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通達:独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律(中小企業退職金共済法の一部改正関係)の施行について

 

独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律(中小企業退職金共済法の一部改正関係)の施行について

平成28年3月31日基発0331第1号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

中小企業退職金共済制度(以下「中退共制度」という。)は、独力では退職金制度を設けることが困難な中小企業について、事業主の相互共済の仕組みと国の援助によって退職金制度を確立し、中小企業の従業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与することを目的としている制度である。

今般、中退共制度に係る事務・事業を見直すため、独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律(平成27年法律第17号。以下「整備法」という。)が、平成27年4月24日に成立し、同年5月7日に公布され、この整備法による中小企業退職金共済法(昭和34年法律第160号。以下「法」という。)等の改正事項については、関連政省令と併せて、平成28年4月1日から施行することとされたところである。

改正の主な内容については下記のとおりであるので、御了知いただくとともに、管内の自治体、経済団体等に対し中退共制度の趣旨について周知いただく等、制度の普及促進に引き続き一層の御協力をお願いする。

 

第1 改正の経緯及び趣旨

中退共制度を実施している勤退機構については、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月24日閣議決定)において、未請求退職金発生防止及び短期離職者対策の強化に加え、転職した際の退職金の通算措置期間の延長等を通じた事務の効率化を進めることとされた。

このため、所得税法施行令(昭和40年政令第96号)第73条第1項に規定する特定退職金共済団体(以下「特退共団体」という。)が行う退職金共済事業(以下「特退共事業」という。)を廃止した団体から勤退機構に対する退職金額の移換などの制度のポータビリティの向上や住民基本台帳ネットワークシステム等の活用を通じた未請求退職金の請求勧奨、建設業退職金共済制度における退職金の不支給期間の短縮等を通じて、勤退機構の事務の効率化に加え、中退共制度における共済契約者及び被共済者の利便性の向上や将来に支給される退職金の充実を図ることとしたものである。

 

第2 共通事項

本通知における用語の定義は、以下のとおりとすること。

(1) 一般の中退企業退職金共済制度(以下「一般中退」という。)

中退共制度のうち、中小企業の常用雇用者を対象とした退職金共済制度。

(2) 特定業種退職金共済制度(以下「特定業種」という。)

中退共制度のうち、特定の業種における期間を定めて雇用される者を対象とした退職金共済制度。建設業退職金共済制度(以下「建退共」という。)、清酒製造業退職金共済制度及び林業退職金共済制度(以下「林退共」という。)を指す。

(3) 特定退職金共済事業(以下「特退共事業」という。)

所得税法施行令(昭和40年政令第96号)第74条第1項の税務署長からの承認を受けて、民間団体や地方公共団体等が実施している退職金共済制度。

(4) 特定退職金共済団体(以下「特退共団体」という。)

(3)の税務署長の承認を受けて特退共事業を実施している団体。

(5) 確定給付企業年金(以下「DB」という。)

労使合意に基づき、規約を作成し、厚生労働大臣の認可等を受けることで実施される企業年金制度。将来の給付を企業が約束していることが特徴。

(6) 企業型確定拠出年金(以下「企業型DC」という。)

DBと同様の企業年金制度。ただし、企業又は個人が将来の年金のために拠出、積立し、加入者が自己責任において運用を行ことから、企業に掛金の追加負担が生じないことが特徴。

 

第3 改正の概要

1.特退共事業から勤退機構への資産の引渡し

特退共団体が特退共事業を廃止し、勤退機構との間で資産の引渡しについて契約を締結していた場合において、一般中退において引き続き退職金の積立を継続することを希望する事業主は、特退共事業で積み立てた資産を勤退機構へ引き渡すことを申し出ることができること(法第31条の2関係)。

なお、特退共事業を廃止した日に中退共制度に加入した事業主に対しては、経過措置として、3年間に限り5,000円未満の掛金月額(2,000円が下限)を認めること(整備法附則第4条関係)。

※ 勤退機構への資産の引渡しを申し出た事業主には、加入促進のための掛金負担軽減措置は適用しない。

2.共済契約者が中小企業者でなくなった場合の企業年金制度等への資産移換の拡充

共済契約者が中小企業者でなくなったことを理由として一般中退の退職金共済契約が解除された場合に、現行のDB及び特退共事業のほか、企業型DCにも解約手当金に相当する額を引き渡すことができるようにすること(法第17条関係)。

なお、企業型DCを引渡先とする場合は、次の要件を満たしていることが必要となること(中小企業退職金共済法施行規則(昭和34年労働省令第23号。以下「則」という。)第31条関係)。

(1) 非中小解除された退職金共済契約の被共済者の全てを確定拠出年金法第2条第8項の企業型年金加入者とするものであること。

(2) 勤退機構から資産管理機関へ引き渡す解約手当金相当額の全額が、確定拠出年金法第2条第12項の個人別管理資産へ充てられる資産として一括して払い込まれるものであること。

3.制度間通算における全額移換の実施等

中退共制度の間を被共済者が移動した場合は、退職金相当額の全額を移換できるようにすること(法第46条及び第55条関係)。

また、上記の通算制度を利用する場合における申出の期間を、現行の退職後2年から退職後3年まで延長すること(法第18条関係、第46条及び第55条関係等)。

なお、この申出期間の延長は、平成26年4月1日以後に退職した場合について適用すること(整備法附則第3条関係)。

4.建退共の退職金額等の見直し

中退共制度においては、法第85条に基づき、少なくとも5年ごとに掛金及び退職金等の額を検討する財政検証を行うこととされており、平成26年度の労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会において審議が行われた。

その結果、建退共においては累積剰余金が増加しており、今後も増加することが見込まれ、これを被共済者に還元する必要があるとされたことから、以下のとおり建退共の退職金等を改定することとする。

(1) 予定運用利回りの引上げ

建退共の退職金の予定運用利回りを、現行の年2.7%から年3.0%へ引き上げること(中小企業退職金共済法施行令(昭和39年政令第188号。以下「令」という。)第11条及び別表第6関係)。

※ 平成28年4月1日以後に支給事由が生じた場合は、予定運用利回りが2.7%となった平成15年10月から平成28年3月までの期間に対しても、予定運用利回りが3.0%となったものとして退職金額が算定される。

(2) 不支給期間の短縮

特定業種は、現行、特定業種掛金納付月数が24月以上でなければ退職金が支給されないが、建退共については、特定業種掛金納付月数が12月以上であれば退職金を支給することとし、この場合の退職金額は、一般中退と同様に、納付された掛金の総額を下回る金額とすること(法第43条第1項ただし書、令第11条及び別表第1関係等)。

5.未請求退職金発生防止対策の強化

中退共制度においては、退職した被共済者本人からの請求がなければ退職金の支給ができないが、この請求行為を失念している等の理由により、支給されていない退職金(未請求退職金)が存在しているところ。

勤退機構においては、未請求退職金の発生防止対策を一層強化するため、住民基本台帳ネットワーク及び個人番号を利用できるようになったことから、共済契約者が提出する退職届において、個人番号の記載を求めること(法第17条の2及び第51条並びに則第73条第1項関係)。

6.その他

財政検証の結果を踏まえ、特に林退共の運用収入の増加等を図るため、一般中退と特定業種における委託運用部分について、合同で運用することができることとされたほか、経過措置として実施している融資業務に係る債権の管理及び回収の業務の資金を給付経理へ繰り入れることができるよう所要の措置を講じることとしたこと(法第77条第5項関係及び独立行政法人勤労者退職金共済機構の業務運営、財務及び会計並びに人事管理に関する省令(平成15年厚生労働省令第152号)附則第4条第2項関係)。

 

第4 加入促進に向けての積極的な取組み

中退共制度は、独力では退職金制度を設けることが困難な中小企業を対象とした退職金制度であり、また、適格退職年金や厚生年金基金からの受け皿として、これまで多くの中小企業者に利用されてきたところである。

他方、中小企業に占める加入事業所の割合についてはまだ向上の余地があるが、加入者の増加は掛金の収入の確保、ひいては事業の財務内容の改善に資するものであり、事業者や関係機関が連携しつつ、加入促進を積極的に進めることが重要である。

今回の法改正により、中退共制度の被共済者・共済契約者の利便性が向上することに加え、勤退機構では、新たに中退共制度に加入した従業員(被共済者)について、掛金の一部(一般の中小企業退職金共済制度であれば毎月5,000円(最大)を1年間。特定業種退職金共済制度であれば加入して初回交付の共済手帳の62日分。)を免除する掛金負担軽減措置を講じており、また、一部の地方自治体(別紙参照)においては独自に掛金の一部補助等を行っているところである。

これらの措置は、今後の加入促進に大きく寄与するものと考えられることから、こうした支援措置を含め、管内の自治体、経済団体等に対する同事業の一層の周知をお願いする。

(参考)


[別紙]

一般の中小企業退職金共済事業に係る掛金補助自治体一覧(平成28年3月1日現在)

都道府県名

都道府県の補助

市区町村の補助

北海道

×

士別市、名寄市、枝幸町、共和町、士幌町、音更町、広尾町、大樹町、幕別町、*滝上町、美深町

岩手

×

釜石市、大船渡市、花巻市、久慈市、遠野市、陸前高田市、奥州市、紫波町、矢巾町、岩泉町、一戸町

秋田

×

井川町

福島

*○

×

茨城

×

水戸市、土浦市、常総市、牛久市

栃木

×

宇都宮市、足利市、佐野市、小山市、那須塩原市、那須町

群馬

前橋市、高崎市、伊勢崎市、太田市、館林市、沼田市、富岡市、藤岡市、渋川市、安中市、みどり市、中之条町、長野原町、玉村町、大泉町、邑楽町

埼玉

×

川越市、熊谷市、秩父市、所沢市、加須市、春日部市、狭山市、本庄市、深谷市、蕨市、戸田市、志木市、八潮市、富士見市、三郷市、ふじみ野市、越生町、ときがわ町、横瀬町

千葉

×

市川市、木更津市、松戸市、野田市、佐倉市、成田市、東金市、習志野市、市原市、我孫子市、鎌ケ谷市、君津市、富津市、浦安市、袖ケ浦市、白井市

東京

×

荒川区、葛飾区、*八王子市、武蔵野市、青梅市、府中市、町田市、西東京市、*小金井市、*日野市、*国分寺市、*多摩市

神奈川

×

平塚市、鎌倉市、相模原市、秦野市、三浦市、厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、綾瀬市、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、開成町、箱根町、湯河原町、愛川町

富山

×

富山市、高岡市、魚津市、氷見市、滑川市、砺波市、小矢部市、南砺市、射水市、上市町、立山町、入善町

石川

×

小松市、輪島市、加賀市、白山市

福井

×

福井市、敦賀市、大野市、越前町、美浜町

長野

×

長野市、松本市、上田市、飯田市、諏訪市、須坂市、伊那市、中野市、飯山市、茅野市、塩尻市、佐久市、千曲市、東御市、小海町、軽井沢町、御代田町、立科町、下諏訪町、辰野町、箕輪町、阿南町、坂城町、小布施町、*山ノ内町、飯綱町、宮田村、南箕輪村、中川村、下條村、泰阜村、木祖村、麻績村、山形村、朝日村、高山村、木島平村、栄村

岐阜

×

*瑞浪市、美濃加茂市、土岐市、東白川村

静岡

×

*富士宮市、*磐田市、*焼津市、*富士市、*藤枝市、*御殿場市、*袋井市、*裾野市、*湖西市、*静岡市、*浜松市、*長泉町、*小山町、*森町(浜松市天竜区)

愛知

×

田原市、一宮市、瀬戸市、春日井市、豊川市、碧南市、刈谷市、蒲郡市、江南市、小牧市、稲沢市、東海市、尾張旭市、高浜市、岩倉市

三重

×

鈴鹿市

滋賀

×

大津市、長浜市、近江八幡市、守山市、栗東市、野洲市、東近江市

大阪

×

泉南市、岸和田市、泉大津市、貝塚市、阪南市、枚方市、泉佐野市、和泉市、高石市、忠岡町

兵庫

×

*西脇市、加西市、丹波市

奈良

×

下北山村

和歌山

×

(有田川町清水行政局)

山口

×

下関市、宇部市、山口市、萩市、防府市、下松市、岩国市、光市、長門市、柳井市、美祢市、周南市、山陽小野田市、和木町、平生町、田布施町、阿武町

愛媛

×

新居浜市、西条市

福岡

×

*豊前市、*上毛町、*築上町

長崎

×

(五島市奈留支所)新上五島町

大分

×

*中津市、*豊後高田市、*宇佐市

宮崎

宮崎市、都城市、小林市、日向市、西都市、三股町、*高千穂町、*日之影町、*五ヶ瀬町、国富町、綾町

鹿児島

×

鹿児島市、奄美市

沖縄

×

宜野湾市、沖縄市

※ 都道府県も市区町村も補助を実施していない場合、都道府県名は記載していない。

※ 具体的な補助の内容は自治体により異なる。例えば、アンダーラインの地方自治体は、林業事業主に対する助成を実施している、等。

※ *印は共済会、互助会等が助成を実施している。

※ ( )印は一部地域を対象とし助成を実施している。

※ (独)勤労者退職金共済機構において把握している自治体のみ記載している。

 

[別紙]

林業退職金共済事業に係る掛金補助自治体一覧(平成28年3月1日現在)

都道府県名

都道府県の補助

市区町村の補助

北海道

×

鶴居村、標津町、北見市、陸別町、清里町、占冠村、滝上町、上士幌町

青森

×

岩手

×

秋田

×

山形

×

福島

×

茨城

×

群馬

×

埼玉

×

東京

×

青梅市、奥多摩町、檜原村

富山

×

石川

×

福井

福井市、敦賀市、小浜市、大野市、勝山市、鯖江市、あわら市、越前市、坂井市、永平寺町、池田町、南越前町、美浜町、高浜町、おおい町、若狭町、越前町

長野

須坂市

静岡

×

愛知

×

岡崎市、新城市、豊田市

滋賀

×

京都

×

和歌山

高野町、日高川町、印南町、田辺市、白浜町、新宮市、那智勝浦町、古座川町、串本町、北山村

鳥取

×

島根

×

江津市、邑智郡美郷町

岡山

×

愛媛

×

高知

×

佐賀

佐賀市、唐津市、鹿島市、白石町、江北町、大町町、武雄市

熊本

小国町、水俣市、津奈木町、芦北町

大分

佐伯市

宮崎

×

鹿児島

×

沖縄

×

※ 都道府県も市区町村も補助を実施していない場合、都道府県名は記載していない。

※ 具体的な補助の内容は自治体により異なる。

※ (独)勤労者退職金共済機構において把握している自治体のみ記載している(建設業退職金共済事業及び清酒製造業退職金共済事業について掛金補助を実施している自治体はない)。