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組合役員に対する労災保険法の適用
昭和24年11月11日労収第8377号
(岩手県知事あて労働省労政局長通知)
組合の非専従者である労働者が会社の業務に従事中災害を蒙った場合の災害補償費の算定基礎となる平均賃金は、会社よりその労働者に対して支払つた賃金額についてこれを計算するのであつて、この場合労働組合より支払を受けたものは平均賃金算定の基礎とはならない。
なお、「附記」の見解について、この場合労働組合がその差額を負担しなければならないという法的根拠はないから念のため申し添える。
(照会)
労働組合法が改正以来、組合の非専従者である執行委員、委員、代議員等が会社の就業時間中、組合活動をすると、その間会社側からの給与が減ることになるが、これら組合関係者が偶々会社の業務に従事中災害を蒙った場合、組合活動に関係しない他の従業員達よりも平均賃金が低くなるため災害補償費が当然他の従業員より低額になるものと一応私的見解がなされるのであるが果してこれらの組合関係者の災害補償金の算定基礎はどのように取扱われるものなのか。
附 記
当方の一応の見解通りとすればこれら組合関係者らに支給される補償金と他の従業員のものとの差額は、組合が負担しなくてはならぬと考えられるが、かくては鉱山のように業務災害の危険率の高い処では組合財政が成り立たなくなるし又、かかる事は普段組合関係者に相当精神的な動揺を与え、組合運動に少からぬ悪影響を与える結果にもなると考える。
(昭和24年10月10日 岩手県知事発)