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通達:事業協同組合等

 

事業協同組合等

昭和36年12月1日労発第192号

(各都道府県知事あて労政局長、中小企業庁長官通知)

 

中小企業等協同組合法(以下「組合法」という。)に基づく事業協同組合、事業協同小組合若しくは協同組合連合会又は中小企業団体の組織に関する法律(以下「組織法」という。)に基づく商工組合(以下「組合等」という。)は、組合員(協同組合連合会については、組合法第九条の九第一項第四号の所属員をいう。以下同じ。)のために、組合員の自発的意思に基づく委任を受けて、組合員の従業員の労働条件等に関し、組合員の従業員の労働組合と団体交渉を行ない、又は労働協約を締結することを事業として行なうことができるかに関し解釈上疑義を生じている向もあるが、これについては、下記のとおり解すべきものであるから了知されたい。

なお、本件については、内閣法制局とも打合せ済である。

 

組合法及び組織法は、組合等は、その事業として「組合員の事業に関する共同施設」を行なうことができると規定している(組合法第九条の二第一項第一号及び第九条の九第一項第四号並びに組織法第十七条第二項第一号参照)が、組合員がその従業員の労働組合と従業員の労働条件等について、団体交渉を行ない、又は労働協約を締結することは、組合員の事業の範囲に属するものである以上、組合員のこれらの行為に便宜を供するための組合等の組織的活動は、右にいう「組合員の事業に関する共同施設」に該当すると認められるから、組合等が組合員のために、組合員の自発的意思に基づく委任を受けて、組合員の従業員の労働組合と組合員の従業員の労働条件等に関し、団体交渉を行ない、又は労働協約を締結することを組合等の事業として行なうことができるものと解される。

なお、協同組合等が労働協約を締結する行為能力を有するかどうかに関しては、別紙昭和二十五年六月七日付法務府法意一発第五十四号運輸事務次官あて法制意見長官回答があるが、本回答は、事業協同組合又はその連合会が、その構成員のため法律上当然に(組合員の委任を受けることなしに)団体交渉を行ない、又は労働協約を締結することができない旨を述べているのであつて、上に述べた見解との関係においては矛盾は生じない。

 

(参考)

○水産業協同組合法及び中小企業等協同組合法の適用を受ける協同組合が、労働組合法上の労働組合と団体協約を締結する等の行為能力の有無について

昭和25年6月7日

(運輸事務次官あて法制意見長官通知)

 三月二九日附員労第一一五号をもつて照会にかかる標記の件について、左のとおり意見を回答する。

問題

(一) 水産業協同組合法又は中小企業協同組合法に基いて設立された漁業協同組合若しくは事業協同組合又はその連合会で、労働組合法上の使用者を構成員とするものは、その構成員たる使用者の雇用する労働者の結成する適法な労働組合と団体交渉を行い、労働協約を締結することができるか。

(二) (略)

意見

(一) お尋ねの協同組合及びその連合会は、現行法の下においては、その資格においてお尋ねのような労働組合と団体交渉を行い、労働協約を締結することはできない。

(二) (略)

理由

(一) お尋ねの協同組合及びその連合会は、いずれも法律に基いて設立された法人であつて、その行い得る事業は、法律の認める目的の範囲内のものでなければならないことは、多言を要しないであろう。そこで、この点に関する法律の規定を通覧するに、これらの協同組合及びその連合会は、経済社会の競争場裡において単独では公正な経済活動を行うことの困難な立場にある漁民又は中小企業者等の団結と相互扶助の精神によつて協同して事業を行い、これらの者の経済活動を確保・促進するとともに、その経済的地位の向上を図ることを目的とし(水産業協同組合法第一条、中小企業等協同組合法第一条)、この目的を達成するために、構成員に対する金融、物資の供給、事業施設及び福利厚生施設の提供、技術指導等もつぱら構成員の事業活動を保護助成し、その共通の利益を図ること及びこれに当然附帯し又は密接不可分の関係を有する附随業務を行うことが認められているのである(水産業協同組合法第二条第一項、第八七条第一項、中小企業等協同組合法第七○条第一項、第七七条第一項)。しかしながら、これらの協同組合又はその連合会がその構成員たる使用者の雇用する労働者の労働組合と団体交渉を行い、労働協約を締結することは、法の掲げるこれらの協同組合又はその連合会の本来の目的たる事業には直接該当しないのみならず(水産業協同組合法第一一条第一項第一一号、第八七条第一項第一二号及び中小企業等協同組合法第七○条第一項第五号、第七七条第一項第六号にいう組合員又は所属員の「経済的地位の改善のためにする団体協約の締結」とは、これらの協同組合又はその連合会がその構成員の経済的地位の改善を図るために団体として契約を締結することができる旨を規定したに止まり、これをもつて労働組合法上のいわゆる労働協約を締結することを認めたものとは解せられない。)、この本来の目的たる事業に当然附帯し又は密接不可分の関係を有する付随的な業務とも認められないから、これは結局法の許す目的の範囲を逸脱する行為であつて、法律上許されないものといわなければならない。この点、これらの協同組合又はその連合会がそのみずから直接雇用する労働者の労働組合と労働協約を締結する場合、そのことが事業の目的に掲げられていないにもかかわらず、これをなし得るとは、似て非なる関係にあるのである。

従つて、お尋ねの協同組合及びその連合会は、現行法の下においては、その資格においてお尋ねのような労働組合と団体交渉を行い、労働協約を締結することはできないものと解する。

(二) (略)