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団体権限委任者の交渉権限、組合の会合へ出席した時間の賃金の支給、最小限の広さの事務所
昭和33年6月9日労発第87号
(京都府知事あて労働省労政局長通知)
【団体権限委任者の交渉権限】
労働組合が団体交渉をする権限を他人に委任する場合、当該受任者に右権限を排他的に委任したのであれば当該受任者のみが交渉権限を有することは当然であるが、労働組合が当該受任者に労働組合の代表者とともに交渉することを委任したのであれば当該受任者と組合の代表者がともに交渉する権限を有することとなる。
右の後段の場合は、一つの交渉事項についてはその交渉権限は統一的に行使されるべきであるから、組合の受任者と組合の代表者が相互に統一なく使用者に団体交渉を求めたような場合には、使用者はこれらの者に対し交渉を統一的に行うように要求することができ、これらの者がこれに応じないときは、これに応じるまで、使用者は団体交渉を拒否することができるものと解する。
(参考)
労働組合法第六条に規定する交渉権限中委任を受けた者が交渉の権限を有することは諒知するが、この場合委任した者は委任する前と同様交渉権限を有するか。
(昭和33年5月31日 福知山市長発)
【組合の会合へ出席した時間の賃金の支給】
労働組合法第七条第三号但書に規定する「使用者と協議し、又は交渉すること」は、組合員が当該組合の加盟団体の会議に出席する場合を包含するものではない。したがつて、労働者が、労働時間中に当該組組合の加盟団体の会議に出席したとき、その時間中の賃金を支払うことは、労働組合法第七条第三号の不当労働行為となる。
(参考)
労働組合法第七条第三号但書中に規定する「労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく」は組合の代表者が加盟団体の会議に出席する場合をも包含するか。
包含しないとすれば不当労働行為となると解するが如何。
(昭和33年5月31日 福知山市長発)
【最小限の広さの事務所】
労働組合法第七条第三号但書に規定する「最小限の広さの事務所の供与」とは、社会通念上必要最小限度の広さと考えられる事務所の供与のことをいい、当該事務所に社会通念上当然含まれると考えられる備品を必ずしも除外する趣旨ではないと解する。
なお、但書の趣旨は、使用者が当然右の意味の事務所の供与をなすべき旨を定めているものではなく、これらのものを使用者が組合に供与しても不当労働行為とはならないという趣旨であるから念のため。
(参考)
労働組合法第七条第三号中「最小限の広さの事務所の供与」と規定されているがこれは備品、掲示板の設置等も包含するものと解してよいか。
(昭和33年5月31日 福知山市長発)