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通達:労働組合によつて労調法三七条の通知がなされている争議行為に対抗して行うロック・アウトの予告

 

労働組合によつて労調法三七条の通知がなされている争議行為に対抗して行うロック・アウトの予告

昭和41年5月23日

(高知県厚生労働部長あて労働省労政局労働法規課長通知)

 

一 労調法第三十七条は、公益事業に関する事件につき関係当事者が争議行為をするには、その争議行為をしようとする日の少なくとも十日前までに、労働委員会及び労働大臣又は都道府県知事にその旨を通知しなければならない旨を規定しているが、同条にいう「関係当事者」には使用者が含まれること及び「争議行為」には使用者が行なうロックアウトが含まれること(同法七条参照)は、疑問の余地がない。したがつて、使用者がロックアウトを行なう場合には、同条の通知を必要とする。

なお、労調法第三十七条の立法趣旨にかんがみ、労働組合によつてすでに同条の通知がなされている争議行為に対抗して行われるロックアウトについては、同条の通知を要しないのではないかとの疑問もあるようであるが、労働組合が争議行為を行なうかも知れないという事態とこれに加えて使用者も対抗的に争議行為を行なうかも知れないという事態とは別の事態であり、しかも、公衆は、労働組合による通知のみによつてはいずれの事態であるかを知り得ないのであるから、かかるロックアウトについてもなお同条の通知は必要であると解する。

二 使用者による労調法第三十七条の通知の内容については、労働組合による同条の通知の内容と異なるところはない(労調法施行令第十条の四第三項及び昭和二十七年八月一日付け労発第百三十三号労政局長発各都道府県知事あて通ちよう、昭和二十七年九月十五日付け労発第百六十七号労政局長発各都道府県知事あて通ちよう、昭和三十一年七月九日付け労組発第三十七号労働組合課長発各都道府県労働主務部長あて内翰等参照)。

なお、ロックアウトの正当性については、裁判例(ただし、いずれも下級審のもの)は、少なくとも、労働者によつて争議行為が現に行なわれておらず、かつ、行なわれるおそれが明白かつひつ迫して存在しない場合に行なわれるロックアウト、労働者が争議行為を中止して就労を請求し、かつ、その後争議行為が行なわれるおそれが全くなくなつた場合に行なわれるロックアウト等については一般に正当でないとしているが、このような正当でないロックアウトが行なわれるおそれがある場合には、行政機関として所要の指導を加えるべきことは当然である。ただし、労働組合によつて労調法第三十七条の通知がなされる前に使用者によつて同条の通知がなされた場合等については、かかる事実のみによつては未だ使用者によつて現実に行なわれるロックアウトが正当でないものとは判断することができないことはいうまでもない。

三 なお、使用者が労調法第三十七条の規定に違反した場合について、労働委員会が処罰の請求をした事例はないが、設問のような場合に労働委員会が労働委員会規則第五十九条の規定による警告を発した事例としては、パン・アメリカン航空会社事件(三十九都委調違第二号、東京地労委昭和三十九年十二月十八日警告。なお、警告を発するには至らなかつたが、同趣旨の判断を示したものとして、ノース・ウエスト航空会社事件(三十九都委調違第三号、東京地労委昭和三十九年十二月十八日通告)がある。)のほか、別添関西急送株式会社事件(京労委(予違)第二号、京都地労委昭和四十年六月十八日警告)がある。(別添略)

 

(照会)

一 労働組合から労働関係調整法第三十七条による争議行為を行なう旨の予告が出され、使用者側がこれに対抗してロックアウトを行なう場合の予告について一般大衆に周知する趣旨から考え積極的に予告すべきと考えられるが、これに対する見解と具体的事例

二 ロックアウトを行なう旨の予告の内容と行政機関としての指導についての基本的な考え方

三 昭和三十九年十二月十八日、都労委はパンアメリカン航空会社の争議に関し、会社側が労調法第三十七条の予告を行なわずロックアウトを行つたとし、労調法違反の争議行為として会社に対し警告を出した特異な事例があるが、この事で判断として掲記されている次の事項についての見解

イ 労調法第三十七条の規定の“関係当事者”の解釈と攻撃的ロックアウト(労働組合に先行して使用者側が対抗予告すること)の限界について

ロ 労働組合の争議行為よりも使用者のロックアウトがより重要であると判断しているが、労働組合の時限ストに対抗して会社が無期限ロックアウトを予告したとき、行政機関としてとるべき見解(高知パルプ工業事件 高知地裁昭和三十六年八月二十八日決)(要旨)

(昭和40年11月24日 高知県厚生労働部長発)