img1 img1 img1

◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー  

通達:労働組合の定義、クローズド・シヨツプ協定、ユニオン・シヨツプ協定

 

労働組合の定義、クローズド・シヨツプ協定、ユニオン・シヨツプ協定

昭和22年10月13日

(鳥取県教育民生部長あて労働省労政局労政課長通知)

 

【労働組合の定義】

労組法上の労働組合の組織形態に関して、労組法第二条は「労働者ガ組織スル団体」又は「其ノ連合団体」と規定するが、前者は所謂単位組合、後者は所謂連合団体と指称され、所謂単一組合なる組織形態に関しては、法律は何等積極的に規定する所がない。

従つて単一組合に関しては、規約、実際の活動を調査の上法律上は連合団体或は単位組合として取扱うべきである。

(1) 単位組合

法文上明かなる如く、労働者個人を直接の構成分子とする組織形態である。

(2) 連合団体

法文上明かなる如く、単位組合が夫々労働組合としての独立性を保持しつつ一企業(数事業場を有するのが通常)一職業一産業或は一地域等の範囲で連合する組織形態である。従つて単位組合と連合団体の法律上の差異は、一は労働者個人を他は労働組合を直接の構成分子とし、従つて個人加入なりや団体加入なりやの点に求められる。

(3) 単一組合

法律上の概念ではないが、通常単一組合と指称されるものは、単位組合同様、労働者個人を直接の構成分子とし従つて個人加入であるが、一職業或は一産業等大規模の労働者を組織単位とするので各支部が労働組合として独立性を有すと認められる場合が殆ど凡てであり、従つて法律上は連合団体として取扱うのが妥当である。但し各支部が全く独立性を有せざることが、規約上若くは実際的活動上明瞭な場合一個の単位組合として取扱うことは差支えない。ここにいう支部の独立性とは、

(イ) 労組法第七条所定の独自の規約を有すること。

(ロ) 独自の機関による独自の活動(団体交渉争議其の他の団体行動)を為すこと。

(ハ) 本部の組合基金と別個に独自の組合基金を有すること。

  等の諸点である。

 

(参考)

「単位労働組合」「労働組合連合団体」の定義及びいわゆる「単一労働組合」の定義いかん。

(昭和22年8月19日 鳥取県教育民生部長発)

【クローズド・シヨツプ協定、ユニオン・シヨツプ協定】

クローズド・シヨツプ及びユニオン・シヨツプの定義に関しては従来混乱を免れなかつたが大体次の如き概念上の区別が必要である。

(1) クローズド・シヨツプとは「既に一定の労働組合に加入している労働者でなければ採用せず、且つ当該組合を脱退した時は解雇する」という協定である。即ち当該事業場において、組合が独占的勢力を握るのみならず、労働市場そのものをも支配せんとするものであつて、今日かかる協定が純粋に締結されている実例は日本では皆無であり外国においても、土建業における大工、左官等の職業別組合の一部に存するのみである。

(2) ユニオン・シヨツプとは「採用は誰でもよいが採用された後は一定の労働組合に加入しなければならない。そして当該組合を脱退したら解雇する」という協定である。即ち之は当該事業場において組合が独占的勢力を握るのみであつて、労働市場には何等関係する所がない。(要旨)

 

(参考)

クローズド・シヨツプ、ユニオン・シヨツプの定義いかん。

(昭和22年8月29日 鳥取県教育民生部長発)