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通達:「新規化学物質の有害性の調査の具体的な方法等に関するQ&A」について

 

「新規化学物質の有害性の調査の具体的な方法等に関するQ&A」について

令和2年4月6日基安化発0406第5号

(都道府県労働局労働基準部健康主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知)

 

労働安全衛生法第57条の4第1項の規定に基づく有害性の調査(以下「有害性調査」という。)については、その満たすべき基準が「労働安全衛生法第57条の4第1項の規定に基づき厚生労働大臣の定める基準」(昭和63年労働省告示第77号。以下「厚生労働大臣の定める基準」という。)により規定されている。また、有害性調査において実施する試験に関しては、「微生物を用いる変異原性試験の具体的手法及び試験結果の評価方法について」(平成11年2月8日付け労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長事務連絡)をはじめとする関連通知により具体的手法を示してきたほか、関係者の利便性向上の観点から、従前は個別に回答していた照会事案のうち主なものをQ&Aの形にまとめ、「新規化学物質の有害性の調査の具体的な方法等に関するQ&Aについて」(平成26年3月17日付け基安化発0317第1号。以下「旧Q&A通知」という。)として示してきたところである。

今般、有害性調査に関して、「労働安全衛生法第57条の4第1項の規定に基づき厚生労働大臣の定める基準の一部を改正する件」(令和2年厚生労働省告示第172号)により厚生労働大臣の定める基準が改定されるなど、下記1に掲げる一連の改正が行われることとなったことを踏まえ、有害性調査に係るQ&Aを下記2のとおり改定することとしたので了知されたい。

なお、本通知をもって旧Q&A通知を廃止する。

 

1 有害性調査に係る一連の改正

(1) 微生物を用いる変異原性試験の具体的手法等

ア 「化学物質のリスク評価検討会」の中の「遺伝毒性評価ワーキンググループ」における議論の結果を踏まえ、「労働安全衛生法第57条の4第1項の規定に基づき厚生労働大臣の定める基準の一部を改正する件」(令和2年厚生労働省告示第172号)により厚生労働大臣の定める基準が改定され、用量設定試験において使用するプレート数に係る要件が緩和された。

※「労働安全衛生法第57条の4第1項の規定に基づき厚生労働大臣の定める基準の一部を改正する件の適用について」(令和2年4月6日付け基発0406第1号)を参照。

イ 「微生物を用いる変異原性試験の具体的手法及び試験結果の評価方法について」(令和2年4月6日付け基安化発0406第1号)により、「遺伝毒性評価ワーキンググループ」における上記ア以外の議論の結果も反映させる改定を行った。

(2) バイオテクノロジー応用医薬品に係る取扱いの見直し

「化学物質のリスク評価検討会」の中の「発がん性評価ワーキンググループ」における議論の結果をまえ、「バイオテクノロジー応用医薬品に係る有害性調査について」(令和2年4月6日付け基安化発0406第3号)によりバイオテクノロジー応用医薬品に係る取扱いの見直しを行った。

2 Q&Aの改正

上記1の一連の改正を踏まえ、新規化学物質の有害性の調査の具体的な方法等に関するQ&Aを別紙のとおり定める。

なお、旧Q&A通知の別添1のうちQ1からQ3まで及びQ6は、それぞれ別紙のQ1からQ3まで及びQ4に対応している。このうちQ1、Q2及びQ4(旧Q6)については内容の変更はない(※Q4(旧Q6)については「薬事法」の法律名の変更のみ反映。)。また、Q3については、上記1(1)イのうち試験に用いる溶媒の優先順位の考え方の見直しを反映しているが、その他の内容に変更はない。

 

別紙

新規化学物質の有害性の調査の具体的な方法等に関するQ&A

目次

Q1 新規化学物質が空気中で発火する場合や、水との接触により発火する場合(水との接触により可燃性ガスを生じる場合を含む。)について、変異原性試験の具体的な方法及び届出時の提出書類を教えてください。

Q2 新規化学物質が常温常圧で容易に他の物質に変化(分解、重合等)する場合について、変異原性試験の具体的な方法及び届出時の提出書類を教えてください。

Q3 新規化学物質が常温常圧で様々な試験溶媒と容易に反応し、他の物質に変化する場合について、変異原性試験の具体的な方法及び届出時の提出書類を教えてください。

Q4 医薬品、食品添加物、農薬等については、医薬品医療機器等法など他の法令に基づいて安全性の審査が行われていますが、労働安全衛生法の新規化学物質の審査の際、これらの審査結果も考慮するのでしょうか。

Q5 「被験物質が気体又は試験管若しくはプレートからの散出のおそれのある揮発性の液体であって、プレート法又はプレインキュベーション法による試験が困難である場合」の具体的な試験手法にはどのようなものがあるか教えてください。

 

Q1 新規化学物質が空気中で発火する場合や、水との接触により発火する場合(水との接触により可燃性ガスを生じる場合を含む。)について、変異原性試験の具体的な方法及び届出時の提出書類を教えてください。

A1 試験方法と提出書類に分けて回答します。

1 具体的な試験方法について

次の(1)の試験を実施して「自然発火性物質」又は「禁水性物質」と判断された場合に、(2)の試験を実施してください。

(1) 新規化学物質の発火性に関する試験

次のア又はイのいずれかの方法により実施すること。

なお、ア及びイの試験は、変異原性試験の前に新規化学物質の物性を調べる予備的な試験であることから、GLP対応で実施する必要はありません。

ア 空気中での発火性については、「危険物の規制に関する政令」(昭和34年政令第306号。以下「危険物政令」という。抜粋を【参考】に示す。)第1条の5第1項の「自然発火性試験」を同条第2項の規定に基づき実施するとともに、発火によって生じる化学物質の組成を明らかにすること。

なお、同条第3項に規定する性質を有する場合に、「自然発火性物質」に該当すると判断されます。

イ 水との接触による発火性については、危険物政令第1条の5第4項の「水との反応性試験」を同条第5項の規定に基づき実施するとともに、発火によって生じる化学物質又は水との接触により発生する可燃性ガスの組成を明らかにすること。

なお、同条第6項に規定する性質を有する場合に、「禁水性物質」に該当すると判断されます。

(2) 新規化学物質の発火等によって生じる化学物質の変異原性試験

厚生労働大臣の定める基準に従って実施すること。

なお、発火等によって生じる化学物質が複数の化学物質の混合物として得られる場合には、成分ごとに分離して試験を行っても、混合状態のまま試験を行っても差し支えありません。

2 届出時に「有害性の調査の結果を示す書面」として提出すべき書類について

上記1の(1)及び(2)により試験を実施した場合、下記の(1)の書面に加えて、(2)及び(3)の書面を参考資料として提出してください。

(1) 新規化学物質の発火等によって生じる化学物質の変異原性試験の結果報告書

ただし、発火等によって生じる化学物質について、厚生労働大臣が定める基準に従って有害性の調査が行われ、その内容が文献等としてまとめられている場合には、当該文献等の写しに代えることができます。

(2) 新規化学物質の発火性に関する試験(新規化学物質の発火等によって生じる化学物質の組成を確認する試験を含む。)の結果報告書

なお、これに記載すべき事項は次のとおりです。

①標題

②試験施設等の名称及び所在地

③試験の責任者の職名及び氏名

④試験の開始日及び終了日

⑤被験物質の名称、純度、組成及び物理化学的性質

⑥試験の方法(観察、測定、検査及び分析の方法を含む。)

⑦試験の結果及び考察

(3) 新規化学物質の発火又は新規化学物質と水との接触による可燃性ガス発生に関する化学反応式を示した書面

【参考】危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)(抜粋)

第一条の五 法別表第一備考第八号の空気中での発火の危険性を判断するための政令で定める試験は、自然発火性試験とする。

2 前項の自然発火性試験とは、固体の試験物品にあつてはろ紙の上で発火するか否かを観察する試験(粉末の試験物品を落下させ、発火するか否かを観察する試験を含む。)をいい、液体の試験物品にあつては磁器の中で発火するか否かを観察する試験(試験物品がろ紙の上で発火するか否か、又はろ紙を焦がすか否かを観察する試験を含む。)をいう。

3 法別表第一備考第八号の空気中での発火の危険性に係る政令で定める性状は、前項の自然発火性試験において試験物品が発火すること又はろ紙を焦がすこととする。

4 法別表第一備考第八号の水と接触して発火し、又は可燃性ガスを発生する危険性を判断するための政令で定める試験は、水との反応性試験とする。

5 前項の水との反応性試験とは、純水に浮かべたろ紙の上で試験物品が純水と反応し発生するガスが発火するか否か、若しくは発生するガスに火炎を近づけた場合に着火するか否かを観察し、又は試験物品に純水を加え、発生するガスの量を測定するとともに発生するガスの成分を分析する試験をいう。

6 法別表第一備考第八号の水と接触して発火し、又は可燃性ガスを発生する危険性に係る政令で定める性状は、前項の水との反応性試験において発生するガスが発火し、若しくは着火すること又は発生するガスの量が試験物品一キログラムにつき一時間当たり二百リットル以上であり、かつ、発生するガスが可燃性の成分を含有することとする。

 

Q2 新規化学物質が常温常圧で容易に他の物質に変化(分解、重合等)する場合について、変異原性試験の具体的な方法及び届出時の提出書類を教えてください。

A2 試験方法と提出書類に分けて回答します。

1 具体的な試験方法について

次の(1)の試験を実施して「常温常圧で容易に他の物質に変化する場合」に該当する場合、(2)の試験を実施してください。

ただし、新規化学物質が常温常圧で容易に他の物質に変化する場合であっても、窒素雰囲気下では安定であることがわかっている場合には、被験物質の保存、秤量及び被験物質溶液の調製を窒素雰囲気下で行った上で、厚生労働大臣の定める基準に基づいて変異原性試験を実施してください。

また、新規化学物質が常温常圧で容易に他の物質に変化する場合であっても、特定の溶媒(変異原性試験に使用可能なものが望ましい。)の中では安定であることがわかっている場合には、最初に当該溶媒を用いて適当な濃度の溶液を調製してこれを試料とし、厚生労働大臣の定める基準に基づいて変異原性試験を実施してください。なお、この場合には、試料中の新規化学物質の濃度を基に純度換算をした上で、被験物質溶液を調製する必要があります。

(1) 新規化学物質の常温常圧下の変化に関する試験

当該物質を常温常圧下に置いた際及びその後1時間経過後の性状を、目視又は機器分析により確認することにより実施すること。また、1時間経過後の新規化学物質の純度を確認すること。

この試験により、1時間経過後において、新規化学物質の純度が当初の80%未満になっている場合に「常温常圧で容易に他の物質に変化する場合」に該当すると判断されます。

なお、この試験は、変異原性試験の前に新規化学物質の物性を調べる予備的な試験であることから、GLP対応で実施する必要はありません。

(2) 新規化学物質の常温常圧下の変化によって生じる化学物質等について行う変異原性試験

(1)の試験結果に応じて次のとおり試験対象物質を決定し、厚生労働大臣の定める基準に従って実施すること。

ア 1時間経過後の新規化学物質の純度が50%以上80%未満の場合

1時間経過後のもの(新規化学物質とその変化後の物質の混合物)を試料とする。

イ 1時間経過後の新規化学物質の純度が50%未満の場合

十分に時間を経過したもの(新規化学物質の変化後の物質)を試料とする。

なお、ア、イのいずれにおいても、変化によって生じる化学物質が複数の化学物質の混合物として得られる場合には、成分ごとに分離して行う試験、混合状態のまま行う試験のいずれでも差し支えありません。

2 届出時に「有害性の調査の結果を示す書面」として提出すべき書類について

上記1の(1)及び(2)により試験を実施した場合、下記の(1)の書面に加えて、(2)及び(3)の書面を参考資料として提出してください。

(1) 新規化学物質の常温常圧下の変化によって生じる化学物質等について行う変異原性試験の結果報告書

ただし、常温常圧下の変化によって生じる化学物質について、厚生労働大臣が定める基準に従って有害性の調査が行われ、その内容が文献等としてまとめられている場合には、当該文献等の写しに代えることができます。

(2) 新規化学物質の常温常圧下の変化に関する試験(1時間経過後の新規化学物質の純度を確認する試験を含む。)の結果報告書

なお、これに記載すべき事項は次のとおりです。

①標題

②試験施設等の名称及び所在地

③試験の責任者の職名及び氏名

④試験の開始日及び終了日

⑤被験物質の名称、純度、組成及び物理化学的性質

⑥試験の方法(観察、測定、検査及び分析の方法を含む。)

⑦試験の結果及び考察

(3) 新規化学物質の常温常圧下の変化に関する化学反応式を示した書面

 

Q3 新規化学物質が常温常圧で様々な試験溶媒と容易に反応し、他の物質に変化する場合について、変異原性試験の具体的な方法及び届出時の提出書類を教えてください。

A3 試験方法と提出書類に分けて回答します。

1 具体的な試験方法について

次の(1)の試験を実施して「常温常圧で試験溶媒のいずれとも容易に反応し、他の物質に変化する場合」に該当する場合、(2)の試験を実施してください。

ただし、新規化学物質が、(1)に掲げる13種類の溶媒以外の溶媒(変異原性試験に使用可能なものに限る。)中で安定に存在することがわかっている場合には、新規化学物質について当該溶媒を用いて厚生労働大臣の定める基準に従って試験を実施してください。この場合、当該溶媒が試験菌株及びS9に影響を与えないことを、文献又はデータにより示す必要があります。

(1) 新規化学物質の試験溶媒との反応性に関する試験

常温常圧下で、次に掲げる13種類の溶媒に溶解させ(その際の濃度は、試験に使用する最高濃度(例:水、ジメチルスルホキシドの場合には50mg/ml、アセトンの場合には100mg/ml。)とする。)、溶解させた際及び1時間経過後の溶液の性状を、目視又は機器分析により確認することにより実施すること。また、1時間経過後の溶液中の新規化学物質の濃度を確認すること。

また、13種類のいずれの試験溶媒に対しても、1時間経過後において、溶液中の新規化学物質の濃度が、溶解させた際の80%未満になっている場合に、「常温常圧で試験溶媒のいずれとも容易に反応し、他の物質に変化する場合」に該当すると判断されます。

なお、この試験は、変異原性試験の前に新規化学物質の物性を調べる予備的な試験であることから、GLP対応で実施する必要はありません。

①水

②ジメチルスルホキシド(別名:DMSO)

③アセトン

④1,3―ジオキサン―5―オール(別名:グリセロールホルマール)

⑤ジメチルホルムアミド

⑥ホルムアミド

⑦アセトニトリル

⑧エタノール

⑨エチレングリコールジメチルエーテル

⑩1―メチル―2―ピロリドン

⑪1,4―ジオキサン

⑫テトラヒドロフルフリルアルコール

⑬テトラヒドロフラン

(2) 新規化学物質が水と反応して生じる化学物質について行う変異原性試験

水と反応して生じる化学物質について水への溶解性を確認した上で、「微生物を用いる変異原性試験の具体的手法及び試験結果の評価方法」(令和2年4月6日付け基安化発0406第1号の別添)の「Ⅰ 試験の手法」のうち1(3)被験物質で示した優先順位に即して適切な溶媒を選択し、厚生労働大臣の定める基準に従って試験を実施すること。

なお、水と反応して生じる化学物質が複数の化学物質の混合物として得られる場合には、成分ごとに分離して試験を行っても、混合状態のまま試験を行っても差し支えありません。

2 届出時に「有害性の調査の結果を示す書面」として提出すべき書類について

上記1の(1)及び(2)により試験を実施した場合、下記の(1)の書面に加えて、(2)及び(3)の書面を参考資料として提出してください。

(1) 新規化学物質が水と反応して生じる化学物質について行う変異原性試験の結果報告書

ただし、水と反応して生じる化学物質について、厚生労働大臣が定める基準に従って有害性の調査が行われ、その内容が文献等としてまとめられている場合には、当該文献等の写しに代えることができます。

(2) 新規化学物質について行う試験溶媒との反応性に関する試験(1時間経過後の溶液中の新規化学物質の濃度を確認する試験を含む。)の結果報告書

なお、これに記載すべき事項は次のとおりです。

①標題

②試験施設等の名称及び所在地

③試験の責任者の職名及び氏名

③試験の開始日及び終了日

④被験物質の名称、純度、組成及び物理化学的性質

⑤試験の方法(観察、測定、検査及び分析の方法を含む。)

⑥試験の結果及び考察

(3) 新規化学物質と水との反応に関する化学反応式を示した書面

 

Q4 医薬品、食品添加物、農薬等については、医薬品医療機器等法など他の法令に基づいて安全性の審査が行われていますが、労働安全衛生法の新規化学物質の審査の際、これらの審査結果も考慮するのでしょうか。

A4 他法令に基づく安全性審査の結果については、届出事業者から提出があれば、それを参考にして労働安全衛生法の新規化学物質の審査を行います。特に、変異原性試験の結果が強い陽性である場合や、がん原性試験の結果が陽性である場合であって、他法令に基づく安全性審査が既に行われている場合には、安衛法の新規化学物質の届出の際、その報告書の写しを参考資料としてできるだけ提出してください。

 

Q5 「被験物質が気体又は試験管若しくはプレートからの散出のおそれのある揮発性の液体であって、プレート法又はプレインキュベーション法による試験が困難である場合」の具体的な試験手法にはどのようなものがあるか教えてください。

A5 被験物質が気体又は試験管若しくはプレートからの散出のおそれのある揮発性の液体であって、プレート法又はプレインキュベーション法による試験が困難である場合、ガスばく露法を採用することが考えられます。

ガスばく露法については、「微生物を用いる変異原性試験の具体的手法及び試験結果の評価方法」を基本としつつ、以下の各点を反映するようにしてください。

Ⅰ 試験の手法

1 試験に用いる器具、試薬等

被験物質は、その性状に応じて下記のとおり調製したものを用いる。

① 被験物質が気体又は揮発性で、空気中で安定である場合

…空気を用いて被験物質を希釈又は空気中で気化

② 被験物質が気体又は揮発性で、空気中の酸素と反応し不安定な場合

…窒素、ヘリウム等の不活性な気体を用いて被験物質希釈又はこれらの不活性な気体中で気化

2 試験の流れ

試験における標準最高用量は、ガスばく露法の場合は50%(体積%)又は調整可能な最大濃度とする。

3 具体的な試験の方法

試験は、以下の流れにより実施する。

【代謝活性化系を用いない場合】

滅菌された試験管に0.1Mナトリウム―リン酸緩衝液(pH7.4)を0.5ml添加し、続いて前培養液を0.1ml加えてよく混合する。

【代謝活性化系を用いる場合】

滅菌された試験管にS9mixを0.5ml添加し、続いて前培養液を0.1ml加えてよく混合する。

② ①にトップアガーを2ml加えてよく混合する。

③ ②をプレートの上に注ぎ一様に広げる。

④ ③のプレートの蓋を外し、上下転倒させてプレートホルダーに固定し、適当な容器に用量別に入れる。

⑤ ④の容器を密封した後、プレート当たり500mlの濃度に調整した被験物質ガスを充填し、ばく露させる。

⑥ ⑤の容器を恒温培養器に入れ、37℃で24時間(窒素、ヘリウム等を希釈気体として使用した場合には、2~12時間程度)ばく露させる。

⑦ ⑥の容器についてばく露気体を空気で置換した後、プレートホルダーを取り出し、蓋をした後、用量別にビニル袋に上下を転倒して収容し、37℃で24時間以上培養する。

⑧ 全てのプレートについてテスト菌株の生育阻害の有無を実体顕微鏡を用いて調べる。

⑨ 復帰突然変異により生じたコロニー数を数える。

4 報告書

(1) 最終報告書

最終報告書における記載項目のうち溶媒に係るものについては、希釈用ガスに置き換えて記載する。

Ⅱ 結果の評価

被験物質の変異原性の強さについては、陽性を示す最小用量(体積%)により相対的比較を行う。