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組合脱退の効力
昭和32年4月12日
(埼玉県民生労働部長あて労働省労政局労働法規課長通知)
標記の件について、貴管内某労組員から照会があつたが、照会の事案が具体的な組合の内部問題であり、且つまた、具体的事情が必ずしも詳らかでないので、一般論として、左記の通り当職の見解を記するから、この旨、照会者に御伝達願いたい。
記
組合員の組合脱退の効力は、一般に、組合員の組合脱退の意思表示によつて発生するものと解するが、照会の如く組合規約に「組合を脱退するものは、理由を明記して支部を通じ組合に届出てその承認をうけて効力を発生する」との規定がある場合は、組合脱退については、その手続に拘束され、組合脱退の効力も、当該組合員が規約所定の手続に従つて脱退の手続をなし、組合がその脱退を承認した時に発生するものであつて、一般に単なる脱退の意思表示のみでは直ちには脱退の効果は生じないものと解する。但し、右の組合の承認行為は、組合員の脱退の意思表示に対して確認的効力を有するに過ぎず、組合員が規約所定の手続に従つて脱退の手続をなしたにも拘らず、組合が正当なる理由なくして承認手続を行わない場合は、組合員の組合脱退の自由を不当に制限することとなり、たとえ組合の承認がなくても組合脱退をなし得るものと解する。