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通達:社会復帰促進等事業として行われる事業に係る支給、不支給決定等の処分性について

 

社会復帰促進等事業として行われる事業に係る支給、不支給決定等の処分性について

平成22年12月27日基発1227第1号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号。以下「労災保険法」という。)第29条第1項の規定に基づく社会復帰促進等事業(旧労働福祉事業。以下「社復事業」という。)として行われる事業に係る支給、不支給決定(承認、不承認を含む。)(以下「支給決定等」という。)については、これまで、原則として申込みに対する承諾又は不承諾であり、保険給付と異なり処分性はないものとして取り扱ってきたところである。

しかしながら、最高裁判所において、同事業として実施されている労災就学援護費について、保険給付と同様の手続により支給する仕組みとなっていること等から、その支給決定等は、法を根拠とする優越的地位に基づいて一方的に行う公権力の行使であり、被災労働者や遺族の労災就学援護費の支給請求権に直接影響を及ぼす法的効果を有するものであるので、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当する旨、判示されたところである。

そこで、社復事業のうち、判示された労災就学援護費以外の事業を見直したところ、下記1に掲げるものについては、今後、処分性があるものとし、下記のとおり取り扱うこととするので、遺漏なきを期されたい。

なお、本通達の施行に伴い、「労災就学等援護費に関する審査請求の当面の取扱いについて」(平成15年9月11日付け基労補発第0911001号)は廃止する。

 

1 処分性を認める具体的な支給決定等

処分性を認める支給決定等は次のとおりとすること。

(1) 労災就学援護費の支給又は不支給

(2) 労災就労保育援護費の支給又は不支給

(3) 義肢等補装具費の支給の承認又は不承認

(4) 外科後処置の承認又は不承認

(5) アフターケア健康管理手帳の交付又は不交付

(6) アフターケア通院費の支給又は不支給

(7) 労災はり・きゅう施術の承認又は不承認

2 処分性を認めることによる効果

(1) 上記1の支給決定等は、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第3条に規定する抗告訴訟の対象となること。

したがって、同法第2章の規定の適用があり、不支給決定等を受けた被災労働者等は国に対して取消訴訟を提起することができるほか、出訴期間の制限(同法第14条)等の適用を受けること。

また、同法第46条の適用も受けるので、同条の定めるところにより取消訴訟の提起に関する事項の教示が必要になること。

(2) 上記1の支給決定等は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第2条第1項に規定する「処分」に該当するが、労災保険法第38条に規定する「保険給付に関する決定」には該当しないこと。

したがって、支給決定等を受けた被災労働者等は、行政不服審査法第5条の規定に基づく審査請求をすることができるほか、同法第2章第1節、第2節及び第5節の適用も受けるものであること。

また、同法第57条の規定の適用も受けるので、同条の定めるところにより審査請求ができる旨等の教示が必要になること。

(3) 上記1の支給決定等は、行政手続法(平成5年法律第88号)で定める「申請に対する処分」にも該当するため、審査基準の設定(同法第5条)、標準処理期間の設定(同法第6条)、申請に対する審査、応答(同法第7条)、不支給決定する場合の理由の提示(同法第8条)、審査の進行状況等や申請に必要な情報の提供(同法第9条)など、同法第2章に規定する関係規定の適用を受けることになること。

3 標準処理期間

上記1の支給決定等の標準処理期間は、1か月とすること。

4 関係通達の改正

関係通達を別紙1から6までのとおり改めること。

5 経過措置

この通達に定める取扱いは、本通達発出後に行う支給決定等について適用するものであること。

ただし、本通達発出日以前に、本通達による改正前の「社会復帰促進等事業としてのアフターケア実施要領(平成19年4月23日付け基発第0423002号)」に基づき「健康管理手帳交付報告書」を作成した場合においては、なお従前のとおり事務を行うこととすること。

 

[別紙1]

「労災就学援護費の支給について」(昭和45年10月27日付け基発第774号)の一部を次のように改正する。

1.本文を次のように改める。<編注:略>

2.「労災就学等援護費支給要綱」を次のように改める。<編注:略>

 

[別紙2]

「義肢等補装具支給要綱の制定について」(平成18年6月1日基発第0601001号)の一部を次のように改正する。<編注:略>

 

[別紙3]

「労働福祉事業実施要綱の全面改正について」(昭和56年2月6日付け基発第69号)の一部を次のように改正する。<編注:略>

 

[別紙4]

「社会復帰促進等事業としてのアフターケア実施要領及びアフターケア委託費の点検業務等委託事務処理要領の一部改正について」(平成20年3月19日付け基発第0319008号)の別添「社会復帰促進等事業としてのアフターケア実施要領」の一部を次のように改正する。<編注:改正略。上通達名をクリックして参照>

 

[別紙5]

「アフターケアの通院に要する費用の支給について」(平成9年8月26日付け基発第596号(改正平成12年9月5日付け基発第560号))の別添「アフターケア通院費支給要綱」の一部を次のように改正する。<編注:改正略>

 

[別紙6]

「労災はり・きゅう施術特別援護措置の実施について」(昭和57年6月14日付け基発第410号)の一部を次のように改正する。<編注:改正略>

 

参考:改正後実施要領

(平成19年4月23日付け基発第0423002号)

最終改正 平成22年12月27日付け基発1227第1号