◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー
クローズド・シヨツプ協定、ユニオン・シヨツプ協定
昭和25年3月20日労収第1191号
(千葉県知事あて労働省労政局長通知)
一 特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する労働組合が使用者とクローズド・シヨツプ又はユニオン・シヨツプの協定を締結した場合、使用者がそれに基いて当該工場事業場に雇用される労働者で当該労働組合に加入しないものを解雇することは労組法第七条第一号但書により一般には認められる。当該労働組合の組合員以外の労働者が別個の労働組合を結成している場合であつても同様である。
二 所謂御用組合が使用者とクローズド・シヨツプ又はユニオン・シヨツプの協定を結んでも、それは労組法第七条第一号但書の労働協約とは認められないから、それに基いて使用者が他の労働組合の組合員に対しその組合を脱退して、御用組合に加入することを雇用条件とすることは不当労働行為となる。従つて右の如きクローズド・シヨツプ又はユニオン・シヨツプの協定は無効である。
三 正当な理由なく組合加入を極端に制限又は拒否する等単に非組合員たる労働者を失職せしめることのみを目的とする場合の如くクローズド・シヨツプ又はユニオン・シヨツプの締結が使用者又は労働組合の権利の濫用に亘ると認められる場合には、そのクローズド・シヨツプ又はユニオン・シヨツプ協定は無効となるであろう。
(参考)
クローズド・シヨツプ、ユニオン・シヨツプ制は旧法下においても認められていたが改正法においては労働組合が一定の範囲で過半数の組合員を持つ場合に限つてこの種協定を認めているが但書の建前からすると、その労働組合が従業員の過半数をしめていれば残りの従業員に対し組合に加入するかそれとも退職するかを間接に強制できることになつているが現に残りの従業員(工場従業員の四分の一)が組合を組織している場合でも労働組合(工場従業員の四分の三をしめる)が使用者との間に締結したクローズド・シヨツプ乃至ユニオン・シヨツプの協定は文字通りその効力を発揮するものと解して差支えなきや。それとも組合加入不加入の自由は憲法上労働者に保障された権利であるからその自由権を否認する此の種協定の効力は他の組合(工場事従業員の四分の一)に所属する組合員にまで及ばず従つてかかる場合の協定は何等意義なきものと解すべきや。
(昭和25年2月16日 千葉県知事発)