厚生労働大臣は、職業訓練を行う者の申請に基づき、当該者の行う職業訓練について、次の各号のいずれにも適合するものであることの認定をすることができる。
一 職業訓練実施計画に照らして適切なものであること。
二 就職に必要な技能及びこれに関する知識を十分に有していない者の職業能力の開発及び向上を図るために効果的なものであること。
三 その他厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
2 厚生労働大臣は、前項の認定に係る職業訓練(以下「認定職業訓練」という。)が同項各号のいずれかに適合しないものとなったと認めるときは、当該認定を取り消すことができる。
3 厚生労働大臣は、第一項の規定による認定に関する事務を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「機構」という。)に行わせるものとする。
<参照>則第1条~第6条 |
(認定職業訓練を行う者に対する助成)
第五条 国は、認定職業訓練が円滑かつ効果的に行われることを奨励するため、認定職業訓練を行う者に対して、予算の範囲内において、必要な助成及び援助を行うことができる。
<参照>則第7条~第8条の2 |
第三章 職業訓練受講給付金
(職業訓練受講給付金の支給)
第七条 国は、第十二条第一項の規定により公共職業安定所長が指示した認定職業訓練等(認定職業訓練、国、都道府県及び市町村並びに独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が設置する公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)並びに雇用保険法第十五条第三項の政令で定める訓練又は講習をいう。第十一条第二号において同じ。)を特定求職者が受けることを容易にするため、当該特定求職者に対して、職業訓練受講給付金を支給することができる。
2 職業訓練受講給付金の支給に関し必要な基準は、厚生労働省令で定める。
<参照>則第10条~第12条。雇保法第15条 |
(返還命令等)
第八条 偽りその他不正の行為により職業訓練受講給付金の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した職業訓練受講給付金の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、厚生労働大臣の定める基準により、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた職業訓練受講給付金の額の二倍に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。
2 前項の場合において、認定職業訓練を行う者が偽りの届出、報告又は証明をしたことによりその職業訓練受講給付金が支給されたものであるときは、政府は、当該認定職業訓練を行う者に対し、その職業訓練受講給付金の支給を受けた者と連帯して、同項の規定による職業訓練受講給付金の返還又は納付を命ぜられた金額の納付をすることを命ずることができる。
3 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第二十七条及び第四十一条第二項の規定は、前二項の規定により返還又は納付を命ぜられた金額の納付を怠った場合に準用する。
<参照>則第9条・則第18条~第20条。徴収法第27条・第41条 |
(譲渡等の禁止)
第九条 職業訓練受講給付金の支給を受けることとなった者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
第四章 就職支援計画の作成等
(就職支援計画の作成)
第十一条 公共職業安定所長は、特定求職者の就職を容易にするため、当該特定求職者に関し、次の各号に掲げる措置が効果的に関連して実施されるための計画(以下「就職支援計画」という。)を作成するものとする。
一 職業指導及び職業紹介
二 認定職業訓練等
三 前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定めるもの
<参照>則第21条・第22条 |
(公共職業安定所長の指示)
第十二条 公共職業安定所長は、特定求職者に対して、就職支援計画に基づき前条各号に掲げる措置(次項及び次条において「就職支援措置」という。)を受けることを指示するものとする。
2 公共職業安定所長は、前項の規定による指示を受けた特定求職者の就職支援措置の効果を高めるために必要があると認めたときは、その者に対する指示を変更することができる。
3 公共職業安定所長は、第一項の規定による指示を受けた特定求職者の就職の支援を行う必要がなくなったと認めるときは、遅滞なく、当該特定求職者に係る指示を取り消すものとする。
<参照>則第14条 |
(関係機関等の責務)
第十三条 職業安定機関、認定職業訓練を行う者、公共職業能力開発施設の長その他関係者は、前条第一項の規定による指示を受けた特定求職者の就職支援措置の円滑な実施を図るため、相互に密接に連絡し、及び協力するように努めなければならない。
第五章 雑 則
(時効)
第十四条 職業訓練受講給付金の支給を受け、又はその返還を受ける権利及び第八条第一項又は第二項の規定により納付をすべきことを命ぜられた金額を徴収する権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によって消滅する。
(報告)
第十五条 厚生労働大臣は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、認定職業訓練を行う者又は認定職業訓練を行っていた者(以下「認定職業訓練を行う者等」という。)に対して、報告を求めることができる。
2 厚生労働大臣は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、特定求職者又は特定求職者であった者(以下「特定求職者等」という。)に対して、報告を求めることができる。
3 機構は、第四条第一項の規定による認定に関する事務に関し必要があると認めるときは、認定職業訓練を行う者等に対し、報告を求めることができる。
(立入検査)
第十六条 厚生労働大臣は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、当該職員に、認定職業訓練を行う者等の事務所に立ち入り、関係者に対して質問させ、又は帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)の検査をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 厚生労働大臣は、機構に、第一項の規定による質問又は立入検査(認定職業訓練が第四条第一項各号に掲げる要件に適合して行われていることを調査するために行うものに限る。)を行わせることができる。
4 機構は、前項の規定により同項に規定する質問又は立入検査をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該質問又は立入検査の結果を厚生労働大臣に通知しなければならない。
5 第二項の規定は、第三項の規定による立入検査について準用する。
6 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
<参照>則第27条・第28条 |
(船員となろうとする者に関する特例)
第十七条 船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六条第一項に規定する船員となろうとする者に関しては、第二条中「公共職業安定所に」とあるのは「地方運輸局(運輸監理部並びに厚生労働大臣が国土交通大臣に協議して指定する運輸支局及び地方運輸局、運輸監理部又は運輸支局の事務所を含む。以下同じ。)に」と、同条、第七条第一項、第十一条及び第十二条中「公共職業安定所長」とあるのは「地方運輸局の長」とする。
<参照>則第29条。法第十七条並びに則第二十九条及び附則第四条の二の規定に基づき厚生労働大臣が国土交通大臣に協議して指定する運輸支局等(平成23年労告第372号) |
(権限の委任)
第十八条 この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
2 前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができる。
<参照>則第25条 |
第六章 罰 則
第二十条 認定職業訓練を行う者等が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第十五条第一項又は第三項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした場合
二 第十六条第一項の規定による質問(同条第三項の規定により機構が行うものを含む。)に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同条第一項の規定による検査(同条第三項の規定により機構が行うものを含む。)を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
<編注>本条は令和4年6月17日法律第68号にて次の様に改正され、刑法等一部改正法(令和4年6月17日法律第67号の施行日<公布の日から記載して3年を超えない範囲内において政令で定める日>から施行されます。
本条中「懲役」を「拘禁刑」に改める。 |
第二十一条 特定求職者等が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第十五条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした場合
二 第十六条第一項の規定による質問(同条第三項の規定により機構が行うものを含む。)に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同条第一項の規定による検査(同条第三項の規定により機構が行うものを含む。)を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
<編注>本条は令和4年6月17日法律第68号にて次の様に改正され、刑法等一部改正法(令和4年6月17日法律第67号の施行日<公布の日から記載して3年を超えない範囲内において政令で定める日>から施行されます。
本条中「懲役」を「拘禁刑」に改める。 |
第二十二条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この条において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第二十条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の罰金刑を科する。
附 則 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十三年十月一日から施行する。ただし、次条及び附則第三条第一項から第四項までの規定、附則第八条中住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)別表第一の七十一の項の次に一項を加える改正規定並びに附則第九条及び第十四条の規定は、公布の日から施行する。
(施行前の準備)
第二条 厚生労働大臣は、この法律の施行前においても、第三条第一項から第三項までの規定の例により、特定求職者に対する職業訓練の実施に関し重要な事項を定めた計画を定めることができる。
2 厚生労働大臣は、前項の計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
3 第一項の規定により定められた計画は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)において第三条第一項及び第二項の規定により定められた職業訓練実施計画とみなす。
第三条 厚生労働大臣は、この法律の施行前においても、職業訓練を行う者の申請に基づき、その者の行う職業訓練が第四条第一項各号に掲げる要件に相当する要件に適合するものであることについて同項の認定に相当する認定(以下この条において「相当認定」という。)をすることができる。
2 厚生労働大臣が相当認定をしたときは、当該相当認定は、施行日までの間に厚生労働省令で定める事由が生じたときを除き、施行日以後は、厚生労働大臣が行った第四条第一項の認定とみなす。
3 厚生労働大臣は、この法律の公布の日から施行日の前日までの間、独立行政法人雇用・能力開発機構に、相当認定に関する事務を行わせることができる。
4 独立行政法人雇用・能力開発機構は、この法律の公布の日から施行日の前日までの間、独立行政法人雇用・能力開発機構法(平成十四年法律第百七十号)第十一条に規定する業務のほか、相当認定に関する業務及びこれに附帯する業務を行う。
5 この法律の施行の際現に独立行政法人雇用・能力開発機構に対してなされている第一項に規定する申請その他の手続は、機構に対してされた第四条第一項に規定する申請その他の手続とみなす。
(検討)
第十三条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案し、特定求職者の就職に関する支援施策の在り方について総合的に検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
2 前項の特定求職者の就職に関する支援施策の在り方についての検討を行うに当たっては、その支援施策に要する費用の負担の在り方について速やかに検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(政令への委任)
第十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
――――――――――
○民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二九法律四五 抄)
(罰則に関する経過措置)
第三百六十一条 施行日前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第三百六十二条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成二九年六月二日法律第四五号)
この法律は、民法改正法の施行の日から施行する。ただし、第百三条の二、第百三条の三、第二百六十七条の二、第二百六十七条の三及び第三百六十二条の規定は、公布の日から施行する。
(施行の日=平成三二年四月一日)
――――――――――
附 則(令和四年三月三一日法律第一二号 抄)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和四年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第二条中職業安定法第三十二条及び第三十二条の十一第一項の改正規定並びに附則第二十八条の規定 公布の日
二 第一条中雇用保険法第十五条第三項ただし書の改正規定、同法第二十条の次に一条を加える改正規定並びに同法第六十四条、第七十二条第一項及び第七十九条の二の改正規定並びに附則第三条の規定、附則第十一条中国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第十条第三項の改正規定並びに附則第十二条及び第二十三条の規定 令和四年七月一日
三 第一条中雇用保険法第十条の四第二項及び第五十八条第一項の改正規定、第二条の規定(第一号に掲げる改正規定並びに職業安定法の目次の改正規定(「第四十八条」を「第四十七条の三」に改める部分に限る。)、同法第五条の二第一項の改正規定及び同法第四章中第四十八条の前に一条を加える改正規定を除く。)並びに第三条の規定(職業能力開発促進法第十条の三第一号の改正規定、同条に一項を加える改正規定、同法第十五条の二第一項の改正規定及び同法第十八条に一項を加える改正規定を除く。)並びに次条並びに附則第五条、第六条及び第十条の規定、附則第十一条中国家公務員退職手当法第十条第十項の改正規定、附則第十四条中青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和四十五年法律第九十八号)第四条第二項及び第十八条の改正規定並びに同法第三十三条の改正規定(「、第十一条中「公共職業安定所」とあるのは「地方運輸局」と、「厚生労働省令」とあるのは「国土交通省令」と、「職業安定法第五条の五第一項」とあるのは「船員職業安定法第十五条第一項」と」を削る部分を除く。)並びに附則第十五条から第二十二条まで、第二十四条、第二十五条及び第二十七条の規定 令和四年十月一日
――――――――――
○刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(令和四法律六八抄)
(経過措置の政令への委任)
第五百九条 この編に定めるもののほか、刑法等一部改正法等の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
――――――――――
附 則(令和四年六月一七日法律第六八号 抄)
(施行期日)
1 この法律は、刑法等一部改正法施行日<公布の日から記載して3年を超えない範囲内において政令で定める日(=令和7年6月1日)>から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第五百九条の規定 公布の日
附 則(令和六年五月一七日法律第二六号 抄)
(施行期日)
第一条 この法律は、令和七年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一~四<略>