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通達:個々の労働者に対する第七条第三号の不当労働行為

 

個々の労働者に対する第七条第三号の不当労働行為

昭和24年10月3日労収第7384号

(富山県知事あて労働省労政局長通知)

 

使用者が労働者の団体に経理上の援助を与えることは、これを続ける限り当該労働者の団体は第二条第二号に該当して、法に適合する労働組合となることができないわけであり、当該労働者の団体の団体員たる労働者がその団体を法に適合する労働組合たらしめることを使用者が「経理上の援助」という行為により防遏しているのであるから、第七条第三号前段の「労働者が労働組合を結成することを支配し、若しくはこれに加入し」に該当し、その団体に属している労働者に対する不当労働行為が成立する。この労働者個人に対する不当労働行為は、その経理上の援助が労働組合自体に対する不当労働行為になると否とに拘らず成立するものである。

右の場合、その不当労働行為について当該労働者に救済命令が与えられるためには、その労働者が現に属する団体が労働組合法第二及び第五条第二項の規定に適合するものである必要はなく、不当労働行為の成立要件としては、使用者の行為により結成を防遏されている(結成されんとする)団体が、第二条に適合する労働組合であれば足りるのである。

なお、第五条第一項但書の「個々の労働者に対する保護」とは、救済をも含むものであるがここにいう「第七条第一号の規定に基く」とは、必ずしも個々の労働者の保護を第七条第一号に限定する趣旨ではなく、注意的に書き加えたのに止り、第七条第三号に関しても個々の労働者に対する救済が与えられる。この場合、使用者に対する支払中止命令が当該団体を構成する個々の労働者が労働組合を結成する(所属団体を労働組合たらしめることを含む。)ことを妨害する使用者の不当労働行為の排除命令たる救済になるわけである。

 

(参考)

法第七条第三号の不当労働行為は、個々の労働者について成立するか。成立するとせば、第五条第一項但書との関係はどうか。(要旨)