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職業的に資格がある会計監査人による会計証明
昭和25年3月13日労収第516号
(東京都知事あて労働省労政局長通知)
一 公認会計士又は計理士がなした組合会計の監査又は証明は、法律上無効でない限り、労組法第五条第二項第七号の「職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書」とみなされる。
二 公認会計士又は計理士が公認会計士法第二十四条第一項又は計理士法第七条の制限に反して財務書類の監査又は証明をした場合であつても、その監査、証明は無効とならず、ただ当事者がその信憑性を争い得るに止まるのであつて、その監査、証明を信憑するか否かは当事者の問題である。
三 なお、設問の例については、労働組合の会計の公正を期するという法の趣旨からして左のように解する。
(1) 設問一については、その者が公認会計士法第二十四条第一項又は計理士法第七条に該当すると否とに拘らず、労組法上は労働組合に対する使用者の支配又は介入のおそれがあるので適当でない。
(2) 設問二については、「職業的に資格がある会計監査人」が組合役員、組合専従職員又は組合会計の責任ある担当者等(過去一年以内にこれらの者であつた者を含む。)組合の会計運営の上に著しい利害関係ある者である場合、その者が自己の所属する労働組合(直系上級団体を含む。)の会計の監査、証明をすることは、公認会計士法第二十四条第一項又は計理士法第七条に該当し、その信憑性について疑念を生ずるおそれが多いから不適当であるが、「職業的に資格がある会計監査人」がその他の一般組合員たる場合に自己の所属する労働組合の会計の監査、証明をすること、及びその者が上級団体たる労働組合に所属する者である場合に、その下級団体たる労働組合の会計の監査、証明をすることは、一般的には差支えないものと解される。
(3) 設問三、四については、一般的には差支えないものと解される。
(参考)
労働組合法第五条第二項第七号の規定による労働組合の会計証明について左記に掲げる行為は、公認会計士法第二十四条第一項の規定による業務の制限に該当するかどうか又若し該当するとすれば同条違反の証明は法的効力を有するか。
記
一 会計監査又は証明を業として行う資格を有する使用者又はその利益代表者が、その所属する労働者の加入する労働組合の会計書類を証明すること
二 会計監査又は証明を業として行う資格を有する組合員又は専従職員(非組合員たる事務専従者以下同じ)が自己の所属する労働組合或はこれと直属系統の関係にある労働組合の会計書類を証明すること
三 会計監査又は証明を業として行う資格を有する組合員又は専従職員がその所属組合の上級連合団体に加盟する他の労働組合の会計書類を証明すること
四 会計監査又は証明を業として行う資格を有する組合員又は専従職員が全く系統を異にする他の労働組合の会計書類を証明すること
(昭和35年1月18日 東京都労働局長発)