◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー
一箇月単位の変形労働時間制に関する協定等の本社一括届出について
令和6年2月16日基発0216第8号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「法」という。)第32条の2、第32条の5、第38条の2及び第38条の3の規定による協定並びに法第38条の4第1項の規定による決議については、事業場単位で協定の締結又は決議をし、当該事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄署長」という。)に届け出ることとされ、また、法第38条の4第4項の規定による報告については、事業場単位で所轄署長に報告することとされている。
今般、複数の事業場を有する企業においては、下記により、いわゆる本社機能を有する事業場(以下「本社」という。)の使用者が一括して本社の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「本社管轄署長」という。)に記の第1の「対象手続」に掲げる協定若しくは決議の届出又は報告を行う場合(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成14年法律第151号)第6条第1項に基づき、電子情報処理組織を使用する方法により届出又は報告を行う場合(以下「電子申請の場合」という。)に限る。)には、本社以外の事業場の届出又は報告が所轄署長になされたものとして差し支えないこととしたので、その実施に遺漏なきを期されたい。
なお、本通達は令和6年2月23日から適用する。
記
第1 趣旨
平成15年2月15日付け基発第0215001号、同日付け基発第0215002号及び令和5年2月24日付け基発0224第8号により、就業規則、時間外・休日労働協定及び一年単位の変形労働時間制に関する協定については、本社一括届出を認めてきたところであるが、今般、以下の手続においても、事業場ごとに締結された協定又は決議を本社の使用者が一括して本社管轄署長に届け出ること及び事業場ごとの報告を本社の使用者が一括して本社管轄署長に行うことを認めるものであること。ただし、この取扱いは、電子申請の場合に限るものであること。
(対象手続)
・一箇月単位の変形労働時間制に関する協定
・一週間単位の非定型的変形労働時間制に関する協定
・事業場外労働に関するみなし労働時間制に関する協定
・専門業務型裁量労働制に関する協定
・企画業務型裁量労働制に関する決議
・企画業務型裁量労働制に関する定期報告
なお、法第32条の2第2項及び労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号。以下「則」という。)第12条の2の2第2項、法第32条の5第3項及び則第12条の5第4項、法第38条の2第3項及び則第24条の2第3項、法第38条の3第2項及び則第24条の2の2第4項並びに法第38条の4第1項及び則第24条の2の3第1項において、これらの協定又は決議は事業場ごとに所轄署長に届け出ることとされ、また、法第38条の4第4項及び則第24条の2の5第1項において、事業場ごとに所轄署長に報告することとされているものであり、今般の取扱いによってもこの考え方は変更されるものではないこと。
第2 要件
1 一箇月単位の変形労働時間制に関する協定(法第32条の2関係)
本社の協定と、全部又は一部の本社以外の事業場に係る協定の内容が同一であること。「内容が同一である」とは、様式の記載事項のうち、以下のものが同一であることをいうこと。
ア 業務の種類
イ 変形期間(起算日)
ウ 変形期間中の各日及び各週の労働時間並びに所定休日
エ 協定の有効期間
オ 労働時間が最も長い日の労働時間数(満18歳未満の者)
カ 労働時間が最も長い週の労働時間数(満18歳未満の者)
キ 使用者の職名及び氏名
2 一週間単位の非定型的変形労働時間制に関する協定(法第32条の5関係)
本社の協定と、全部又は一部の本社以外の事業場に係る協定の内容が同一であること。「内容が同一である」とは、様式の記載事項のうち、以下のものが同一であることをいうこと。
ア 業務の種類
イ 1週間の所定労働時間
ウ 変形労働時間制による期間
エ 使用者の職名及び氏名
3 事業場外労働に関するみなし労働時間制に関する協定(法第38条の2関係)
本社の協定と、全部又は一部の本社以外の事業場に係る協定の内容が同一であること。「内容が同一である」とは、様式の記載事項のうち、以下のものが同一であることをいうこと。
ア 業務の種類
イ 1日の所定労働時間
ウ 協定で定める時間
エ 協定の有効期間
オ 使用者の職名及び氏名
4 専門業務型裁量労働制に関する協定(法第38条の3関係)
本社の協定と、全部又は一部の本社以外の事業場に係る協定の内容が同一であること。「内容が同一である」とは、様式の記載事項のうち、以下のものが同一であることをいうこと。
ア 法人番号
イ 協定の有効期間
ウ 業務の種類
エ 業務の内容
オ 1日の所定労働時間
カ 協定で定める1日のみなし労働時間
キ 労働者の健康及び福祉を確保するために講ずる措置
ク 労働者の労働時間の状況の把握方法
ケ 労働者からの苦情の処理に関して講ずる措置
コ 対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないことについての協定の有無
サ 労働者の同意を得なければならないこと及び同意をしなかった労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないことについての協定の有無
シ 同意の撤回に関する手続
ス 労働者の労働時間の状況並びに労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況、労働者からの苦情の処理に関する措置の実施状況並びに同意及びその撤回に関する労働者ごとの記録を協定の有効期間中及び当該有効期間の満了後3年間保存することについての協定の有無
セ 使用者の職名及び氏名
5 企画業務型裁量労働制に関する決議(法第38条の4第1項関係)
本社の決議と、全部又は一部の本社以外の事業場に係る決議の内容が同一であること。「内容が同一である」とは、様式の記載事項のうち、以下のものが同一であることをいうこと。
ア 法人番号
イ 決議の有効期間
ウ 業務の内容
エ 労働者の範囲(職務経験年数、職能資格等)
オ 決議で定める1日のみなし労働時間
カ 労働者の健康及び福祉を確保するために講ずる措置
キ 労働者の労働時間の状況の把握方法
ク 労働者からの苦情の処理に関して講ずる措置
ケ 労働者の同意を得なければならないこと及び同意をしなかった労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないことについての決議の有無
コ 同意の撤回に関する手続
サ対象労働者に適用される評価制度及びこれに対応する賃金制度を変更する場合にあっては、労使委員会に対し、当該変更内容について説明を行うことについての決議の有無
シ 労働者の労働時間の状況並びに労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況、労働者からの苦情の処理に関する措置の実施状況並びに同意及びその撤回に関する労働者ごとの記録を決議の有効期間中及び当該有効期間の満了後3年間保存することについての決議の有無
ス 運営規程の有無
セ 運営規程についての委員会の同意の有無
ソ 使用者の職名及び氏名
6 企画業務型裁量労働制に関する定期報告(法第38条の4第4項関係)
本社の報告と、全部又は一部の本社以外の事業場に係る報告の内容が同一であること。「内容が同一である」とは、様式の記載事項のうち、以下のものが同一であることをいうこと。
ア 法人番号
イ 報告期間
ウ 業務の内容
エ 労働者の範囲
オ 労働者の労働時間の状況の把握方法
カ 使用者の職名及び氏名
7 その他
上記の「対象手続」の協定事項、決議事項及び報告事項のうち、上記1~6に掲げる事項以外のもの(同一であることを要しないもの)が記入された所定の電子ファイル(「一括届出事業場一覧作成ツール」で作成したCSVファイル)が添付されていること。