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通達:勤労者財産形成年金貯蓄契約の払出制限に関する要件の緩和並びに勤労者財産形成給付金制度及び勤労者財産形成基金制度の転職時等における継続措置の創設について

 

勤労者財産形成年金貯蓄契約の払出制限に関する要件の緩和並びに勤労者財産形成給付金制度及び勤労者財産形成基金制度の転職時等における継続措置の創設について

昭和六三年一〇月一日労発第一〇二号

(各都道府県知事あて労働省労政局長通達)

 

勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律(昭和六三年法律第七九号。以下「改正法」という。)の施行については、昭和六三年六月一日付け労働省発基五七号により労働事務次官から通達されたところでありますが、改正法による勤労者財産形成促進制度の改正点のうち勤労者財産形成年金貯蓄契約の払出制限に関する要件の緩和並びに勤労者財産形成給付金制度及び勤労者財産形成基金制度の転職時等における継続措置の創設に関する事項を定めた勤労者財産形成促進法施行令の一部を改正する政令(昭和六三年政令第二八七号。以下「改正令」という。)及び勤労者財産形成促進法施行規則の一部を改正する省令(昭和六三年労働省令第三〇号。以下「改正則」という。)が昭和六三年九月一〇日に公布され、本日から施行されたところであります。

これに伴う勤労者財産形成年金貯蓄契約並びに勤労者財産形成給付金契約及び勤労者財産形成基金契約についての関係規定に関する細部の取扱いについては、下記の通りでありますので、これらに御留意の上、勤労者財産形成促進制度の普及促進につき御配慮をお願いします。

なお、改正法による改正規定のうち勤労者財産形成住宅貯蓄契約に係る部分の細部の取扱いについては、すでに昭和六三年六月一日付け基発第三六二号の二により労働省労働基準局長から通達したところでありますので、念のため申し添えます。

 

第一 勤労者財産形成年金貯蓄契約の払出制限に関する要件の緩和

勤労者財産形成年金貯蓄については、従来、年金の支払のほか、継続預入等を行う場合及び勤労者が死亡した場合(重度障害となった場合を含む。)を除き払出しはできないこととされたが、据置期間中の利回りの上昇により一定の理由が生じた場合には、一定の利子等を適格に払い出せることとなった(改正法による改正後の勤労者財産形成促進法(以下「新法」という。)第六条第二項)。

1 利子等の払出しの認められる理由

勤労者財産形成年金貯蓄契約に基づく据置期間中の利回りの上昇による利子等の払出しが認められる理由は、積立期間の末日における当該契約に基づく預貯金等の利回りに基づき計算して得られた年金支払開始日の前日の預貯金等の額が、勤労者が提出した「財産形成非課税年金貯蓄申告書」に記載された最高限度額(利子等の払出しの日までに変更が行われた場合には、変更後の最高限度額)を超えない予定であったにもかかわらず、現に預貯金等の額が当該最高限度額を超えることとなることである(改正令による改正後の勤労者財産形成促進法施行令(以下「新令」という。)第一三条の六)。

この計算は、当該預貯金等の種類に応じ、それぞれ次の方法によって行うものである(改正則による改正後の勤労者財産形成促進法施行規則(以下「新則」という。)第一条の四の二)。

(1) 預貯金の預入に関する契約 積立期間の末日における元本について、同日を含む利子の計算期間については当該計算期間に対応する利回りにより、当該計算期間後の利子の計算期間については同日における利回りにより行う方法

(2) 合同運用信託の信託に関する契約 積立期間の末日における元本について、同日を含む収益の分配の計算期間については当該計算期間に対応する利回りにより、当該計算期間後の収益の分配の計算期間については同日における利回りにより行う方法

(3) 有価証券の購入に関する契約 積立期間の末日における額面金額等に同日を含む利子等の計算期間の初日から積立期間の末日までの期間に対応した利子等を加えた額の合計額について、同日における利回りにより行う方法

なお、「財産形成年金貯蓄の非課税適用確認申告書」を提出する際に、この新則第一条の四の二の規定により計算して得られた年金支払開始日の前日の預貯金等の額を記載すべきこととなった(租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(昭和六三年大蔵省令第四三号)による改正後の租税特別措置法施行規則第三条の一三第一項第六号)。

2 利子等の払出しの方法

利子等の元加により新法第六条第二項第一号ハの理由が生じたときは、当該元加に係る利子等についてはその全額を払い出さなければならないものである(新令第一三条の七)。

なお、この措置により利子等の払出しが認められるのは、昭和六三年一〇月一日以後に最後の預入等が行われる勤労者財産形成年金貯蓄契約に限られる。

 

第二 勤労者勤労者給付金制度及び勤労者財産形成基金制度の転職時等における継続措置の創設

本措置は、勤労者財産形成給付金契約(以下「給付金契約」という。)又は勤労者財産形成基金契約(以下「基金契約」という。)の受益者であった勤労者について転職その他の異動が生じた場合で、異動後の事業場でも給付金契約又は基金契約を導入しているときには、異動前の給付金契約又は基金契約の取扱機関(以下「旧取扱機関」という。)に蓄積されている拠出金を異動後の給付金契約又は基金契約の取扱機関(以下「新取扱機関」という。)に移し替えることにより、異動前後の給付金契約又は基金契約を継続できるようにするものである(新法第六条の二、第六条の三)。

一 本措置が適用される特別の中途支払理由

本措置が適用される特別の中途支払理由は、給付金契約又は基金契約の受益者である勤労者に係る(1)~(3)のいずれかの理由で、勤労者が充当の申出(異動前の給付金契約又は基金契約に基づき支払を受けることができる給付金を異動後の給付金契約又は基金契約に基づく最初の払込みに充てる旨の申出をいう。以下同じ。)を当該理由が生じた日から起算して六月以内に行う旨の申出を行った後に生じたものである(新令第二一条の三、第二七条の八、第二七条の一九)。

(1) 新法第六条の二第一項第二号に規定する事業場(当該給付金契約に係る事業場)の勤労者でなくなったこと。

(2) 新法第七条の一八第二項第三号に掲げる場合(設立事業場の勤労者でなくなったとき)に該当することとなったため、当該基金の加入員でなくなったこと。

(3) 新令第一五条の二に規定する者(給与所得者の扶養控除等申告書を当該事業場を経由して提出する勤労者以外の勤労者)に該当することとなったこと。

なお、本措置が適用されるのは、昭和六三年一〇月一日以後に特別の中途支払理由が生じた場合に限られる。

2 充当に係る給付金の支払

充当に係る給付金(異動後の給付金契約又は基金契約に基づく最初の払込みに充てられる異動前の給付金契約又は基金契約に基づく給付金をいう。以下同じ。)の支払は、特別の中途支払理由が生じた日から起算して六月以内に、勤労者が充当の申出と併せて異動の事業主又は基金及び新取扱機関を経由して行う給付金の支払の請求に基づき、旧取扱機関が新取扱機関に対して当該給付金の全額を支払う方法により行わなければならない(新令第二一条の四第一号、第二七条の九第一号、第二七条の二〇第一号)。

なお、異動後の事業場において二以上の給付金契約又は基金契約を導入している場合には、充当に係る給付金の全額をいずれか一つの給付金契約又は基金契約に基づく最初の払込みに充てることとなる。この場合において、充当に係る給付金による払込みは、当該事業場に係るすべての給付金契約又は基金契約において当該勤労者に係る事業主の拠出による払込みが行われていない場合にのみ行うことができる(新令第二一条の五、第二七条の一〇、第二七条の二一)。

また、特別の中途支払理由が生じた後充当の申出を行わないこととなった場合には、その旨の通知及び給付金の支払の請求に基づき、当該勤労者に対して当該給付金の全額が支払われなければならない(新令第二一条の四第二号、第二七条の九第二号、第二七条の二〇第二号)。

3 引継給付金及び第二回目分の給付金の支払

(1) 引継給付金の支払

イ 引継給付金(異動後の給付金契約又は基金契約に基づき最初に支払われるべき給付金をいう。以下同じ。)の支払についての起算日は、充当に係る給付金の支払についての起算日とされていた日である(新令第一九条第二号、第二七条の四第二号、第二七条の一五第二号)。

ロ 引継給付金の支払に係る期間については、具体的には、次のとおりである(新令第二一条の二、第二七条の七、第二七条の一八)。

(イ) 起算日から七年を経過した日(以下「七年経過日」という。)までの間に中途支払理由が生ずることなくその七年経過日が到達した場合 起算日から七年経過日の前日の六月前の日(その日以後七年経過日までの間に充当に係る給付金による払込みが行われた場合には、当該払込みが行われた日)までの間に払い込まれた金銭がその七年経過日において引継給付金として支払われる。

(ロ) 起算日から七年経過日までの間に中途支払理由が生じた場合 起算日から中途支払理由が生じた日までの間に払い込まれた金銭がその中途支払理由が生じた日において引継給付金として支払われる。

(2) 引継給付金について起算日から七年経過日の六月前の日前に中途支払理由が生じなかった場合で、かつ、同日から七年経過日までの間に充当に係る給付金による払込みが行われたときの第二回目分の給付金の支払についての起算日及び当該給付金に係る金銭の払込期間の始期は次のとおりである(新令第一九条第一号、第二一条、第二七条の四第一号、第二七条の六、第二七条の一五第一号、第二七条の一七)。

イ 七年経過日の六月前の日から七年経過日までの間に充当に係る給付金による払込みのみが行われた場合の起算日及び払込期間の始期は、引継給付金の支払日の翌日以後最初に払込みが行われた日である。

ロ 七年経過日の六月前の日から七年経過日までの間に充当に係る給付金による払込みと異動後の事業主の拠出による払込みが行われた場合の起算日はその七年経過日であり、払込期間の始期は、充当に係る給付金による払込みが行われた日の翌日である。

(3) 以上を図示すると、次のとおりである。

ケースⅠ 中途支払理由が生じることなく、かつ、6月前の日から7年経過日までの間に払込みがない場合

 

ケースⅡ 中途支払理由が生じた場合

 

ケースⅢ 中途支払理由が生じることなく、かつ、6月前の日から7年経過日までの間に充当に係る給付金による払込みのみがある場合

 

ケースⅣ 中途支払理由が生じることなく、かつ、6月前の日から7年経過日までの間に充当に係る給付金による払込み及び新事業主の拠出による払込みがある場合

 

(注)は充当に係る給付金による払込みを、はその他の払込みを示す。