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通達:暴力の行使、労働組合でない労働者の団体と刑罰法規の関係、連合団体、第五条第一項ただし書と不当労働行為救済の申立てとの関係、この法律に規定する手続及び救済、役員の意義、同盟罷業開始の手続、法外組合に対する第七条第三号の不当労働行為、使用者の利益代表者の組合加入と支配介入、行政庁主催の労働学校への組合員の有給派遣、公務遂行時間中の賃金の支給、チエツク・オフ、労組法上の労働組合以外の労働者の団体に対する第八条の適用、五条二項に適合しない労働組合、経理上の援助を拘束した労働協約の効力、期限を定めた自動延長規定の効力

 

暴力の行使、労働組合でない労働者の団体と刑罰法規の関係、連合団体、第五条第一項ただし書と不当労働行為救済の申立てとの関係、この法律に規定する手続及び救済、役員の意義、同盟罷業開始の手続、法外組合に対する第七条第三号の不当労働行為、使用者の利益代表者の組合加入と支配介入、行政庁主催の労働学校への組合員の有給派遣、公務遂行時間中の賃金の支給、チエツク・オフ、労組法上の労働組合以外の労働者の団体に対する第八条の適用、五条二項に適合しない労働組合、経理上の援助を拘束した労働協約の効力、期限を定めた自動延長規定の効力

昭和24年8月8日労発第317号

(各都道府県知事あて労働省労政局長通知)

 

【暴力の行使】

(1) 暴力の行使とは、例えば暴行、傷害、器物毀棄等に該当する行為、即ち、生命、身体、自由若しくは財物等に対する不法な有形力の行使又は不法な実力の行使をいう。

なお、業務妨害罪に規定する「威力」は、暴力より遙かに広い概念であるが、単なる労働組合の団結自体は業務妨害罪の「威力」に該当しないから、暴力のような行き過ぎを伴わない同盟罷業については、業務妨害罪の規定は適用されない。

(2) 第一条第二項は、暴力の行使に含まれないものであつても例えば民事訴訟の仮処分命令等裁判所の執行に反対する行為等は正当な行為とは解釈されず、現行刑罰法規に該当する限り処罰から免れるものではない。又例えば脅迫等の如き暴力に含まれるか否か疑がある行為、又は暴力の行使には含まれないが、これに準ずるような性質の行為は、暴力の行使でなくても不当な行為であることには疑がない。

(3) (2)に掲げるものの外にも暴力の行使以外の行為であつて労働組合の正当でない行為があることは勿論であつて、第一条第二項は不当な行為を「暴力の行使」のみに限定するものではない。

 

(参考)

第一条第二項但書の「暴力の行使」の意義如何。なお、暴力の行使でなければ正当な行為と解釈してよいか。

【労働組合でない労働者の団体と刑罰法規の関係】

労働組合法第二条に該当しない労働者の団体に対しては、第一条第二項の規定は適用されないことは当然であるが、かかる団体の行為についても、直接刑法第三十五条の規定により処罰から免れることがありうる。

(参考)

労組法上の労働組合でない労働者の団体と刑罰法規の関係如何。

【連合団体】

第二条但書第一号又は第二号に該当する労働者の団体の参加を許す連合団体は、連合団体全体として見ても使用者の利益代表者の参加を許し、又は使用者の経理上の援助を受ける団体であるから、労組法上の連合団体である労働組合ではない。又一般に労働組合でない労働者の団体を構成員とする連合団体は、労組法第二条本文の「その(労働組合の)連合団体」ではないから、かかる連合団体は労組法上の労働組合ではない。

(参考)

労組法上の労働組合でない労働者の団体を構成員として含む労働組合は、第二条にいう連合団体である労働組合と認められるか。

【第五条第一項ただし書と不当労働行為救済の申立てとの関係】

第二条の要件に関しては、不当労働行為があつた時においてその労働者の団体が第二条に該当しないときは不当労働行為(労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとした場合及び第七条第二号の場合を除く。)の成立がないから、救済を受けることはできない。又申立の時、及び救済を受ける時(審問終結の時)においても第二条に適合していなければならないことはいうまでもない。

(参考)

使用者の不当労働行為が成立するためには、労働組合が不当労働行為の行われたときに法の規定に適合していることが必要か、不当労働行為の申立をする時までに適合していればよいか。

【この法律に規定する手続及び救済】

第五条第一項の「手続」とは、第十一条に規定する法人登記の手続、第十八条に規定する労働協約の拡張適用の申立の手続、第十九条第七項に規定する労働委員会の委員の候補者の推せん❜❜手続、第二十七条の規定する不当労働行為の申立の手続及び労調法に規定するあつ❜❜旋、調停、仲裁の申請の手続をいい、「救済」とは、労組法第二十七条に規定する労働委員会の命令等による救済をいう。

(参考)

第五条第一項に規定する「手続及び救済」とは何か。

【第五条第一項ただし書と不当労働行為救済の申立てとの関係】

労働組合が、労組法及び労調法に規定する手続に参与し、且つ、これらの法律に規定する救済を与えられるためには、第五条第一項本文の立証を必要とするが、第七条第一号の構成要件に該当する使用者の行為が行われた場合、個々の労働者が保護を受けるためにはその所属する労働組合が本文の如き立証をする必要がないというのが第五条第一項但書の意味である。従つて第五条第一項但書の実益は、その労働者が加入している労働組合が自ら立証手続をしないでよいこと、及び第二条に適合するが第五条第二項の規約は備えていない労働組合の組合員も救済を受け得ること、個々の労働者は常に申立が出来ることの三点が明確にされたことにある。第七条第一号では「労働者が労働組合の組合員であること」若しくは「労働組合の正当な行為をしたこと」と規定しているから、労組法上の労働組合でない労働者の団体の構成員である労働者については、右の理由による不当労働行為の成立はあり得ない。但し、労働者が労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとした場合には、その労働者が労組法上の労働組合でない労働者の団体の構成員たる労働者である場合についても結成又は加入しようとする団体が労働組合法上の労働組合であれば(結成については、未結成の間は反証なき限り法に適合する労働組合を結成せんとするものであると推定される。)不当労働行為が成立すること勿論である。

(参考)

第五条第一項但書では、第七条第一号の保護は個々の労働者にも否定されない旨を規定しているが、第五条第一項但書と第七条第一号との関係如何。

【役員の意義】

役員とは、労働組合の執行機関又は監査機関の構成員をいう。なお、中央委員等の名称をもつ者は、普通一般には決議機関の構成員であるが、それが執行、監査の権限を有する場合には、役員に含まれる。

(参考)

第五条第二項第五号にいう役員とは何か。

【同盟罷業開始の手続】

同盟罷業の開始の決定は、「直接無記名投票の過半数」と指定されているのであつて、第九号の規約改正の規定が「組合員…の過半数の支持」「代議員の…過半数の支持」と規定されているのと異るから、組合員又は代議員の有効投票数の過半数でよい。

(参考)

同盟罷業の開始の決定は、組合員又は代議員の全員の過半数の賛成投票を必要とするか。

【同盟罷業開始の手続】

法令により争議行為を禁止されている労働組合は、その規約に第八号の規定を設ける必要はない。又規約に争議行為を行わない旨の規定をもつ労働組合は、その規定が法第五条第二項第八号の規定に代るものであつて、別に同号の如き規定を設ける必要はない。

(参考)

法令により争議行為ができない労働組合又は規約で争議行為を行わない旨を定めている労働組合において、その規約に第八号の規定を設けなければならないか。

【法外組合に対する第七条第三号の不当労働行為】

(1) 労働組合たるべき労働者の団体であつて使用者の経費援助を排除しさえすれば労組法上の労働組合となりうる場合に使用者がこれに経費援助をするときは、第七条第三号後段「労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること」に該当し、労働組合自体に対する不当労働行為が成立する。又使用者の経費援助を排除してもなお第二条の要件を欠く労働者の団体に対して使用者が経費援助をするときは「労働組合」に対する不当労働行為としては成立しないが、この場合においても、その使用者の行為はその団体が法に適合する労働組合となることを妨げる行為であるから第三号前段の「労働者が労働組合を結成することを支配し、若しくはこれに介入し」に該当し、労働組合に対してではなく、その団体に加入している労働者に対する不当労働行為が成立する。

(2) なおかかる使用者の支配若しくは介入を受け、又は経費の援助を受けている労働者の団体が存在することは、そのためにその会社工場等における他の労働組合の結成を妨げることになる場合が多いから第三号前段の不当労働行為となるのが通常である。

(参考)

使用者が労組法上の労働組合でない労働者の団体に経費援助を与えるとは不当労働行為となるか。

【使用者の利益代表者の組合加入と支配介入】

使用者が明かに第二条但書第一号に該当する者が労働者の組合に加入することを認容し、又これを奨励するときは、この使用者の行為により、当該労働者の団体は法に適合する労働組合となることが妨げられるのであるから、労働者が「労働組合を結成することを支配し、若しくは介入する」ものとして不当労働行為となる。

(参考)

労働組合が第二条但書第一号に規定する使用者の利益を代表する者の参加を許し、それらの者が当該労働組合に加入しているときは、使用者の不当労働行為が成立するか。

【組合の会合へ出席した時間の賃金の支給】

労働者が労働時間中に労働組合の大会、委員会等に出席したときその時間中の賃金を支払うことは「労働組合の運営のための経費」の援助に該当する。

(参考)

使用者が左の場合にその間の時間に対する賃金給与を支給することは第七条第三号の経費援助に該当するか。

労働者が労働時間中に労働組合の大会、委員会等に出席する場合。

【行政庁主催の労働学校への組合員の有給派遣】

行政庁等主催の労働者教育に労働時間中に出席した場合の賃金支給は、「労働組合の運営のための経費」の援助には該当しない。

なお、労働組合の行う組合員教育に出席する場合は、その組合教育が厚生、福利の範囲内ならば「労働組合の運営のための経費」の援助には該当するが、第二条第二号但書及び第七条第三号但書に該当するものとしてこの場合の経費援助は許される。

(参考)

労働学校、労働者講座等に労働時間中に出席する場合、使用者がその間の時間に対する賃金給与を支給することは第七条第三号の経費援助に該当するか。

【公務遂行時間中の賃金の支給】

組合専従者でない労働者が労働基準法第七条の「公の職務を執行する」場合に、使用者がこれに賃金を支払うことは一般に「労働組合の運営のための経費援助」には該当しない。当該組合が当事者となつている不当労働行為の救済手続、調停手続、裁判手続等のために労働委員会、裁判所等に出頭する場合の時間の給与支払は経費援助に該当するが、組合活動以外の要務のために出頭する時間の給与支払は、一般に「労働組合の運営のための経費」の援助には該当しない。

(参考)

労働者が公職に就いて労働時間中に公職を行う場合及び労働時間中に労働委員会、裁判所等に出頭する場合、使用者がその間の時間に対する賃金給与を支給することは第七条第三号の経費援助に該当するか。

【チエツク・オフ】

使用者が労働組合の組合費を組合員の賃金その他の給与から差引くことは、「労働組合の運営のための経費」の援助には該当しないと解する。但し、労働協約に明文がない場合に差し引けば、労働基準法第二十四条第一項にてい触する。

(参考)

使用者が労働組合の組合費を組合員の賃金から差引いて当該組合に渡すことは、第七条第三号の経費援助に該当するか。

【労組法上の労働組合以外の労働者の団体に対する第八条の適用】

第八条の規定は、労組法上の労働組合以外の労働者の団体に対して適用がないことは勿論であるが、民事上の損害賠償責任を生ずる不法行為又は債務不履行の成立には、違法性があり、又は債務の本旨に反することを要件とするのであつて、労組法上の労働組合以外の労働者の団体の行為についても、第八条の規定の類推によつて違法性なく、又は債務の本旨に反せざるものとして不法行為又は債務不履行の成立なきものとせられ、損害賠償の責任を生じないことがありうる。

(参考)

第八条の民事上の免責は、労組法上の労働組合以外の団体には適用ないか。

【五条二項に適合しない労働組合】

貴見の通りである。

(参考)

第二条の要件を満たしているが、第五条第二項の規約の必要記載事項を欠いている労働者の団体は、労働法にいう労働組合といえるのであるか。もし然りとすれば、この組合にはすべて労組法の適用があることになるが、第五条第一項の規定から、労組法の手続に参与できず、救済が与えられないと解してよいか。従つてこの場合そのような労働組合は、第三章の適用がある労働協約を締結できると解してよいか。

【経理上の援助を拘束した労働協約の効力】

労働協約に専従役職員の賃金給料等を使用者が支払う旨の規定があつてもその他の点で第二条に適合していれば、支払が現実に実行されていない間は、必ずしも労働組合の資格が失われないから労働協約全体の効力には影響はないが、使用者が不当労働行為をすることを約する条項として、協約中の当該規定の部分のみが無効となる。

(参考)

労働協約に専従役職員の賃金給料等を使用者が支払う旨の規定がある場合その規定の効力如何。

【期限を定めた自動延長規定の効力】

第十五条第二項は、労働協約の不合理な延長を防止しようとするものであるから、期限を限定して自動延長を規定する場合(例えば「本協約の改訂の申入れがあつた場合でも、新協約が締結されるまでは期間満了後二ヶ月間を限り、本協約の有効期間を延長する。」という規定が労働協約中に含まれている場合。)は、その期限をも含めて同条にいう「期限」と解しうるからその期間内は同項本文により失効することはない。

(参考)

期限を定めて自動延長を許す場合は、第十五条第二項本文の規定にてい触するか。