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労働安全衛生法等の一部を改正する法律(労働安全衛生法関係)等の施行について
平成18年2月24日基発第0224003号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働安全衛生法等の一部を改正する法律(平成17年法律第108号。以下「改正法」という。)については、平成17年11月2日に公布され、その主たる内容については、同日付け基発第1102002号をもって通達したところである。また、平成18年1月5日に労働安全衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令(平成18年政令第2号。以下「整備政令」という。)及び労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(平成18年厚生労働省令第1号。以下「改正省令」という。)が、同年2月16日に労働安全衛生規則第五条第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める研修(平成18年厚生労働省告示第24号)ほか36件の関係告示(以下「関係告示」という。)が、それぞれ公布されたところである。
改正法による改正後の労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)、整備政令による改正後の労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「令」という。)及び労働安全衛生法関係手数料令(昭和47年政令第345号)並びに改正省令による改正後の労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)及び関係省令の内容等は、下記のとおりであり、一部を除き平成18年4月1日から施行されることとなる。
今般の改正は、労働災害の要因となる建設物、設備、作業等の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく必要な措置の実施を努力義務とする等、事業者の自主的な安全衛生水準の向上に向けた取組を促進するほか、一定時間を超える長時間労働を行った労働者に対する医師による面接指導の導入等により過重労働・メンタルヘルス対策の充実を図るなど、安全及び衛生の両面について多岐にわたる改正を行うものとなっているので、改正の趣旨を十分に理解するとともに、これらの施行に遺漏のないようにされたい。
おって、関係告示の内容等に関し必要な事項については、別に示すこととしているので、了知されたい。
記
目次
Ⅰ 労働安全衛生法関係
1 危険性又は有害性等の調査等
2 製造業等の元方事業者等の講ずべき措置
3 化学物質を製造し、又は取り扱う設備の改造等の仕事の注文者の講ずべき措置
4 化学物質等に係る表示及び文書交付制度の改善
5 健康診断実施後の措置等
6 特殊健康診断の結果の通知
7 面接指導等
8 計画の届出の免除
9 健康診断等に関する秘密の保持
10 教習及び技能講習制度の見直し
11 その他
Ⅱ 労働安全衛生法施行令関係
Ⅲ 労働安全衛生法関係手数料令関係
Ⅳ 労働安全衛生規則関係
第1 改正の要点
1 安全衛生管理体制等
2 自主的活動の促進のための指針
3 危険性又は有害性等の調査等
4 化学物質等に係る表示及び文書交付制度
5 面接指導等
6 計画の届出が免除される事業者の認定
7 有害物ばく露作業報告
8 元方事業者による連絡調整等
9 化学設備の改造等の仕事の発注者による請負人への情報提供
10 免許等の見直し
第2 細部事項
1 総括安全衛生管理者が統括管理する業務
2 安全管理者の資格
3 産業医の職務
4 安全委員会、衛生委員会等
5 作業主任者を選任すべき作業
6 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針
7 危険性又は有害性等の調査等
8 化学物質等に係る表示及び文書交付制度の改善
9 職長等の教育
10 就業制限についての資格
11 健康診断の結果の通知
12 面接指導
13 法第66条の9の必要な措置
14 クレーン運転士免許とデリック運転士免許の統合
15 技能講習の統合等
16 計画の届出
17 計画の届出が免除される事業者の認定
18 法第88条第4項の仕事の範囲
19 有害物ばく露作業報告
20 化学設備の定義の変更に伴う整備
21 地山の掘削作業主任者及び土止め支保工作業主任者の選任
22 製造業等の元方事業者等の講ずべき措置
23 化学物質等を製造し、又は取り扱う設備の改造等の仕事の注文者の講ずべき措置
24 その他
Ⅴ その他の省令関係
第1章 じん肺法施行規則関係
第2章 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則関係
第3章 ボイラー及び圧力容器安全規則関係
第4章 クレーン等安全規則関係
第5章 ゴンドラ安全規則関係
第6章 有機溶剤中毒予防規則関係
第7章 鉛中毒予防規則関係
第8章 四アルキル鉛中毒予防規則関係
第9章 特定化学物質障害予防規則関係
第10章 高気圧作業安全衛生規則関係
第11章 電離放射線障害防止規則関係
第12章 登録製造時等検査機関等に関する規則関係
第13章 労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント規則関係
第14章 石綿障害予防規則関係
Ⅵ 労働者派遣法、労働者派遣法施行令及び労働者派遣法施行規則関係
Ⅶ その他
Ⅷ 関係通達の一部改正
Ⅰ 労働安全衛生法関係
1 危険性又は有害性等の調査等(第28条の2関係)
(1) 危険性又は有害性等の調査等の実施
近年、生産工程の多様化、複雑化が進展するとともに、新たな機械設備・化学物質が導入されており、事業場内の危険・有害要因が多様化し、その把握が困難になっている状況にかんがみ、事業者は、建設物、設備、作業等の危険性又は有害性等を調査し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるように努めなければならないこととしたものであること。
(2) 指針の公表
(1)の措置の適切かつ有効な実施のため、厚生労働大臣が指針を公表することとしたものであること。
(3) その他
今回の改正に併せて、改正法による改正前の労働安全衛生法(以下「旧法」という。)第58条は削除したこと。
2 製造業等の元方事業者等の講ずべき措置(第30条の2関係)
(1) 第1項の「一の場所」の範囲
「一の場所」の範囲については、昭和47年9月18日付け基発第602号Ⅰの7の(2)と同様であること。
なお、これを化学工業関係、鉄鋼業関係、自動車製造業関係について例示すれば、次のように考えられること。
ア 化学工業関係
/製造施設作業場の全域/用役(ユーティリティ)施設作業場の全域/入出荷施設作業場の全域/}又は化学工業事業場の全域
イ 鉄鋼業関係
/製鋼作業場の全域/熱延作業場の全域/冷延作業場の全域/}又は製鉄所の全域
ウ 自動車製造業関係
/プレス・溶接作業場の全域/塗装作業場の全域/組立作業場の全域/}又は自動車製造事業場の全域
(2) 第1項の「その他政令で定める業種」は、定められていないこと。
(3) 第1項の「作業間の連絡及び調整」とは、混在作業による労働災害を防止するために、次に掲げる一連の事項の実施等により行うものであること。
① 各関係請負人が行う作業についての段取りの把握
② 混在作業による労働災害を防止するための段取りの調整
③ ②の調整を行った後における当該段取りの各関係請負人への指示
(4) 第2項及び第4項の規定は、第30条第2項及び第4項と同様、いわゆる分割発注等の場合にみられるように、同一の場所において相関連して行われる一の仕事が二以上の請負人に分割して発注され、かつ、発注者自身は当該仕事を自ら行わない場合について規定したものであること。
(5) 第3項の規定により労働基準監督署長が指名を行う場合は、昭和47年9月18日付け基発第602号の別紙様式第2号と同様の様式により行うこと。この場合において指名の対象となる事業者は原則として安衛則第643条の7において準用する第643条第1項各号のいずれかに該当する者のうちから選定すること。
3 化学物質等を製造し、又は取り扱う設備の改造等の仕事の注文者の講ずべき措置(第31条の2関係)
近年、業務の外注化が進展する中、爆発等のおそれがある危険有害な化学物質の製造設備などの改造、修理、清掃等の作業の外注が頻繁に行われ、これらの作業を行う外部の建設業者等が、当該設備の中の化学物質の危険性・有害性や、取扱上の注意事項等の情報を十分に知らないまま作業を行っていたこと等による労働災害が発生している。
このため、一定の危険有害な化学物質を製造し、又は取り扱う設備の改造等の作業を注文する者に対して、当該作業において注意すべき事項等の情報を請負人に提供する義務を課すとともに、注文者から情報提供を受けた請負人は、その関係する情報を下請負人に通知する義務を課すこととしたこと。
4 化学物質等に係る表示及び文書交付制度の改善(第57条及び第57条の2関係)
化学物質を取り扱う作業において、その物質の危険性や有害性を知らずに行っていたことによる爆発、火災、中毒等の災害が発生しており、事業者による適正な化学物質の管理を促進することが必要である。
国際的には、平成15年に、人の健康確保の強化等を目的に、化学物質の危険有害性を、引火性、発がん性等の約30項目に分類した上で、危険有害性の程度等に応じてどくろ、炎等の標章を付すこと、取扱上の注意事項等を記載した文書(化学物質等安全データシート(MSDS))を作成・交付すること等を内容とする「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)」が、国際連合から勧告として公表されたところである。
これらを踏まえ、法に基づく容器等への表示・MSDSの交付について、現在対象としている有害性のみならず、危険性をも対象とするとともに、その表示内容等についても標章を導入するなど、前記勧告と整合するよう改正を行ったものであること。
なお、第57条各号及び第57条の2各号関係については、別途示すところによること。
5 健康診断実施後の措置等(第66条の5関係)
長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策やメンタルヘルス対策等の労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進を図るための対策については、衛生委員会等(衛生委員会及び安全衛生委員会をいう。以下同じ。)において必要に応じて労働者の健康の状況を掌握し、これを踏まえて調査審議することが有効と考えられることから、健康診断実施後の措置の例として、医師等の意見の衛生委員会等への報告を追加したこと。
また、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成4年法律第90号)第7条の労働時間等設定改善委員会は、労働時間等の設定の改善を図るための措置その他労働時間等の設定の改善に関する事項を調査審議し、事業主に対し意見を述べることを目的とする委員会であり、同委員会に対して健康診断結果に基づく医師の意見を報告することは、労働者の健康に配慮した労働時間等の設定の改善に有効と考えられることから、健康診断実施後の措置の例として、医師等の意見の労働時間等設定改善委員会への報告を追加したこと。
なお、衛生委員会等又は労働時間等設定改善委員会への医師等の意見の報告に当たっては、医師等からの意見は個人が特定できないように集約・加工するなど労働者のプライバシーに適正な配慮を行うことが必要であること。
6 特殊健康診断の結果の通知(第66条の6関係)
(1) 従来から健康診断結果の通知が義務付けられている定期健康診断等に加えて、特殊健康診断等についてもその結果の通知を義務づけたこと。
(2) 通知は、総合判定結果だけではなく、各健康診断の項目ごとの結果も通知する必要があること。
(3) 通知の方法としては、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から報告された個人用の結果報告書を各労働者に配布する方法、健康診断個人票のうち必要な部分の写しを各労働者に示す方法等があること。
(4) 今回の改正により新たに通知の対象となる健康診断は、法の施行の日(以下「施行日」という。)以降に行われたものであること。
(5) 通知した旨の事実は、記録しておくことが望ましいこと。
7 面接指導等(第66条の8、第66条の9等関係)
(1) 面接指導(第66条の8関係)
ア 第1項関係
(ア) 脳血管疾患及び虚血性心疾患等(以下「脳・心臓疾患」という。)の発症が長時間労働との関連性が強いとする医学的知見を踏まえ、これら疾病の発症を予防するため、医師による面接指導を実施すべきこととしたものであること。また、労災認定された自殺事案をみると長時間労働であった者が多いことから、面接指導の実施の際には、うつ病等のストレスが関係する精神疾患等の発症を予防するためにメンタルヘルス面にも配慮すること。
(イ) 面接指導を実施する医師としては、産業医、産業医の要件を備えた医師等労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師が望ましいこと。
(ウ) 面接指導の費用については、法で事業者に面接指導の実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものであること。
(エ) 面接指導を受けるのに要した時間に係る賃金の支払いについては、当然には事業者の負担すべきものではなく、労使協議して定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可欠な条件であることを考えると、面接指導を受けるのに要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいこと。
(オ) 派遣労働者に対する面接指導については、派遣元事業主に実施義務が課せられるものであること。なお、派遣労働者の労働時間については、実際の派遣就業した日ごとの始業し、及び終業した時刻並びに休憩した時間について、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)第42条第3項に基づき派遣先が派遣元事業主に通知することとなっており、面接指導が適正に行われるためには派遣先及び派遣元の連携が不可欠であること。
イ 第4項関係
(ア) 医師の意見聴取については、面接指導を実施した医師から、面接指導の結果報告に併せて意見を聴取することが適当であること。なお、地域産業保健センターの医師により面接指導を実施した場合は、事業者は当該医師から意見を聴取すること。
(イ) 面接指導を実施した医師が、当該面接指導を受けた労働者の所属する事業場で選任されている産業医でない場合には、面接指導を実施した医師からの意見聴取と併せて、当該事業場で選任されている産業医の意見を聴取することも考えられること。
ウ 第5項関係
(ア) 面接指導実施後の措置の例として、医師の意見の衛生委員会等又は労働時間等設定改善委員会への報告を規定した趣旨は、Ⅰの5と同様であること。
また、衛生委員会等又は労働時間等設定改善委員会への医師の意見の報告に当たっては、医師からの意見は個人が特定できないように集約・加工するなど労働者のプライバシーに適正な配慮を行うことが必要であること。
(イ) 特にメンタルヘルス不調に関し、面接指導を受けた結果として、事業者が労働者に対して不利益な取扱いをすることがあってはならないこと。
(ウ) 事業者は、面接指導により労働者のメンタルヘルス不調を把握した場合は、必要に応じ精神科医等と連携を図りつつ対応することが適当であること。
(2) 必要な措置(第66条の9関係)
面接指導の対象となる労働者以外の労働者であっても、脳・心臓疾患の発症の予防的な意味を含め、健康への配慮が必要なものに対して、第66条の8第1項から第5項までの措置に準じた必要な措置を講ずるよう事業者に努力義務を課すものであること。
(3) 小規模事業場における面接指導等(改正法附則第2条関係)
常時50人以上の労働者を使用する事業場以外の事業場については、平成20年3月31日までの間は、法第66条の8及び法第66条の9の適用はないこと。
しかしながら、平成20年3月31日までの間、これらの事業場についても、長時間労働による健康障害を防止するため、地域産業保健センターを活用すること等により面接指導等を実施するとともに、その結果に基づく措置を講ずることが適当であること。
8 計画の届出の免除(第88条関係)
第28条の2第1項に規定する措置その他の厚生労働省令で定める措置を講じているものとして、労働基準監督署長が認定した事業者については、労働基準監督署における計画届の事前審査を代替することができるため、第88条第1項及び第2項に基づく計画の届出(以下「計画の届出」という。)の義務が免除されることとしたものであること。
9 健康診断等に関する秘密の保持(第104条関係)
(1) 面接指導制度が新たに設けられたことから、面接指導の実施に従事した者の秘密保持義務を定めたものであること。
(2) 面接指導に関する実務を行うに当たっては、労働者の健康情報は、平成16年10月29日付け基発第1029009号「雇用管理に関する個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項について」(以下「健康情報留意事項通達」という。)に基づき、特に適正な取扱いが確保されるべきものであることに留意すること。
10 教習及び技能講習制度の見直し(別表第17から第22まで、改正法附則第3条関係)
(1) デリック運転実技教習は廃止されたこと。
(2) 地山の掘削作業主任者技能講習と土止め支保工作業主任者技能講習については、作業の関連性が高いことから、これらを統合し、地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習が新設されたこと。
なお、別表第20の技能講習における科目ごとの講師の条件の欄の「同等以上の知識経験を有する者」については、平成16年3月19日付け基発第0319009号「公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律の施行並びにこれに伴う関係政令、省令及び告示の改正等について」別添6において示しているが、当該通達についてもⅧのとおり改正を行ったこと。
(3) 石綿作業主任者については、特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者から選任することとされていたところであるが、今後の石綿による健康障害予防対策は、建築物の解体等の作業が中心となることから、技能講習について石綿に係る講習を新たに設けることとしたものであること。
一方、特定化学物質等作業主任者技能講習と四アルキル鉛等作業主任者技能講習については、講習内容が類似する部分が多いことから、これらを統合することとしたものであること。
なお、別表第20の技能講習における科目ごとの講師の条件の欄の「同等以上の知識経験を有する者」については、平成16年3月19日付け基発第0319009号「公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律の施行並びにこれに伴う関係政令、省令及び告示の改正等について」別添6において示しているが、当該通達についてもⅧのとおり改正を行ったこと。
(4) 施行日において現に旧法に基づく教習又は技能講習を受講しており、かつ、修了していない者に係る教習又は技能講習については、なお従前の例によるものであること。
11 その他
改正法により第30条の2及び第31条の2が新設されたことに伴い、現行の第30条の2が第30条の3に、第31条の2が第31条の3に、第31条の3が第31条の4に、それぞれ条ずれしていること。
Ⅱ 労働安全衛生法施行令関係
第1 改正の要点
1 ボイラーの据付けの作業について、作業主任者の選任を要しないものとしたこと。(第6条)
2 化学物質、化学物質を含有する製剤その他のものを製造し、又は取り扱う設備で、改造等の作業に係る仕事の注文者が労働災害を防止するために必要な措置を講じなければならないものとして、化学設備及びその附属設備並びに特定化学設備及びその附属設備を定めたこと。(第9条の3)
3 その他所要の整備を行ったこと。
第2 細部事項
1 作業主任者を選任すべき作業(第6条関係)
ボイラーの据付けの作業については、製造工場においてボイラー本体の組立て、耐火材、附属品の取付け等が行われる場合が増加し、据付けの現場における作業が大幅に簡素化され、作業に伴う危険性も減少しており、近年、当該作業における労働災害はほとんど発生していない状況にあることから、作業主任者の選任を要しないものとしたこと。
2 化学物質等を製造し、又は取り扱う設備で政令で定めるもの(第9条の3、第15条関係)
(1) 第9条の3関係
ア 化学設備及び特定化学設備は、爆発火災を引き起こす物質及び大量漏えいにより急性障害を引き起こす物質を製造し、又は取り扱っていることから、対象設備として規定したものであること。
イ 第1号の「化学設備」とは、法第31条の2の政令で定める設備として、整備政令による改正前の労働安全衛生法施行令(以下「旧令」という。)第15条第1項第5号の「化学設備」に配管を含めたものであること。
ウ 第1号の「引火点が六十五度以上の物を引火点以上の温度で製造し、若しくは取り扱う設備」とは、引火点が65度以上の物に係る加熱炉、反応器、蒸留器、貯蔵タンク等のうち、加熱、反応、蒸留、固化防止等のため、その内部の温度が引火点以上となるものをいうこと。
エ 本条の「附属設備」とは、化学設備以外の設備で、化学設備に附設されたものをいい、その主なものとしては、動力装置、圧縮装置、給水装置、計測装置、安全装置等があること。
(2) 第15条関係
ア 第5号については、旧令第15条第1項第5号と同様に、配管を除いた化学設備について、定期に自主検査を行うべき機械等の対象として定めたものであること。
イ 第10号は、旧令第15条第1項第10号と同様に、特定化学設備について、定期に自主検査を行うべき機械等の対象として定めたものであること。
3 職長等の教育を行うべき業種(第19条関係)
日本標準産業分類が平成14年3月に改訂され、「化学調味料製造業」が「うま味調味料製造業」に改称されたことに伴い、用語の整備を行ったものであり、改正前後で職長等の教育を行うべき業種の範囲に変更はないものであること。
4 特定化学物質等に係る用語の整備(第6条、第21条、第22条、別表第3関係)
石綿(アモサイト及びクロシドライトを除く。)については、これまで特定化学物質等に含まれることとしてきたところであるが、改正法において石綿作業主任者技能講習が分離されたことに併せて、石綿(アモサイト及びクロシドライトを除く。)を特定化学物質等から分離して規定することとし、別表第3第2号(第二類物質)から石綿を削除したものであること。
これに伴い、「特定化学物質等」の「等」を削除したものであること。
また、作業主任者を選任すべき作業(第6条)、作業環境測定を行うべき作業場(第21条第7号)及び健康診断を行うべき有害な業務(第22条第1項第3号)については、石綿(アモサイト及びクロシドライトを除く。)に係る作業等を改めて規定したものであり、改正前後でこれらの規定の適用範囲に変更はないものであること。
Ⅲ 労働安全衛生法関係手数料令関係
第1 改正の要点
クレーン運転士免許試験及びデリック運転士免許試験が統合され、クレーン・デリック運転士免許試験が設けられたことに伴う所要の整備を行ったものであること。(第6条第3号)
第2 細部事項(第6条第3号関係)
クレーン・デリック運転士免許試験の手数料を定めたこと。
Ⅳ 労働安全衛生規則関係
第1 改正の要点
1 安全衛生管理体制等
(1) 総括安全衛生管理者が統括管理する業務として、安全衛生に関する方針の表明に関すること、法第28条の2第1項の危険性又は有害性等の調査等(以下「危険性又は有害性等の調査等」という。)に関すること並びに安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関することを定めたこと。(第3条の2)
(2) 安全管理者の資格要件として、厚生労働大臣が定める研修を修了したことを追加したこと。(第5条)
(3) 産業医の職務として、面接指導等の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関することを追加したこと。(第14条)
(4) 安全委員会の調査審議事項として、危険性又は有害性等の調査等のうち安全に係るものに関すること、並びに安全衛生に関する計画(安全に係る部分に限る。)の作成、実施、評価及び改善に関することが含まれるものとしたこと。(第21条)
(5) 衛生委員会の調査審議事項として、危険性又は有害性等の調査等のうち衛生に係るものに関すること、安全衛生に関する計画(衛生に係る部分に限る。)の作成、実施、評価及び改善に関すること、長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること並びに労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関することが含まれるものとしたこと。(第22条)
(6) 事業者は、安全委員会、衛生委員会又は安全衛生委員会の議事の概要を労働者に周知させなければならないものとしたこと。(第23条)
(7) 職長等に教育を行わなければならない事項として、危険性又は有害性等の調査等に関することを追加したこと。(第40条)
2 自主的活動の促進のための指針
厚生労働大臣が定める事業者が行う自主的活動を促進するための指針に定める内容を具体的に明らかにしたこと。(第24条の2)
3 危険性又は有害性等の調査等
(1) 危険性又は有害性等の調査の実施時期を定めたこと。(第24条の11第1項)
(2) 危険性又は有害性等の調査等を行うべき業種として、安全管理者を選任しなければならない業種を定めたこと。(第24条の11第2項)
4 化学物質等に係る表示及び文書交付制度
(1) 容器又は包装に表示しなければならない事項として、注意喚起語並びに安定性及び反応性に関する事項を追加したこと。(第34条)
(2) 文書の交付等により通知しなければならない事項として、危険性又は有害性の要約、安定性及び反応性に関する事項、適用される法令等を追加したこと。(第34条の2の4)
5 面接指導等
(1) 面接指導の対象となる労働者の要件を、1週間当たり40時間を超えて労働させた時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとしたこと。ただし、期日前1月以内に面接指導を受けた労働者その他これに類する者で、面接指導を受ける必要がないと医師が認めたものを除くこととしたこと。(第52条の2第1項)
(2) (1)の時間の算定に当たっては、毎月1回以上、一定の期日を定めてこれを行わなければならないものとしたこと。(第52条の2第2項)
(3) 面接指導は、(1)の要件に該当する労働者の申出により行うものとしたこと。(第52条の3第1項)
(4) 産業医による申出の勧奨、面接指導における確認事項、結果の記録、書類の保存、医師の意見聴取手続等について規定したこと。(第52条の3第2項から第52条の7まで)
(5) 法第66条の9の必要な措置は、面接指導又はこれに準ずる措置とするとともに、当該措置を講ずべき者として、長時間の労働により、疲労の蓄積が認められ、又は健康上の不安を有している労働者及び事業場において定められた同条の必要な措置の実施に関する基準に該当する労働者を定めたこと。(第52条の8)
6 計画の届出が免除される事業者の認定
(1) 法第88条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定による認定(以下「認定」という。)を受けるに際して事業者が講ずる措置として、危険性又は有害性等の調査等その他2の指針に従って事業者が行う自主的活動を定めたこと。(第87条)
(2) 認定は、事業場ごと(建設業に属する事業の仕事を行う事業者に係る認定は、請負契約を締結している事業場ごと)に行うものとしたこと。(第87条の2、第87条の10)
(3) 所轄労働基準監督署長は、認定を受けようとする事業者が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、認定をしなければならないものとしたこと。(第87条の4)
① (1)の措置を適切に実施していると認められること。
② 労働災害の発生率が当該事業場の属する事業の業種における平均的な労働災害の発生率を下回っていると認められること。
③ 申請の日前一年間に労働者が死亡する労働災害その他の重大な労働災害が発生していないこと。
(4) 認定は、3年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失うものとしたこと。(第87条の6)
(5) その他、認定の欠格事項、申請書の記載事項、認定の取消事由、実施状況等報告書について規定したこと。(第87条の3、第87条の5、第87条の7から第87条の9まで)
7 有害物ばく露作業報告
事業者は、労働者を厚生労働大臣が定める物のガス、蒸気又は粉じんにばく露するおそれのある作業に従事させたときは、当該物のばく露の防止に関し必要な事項について、所轄労働基準監督署長に報告しなければならないものとしたこと。(第95条の6)
8 元方事業者による連絡調整等
法第30条の2第1項の元方事業者は、随時、同項の元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における連絡及び調整を行わなければならないものとするとともに、特定元方事業者の講ずべき措置に準じて、合図、標識、警報を統一し、関係請負人に周知させなければならないものとしたこと。(第643条の2から第643条の7まで)
9 化学設備の改造等の仕事の発注者による請負人への情報提供
(1) 仕事の発注者が(2)の措置を講じなければならない作業は、化学設備及び特定化学設備並びにこれらの附属設備の改造、修理、清掃等の作業で、当該設備を分解するもの又は当該設備の内部に立ち入るものとしたこと。(第662条の3)
(2) 発注者は、製造し、又は取り扱う物の危険性及び有害性、当該作業において注意すべき安全又は衛生に関する事項等を記載した文書を作成し、これをその請負人に交付しなければならないものとしたこと。(第662条の4)
10 免許等の見直し
クレーン運転士免許とデリック運転士免許の統合、地山の掘削作業主任者技能講習と土止め支保工作業主任者技能講習の統合、デリック運転実技教習の廃止、特定化学物質等作業主任者技能講習と四アルキル鉛等作業主任者技能講習の統合、ボイラー据付け工事作業主任者技能講習の廃止及び特定化学物質等作業主任者技能講習からの石綿作業主任者技能講習の分離に伴い、所要の規定の整備を行ったこと。
第2 細部事項
1 総括安全衛生管理者が統括管理する業務(第3条の2関係)
事業場における自主的な安全衛生活動の促進には、事業場トップの積極的な取組が必要であることから、総括安全衛生管理者が統括管理する業務について、具体的に、安全衛生の方針の表明に関すること、危険性又は有害性等の調査等に関すること並びに安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関することを定めたこと。
2 安全管理者の資格
(1) 安全管理者の資格の見直し(第5条関係)
安全管理者がその職務を的確に遂行する実務能力を担保するため、厚生労働大臣の定める研修を修了した者であることを安全管理者の資格要件に追加したこと。この資格要件は、労働安全コンサルタント及び改正省令附則第2条に該当する者を除き、既に選任されている者についても課されるものであること。
併せて、必要となる産業安全の実務に従事した経験年数を、大学卒業(理科系統)では3年から2年に、高校卒業(理科系統)では5年から4年に、それぞれ短縮したこと。
(2) 経過措置(改正省令附則第2条関係)
ア 改正省令附則第2条に該当する者
改正省令附則第2条は、安全管理者として選任され、その職務を行った経験年数が平成18年10月1日までに通算2年以上である者については、安全管理者として一定期間職務を行うことにより産業安全に関する一定の知識を得ていると認められることから、安衛則第5条第1号の研修を修了していない場合であっても、法第11条第1項の厚生労働省令で定める資格を有する者(安全管理者として選任することができる者)とすることとしたものであること。
期間の計算の方法については、具体的には次によること。
① 一の事業場において安全管理者であった者については、安全管理者として選任され、かつ、選任報告が提出された者が該当すること。よって、平成18年10月1日まで継続して安全管理者である者については、選任日が平成16年10月1日以前であるとして選任報告が提出された者が該当すること。
② 複数の事業場において、又は同一事業場において2回以上安全管理者に選任された期間は、通算できること。
③ ①②いずれの場合も、安全衛生推進者としての期間は含まないこと。
イ 留意事項
事業者は、改正省令附則第2条に該当する者を安全管理者として選任する場合であっても、法第10条第1項各号の業務の安全に係る技術的事項を管理するのに必要な知識についての研修であって、厚生労働大臣が定めるものを修了させることが望ましいこと。
また、改正省令附則第2条は、経過措置として平成18年10月1日前に従事していた事業場での安全管理者としての活動を継続して認めるという趣旨であることから、同条に該当する者であっても、平成18年10月1日前に経験を有したことのある事業場と安全の態様が大きく異なる事業場の安全管理者として選任しようとする場合には、当該研修を修了させるよう特に努める必要があること。
(3) 安全管理者選任報告
ア 安全管理者選任報告を行うに当たっては、様式第3号に同様式裏面備考11に記載の書類を添付するほか、免除科目がある場合は当該免除の根拠となる研修、講座等を修了したことを証する書面を併せて添付すること。
イ 様式第3号裏面備考11の「平成18年10月1日において安全管理者として2年以上の経験年数を有する者であることを証する書面(又は写し)」とは、その者に係る過去の安全管理者の選任について事業者が説明したものであること。
3 産業医の職務(第14条第1項関係)
従来の労働者の健康障害の防止と健康保持を図るための産業医としての専門的な立場からの職務内容に、医師による面接指導等に関する事項を追加したものであること。
4 安全委員会、衛生委員会等
(1) 安全委員会の付議事項(第21条関係)
事業場における安全衛生水準の向上には、事業場トップ及び労働災害防止の当事者であり現場を熟知している労働者が参画する安全衛生委員会等(安全委員会、衛生委員会及び安全衛生委員会をいう。以下同じ。)の活性化が必要であることから、安全委員会の調査審議事項に、危険性又は有害性等の調査等のうち安全に係るものに関すること、並びに安全衛生に関する計画(安全に係る部分に限る。)の作成、実施、評価及び改善に関することが含まれることとしたこと。
(2) 衛生委員会の付議事項(第22条関係)
ア 事業場における安全衛生水準の向上には、事業場トップ及び労働災害防止の当事者であり現場を熟知している労働者が参画する安全衛生委員会等の活性化が必要であることから、衛生委員会の調査審議事項に、危険性又は有害性等の調査等のうち衛生に係るものに関すること、並びに安全衛生に関する計画(衛生に係る部分に限る。)の作成、実施、評価及び改善に関することが含まれることとしたこと。
イ 第9号は、脳・心臓疾患の労災認定件数が高い水準で推移しており、事業場において労使が協力して長時間労働による健康障害の防止対策を推進する重要性が増していることから、衛生委員会等の付議事項として、「長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること」を明記したものであること。
なお、この対策の樹立に関することには、
① 長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止対策の実施計画の策定等に関すること
② 面接指導等の実施方法及び実施体制に関すること
③ 第52条の3第1項及び第52条の8第3項に規定する労働者の申出が適切に行われるための環境整備に関すること
④ 面接指導等の申出を行ったことにより当該労働者に対して不利益な取扱いが行われることがないようにするための対策に関すること
⑤ 第52条の8第2項第2号に規定する事業場で定める必要な措置に係る基準の策定に関すること
⑥ 事業場における長時間労働による健康障害の防止対策の労働者への周知に関すること
が含まれること。
ウ 第10号は、精神障害等の労災認定件数が増加しており、事業場において労使が協力してメンタルヘルス対策を推進する重要性が増していることから、衛生委員会等の付議事項として、第8号とは別に、「労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること」を明記したこと。
なお、この対策の樹立に関することには、
① 事業場におけるメンタルヘルス対策の実施計画の策定等に関すること
② 事業場におけるメンタルヘルス対策の実施体制の整備に関すること
③ 労働者の精神的健康の状況を事業者が把握したことにより当該労働者に対して不利益な取扱いが行われるようなことがないようにするための対策に関すること
④ 労働者の精神的健康の状況に係る健康情報の保護に関すること
⑤ 事業場におけるメンタルヘルス対策の労働者への周知に関すること
が含まれること。
エ 衛生委員会等において長時間労働による健康障害防止対策、メンタルヘルス対策について調査審議するに当たっては、医学的及び専門的な見地からの意見が重要であり、その構成員である産業医や衛生管理者の積極的な関与が必要であることから、事業場においては、産業医や衛生管理者について、その適正な選任はもとより、衛生委員会等への出席の徹底を図り、その役割が適切に果たされる必要があること。また、衛生委員会等において調査審議を行った結果、一定の事項について結論を得た場合については、これに基づいて着実に対策を実施するなど、事業者はこの結論を当然に尊重すべきものであること。
オ 常時50人以上の労働者を使用する事業場以外の事業場においては、衛生委員会等の調査審議に替え、第23条の2の関係労働者の意見を聴くための機会を利用して、長時間労働による健康障害防止対策やメンタルヘルス対策について労働者の意見を聴取するように努め、その意見を踏まえつつこれらの対策を樹立することが必要であること。また、衛生に係るこれらの対策の担当者として衛生推進者又は安全衛生推進者の活用に努めることも必要であること。
(3) 委員会の議事録の概要の周知(第23条第3項関係)
安全衛生委員会等の透明性を確保するため、事業者は、安全衛生委員会等の開催の都度、遅滞なく、その議事の概要を労働者に周知させなければならないこととし、その方法として、法第101条第1項に基づく労働者に対する法令等の周知の方法と同様の方法(改正省令による改正前の安衛則第98条の2)を定めたこと。
5 作業主任者を選任すべき作業
(1) 作業主任者を選任すべき作業(第16条、第17条、別表第1関係)
ア ボイラーの据付けの作業について、作業主任者の選任を要しないものとされたことに伴う整備を行ったこと。
なお、今後は作業の指揮者を定め、ボイラーの据付けの作業の指揮を行わせることとしたこと。(Ⅵの第3章の第2の3参照)
イ 令第6条第18号の作業については、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者から特定化学物質作業主任者を選任することとしたこと。
ウ 令第6条第20号の作業については、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者から四アルキル鉛等作業主任者を選任することとしたこと。
エ 令第6条第23号の作業については、石綿作業主任者技能講習を修了した者から石綿作業主任者を選任することとしたこと。
(2) 経過措置(改正省令附則第3条関係)
ア 旧法別表第18第5号に掲げる地山の掘削作業主任者技能講習を修了した者については、令第6条第9号に掲げる作業に係る地山の掘削作業主任者となる資格を有するものであること。
イ 旧法別表第18第6号に掲げる土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者については、令第6条第10号に掲げる作業に係る土止め支保工作業主任者となる資格を有するものであること。
ウ 旧法別表第18第22号に掲げる特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者については、令第6条第18号に掲げる作業に係る特定化学物質作業主任者及び令第6条第23号に掲げる作業に係る石綿作業主任者となる資格を有するものであること。
エ 旧法別表第18第24号に掲げる四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者については、令第6条第20号に掲げる作業に係る四アルキル鉛等作業主任者となる資格を有するものであること。
6 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(第24条の2関係)
本条は、従来より同条に基づき公表されている「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」(平成11年労働省告示第53号)の主要な事項を示したものであること。
なお、同指針の改正については、別途示すところによること。
7 危険性又は有害性等の調査等(第24条の11及び第24条の12関係)
(1) 調査の実施時期(第24条の11第1項関係)
第2号の「設備」には機械、器具が含まれ、「設備、原材料等を新規に採用」することには設備等を設置することが含まれ、「変更」には設備の配置換えが含まれること。
第3号の「作業方法若しくは作業手順を新規に採用するとき」には、建設業等の仕事を開始しようとするとき、新たな作業標準又は作業手順書等を定めるときが含まれること。
第4号には、地震等の影響により、建設物等が損傷する等危険性又は有害性等に変化が生じているおそれがある場合が含まれること。このような場合には、当該建設物等に係る作業を再開する前に調査を実施する必要があること。
調査については、第1号から第3号までに掲げる時期の前に十分な時間的余裕をもって実施する必要があること。また、これら変更等に係る計画等を策定する場合は、その段階において実施することが望ましいこと。
(2) 対象業種(第24条の11第2項関係)
法第28条の2第1項ただし書の業種として、安全管理者の選任義務のある業種を定めたものであること。
(3) 指針の公表(第24条の12関係)
指針を公表するに当たっての手続を規定したものであること。
なお、法第58条の削除に伴い、指針の公表について規定した第34条の22を削除したこと。
8 化学物質等に係る表示及び文書交付制度の改善
(1) 容器・包装等に表示しなければならない事項(第31条から第34条まで関係)
別途示すところによること。
(2) 文書の交付等により通知しなければならない事項(第34条の2の4関係)
別途示すところによること。
9 職長等の教育(第40条関係)
危険性又は有害性等の調査等の実施は職長等が重要な役割を担うことになることから、職長等の教育の事項に、これまでの事項に加えて、危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置等に関することを含めることとしたこと。
10 就業制限についての資格(第41条等関係)
(1) 就業制限についての資格(第41条、別表第3関係)
令第20条第6号及び第8号の業務については、クレーン・デリック運転士免許を受けた者が従事できることとなること。
なお、クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)第224条の4に基づき取り扱うことのできる機械の種類を限定した免許を受けた者については、令第20条第8号の業務には従事できないこと。
(2) 経過措置(改正省令附則第4条関係)
ア デリック運転士免許を受けている者は、引き続き、令第20条第8号の業務に従事することができるものであること。
イ クレーン運転士免許を受けている者は、改正省令附則第5条第1項又は第2項の規定により、限定のないクレーン・デリック運転士免許又は取り扱うことのできる機械の種類をクレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許を受けたものとみなされることから、引き続き、令第20条第6号の業務に従事することができるものであること(14参照)。
また、取り扱うことのできる機械の種類を床上運転式クレーンに限定したクレーン運転士免許を受けている者は、改正省令附則第5条第3項の規定により、取り扱うことのできる機械の種類を床上運転式クレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許を受けたものとみなされることから、引き続き、従前の業務に従事することができるものであること。
11 健康診断の結果の通知(第51条の4関係)
(1) 雇入れ時の健康診断、定期健康診断、特定業務従事者の健康診断、海外派遣労働者の健康診断、結核健康診断に加え、労働衛生指導医の意見に基づく臨時の健康診断、給食従業員の検便、歯科医師による健康診断の結果の通知についても、遅滞なく行わなければならないものとしたこと。
(2) 「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。
12 面接指導(第52条の2から第52条の7まで関係)
(1) 面接指導の対象者となる労働者の要件等(第52条の2関係)
ア 第1項の「休憩時間を除き一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間」(以下「時間外・休日労働時間」という。)について、1月当たりの時間外・休日労働時間の算定は、次の式により行うこと。
1か月の総労働時間数(労働時間数+延長時間数+休日労働時間数)-(計算期間(1か月間)の総暦日数/7)×40 |
この算定方法は、特例措置対象事業場(週44時間労働制)、変形労働時間制やフレックスタイム制を採用している事業場についても同様であること。
イ 専門業務型裁量労働制及び企画業務型裁量労働制の適用を受ける労働者については、使用者が健康・福祉確保措置を行うに当たって把握されている「労働時間の状況」を基に、事業場ごとに取り決めた方法により、時間外・休日労働時間を把握すること。
ウ イに掲げるもののほか、管理・監督の地位にある者等労働時間等に係る規定の適用について特段の定めのある労働者については、労働者自らが「時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積があると認められる」と判断し、第52条の3の規定による申出があった場合に面接指導を実施すること。
エ 時間外・休日労働時間の時間数について、事業者の把握している時間数と第52条の3に基づく申出を行った労働者の把握している時間数との間に差異があり、かつ、その確定に時間を要する場合においては、健康確保の観点から、まずは面接指導を実施することが望ましいこと。
オ 第1項の「疲労の蓄積」は、通常、他者には認知しにくい自覚症状として現れるものであることから、第52条の3に基づく申出の手続をとった労働者については、「疲労の蓄積があると認められる者」として取り扱うものであること。
カ 第1項の「これに類する労働者」には、医師による診察の結果、健康診断の結果、過去の面接指導の結果、疲労蓄積度のチェックリストの結果等に基づき、医師が健康上問題がないと認めた労働者が含まれること。
キ 第2項の「一定の期日」は事業場の判断により定めるものであり、例えば、事業場における賃金締切日が考えられること。
(2) 面接指導の実施方法等(第52条の3関係)
ア 必要な労働者に対し、確実に面接指導を実施することができるよう、月100時間を超える時間外・休日労働をさせた事業場又はそのおそれのある事業場等においては、
① 労働者が自己の労働時間数を確認できる仕組みの整備
② 申出様式の作成、申出窓口の設定など申出手続を行うための体制の整備
③ 労働者に対する体制の周知
を図ること。
なお、これらについては、衛生委員会等において調査審議すること。この調査審議の際には、申出を行うことによる不利益な取扱いが行われることがないようにすることなど、申出がしやすい環境となるよう配慮すること。
イ 第1項の申出は、労働者が面接指導を受ける旨を申し出るものであるが、確実に面接指導を実施するためには、当該申出の際に、労働者の希望する面接指導の実施日時、場所その他面接指導を実施するに当たり配慮を求める事項等についても申し出ることが考えられること。また、労働者が事業者の指定する医師以外の医師の面接指導を受けることを希望する旨についても、この申出の際に併せて申し出る取扱いとすることも可能であること。なお、申出の際に労働者の希望する医師についても申し出るようにすることとし、当該医師を事業者が指定することも考えられること。
ウ 第1項の申出は書面や電子メール等で行い、事業者は、その記録を残すようにすること。
エ 第2項の「遅滞なく」とは、概ね1月以内をいうこと。
オ 第3項の「遅滞なく」とは、申出後、概ね1月以内をいうこと。
カ 家族や職場の周囲の者が労働者の不調に気付くことも少なくないことから、プライバシーの保護に留意しつつ、事業者は、家族や周囲の者から相談・情報を受けた場合に、必要に応じて当該労働者に面接指導を受けるように働きかけるなどの仕組みを整備することが望ましいこと。
キ 第4項に基づき、産業医が労働者に確実に申出の勧奨を行うことができるよう、事業者は、産業医に対して、時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超えた労働者に関する作業環境、労働時間、深夜業の回数及び時間数等の情報を提供することが望ましいこと。また、勧奨の方法として、①産業医が、健康診断の結果等から脳・心臓疾患の発症リスクが長時間労働により高まると判断される労働者に対して、第52条の2に該当した場合に申出を行うことをあらかじめ勧奨しておくことや、②上記カと同様に家族や周囲の者からの相談・情報を基に産業医が当該労働者に対して申出の勧奨を行うことも考えられること。
ク 事業場において、時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超えた労働者全員に対して面接指導を実施することとした場合については、対象者全員に対して面接指導の実施について通知等を行い、これに対して労働者が申込みを行った場合や現に面接指導を受けに来たことをもって申出を行ったものとみなすことができること。なお、この場合、対象者全員に通知等を行ったにもかかわらず、面接指導を受けなかった労働者については、申出がなかったものとして差し支えないこと。
(3) 労働者の希望する医師による面接指導の証明(第52条の5関係)
事業者に提出する面接指導の結果の証明に記載すべき事項については、医師が面接指導を通じて知り得た労働者の状況について、健康情報留意事項通達に基づき、必要に応じて適切に判断する必要があること。特に第5号の心身の状況については、必ずしも疾病名等の状況を記載すべき趣旨ではないこと。
(4) 面接指導結果の記録の作成(第52条の6関係)
第1項の面接指導結果の記録は、第2項の事項が記載されたものであれば、面接指導を実施した医師からの報告をそのまま保存することで足りること。
(5) 医師からの意見聴取(第52条の7関係)
意見聴取は遅滞なく行われる必要があるが、遅くとも面接指導を実施してから概ね1月以内に行うこと。なお、労働者の健康状態から緊急に事後措置を講ずべき必要がある場合には、可能な限り速やかに行われる必要があること。
13 法第66条の9の必要な措置(第52条の8関係)
(1) 第1項の「面接指導に準ずる措置」には、労働者に対して保健師等による保健指導を行うこと、チェックリストを用いて疲労蓄積度を把握の上必要な者に対して面接指導を行うこと、事業場の健康管理について事業者が産業医等から助言指導を受けること等が含まれること。
(2) 第2項第1号の「長時間」とは時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超えることをいうこと。
(3) 第2項第2号の「基準」を事業場において定めるに当たっては、衛生委員会等で調査審議の上、定めるものとすること。この際には、事業者は衛生委員会等における調査審議の内容を踏まえて決定するとともに、長時間労働による健康障害に係る医学的知見を考慮し、以下のア及びイに十分留意すること。
なお、常時50人以上の労働者を使用する事業場以外の事業場においては、衛生委員会等の調査審議に代え、第23条の2の関係労働者の意見を聴くための機会を利用して、上記基準の設定について労働者の意見を聴取するように努め、その意見を踏まえつつ対策を樹立する必要があること。
ア 時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超える労働者及び2ないし6月の平均で1月当たり80時間を超える労働者については、すべての労働者について面接指導を実施するよう基準の設定に努めること。
イ 時間外・休日労働時間が1月当たり45時間を超える労働者については、健康への配慮の必要な者の範囲と措置について検討し、それらの者が措置の対象となるように基準を設定することが望ましいこと。また、この措置としては、時間外・休日労働時間が1月当たり45時間を超える労働者について作業環境、労働時間等の情報を産業医等に提供し、事業場における健康管理について事業者が助言指導を受けることも考えられること。
(4) 必要な労働者が確実に第3項の申出を行うことができるよう、実施体制の整備を図ることが必要であることは第52条の3に基づく申出の場合と同様であること。(12(2)参照)
(5) 面接指導又は面接指導に準ずる措置を実施した場合には、その結果に基づき事後措置を実施するよう努めること。
14 クレーン運転士免許とデリック運転士免許の統合(第62条、第64条、第66条の2、第69条、第70条、別表第4、別表第5、改正省令附則第5条から第8条まで関係)
(1) クレーン・デリック運転士免許に係る免許証(様式第11号)表面の免許証の種類欄は、「クレ・デリ」の項に記載されるものであること。
なお、取り扱うことのできる機械の種類を床上運転式クレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許(以下14において「新床上クレーン限定免許」という。)及び取り扱うことのできる機械の種類をクレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許(以下14において「新クレーン限定免許」という。)に係る免許証については、同様式裏面の備考欄に、新床上クレーン限定免許又は新クレーン限定免許である旨が記載されるものであること。
(2) 施行日前に次の表の左欄に掲げる者は、特段の手続を要さず、施行日において同表の右欄に掲げる免許を受けたものとみなされること。この場合において、施行日以降に第67条に基づく免許証の再交付又は書換えの申請が行われたときは、当該みなされた免許に係る記載がされた免許証を交付するものであること。(改正省令附則第5条関係)
① クレーン運転士免許(取り扱うことのできるクレーンの種類を床上運転式クレーンに限定したクレーン運転士免許(以下「旧床上クレーン限定免許」という。)を除く。)及びデリック運転士免許の両方を受けている者 |
クレーン・デリック運転士免許 |
② クレーン運転士免許(旧床上クレーン限定免許を除く。)を受けている者 |
新クレーン限定免許 |
③ 旧床上クレーン限定免許を受けている者 |
新床上クレーン限定免許 |
(3) 施行日前に次の表の左欄に掲げる者が施行日以降に当該免許の申請を行った場合には、同表の右欄に掲げる免許を交付するものであること。(改正省令附則第6条関係)
① クレーン運転士免許(旧床上クレーン限定免許を除く。)を受けている者で、デリック運転士免許試験の学科試験に合格したもの(当該学科試験が行われた日から1年を超えないものに限る。②において同じ。) |
クレーン・デリック運転士免許 |
② クレーン運転士免許(旧床上クレーン限定免許を除く。)を受ける資格を取得した者で、デリック運転士免許試験の学科試験に合格したもの |
クレーン・デリック運転士免許 |
③ クレーン運転士免許(旧床上クレーン限定免許を除く。)を受ける資格を取得した者(②に該当する者を除く。) |
新クレーン限定免許 |
④ 旧床上クレーン限定免許を受ける資格を取得した者 |
新床上クレーン限定免許 |
⑤ デリック運転士免許を受ける資格を取得した者 |
デリック運転士免許(注) |
(注) 改正省令附則第6条第4項の規定により、なお従前の例により与えるものとされている。なお、当該免許に係る安衛則様式第11号の免許証の種類の欄は「(デリック)」となる。 |
(4) 都道府県労働局長は、施行日までにデリック運転士免許試験の学科試験に合格した者に対し、平成19年3月31日までの間、なお従前の例によりデリック運転士免許試験の実技試験を行うものとされているが、当該試験は指定試験機関が実施するものであること。なお、当該実技試験に合格した者には、デリック運転士免許が交付されること。(改正省令附則第6条第4項及び第7条関係)
15 技能講習の統合等(第79条、第83条、別表第6関係)
地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習の受講資格として、地山の掘削の作業又は土止め支保工の切りばり若しくは腹おこしの取付け若しくは取りはずしに関する作業に一定以上従事した経験を有する者を定めたほか、講習の統合等に伴う所要の規定の整備を行ったこと。
16 計画の届出(第84条の2関係)
本条は、法第88条第1項の改正に伴い、届出を要しない仮設の建設物等について規定した従前の第87条を第84条の2に移動したものであり、改正前後で内容に変更はないものであること。
17 計画の届出が免除される事業者の認定(第87条の2から第87条の10まで関係)
(1) 厚生労働省令で定める措置(第87条関係)
法第88条第1項ただし書の厚生労働省令で定める措置が、法第28条の2第1項の危険性又は有害性等の調査等を含めた第24条の2の指針に従って事業者が行う自主的活動(労働安全衛生マネジメントシステム)であることを規定したものであること。
(2) 認定の単位(第87条の2関係)
認定の単位は、法の適用単位である事業場単位とすることを規定したものであること。
なお、建設業については、第87条の10に規定する特例によること。
(3) 欠格条項(第87条の3関係)
事業者がこれに該当する場合は認定を受けることができない旨を定めたものであること。
(4) 認定基準(第87条の4関係)
ア 第1号関係
「第八十七条の措置を適切に実施していること」とは、第24条の2に基づく指針及び当該指針において引用する法第28条の2第2項に基づく指針に従って当該措置を適切に実施していることをいうものであること。
イ 第2号関係
「労働災害の発生率が、当該事業場の属する業種における平均的な労働災害の発生率を下回つていると認められること」とは、認定を受けようとする事業場に係る申請の日前1年間に通知された労災保険のメリット収支率が75%以下である場合をいうものであること。
また、建設業については、第87条の10に規定する特例により、認定を受けようとする建設の仕事の請負契約を締結している事業場(店社)が締結した契約の仕事を行う全ての事業場に係る労災保険のメリット収支率のうち、申請の日前1年間に通知されたものを平均した値が75%以下である場合をいうものであること。
なお、メリット制が適用されない事業場又は専門工事業者等の保険料を自ら納めていない事業場にあっては、メリット収支率の計算方法に準ずる方法で計算した値により判断するものであること。
ウ 第3号関係
「労働者が死亡する労働災害その他の重大な労働災害」とは、自社の労働者(労働者派遣法第45条各項の規定により自社に使用する労働者とみなされる派遣中の労働者(建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和51年法律第33号)第44条の規定により派遣労働者とみなされる送出労働者を含む。)を含む。以下(4)において同じ。)又は関係請負人の労働者に係る労働災害(関係請負人の労働者に係る労働災害については、法第30条から第31条の2までの規定の違反について送検されたものに限る。)であって、次の①~③に掲げるものをいう(第三者に主たる原因のあるもの及び地震による災害等予見不可能なものを除く。)。
① 死亡労働災害
② 一度に3人以上の労働者に4日以上の休業又は労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)別表第2の身体障害等級表に掲げる身体障害を伴った労働災害
③ 爆発、火災、破裂、有害物の大量漏洩等による労働災害であって、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第60条等の規定に基づく避難勧告又は避難指示を伴ったもの
(5) 認定の申請(第87条の5第1項関係)
ア 第1項第2号関係
(ア) 第87条の措置の実施状況に関する評価に当たっては、評価の客観性を担保する観点から、2名以上の安全に関して優れた識見を有する者又は衛生に関して優れた識見を有する者により実施することを規定したものであること。
(イ) また、認定の審査に当たっては、申請時点における認定事業場の現状について把握する必要があることから、第87条の5第1項第2号の評価は、申請の日前3月以内に実施されたものに限るものであること。
(ウ) 「評価されたことを証する書面」は、評価を行った者全員の合意に基づき作成されたものとし、当該書面には、第87条の措置が適切に実施されていることを評価した旨及び評価を行った日付を記載するほか、評価者の全員の記名押印又は署名があること。
(エ) 「当該評価の概要を記載した書面」は、第87条の措置の実施状況について、第24条の2の指針及び当該指針が引用する法第28条の2第2項に基づく指針の項目ごとに評価結果の概要を記載したものであること。評価結果の概要を記載した書面には、どのような書面、ヒアリング結果等に基づき、第87条の措置を指針に従って適切に実施していると判断したのかをできるかぎり具体的に記載すること。
イ 第1項第3号関係
(ア) 労働安全衛生マネジメントシステムは、労働安全及び労働衛生両方に関わるものであることから、監査に当たっては、安全に関して優れた識見を有する者及び衛生に関して優れた識見を有する者それぞれ1名以上により実施されることとしたものであること。また、監査の趣旨に鑑み、監査を実施する者は、第1項第2号の評価を実施した者とは別の者とすること。
(イ) 「監査を受けたことを証する書面」は、監査を行った者全員の合意に基づき作成されたものとし、当該書面には、評価結果が妥当である旨及び監査を行った日付を記載するほか、監査者全員の記名押印又は署名があること。
ウ 第1項第4号関係
(ア) 申請に当たっては、第87条の4第2号に掲げる要件に該当することを証する書面として、①継続事業又は一括有期事業にあっては労働局から送付された直近の「労災保険率決定通知書」の写し、②単独有期事業にあっては申請前1年間に労働局から送付された「改定確定保険料決定通知書」の写しを添付すること。
(イ) 建設業の場合にあっては、(ア)の書面について、申請を行う店社が契約した建設工事の仕事を行う事業場に係るものすべてを添付するとともに、すべての事業場のメリット収支率の平均値の計算結果を添付すること。
(ウ) メリット制非適用の継続事業又は一括有期事業については、申請前1年間に行った年度更新時に事業者が提出した「概算・確定保険料申告書」の写しを添付すること。
(6) 評価又は監査を行う者の要件(第87条の5第2項及び第3項関係)
ア 利害関係を有しない者
第2項及び第3項の「利害関係」を有する者とは、当該認定によって利益を得る者をいい、具体的には、①認定を受けようとする事業者(以下「認定対象事業者」という。)の役員若しくは職員(以下「役職員」という。)又は1年以内に役職員であった者、②認定対象事業者に対して、コンサルティング等継続的に利益を得る可能性のある業務を行っている又は評価若しくは監査の前1年間に行った者、③認定対象事業者の親会社(商法第211条ノ2第1項の親会社をいう。以下同じ。)の役職員又は1年以内に役職員であった者、④認定対象事業者が親会社である会社の役職員又は1年以内に役職員であった者、⑤認定対象事業者の親会社と同一の法人が親会社である法人の役職員又は1年以内に役職員であった者、⑥認定対象事業者の株主若しくは出資者(相続又は遺贈により認定対象事業者の株式又は出資を取得後1年を経過しない場合を除く。)又は債権者若しくは債務者(相続又は遺贈により認定対象事業者の債権又は債務を取得後一年を経過しない場合、その有する債権又は債務の額が100万円未満である場合等特別の事情を有する場合を除く。)を含むこと。
イ 第2項第1号及び第3項第1号の自主的活動の実施状況についての評価の実施時期は、コンサルタントの登録を行う前であっても差し支えないものであること。
ウ 第2項第1号及び第3項第1号の「自主的活動の実施状況についての評価」とは、自らが使用されている事業者に係る評価は含まず、また、「三件以上」とは、それぞれ別の事業場に対して実施されたものであること。
エ 第2項第1号及び第3項第1号の「コンサルタントとして3年以上その業務に従事した経験」とは、コンサルタント登録を行った後に3年以上、概ね毎月、労働安全コンサルタントにあっては安全診断等の業務に従事した経験を、労働衛生コンサルタントにあっては衛生診断等の業務に従事した経験をいうものであること。
オ 第2項第2号の「同等以上の能力を有する者」
第2項第2号の「同等以上の能力を有する者」とは、次の(ア)から(ウ)までの要件のすべてに該当する者をいうこと。ただし、(ア)から(ウ)までの要件に該当することとなった時期の前後は問わないものとすること。
(ア) 次のいずれかに該当すること。
① 大学(短期大学を除く。)における理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後8年以上の産業安全の実務経験を有するもの
② 大学(短期大学を除く。)における理科系統以外の課程を修めて卒業した者で、その後10年以上の産業安全の実務経験を有するもの
③ 高等専門学校又は短期大学において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後10年以上の産業安全の実務経験を有するもの
④ 高等専門学校又は短期大学において理科系統以外の学科を修めて卒業した者で、その後12年以上の産業安全の実務経験を有するもの
⑤ 高等学校又は中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後13年以上の産業安全の実務経験を有するもの
⑥ 高等学校又は中等教育学校において理科系統以外の学科を修めて卒業した者で、その後16年以上の産業安全の実務経験を有するもの
(イ) 労働安全衛生マネジメントシステムの評価に関して、以下の項目の研修を修了していること。
① 労働安全衛生マネジメントシステムの目的と意義
② 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針とシステムの構築
③ 危険性又は有害性等の調査等の目的と意義
④ 危険性又は有害性等の調査等の手法
⑤ 労働安全衛生マネジメントシステムの評価の方法
⑥ 労働安全衛生マネジメントシステムの評価の演習
なお、研修の内容の詳細等については、別途示すところによること。
(ウ) 労働安全衛生マネジメントシステムの評価の業務について、3件以上従事した経験を有すること。なお、評価の業務は、自らが使用されている事業者に係る評価は含まず、かつ、それぞれ別の事業場に対して実施されたものであること。
カ 第3項第2号の「同等以上の能力を有する者」
第3項第2号の「同等以上の能力を有する者」とは、次の(ア)から(ウ)までのすべてに該当する者をいうこと。ただし、(ア)から(ウ)までの要件に該当することとなった時期の前後は問わないものとすること。
(ア) 次のいずれかに該当すること。
① 大学(短期大学を除く。)における理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後8年以上の労働衛生の実務経験を有するもの
② 大学(短期大学を除く。)における理科系統以外の課程を修めて卒業した者で、その後10年以上の労働衛生の実務経験を有するもの
③ 高等専門学校又は短期大学において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後10年以上の労働衛生の実務経験を有するもの
④ 高等専門学校又は短期大学において理科系統以外の学科を修めて卒業した者で、その後12年以上の労働衛生の実務経験を有するもの
⑤ 高等学校又は中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後13年以上の労働衛生の実務経験を有するもの
⑥ 高等学校又は中等教育学校において理科系統以外の学科を修めて卒業した者で、その後16年以上の労働衛生の実務経験を有するもの
(イ) オ(イ)に掲げる研修を修了していること。
(ウ) 労働安全衛生マネジメントシステムの評価の業務について、3件以上従事した経験を有すること。なお、評価の業務は、自らが使用されている事業者に係る評価は含まず、かつ、それぞれ別の事業場に対して実施されたものであること。
キ 要件を満たしていることを明らかにする書面(様式第20号の2関係)
(ア) 様式第20号の2備考5の「評価又は監査を実施した者が労働安全衛生規則第87条の5第2項及び第3項に該当する者であることを明らかにする書面」には、以下のものが含まれること。
a 第2項第1号及び第3項第1号の者にあっては、認定の実施について利害関係を有しないことを申し立てる書面、コンサルタント登録証の写し、コンサルタントとしての業務経験を証する安全診断等の実績事業場リスト、3件以上の自主的活動の評価経験を証する評価結果書等(評価者の氏名が記載されているものに限る。)の写し及び評価の概要等当該評価が第24条の2の指針に定める事項を評価したものであることを説明する書面が含まれること。
b 第2項第2号及び第3項第2号の者にあっては、認定の実施について利害関係を有しないことを申し立てる書面、実務経験を証する実務経歴書等、研修の受講を証する書面の写し、3件以上の自主的活動の評価経験を証する評価結果書等(評価者の氏名が記載されているものに限る。)の写し及び評価の概要等当該評価が第24条の2の指針に定める事項を評価したものであることを説明する書面が含まれること。
(イ) 過去に行った認定の申請の際の添付書類に自己の評価書又は監査書を添付したことのある者で、その認定証の写しに加え、第2項第1号及び第3項第1号の者にあってはコンサルタント登録番号を、第2項第2号及び第3項第2号の者にあっては受講した研修の実施者、修了証等の番号及び修了日を添付するときは、(ア)で定める第2項の評価又は第3項の監査を行う者の要件を満たすことを証する書面(認定の実施について利害関係を有しないことを申し立てる書面を除く。)を省略することができること。
(ウ) 業務経験、実務経験、評価経験を証する書面については、個別事業場名等、申請事業場にそれらを開示することが適切でない情報も含まれる可能性があるため、労働基準監督署長あての厳封書類とすること。
(7) 認定の更新(第87条の6関係)
ア 更新の申請に当たって添付する第87条の5第1項第2号の評価の結果は、期間の満了日前4月以内に実施されたものに限ること。
イ 期間満了日の翌日に更新を受けることを希望する者は、期間満了日の1月前までに更新の申請を行うこと。それ以降に申請があった場合は、新規の申請と同様に取り扱うものであること。
(8) 実施状況等の報告(第87条の7関係)
ア 報告の時期について
認定事業場は、1年以内ごとに1回、労働安全衛生マネジメントシステムのシステム監査結果及び認定を受けた後(又は前回の実施状況等報告後)の機械等の設置等の状況について報告することを規定したものであること。
イ システム監査結果について
システム監査の結果については、自らが実施したもの(内部監査)のほか、外部監査の結果でも差し支えないこと。
ウ 添付書類について
(ア) 第87条の9各号に掲げる要件に該当していないことを説明する書面を添付すること。
(イ) 機械等の設置等の概要を記載した書面を添付すること。
(ウ) 認定証の記載事項に変更が生じた場合には、記載事項の変更を証する書面を添付すること。
(9) 措置の停止(第87条の8関係)
第87条の措置を行わなくなったとき(認定事業者が認定事業場に係る事業の全部を譲り渡し、又は認定事業者について相続、合併若しくは分割があり、認定事業場に係る事業を他の者が承継することとなったときを含む。)は、その旨を速やかに所轄労働基準監督署長に報告するとともに、認定証を返納すること。
(10) 認定の取消し(第87条の9関係)
本条は、欠格事項に該当するに至ったとき、認定基準に適合しなくなったと認められるとき、第87条の7の報告書及び書面を提出せず、若しくは虚偽の記載をしてこれらを提出したとき、又は不正の手段により認定若しくはその更新を受けたことが明らかになったときには、所轄労働基準監督署長が認定を取り消すことができる旨を規定したものであること。
(11) 建設業の特例(第87条の10関係)
建設業にあっては、店社と当該契約による仕事を行う事業場が一体となって労働安全衛生マネジメントシステムを運用することが必要であることから、認定の単位を店社単位とすることを規定したものであること。
また、第87条の3に規定する欠格事項、第87条の4に規定する認定の基準、第87条の9に規定する認定の取消しにあたっては、店社に加え、店社において締結した請負契約に係る仕事を行う事業場に係る事項も含めて判断することとしたものであること。
18 法第88条第4項の仕事の範囲(第90条関係)
令第16条等の改正に伴う整備を行ったものであり、改正前後で「石綿等」の指し示す物に変更はないものであること。
19 有害物ばく露作業報告(第95条の6関係)
労働者の化学物質へのばく露の程度やその広がりを推定し、健康障害の発生のおそれがある作業等を把握して、リスクが特に高い作業等についてはリスクの程度に応じた適正な健康障害防止対策が図られるようにするため、事業者が、労働者に健康障害を生ずるおそれのある物(以下「ばく露作業報告対象物」という。)を製造し、又は取り扱う作業場において、労働者を当該物のガス、蒸気、又は粉じん(以下「ガス等」という。)にばく露するおそれのある作業(以下「ばく露作業」という。)に従事させたときには、事業者は、厚生労働大臣が別途定めるところにより、労働者が従事した作業の種類、事業場における換気設備の設置状況等のばく露防止に関し必要な事項について、所轄労働基準監督署長に報告しなければならないこととしたこと。
(1) ばく露作業報告対象物
ばく露作業報告対象物は、原則として法第57条の2の通知対象物の中から別途厚生労働大臣が定めるものであること。
(2) 対象作業
ばく露作業報告対象物のガス等にばく露するおそれのある作業とは、ばく露作業報告対象物を製造し、又は取り扱う作業場において、ガス等の発散源に係る作業又はその近傍での作業であって、労働者が発散源からのガス等にばく露するおそれのあるものをいうものであること。
なお、ばく露作業報告対象物が密閉式の構造の設備で取り扱われており、又は隔離室での遠隔操作の作業等労働者が当該物のガス等にばく露するおそれがないと考えられる場合は、報告する必要はないこと。
(3) 事業場の範囲
報告は事業場単位で行うものであること。
報告を行う事業場の範囲は、昭和47年9月18日付け発基第91号「労働安全衛生法の施行について」の第2の3における事業場の範囲と同一であること。
労働者が建設現場等の事業場外において一定の期間塗装作業等に従事する場合の建設業における事業場の適用については、昭和63年9月16日付け基発第601号の2「建設業における労働基準法の適用単位について」を参照すること。
(4) 有害物ばく露作業報告書(様式第21号の7関係)
有害物ばく露作業報告書は、ばく露作業報告対象物ごとに作成するものであること。また、ばく露作業の種類を記載する場合における、「ガス等の発散源の近傍での作業」の種類を記載する際は、発散源に係る作業と同一の作業として取り扱うものとすること。
なお、作業の種類が多岐にわたり記載しきれないときは、続紙を使用すること。
(5) その他
有害物ばく露作業報告は、一定期間におけるばく露報告対象物の製造又は消費量が一定以上の事業場ごとに行うこととしているが、これらの範囲、有害物ばく露作業報告を行う時期等については、別途厚生労働大臣が定めるところによるものであること。
20 化学設備の定義の変更に伴う整備(第258条、第259条、第268条から第278条まで、第287条、第289条関係)
化学設備については、旧令第15条第1項第5号の「化学設備」に配管を含めたものとして、令第9条の3において改めて定義したところであり、これに伴う関係条文の所要の変更を行ったものであること。なお、第274条の2については、従前の「化学設備」に配管を含めたものを新たに対象設備としたものであること。
21 地山の掘削作業主任者及び土止め支保工作業主任者の選任(第359条、第374条関係)
(1) 地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから、地山の掘削作業主任者を選任しなければならないこととしたこと。(第359条関係)
(2) 地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから、土止め支保工作業主任者を選任しなければならないこととしたこと。(第374条関係)
22 製造業等の元方事業者等の講ずべき措置(第643条の2から第643条の7まで関係)
(1) 法第30条の2第1項の元方事業者が講ずべき、作業間の連絡及び調整を行うことに関する措置その他必要な措置の内容を、特定元方事業者が講ずべき措置に準じて規定したこと。なお、特定元方事業者に係る第640条第1項第2号に掲げる場所並びに第642条第1項第3号及び第5号に掲げる場合については、法第30条の2第1項の元方事業者においては想定されないことから、これらに相当する規定を設けていないこと。(第643条の2から第643条の6まで関係)
(2) (1)の措置に応じて請負人が講ずべき措置の内容を規定したこと(第643条の3第2項、第643条の4第2項及び第3項、第643条の5第2項、第643条の6第2項及び第3項関係)。
23 化学物質等を製造し、又は取り扱う設備の改造等の仕事の注文者の講ずべき措置(第662条の2から第662条の4まで関係)
(1) 第662条の3関係
ア 本条の規定は、注文者から請負事業者に発注して作業が行われる改造等の仕事のうち、特に、第275条に規定する分解等の作業については、注文者による文書の交付等による請負事業者への情報提供により、未然に労働災害を防止する必要があることから、対象としたものであること。
イ 「清掃等」の「等」には、塗装、解体及び内部検査が含まれること。
(2) 第662条の4関係
ア 本条に基づく文書は、注文者が請負事業者に発注する改造等の仕事ごとに作成、交付すれば足りるものであり、当該仕事に含まれる個別の作業ごとに作成、交付する必要はないこと。
イ また、同種の仕事を反復して発注する場合において、既に当該仕事に係る文書が交付されているときは、再度文書の交付を行う必要はないこと。
ウ 第1号の「危険性及び有害性」には、化学物質等安全データシート(MSDS)又は書籍、学術論文等から抜粋した当該化学物質の危険有害性情報があること。
エ 第2号の「当該仕事の作業において注意すべき安全又は衛生に関する事項」には、各作業ごとに記載した安全及び衛生に配慮した作業方法、発注者の直接の指示を必要とする作業の実施方法、作業場所の周囲における設備の稼働状況等の具体的な安全又は衛生に関する連絡事項があること。
オ 第3号の「当該仕事の作業について講じた安全又は衛生を確保するための措置」には、発注者が講じた動力源の遮断、バルブ・コックの閉止、設備内部の化学物質等の排出措置等があること。
カ 第4号の「当該物の流出その他の事故が発生した場合において講ずべき応急の措置」には、関係者への連絡、火災発生時における初期消火の実施、被災者に対する救護措置等があること。
24 その他
(1) 現行の第87条の内容が第84条の2に移動することに伴い、別表第8を削除し、新たに別表第6の2として規定しているが、改正の前後でその内容に変更はないこと。
(2) その他、改正法、整備政令及び改正省令の施行に伴い所要の規定の整備を行ったこと。
Ⅴ その他の省令関係
第1章 じん肺法施行規則関係
第1 改正の要点
法第66条の6の規定により、特殊健康診断の結果を労働者に対して通知しなければならないこととされたことにかんがみ、じん肺健康診断の結果について、遅滞なく、労働者に対して通知しなければならないこととしたこと。(第22条の2)
第2 細部事項(第22条の2関係)
「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。
第2章 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則関係
第1 改正の要点
法第66条の6の規定により、特殊健康診断の結果を労働者に対して通知しなければならないこととされたことにかんがみ、健康診断の結果について、遅滞なく、労働者に対して通知しなければならないこととしたこと。(第5条の2)
第2 細部事項(第5条の2関係)
「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。
第3章 ボイラー及び圧力容器安全規則関係
第1 改正の要点
1 ボイラー及び第一種圧力容器に係る設置届及び変更届は、法第88条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定に基づく届出(以下「計画の届出」という。)であることから、同条第1項ただし書(同条第2項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定による認定を受けた事業者(以下「認定事業者」という。)については、同条第1項ただし書の規定によりこれらの届出義務は免除されること。
これに伴い、これらの設置届又は変更届をしていない機械等について落成検査又は変更検査を受ける場合には、その申請書に、これらの検査に必要な書面を添付するものとしたこと。
2 認定事業者については、移動式ボイラー及び小型ボイラーの設置報告並びにボイラー及び第一種圧力容器の使用休止報告を要しないものとしたこと。この場合においては、安衛則第87条の7に規定する実施状況等報告書(以下「実施状況等報告書」という。)の提出の際に、設置状況等についても併せて提出することとしたこと。
3 事業者は、ボイラーの据付けの作業を行うときは、当該作業を指揮するため必要な能力を有すると認められる者のうちから、当該作業の指揮者を定め、その者に必要な事項を行わせなければならないこととしたこと。
4 ボイラー据付け工事作業主任者技能講習の廃止に伴う規定の整備を行ったこと。
第2 細部事項
1 移動式ボイラーの設置報告(第11条関係)
(1) 認定事業者については移動式ボイラーの設置報告を要しないものとしたことに伴い、実施状況等報告書の提出の際に、安衛則様式第20号の4の表に掲げる必要な書面を添付するものとしたこと。
(2) 従前は設置報告の際に記載していた検査証の「事業場の所在地」及び「事業場の名称」の欄については、実施状況等報告書の提出の際に記載することとなること。
2 落成検査(第14条及び第59条関係)
ボイラー又は第一種圧力容器の落成検査の申請の際に添付する「その他落成検査に必要な書面」とは、ボイラー設置届の様式(様式第11号)又は第一種圧力容器設置届の様式(様式第24号)に、必要事項を記載したもので差し支えないこと。この場合において、検査申請書の「設置届提出年月日」の欄並びに設置届の様式の「設置工事落成予定年月日」の欄及び検査申請書の記載事項と重複する部分の記入は要しないこと。
3 ボイラー据付け作業の指揮者(第16条関係)
ボイラー据付け作業については、ボイラー据付け工事作業主任者技能講習を修了した者のうちから作業主任者を選任する制度は廃止されたものであるが、複数の労働者が作業を行う場合において労働者相互の連絡が不十分なことによる重量物の落下等の災害を防止するため、当該作業を指揮するため必要な能力を有すると認められる者のうちから当該作業の指揮者を定め、その者に必要な事項を行わせなければならないこととされたこと。
なお、「当該作業を指揮するため必要な能力を有すると認められる者」に該当する者の要件については、別途示すところによること。
4 変更検査(第42条及び第77条関係)
ボイラー又は第一種圧力容器の変更検査の申請の際に添付する「その他変更検査に必要な書面」はボイラー変更届又は第一種圧力容器変更届の様式(様式第20号)に、必要事項を記載したもので差し支えないこと。この場合において、検査申請書の「変更届提出年月日」の欄並びに変更届の様式の「変更工事着手予定年月日」の欄、「変更工事完了予定年月日」の欄及び検査申請書の記載事項と重複する部分の記入は要しないこと。
5 小型ボイラーに係る設置報告(第91条関係)
認定事業者については、小型ボイラーの設置報告を要しないものとしたことに伴い、実施状況等報告書の提出の際に、安衛則様式第20号の4の表に掲げる必要な書面を添付するものとしたこと。
6 化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習の受講資格(第122条の2関係)
令に定める「化学設備」の定義が変更され、配管を含むこととされたことに伴い、化学設備の配管のみの取扱い作業の経験については、化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習の受講資格として認められないことを明確にしたものであること。
第4章 クレーン等安全規則関係
第1 改正の要点
1 クレーン、デリック、エレベーター及び建設用リフトに係る設置届並びにクレーン、移動式クレーン、デリック、エレベーター及び建設用リフトに係る変更届は、計画の届出であることから、認定事業者については、法第88条第1項ただし書の規定によりこれらの届出の義務は免除されること。
これに伴い、これらの設置届又は変更届を提出していない機械等について落成検査又は変更検査を受ける場合には、その申請書に、これらの検査に必要な書面を添付するものとしたこと。
なお、変更届の対象であって変更検査の対象ではない変更を行った場合には、実施状況等報告書の提出の際に、その変更の状況についても併せて提出することとしたこと。
2 認定事業者については、移動式クレーンその他の設置報告並びにクレーン、移動式クレーン、デリック及びエレベーターの使用休止報告を要しないものとしたこと。この場合においては、実施状況等報告書の提出の際に、設置状況等についても併せて提出することとしたこと。
3 クレーン運転士免許及びデリック運転士免許を統合し、「クレーン・デリック運転士免許」としたこと。また、クレーン・デリック運転士免許について、取り扱うことのできる機械の種類を床上運転式クレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン運転士免許)及び取り扱うことのできる機械の種類をクレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許(クレーン限定免許)を設けることとしたこと。
第2 細部事項
1 落成検査(第6条、第97条、第141条、第175条関係)
クレーン、デリック、エレベーター又は建設用リフトの落成検査の申請の際に添付する「その他落成検査に必要な書面」とは、製造許可年月日及び番号(建設用リフトにあっては、製造許可年月日及び番号並びに廃止予定年月日)を記載した書面をいうこと。
2 特定機械等以外の設置報告(第11条、第101条、第145条、第202条関係)
認定事業者については、特定機械等以外の機械等の設置報告を要しないものとしたことに伴い、実施状況等報告書の提出の際に、安衛則様式第20号の4の表に掲げる必要な書面を添付するものとしたこと。
3 変更検査(第45条、第86条、第130条、第164条、第198条関係)
クレーン、デリック、エレベータ又は建設用リフトの変更検査の申請の際に添付する「その他変更検査に必要な書面」とは、製造許可年月日及び番号、変更した部分並びに変更の理由を記載した書面をいうこと。
4 移動式クレーンの設置報告(第61条関係)
(1) 認定事業者については、移動式クレーンの設置報告を要しないものとしたことに伴い、実施状況等報告書の提出の際に、安衛則様式第20号の4の表に掲げる必要な書面を添付するものとしたこと。
(2) 従前は設置報告の際に記載していた検査証の「設置地」及び「事業場の名称」の欄については、実施状況等報告書の提出の際に記載することとなること。
5 クレーン・デリック運転士免許(第223条、第226条関係)
(1) クレーン・デリック運転士免許は、クレーン・デリック運転士免許試験に合格した者等に付与するものであること。
また、クレーン運転実技教習は、クレーン・デリック運転士免許試験の実技試験に代わるものであること。
(2) クレーン・デリック運転士免許以外の免許、技能講習及び特別教育については、変更がないこと。
(3) 経過措置
クレーン運転士免許(限定免許を含む。)又はデリック運転士免許所持者については、クレーン・デリック運転士免許試験学科試験又は実技試験の全部又は一部が免除されること。
第5章 ゴンドラ安全規則関係
第1 改正の要点
1 ゴンドラに係る設置届及び変更届は、計画の届出であることから、認定事業者については、法第88条第1項ただし書の規定によりこれらの届出の義務は免除されていること。この場合においては、実施状況等報告書の提出の際に、設置状況等についても併せて提出するものとしたこと。
これに伴い、設置届又は変更届を提出していないゴンドラについて変更検査を受ける場合には、その申請書に、変更検査に必要な書面を添付するものとしたこと。
2 認定事業者については、ゴンドラの使用休止報告を要しないものとしたこと。この場合においては、実施状況等報告書の提出の際に、休止の状況についても併せて提出するものとしたこと。
第2 細部事項
1 設置届(第10条関係)
従前は設置届の際に記載していた検査証の「設置地」の欄、「事業場の名称」の欄及び「記事」の欄(「可搬型」又は「常設型」の区分)については、実施状況等報告書の提出の際に記載することとなること。
2 変更検査(第29条関係)
ゴンドラの変更検査の申請の際に添付する「その他変更検査に必要な書面」とは、ゴンドラ変更届(様式第12号)に必要事項を記載したもので差し支えないこと。この場合において、検査申請書の「変更届提出年月日」の欄及び変更届の様式のうち検査申請書の記載事項と重複する部分の記入は要しないこと。
第6章 有機溶剤中毒予防規則関係
第1 改正の要点
健康診断の結果について、遅滞なく、労働者に対して通知しなければならないこととしたこと。(第30条の2の2)
第2 細部事項(第30条の2の2関係)
「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。
第7章 鉛中毒予防規則関係
第1 改正の要点
健康診断の結果について、遅滞なく、労働者に対して通知しなければならないこととしたこと。(第54条の3)
第2 細部事項(第54条の3関係)
「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。
第8章 四アルキル鉛中毒予防規則関係
第1 改正の要点
1 四アルキル鉛等作業主任者は、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習修了者から選任することとしたこと。(第14条)
2 健康診断の結果について、遅滞なく、労働者に対して通知しなければならないこととしたこと。(第23条の3)
3 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習の科目等については、特定化学物質障害予防規則の定めるところによることとしたこと。(第27条)
第2 細部事項
1 四アルキル鉛等作業主任者(第14条関係)
旧法別表第18第24号に掲げる四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者は、改正省令附則第3条の規定により、四アルキル鉛等作業主任者となる資格を有するものであること。
2 健康診断の結果の通知(第23条の3関係)
「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。
第9章 特定化学物質障害予防規則関係
第1 改正の要点
1 題名を「特定化学物質障害予防規則」に改めたこと。
2 令の改正に伴い、「特定化学物質等」を「特定化学物質」に改める等の整備を行ったこと。
3 特定化学物質作業主任者は、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習修了者から選任することとしたこと。(第28条)
4 健康診断の結果について、遅滞なく、労働者に対して通知しなければならないこととしたこと。(第40条の3)
5 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習の科目を定めたこと。(第51条)
第2 細部事項
1 特定化学物質作業主任者(第28条関係)
旧法別表第18第22号に掲げる特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者は、改正省令附則第3条の規定により、特定化学物質作業主任者となる資格を有するものであること。
2 健康診断の結果の通知(第40条の3関係)
「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。
第10章 高気圧作業安全衛生規則関係
第1 改正の要点
健康診断の結果について、遅滞なく、労働者に対して通知しなければならないこととしたこと。(第39条の3)
第2 細部事項(第39条の3関係)
「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。
第11章 電離放射線障害防止規則関係
第1 改正の要点
健康診断の結果について、遅滞なく、労働者に対して通知しなければならないこととしたこと。(第57条の3)
第2 細部事項(第57条の3関係)
「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。
第12章 登録製造時等検査機関等に関する規則関係
第1 改正の要点
免許の統合及び技能講習の統合等に伴い所要の整備を行ったこと。
第2 細部事項
1 改正省令附則第10条第1項の規定により、同項の表の上欄の登録区分について登録を受けている登録教習機関は、施行日において同表の中欄の登録区分について登録を受けた登録教習機関とみなされることから、登録製造時等検査機関等に関する規則(以下「機関則」という。)第21条に基づく登録の申請の必要はないこと。
2 施行日前に地山の掘削作業主任者技能講習の登録教習機関として登録を受けている者(土止め支保工作業主任者技能講習の登録教習機関として登録を受けていない者に限る。)については、施行日において地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習の登録教習機関として登録を受けた者とみなされるためには、改正省令附則第10条第2項に規定する届出を、施行日の前日(平成18年3月31日)までに行わなければならないこと。
この場合において、当該届出の様式は任意で差し支えなく、例えば、登録教習機関登録申請書(機関則様式第8号)に必要事項を記載する方法があること。ただし、同項に規定する要件が備わっていることを証明する資料を添付すること。
3 統合に伴い業務規程の変更が必要になる場合は、機関則第23条第3項に規定する変更の届出が必要であること。
また、施行日前に行った技能講習に係る機関則第24条第1項に定める帳簿については、引き続き保存義務があること。
4 改正省令附則第10条第1項又は第2項の規定により、施行日において新たな登録区分で登録を受けた者とみなされる者(以下「引き継がれる登録教習機関」という。)については、当該登録区分ごとに都道府県労働局において登録教習機関登録簿への登録、登録の通知及び公示を行うこと。
5 引き継がれる登録教習機関に係る法第77条第3項において準用する法第46条第4項に規定する登録簿への登録は、以下によること。
(1) 同項第1号の登録年月日は施行日とし、有効期間は改正省令附則第10条の規定によること。また、同号の登録番号については、都道府県労働局が適宜決定するものであること。
(2) 同項第2号及び第3号に掲げる事項については、従前の登録教習機関について記載されたものを引き継ぐものとすること。
6 引き継がれる登録教習機関に係る平成17年度の法第77条第3項において準用する法第50条第4項の規定による事業報告書の提出は、従前の登録区分に基づき、引き継がれる登録教習機関が行うものであること。
7 引き継がれる登録教習機関となることを希望せず、業務を廃止しようとする登録教習機関については、機関則第23条の2の規定により、技能講習・教習業務休廃止届出書(機関則様式第4号)を提出する必要があること。また、併せて機関則第25条の規定により帳簿の引渡しを行わなければならないこと。
なお、施行日前に地山の掘削作業主任者技能講習の登録教習機関として登録を受けている者(土止め支保工作業主任者技能講習の登録教習機関として登録を受けていない者に限る。)が、改正省令附則第10条第2項に規定する届出を施行日の前日(平成18年3月31日)まで行わない場合については、業務の廃止の届出は不要であるが、機関則第25条の規定による帳簿の引渡しは必要であること。
8 引き継がれる登録教習機関が、施行日前に、登録区分に係る技能講習で法第77条第3項において準用する法第52条、第52条の2及び第53条各号(第4号を除く。)に基づく行政処分の要件のいずれかに該当し、かつ、この法律の施行日前までに、その処分が行われていない場合、その時の処分の対象となる登録区分の範囲は、処分原因となった登録区分から分離した登録区分全て、又は処分原因となった登録区分と他の登録区分との統合によって設けられた新たな登録区分となること。
9 クレーン運転実技教習に係る登録教習機関については、特段の変更はないこと。
第13章 労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント規則関係
第1 改正の要点
1 労働安全コンサルタントの筆記試験の科目である「産業安全一般」の科目の範囲について、「事業場における安全衛生の水準の向上を図ることを目的として事業者が一連の過程を定めて行う自主的活動」に「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置」が含まれることを明らかにしたこと。(第3条第2項)
2 労働衛生コンサルタントの筆記試験の科目について次に掲げる改正を行ったこと。(第12条第2項)
(1) 「労働衛生一般」の科目の範囲について、「事業場における安全衛生の水準の向上を図ることを目的として事業者が一連の過程を定めて行う自主的活動」に「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置」が含まれることを明らかにしたこと。
(2) 「健康管理」の科目の範囲について、面接指導等及びその事後措置を追加したこと。
第14章 石綿障害予防規則関係
第1 改正の要点
1 石綿作業主任者については、石綿作業主任者技能講習修了者から選任することとしたこと。(第19条)
2 健康診断の結果について、遅滞なく、労働者に対して通知しなければならないこととしたこと。(第42条の2)
3 石綿作業主任者技能講習の科目等を定めたこと。(第48条の2)
第2 細部事項
1 石綿等の定義の変更(第2条関係)
石綿を特定化学物質等から除外する令の改正に伴い、石綿等の定義方法を変更したものであるが、対象となるものの範囲は変わらないものであること。(第2条関係)
2 石綿作業主任者(第19条関係)
旧法別表第18第22号に掲げる特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者については、改正省令附則第3条の規定により、石綿作業主任者となる資格を有するものであること。
3 健康診断の結果の通知(第42条の2関係)
「遅滞なく」とは、事業者が、健康診断を実施した医師、健康診断機関等から結果を受け取った後、速やかにという趣旨であること。
4 石綿作業主任者技能講習(第48条の2関係)
石綿作業主任者技能講習の講習科目の範囲、講習時間等については、告示で示すこととしていること。
Ⅵ 労働者派遣法、労働者派遣法施行令及び労働者派遣法施行規則関係
第1 改正の要点
1 改正法により新たに事業者の責務とされた事項のうち、法第28条の2に基づく危険性又は有害性等の調査等及び法第30条の2に基づく製造業等の元方事業者等の講ずべき措置については、派遣中の労働者に関し、派遣先事業者のみが事業者としての責務を負うものとされたこと。(労働者派遣法第45条第3項関係)
2 上記のほか、読替等に関する所要の規定の整備を行ったこと。(労働者派遣法第45条第15項、労働者派遣法施行令第6条並びに労働者派遣法施行規則第40条及び第41条関係)
第2 細部事項
改正法により新たに事業者の責務とされた事項のうち、法第66条の8及び第66条の9に基づく面接指導等については、派遣中の労働者に関し、派遣元事業者のみが事業者としての責務を負うものとされたこと。
Ⅶ その他
1 罰則の適用に関する経過措置
改正前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例によるものとしたこと。(改正法附則第11条、整備政令附則第3条及び改正省令附則第13条関係)
2 様式に関する経過措置
(1) 改正省令の施行の際現に提出され又は交付されている改正省令による改正前のそれぞれの省令に定める様式による申請書等は、この省令による改正後のそれぞれの省令に定める相当様式による申請書等とみなすものとしたこと。(改正省令附則第11条関係)
(2) 改正省令の施行の際現に存するこの省令による改正前のそれぞれの省令に定める様式による申請書等の用紙は、当分の間、必要な改定をした上、使用することができるものとしたこと。(改正省令附則第12条関係)
3 その他
職業能力開発促進法施行規則(昭和44年労働省令第24号)、作業環境測定法施行規則(昭和50年労働省令第20号)、粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号)及び厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省令第44号)について、所要の整備を行ったこと。
Ⅷ 関係通達の一部改正
1 改正の要点
(1) 今回の改正により新たに規定された計画の届出が免除される事業者の認定について、その標準処理期間を1か月とする等の所要の整備を行うこと。(2関係)
(2) 技能講習の統合等に伴い、法別表第20の各技能講習における科目ごとの講師の条件の欄の「同等以上の知識経験を有する者」に含まれる者の解釈について、所要の整備を行うこと。(3関係)
(3) 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習、鉛作業主任者技能講習、有機溶剤作業主任者技能講習及び石綿作業主任者技能講習の一部の科目に係る講師の条件について、労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学である者に限る。)を追加するとともに、衛生管理者が講師となる際に必要となる実務に従事した経験年数を、「10年」から「5年」に短縮したこと。(3関係)
2 平成6年9月30日付け基発第612号・婦発第273号通達の一部改正
平成6年9月30日付け基発第612号・婦発第273号通達の一部を次のように改正する。
記の第2の1の(2)ロ(イ)中⑪を⑫とし、⑩を⑪とし、⑨を⑩とし、⑧の次に次のように加える。
⑨ 労働安全衛生法第88条に基づく「計画の届出の免除に係る認定(その更新を含む。)」(標準処理期間:1か月)
記の第2の1の(2)ロ(イ)中「上記⑪」を「上記⑫」に改める。
別添7申請に対する処分一覧表の安全衛生関係(労働安全衛生法に基づくもの)の表に次のように加える。
16 |
計画の届出の免除に係る認定(その更新を含む。) |
法88―1 法88―2 |
署長 |
別添8不利益処分一覧表の安全衛生関係(労働安全衛生法に基づくもの)の表の次に次の一表を加える。
(労働安全衛生規則に基づくもの)
番号 |
処分内容 |
根拠条文 (条―項―号) |
(処分権者) |
1 |
計画の届出の免除に係る認定の取消 |
則87の9 |
署長 |
3 平成16年3月19日付け基発0319009号通達の一部改正
平成16年3月19日付け基発0319009号通達の一部を次のように改正する。
別添6の表5の項及び6の項を次のように改める。
5 地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習(安衛法別表第20第4号関係) |
1 表の「作業方法に関する知識」の項の「条件」の欄第3号の「同等以上の知識経験を有する者」は、10年以上地山の掘削の作業及び土止め支保工の切りばり又は腹おこしの取付け又は取りはずしに関する作業に従事した経験を有する者で、当該期間のうち3年以上当該作業に係る職長その他の当該作業に従事する労働者を直接指導又は監督する者としての地位にあったものが該当すること。 ただし、当分の間、講習科目「作業の方法に関する知識」のうち「地山の掘削の方法 浮石、埋設物等の処理 湧水の処理及び排水の方法 法面防護の方法 土砂及び岩石の性質」の範囲を実施する場合に限り、10年以上地山の掘削の作業に従事した経験を有する者で、当該期間のうち3年以上当該作業に係る職長その他の当該作業に従事する労働者を直接指導又は監督する者としての地位にあったものが該当し、また、講習科目「作業の方法に関する知識」のうち「土止め支保工の種類、材料、構造、組立図、点検及び補修 土止め支保工の切りばり、腹おこし等の取付け及び取りはずしの作業に関する事項」の範囲を実施する場合に限り、10年以上土止め支保工の切りばり又は腹おこしの取付け又は取りはずしに関する作業に従事した経験を有する者で、当該期間のうち3年以上当該作業に係る職長その他の当該作業に従事する労働者を直接指導又は監督する者としての地位にあったものが該当することとして差し支えないこと。 2 表の「工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識」「作業者に対する教育等に関する知識」の項の「条件」の欄第3号の「同等以上の知識経験を有する者」は、次に掲げる者が該当すること。 (1) 建設の作業又は安全指導の業務に10年以上従事した経験を有する者 (2) 職業能力開発促進法第28条に規定する職業訓練指導員免許を受けた者で、その後5年以上建設の作業又は安全指導の業務に従事した経験を有するもの 3 表の「関係法令」の項の「条件」の欄第2号の「同等以上の知識経験を有する者」は、次に掲げる者が該当すること。 (1) 高等学校等を卒業した者で、その後5年以上安全の実務に従事した経験を有するもの (2) 10年以上安全の実務に従事した経験を有する者
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6 削除 |
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別添6の表19の項を次のように改める。
19 削除 |
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別添6の表20の項中「別表第20第10号」を「別表第20第9号」に改め、同表21の項中「別表第20第11号」を「別表第20第10号」に改め、同表22の項を次のように改める。
22 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習(安衛法別表第20第11号関係) |
1 表の「条件」の欄の「実務」とは、管理、監督、指導、設計等の業務をいうものであること。 2 表の「健康障害及びその予防措置に関する知識」の項の「条件」の欄第2号の「同等以上の知識経験を有する者」は、次に掲げる者が該当すること。 (1) 医師として5年以上の経験を有する者 (2) 薬剤師として7年以上の経験を有する者 3 表の「作業環境の改善方法に関する知識」の項の「条件」の欄第2号の「同等以上の知識経験を有する者」は、次に掲げる者が該当すること。 (1) 学校教育法による高等学校において工学に関する学科を修めて卒業した者で、その後5年以上労働衛生に係る工学に関する研究又は実務に従事した経験を有するもの (2) 衛生管理者として5年以上労働衛生に係る工学に関する研究又は実務に従事した経験を有する者 (3) 労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学である者に限る。) 4 表の「保護具に関する知識」の項の「条件」の欄第2号の「同等以上の知識経験を有する者」は、次に掲げる者が該当すること。 (1) 高等学校等において工学に関する学科を修めて卒業した者で、その後5年以上労働衛生保護具に関する研究又は実務に従事した経験を有するもの (2) 衛生管理者として5年以上労働衛生保護具に関する実務に従事した経験を有する者 (3) 労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学である者に限る。) 5 表の「関係法令」の項の「条件」の欄第2号の「同等以上の知識経験を有する者」は、高等学校等を卒業した者で、その後5年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するものが該当すること。 |
別添6の表23の項中「別表第20第12号」を「別表第20第11号」に改め、同項3(2)中「10年」を「5年」に改め、同項3に次のように加える。
(3) 労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学である者に限る。)
別添6の23の項4(2)中「10年」を「5年」に改め、同項4に次のように加える。
(3) 労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学である者に限る。)
別添6の表24の項中「四アルキル鉛等作業主任者技能講習」を「有機溶剤作業主任者技能講習」に、「別表第20第12号」を「別表第20第11号」に改め、同項3(2)中「10年」を「5年」に改め、同項3に次のように加える。
(3) 労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学である者に限る。)
別添6の表24の項4(2)中「10年」を「5年」に改め、同項4に次のように加える。
(3) 労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学である者に限る。)
別添6の表25の項中「有機溶剤作業主任者技能講習」を「石綿作業主任者技能講習」に、「別表第20第12号」を「別表第20第11号」に改め、同項3(2)中「10年」を「5年」に改め、同項3に次のように加える。
(3) 労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学である者に限る。)
別添6の表25の項4(2)中「10年」を「5年」に改め、同項4に次のように加える。
(3) 労働衛生コンサルタント(試験の区分が労働衛生工学である者に限る。)
別添6の表26の項中「別表第20第13号」を「別表第20第12号」に改め、同表27の項中「別表第20第14号」を「別表第20第13号」に改め、同表28の項中「別表第20第15号」を「別表第20第14号」に改め、同表29の項中「別表第20第16号」を「別表第20第15号」に改め、同表30の項中「別表第20第17号」を「別表第20第16号」に改め、同表31の項及び32の項中「別表第20第18号」を「別表第20第17号」に改め、同表33の項及び34の項中「別表第20第19号」を「別表第20第18号」に改め、同表35の項中「別表第20第20号」を「別表第20第19号」に改め、同表36の項中「別表第20第21号」を「別表第20第20号」に改め、同表37の項中「別表第20第22号」を「別表第20第21号」に改め、同表38の項中「別表第20第23号」を「別表第20第22号」に改め、同表39の項中「別表第20第24号」を「別表第20第23号」に改める。