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勤労者財産形成促進法施行令の一部を改正する政令の施行等について
平成九年四月一日労発第八〇号
(各都道府県知事あて労働省労政局長通達)
勤労者財産形成促進法施行令の一部を改正する政令(平成九年政令第一五〇号。以下「改正政令」という。)、勤労者財産形成促進法施行規則の一部を改正する省令(平成九年労働省令第二五号。以下「改正省令」という。)、勤労者財産形成促進法施行令第三七条第二項第二号及び第三号の基準を定める省令等の一部を改正する省令(平成九年/労働省/建設省/令第一号。以下「改正共同省令」という。)及び雇用促進事業団勤労者財産形成業務方法書の一部を改正する件(平成九年労働省告示第四四号。以下「改正業方書」という。)が、本日(平成九年四月一日)公布(告示)、施行されたところです。
これらは、勤労者財産形成持家融資(以下「財形持家融資」という。)について、一定の基準に該当する耐久性を有する既存住宅の購入に係る貸付金の償還期間を「二五年以内」から「三〇年以内」に延長し、貸付利率を改善するとともに、中小企業の勤労者に係る利率に関する暫定措置の適用期間を延長し、かつ、対象となる既存住宅の要件を一部改正するものであり、これらの内容は下記のとおりですので、これに御留意の上、勤労者財産形成促進制度の周知普及につき御協力をお願いします。
記
第一 改正政令、改正省令、改正共同省令及び改正業方書の概要
一 既存住宅の購入に係る財形持家融資に係る貸付金の償還期間の延長
従来、既存住宅に係る財形持家融資の貸付金の償還期間については二五年以内としていたが、今般、既存住宅のうち適切な維持管理体制が整備され、かつ、それが的確に実施されていることにより優良な状態が維持されているマンションである「優良中古マンション」(建設後経過年数が二〇年以内のものに限る。)について、償還期間を三〇年以内とする特例が設けられることに伴い、既存住宅のうち一定の基準に該当する耐久性を有するものについて償還期間を三〇年以内に延長することとしたこと(改正政令による改正後の勤労者財産形成促進法施行令(以下「新令」という。)第三六条第二項及び第三七条第二項)。
この一定の基準については、次に掲げるものとすること(改正省令による改正後の勤労者財産形成促進法施行規則(以下「新規則」という。)第二五条第一項及び改正共同省令による改正後の勤労者財産形成促進法施行令第三七条第二項の基準を定める省令第一項)。
(一) 耐火構造の住宅又は建築基準法施行令第一一五条の二の二第一項第一号の技術的基準に適合し、かつ、耐久性能向上措置を実施した準耐火構造の住宅であること。
(二) 地上階数が三以上で、かつ、共同住宅の用途に供する建築物内の住宅であること。
(三) 建設時期が、資金の貸付けの申込みを受理した日の属する年の二〇年前(当該申込みを受理した日の属する月が一月から三月までである場合にあっては、二一年前)の年の四月一日以後であること。
(四) 構造耐力上主要な部分並びに給水、排水その他の配管設備及び電気設備が、安全上、衛生上及び耐久上支障のない状態であること。
(五) 共同住宅に係る維持管理に関する規約及び修繕に関する計画が定められていること。
(六) その他住宅の維持管理に関する基準に適合すること。
なお、雇用促進事業団又は住宅金融公庫は、上記の基準に該当する住宅と同等以上の耐久性を有する住宅を、一定の基準に該当する耐久性を有する住宅とすることができること(新規則第二五条第四項及び改正共同省令による改正後の勤労者財産形成促進法施行令第三七条第二項の基準を定める省令第四項)。
また、平成九年三月三一日までの暫定措置として、中小企業の事業主に雇用される勤労者に係る良質な既存住宅の購入に関して、償還期間を二五年以内から三〇年以内に延長する措置が講じられていたが、その対象となる良質な既存住宅が、本改正により償還期間が三〇年以内とされる一定の基準に該当する耐久性を有する既存住宅に含まれることとなるため、当該措置に係る規定を削除することとしたこと(改正政令による勤労者財産形成促進法施行令附則第六項及び第八項の削除、改正省令による勤労者財産形成促進法施行規則附則第二項の削除並びに改正共同省令による勤労者財産形成促進法施行令附則第六項の規定により読み替えて適用する同令第三七条第二項及び同令附則第七項の事項及び基準を定める省令第二項の削除)。
二 財形持家融資に係る貸付利率の改善
財形持家融資については、昭和六二年度から変動金利制を採用しており、その貸付利率は調達金利(理論値)と等しくすることを原則とし、また、貸付け当初五年間について一定水準までの利子補給を行うこととしているところである。今般、より低利な貸付利率となるよう貸付資金の調達方法を改善し、勤労者の持家取得を一層促進することとするものであるが、貸付利率の設定に当たっては、勤労者の利便性にかんがみ、税制上の優遇措置である住宅取得等特別税額控除(住宅ローン控除)の適用利率(年三・〇%)等を考慮することとしたこと(新令第三七条第一項並びに改正業方書による改正後の雇用促進事業団勤労者財産形成業務方法書(以下「新業方書」という。)第一〇条、第一七条、第三一条、第三六条の五、第四二条、附則第二項から第四項まで、附則第七項及び附則第九項関係)(別表参照)。
三 中小企業の勤労者に係る財形持家融資に係る利率に関する暫定措置の適用期間の延長及び対象となる既存住宅の要件の改正
中小企業の事業主に雇用される勤労者に係る財形持家融資の貸付け当初の五年間の特別の利子補給による利率に関する暫定措置は、新築住宅に係るものについては昭和六二年四月一日から平成九年三月三一日まで、良質な既存住宅(中古マンション)に係るものについては勤労者財産形成促進法施行令の一部を改正する政令(平成四年政令第三八一号)の施行の日(平成四年一二月一六日)から平成九年三月三一日までの間に申込みを受理した財形持家融資に適用することとしていたが、この暫定措置の適用期間をさらに五年間延長し、平成一四年三月三一日までとしたこと(新令附則第三項、第五項及び第六項並びに新業方書附則第二項、第四項及び第六項関係)
また、本措置の対象となる良質な既存住宅の要件について、次のとおり改正を行うこととしたこと(改正共同省令による改正後の勤労者財産形成促進法施行令附則第六項の事項及び基準を定める省令第二号、第四号及び第五号並びに新業方書附則第六項第二号及び第四号から第七号まで)。
(一) 住宅の構造について、準耐火構造であるものについては、耐久性能向上措置を実施していることを要件から削除すること。
(二) 住宅の建設後経過年数を一七年以内から二〇年以内に緩和すること。
(三) 住宅の存する建築物の維持管理について、主要な要件を個別に定めることとすること。
(参考) 良質な既存住宅の要件(例:財形持家分譲融資)の新旧比較
|
(新) |
(旧) |
① 床面積 |
五〇m2以上九五m2以下 |
同左 |
② 構造 |
耐火構造又は準耐火構造(建築基準法施行令第一一五条の二の二第一項第一号の技術的基準に適合するものに限る。) |
耐火構造又は準耐火構造(建築基準法施行令第一一五条の二の二第一項第一号の技術的基準に適合し、かつ、耐久性能向上措置を実施したものに限る。) |
③ 種類 |
三階建て以上の共同住宅 |
同左 |
④ 建設後経過年数 |
二〇年以内 |
一七年以内 |
⑤ 住宅の存する建築物の維持管理 |
イ 構造耐力上主要な部分並びに配管設備及び電気設備が安全上、衛生上及び耐久上支障のない状態であること ロ 共同住宅に係る維持管理に関する規約及び修繕に関する計画が定められていること ハ その他雇用促進事業団が定める基準に適合すること |
雇用促進事業団が労働大臣の承認を得て定める維持管理に関する基準に適合すること |
第二 施行期日等
これらの改正は、本日から施行し、平成九年四月一日以後の申込み受理分について適用するものであること。