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組合の会合へ出席した時間の賃金の支給
昭和36年9月4日
(岩手県商工水産労働部長あて労働省労政局労働法規課長通知)
一 照会文書の記一に列挙されているごとき労働組合の集会に出席するため欠勤した者に対し、その欠勤の時間中の賃金を支給することは、労組法第七条第三号の「労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること」に該当し、使用者の不当労働行為となる。(昭和二四年八月八日労発 第三一七号 労政局長通ちよう参照)
したがつて、使用者が、かかる場合の賃金を支給することは、法の特に禁ずるところであつて、このことは、通常の遅刻、早退又は欠勤の場合における賃金の取扱いの如何とは無関係である。
二 以上のとおり、組合集会への出席のごとき労働組合活動を就業時間中に行なつた場合におけるその時間中の賃金の支給は、法の特に禁ずるところであつて、これに違反する労働協約の規定は無効であり、またこれに違反する従来の慣行のごときも、法の保護をうける性質のものではないと解せられるから、かかる組合活動による不就業に対するその限度での賃金カツトについては、あらかじめ労働組合側の同意を必要とするものではない。
(参考)
組合活動のため欠勤した者に対し賃金を支給することは経費援助であり不当労働行為と解するが左記の事例についてどうか。(要旨)
記
一 私鉄総連大会、東北地連大会、当社労組の定期大会、県労連大会、当労組の中央委員会、執行委員会、青婦大会、同委員会及び臨時大会等に出席するため欠勤した者に対し賃金を支給すること。
会社としては組合活動以外の事由により遅刻、早退した者が減給されなくとも、組合活動による遅刻、早退、欠勤に対しては賃金を減給するのが妥当と解しますが、当社は一般の遅刻、早退でも減給しており、組合活動のための不就業に対しては当然賃金を支給しないものと解し、当社労組に通告したところ、組合としては経費援助にならないとの解釈であり、結論を得られず本照会に及んだものである。
二 当社労組との労働協約上では組合活動のための欠勤に対しては賃金を支給しない条項を締結しているが、従来の慣行として月五日までの休欠に対しては支給していた。この慣行を打破するための通告であり団体交渉をもつている。団交で以上の件が結論を得ない場合、会社が一方的に、組合活動による不就業に対し賃金カツトして差支えないものと解するが如何。
(昭和36年8月31日 ○○○○自動車株式会社発)