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通達:連合団体、一人親方、実習作業を行う学生、使用者の雇用する労働者の代表者、委任禁止条項と団体交渉拒否の正当理由、会社業務の遂行のための会合への出席と旅費、宿泊費等の支給、福利厚生のための基金の寄附又は施設の供与、逆締付条項と支配介入、専従解除後の昇給等と支配介入、協約の失効と付随的な覚書等の効力、協約失効後の労働条件、協約中においてその適用範囲を限定している場合

 

連合団体、一人親方、実習作業を行う学生、使用者の雇用する労働者の代表者、委任禁止条項と団体交渉拒否の正当理由、会社業務の遂行のための会合への出席と旅費、宿泊費等の支給、福利厚生のための基金の寄附又は施設の供与、逆締付条項と支配介入、専従解除後の昇給等と支配介入、協約の失効と付随的な覚書等の効力、協約失効後の労働条件、協約中においてその適用範囲を限定している場合

昭和25年5月8日労発第153号

(各都道府県知事あて労働省労政局長通知)

 

【連合団体】

単一労働組合とは、法律上の用語ではなく、法律上は単位労働組合か連合団体である労働組合かいずれかに属するのである。その支部又は分会等が本部規約とは別個に独自の組合規約を有し、独自の意思決定をなし、且つ、これを執行する機関及び独自の会計を有する等社団たる実体を備え独自の活動をなしうるものであれば、その支部分会は、単位労働組合と解すべきであるから、この場合にはその単一労働組合は、法第二条の連合団体である労働組合となる。

 

(参考)

所謂単一労働組合は、労組法上単位労働組合と解すべきか。或は連合団体である労働組合と解すべきか。

【一人親方】

一人親方の大工、左官等であつて、時に小規模の請負事業を行うことがあるが通常は日傭労働等に従事し、実質上賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者は、附随的に請負事業を行うことがあつても、法第三条にいう労働者である。この場合附随的に行う請負事業による収入が時により賃金、給料等による収入より多額であるか否かは必ずしもその者が労働者であるか否かを決定するものではない。

従つて又建設業法の規定により登録した場合においても、若しその者の実体が右の見地から労働者であれば単に法規上登録を受けたことのみによつて当然には法第三条にいう「労働者」でなくなるものではない。但し、建設業法施行令第一条の規定によれば、同法第四条の規定により登録する者は、工事一件請負代金三十万円(注 現在五十万円)を超える者であるからこれらの者が法第三条にいう「労働者」に該当することは少いであろう。

(参考)

土木建築に従事する者で時により日傭労働もし、請負事業もする者は、法第三条にいう「労働者」に含まれるか。なお建設業法の規定により登録した者は如何。

【実習作業を行う学生】

(1) 学校において正課時間を行う教育活動及びこれに準ずる実習、課外教育等において、学生が製作作業等の実習を行う場合は、実習材料として外部業者の依託をうけた物品を取扱い、その結果若干の謝礼金等をうけ、その一部を学徒に分配するような場合であつても、かかる学徒は法第三条にいう「賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者」とみることはできないから同条にいう「労働者」ではない。

(2) 然しながら学校の施設を利用し、教師の監督の下に行われる場合でも正課その他所定の教育活動として行われるもの以外のものであつて、その作業によつて収入を得、それを当該作業に従事する学徒に分配することを目的とする内職的性格を有するものは、たとえその監督の教師が併せて実地指導を行うことがあつても、この場合かかる作業に従事して収入を得る学徒は、法第三条にいう「賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者」に該当すると解する。この場合「生活する」とは、その収入を通常生活資料の一部としているものを含むものである。

(参考)

学徒生産事業に参加する学生は法第三条にいう「労働者」に含まれるか。

【使用者の雇用する労働者の代表者】

法第七条第二号において「使用者が雇用する労働者の代表者」とは、「使用者が雇用する労働者」の代表者であつて、その代表者自身は必ずしも交渉の相手方たる使用者に雇用される労働者であることを要するものではない。従つて設問の場合の如く従業員でない者であつても当該使用者に雇用される労働者の代表者である限り使用者が単にその者が自己の従業員でないというだけの理由でその者との団体交渉を拒否することは、不当労働行為となる。

なお、ここに「代表者」とは、その者が一般的に当該労働者の団体又は集団を代表していると考えられる者をいうのであつて法第六条に規定する労働組合の委任を受けた者は、当然法第七条第二号の「代表者」に含まれる。

(参考)

使用者が左に掲げる場合に団体交渉を拒否することは、法第七条第二号違反として不当労働行為となるか。

組合側が従業員でない者を代表者として団体交渉を申し込んだ場合。

【委任禁止条項と団体交渉拒否の正当理由】

労働協約中に労働組合が団体交渉を組合員以外の第三者に委任しない旨の規定がある場合に、その規定に違反して労働組合が団体交渉を組合員以外の第三者に委任することは、当該規定が団体交渉の手続を定めたものと解せられるから、使用者は労働協約に定めた交渉手続に従わない団体交渉として拒否しても、法第七条第二号の「正当なる理由」に該当し不当労働行為とはならない。

なお、労働協約中に設問の如き規定を設けることの当否は別個の問題である。

(参考)

使用者が左に掲げる場合に団体交渉を拒否することは法第七条第二号違反として不当労働行為となるか。

労働協約に「組合は団体交渉を第三者に委任しない」とか「団体交渉は会社代表者と組合代表者とのみが行い、会社の代表者は役員及び非組合員である従業員中より選出し、組合の代表者は従業員である組合員中より選出する」とかいう如き規定がある場合に、組合側が第三者に団体交渉を委任して交渉を申し込んだ場合。

【会社業務の遂行のための会合への出席と旅費、宿泊費等の支給】

生産委員会議等が会社業務の遂行のための会合であると認められる限り、出席者は旅費、宿泊料を支払うことは「組合運営のための経費の支出につき経理上の援助を与えること」に該当しないから不当労働行為とならない。

(参考)

組合員が会社の諮問機関たる生産委員会議等に出席する場合、旅費、宿泊費等を使用者が支給することは、法第七条第三号の「経理上の援助」に該当し、不当労働行為となるか。

【福利厚生のための基金の寄附又は施設の供与】

組合業務のうち福利厚生活動のみにもつぱら従事する専従職員(組合厚生部売店の売子等)の給与を使用者が支給することは、法第二条但書及び法第七条第三号但書にいう厚生又は福利の基金に対する使用者の寄附に該当し、不当労働行為とはならないと解する。

(参考)

使用者が労働組合の福利厚生施設の事務に専従する組合員の給与を他の一般の従業員と同様に支給することは、法第七条第三号の「経理上の援助」に該当し不当労働行為となるか。

【逆締付条項と支配介入】

労働組合は、労働者が主体となつて自主的に❜❜❜❜組織する団体であつて、誰が労働組合の組合員となるかは、労働組合が自主的に決定すべきものであるから、使用者が労働組合に対して組合員又は役員は従業員のみでなければならないと強要しそれを承認しない限り労働協約の締結に応じないというが如きことは、法第七条第三号の「支配又は介入」に該当し、不当労働行為となる。

(参考)

使用者が労働組合に「組合員は従業員であること、又は役員は従業員であること」を要求することは不当労働行為か。

【専従解除後の昇給等と支配介入】

専従役職員の専従期間中一般従業員について使用者が昇給、昇格を行つた場合には、その専従期間を終つて復職した際にそれらの従業員と同様に昇給、昇格せしめることは、原則として法第七条第三号の「支配又は介入」に該当せず、不当労働行為とならない。

なお、専従職員の復職の際の取扱等については、労働協約において明確に規定しておくのが適当である。

(参考)

組合の専従職員に就任した労働者が専従期間を終つて復職する際、昇給、昇格せしめることは不当労働行為か。

【協約の失効と付随的な覚書等の効力】

一 労働組合と使用者又はその団体との間において労働条件その他の事項に関して締結された協定(規程、覚書等を含む。以下同じ。)であつて有効期間の定めのないものの効力については、その名称の如何を問わず労働協約に附随すると解し得るものであれば付随的労働協約として本協約の有効期間中に限り有効であつて、本協約が失効すれば当然その効力を失う。労働協約に附随すると解し得ないものである場合は独立の協定であるから、本協約の失効によりその効力を失うものではない。

二 協定が労働協約に付随するものであるか否かは、本協約、当該協定の規定内容及びその締結当時の事情等の具体的情況によつて判断すべきであつて、「経営協議会規程」、「賃金協定」等の名称によつて一律に判断することはできない。

三 なお、一にいう協定であつて、有効期間の定のあるものは、本協約の失効にかかわらず一般的にいつてその有効期間中効力を有する。

(参考)

労働協約が効力を失つた場合において、当該協約の有効期間中制定された退職金規程、賃金規程等の諸規定及び覚書等は、その労働協約の失効とともに、その効力を失うか。

【協約失効後の労働条件】

一 労働協約が期間満了等により失効した場合は、労働協約の債務的部分のみならず規範的部分もすべて失効する。

二 旧労働協約が失効したにもかかわらず新協約が締結されず無協約状態となつた場合であつても、賃金、労働時間及び退職手当等の労働条件については、使用者は就業規則の定める基準及び労働契約に従わなければならない。ところで就業規則は労働協約に反してはならないから(労基法第九十二条)、従来から存在する就業規則は、旧労働協約に反しない範囲で有効に存続しているものであり、従つて使用者がその就業規則を変更しない限り従来の労働条件が継続されるわけである。更に使用者がその就業規則を変更しようとする場合には、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、この意見を記した書面を添付して就業規則を行政官庁に届け出なければならないのである(労基法第九十条)。

又従来から存する労働契約は、変更されない限り労働協約失効後も引続き労働関係を規律するものであり、この労働契約を変更し又は新たに労働契約を締結するには当該使用者と労働者との明示又は黙示の意志表示による合意を必要とするのであつて、使用者が労働契約の内容を一方的に定めることはできない。

以上のように労働条件は労働協約失効後も法律上は使用者の意のままになるものではない。

(参考)

労働協約が効力を失つた場合において、所謂債務的部分のみならず規範的部分(労働条件その他労働者の待遇に関する基準)もその効力を失うか。

もし効力を失うとすれば使用者は、賃金、労働時間その他の労働条件を自由に変更しうることになるのか。

【協約中においてその適用範囲を限定している場合】

法第十七条の規定により明らかに「同種の労働者」として協約の適用を受くべき労働者について、労働協約によつてその者については協約を適用しない旨を規定し、協約の適用の範囲を限定しても、法第十七条の規定に基き、協約はその者に対して当然に適用される。

(参考)

法第十七条の規定に基き「同種の労働者」として労働協約の適用を受くべき者について労働協約中の規定によつてその者に対する協約の適用を排除できるか。