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通達:自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正等について

 

自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部改正等について

令和4年12月23日基発1223第3号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

自動車運転者の労働時間等の労働条件については、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号。以下「改善基準告示」という。)、平成元年3月1日付け基発第92号「一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間の特例について」(以下「特例通達」という。)、同日付け基発第93号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」(以下「93号通達」という。)、平成9年3月11日付け基発第143号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について」(以下「143号通達」という。)及び同月26日付け基発第201号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準に係る適用除外業務について」(以下「適用除外業務通達」という。)により、その改善を図ってきたところであるが、改善基準告示は、今般、令和4年9月27日の労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会の報告(別紙1。以下「令和4年報告」という。)を踏まえ、告示された「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部を改正する件」(令和4年厚生労働省告示第367号。別紙2。以下「改正告示」という。)により、別紙3のとおり改正されたところである。

ついては、令和6年4月1日以後は、改正告示による改正後の改善基準告示(以下「新告示」という。)によって自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善を図ることとしたので、下記の事項に留意の上、その適切な運用を期されたい。

なお、本通達は、特例通達、93号通達、143号通達及び適用除外業務通達(以下これらを「旧通達」という。)の内容を整理し、一本化したものであるところ、下記第2及び第3については、令和6年4月1日から適用することとし、旧通達は同日をもって廃止する。

 

目次

第1 改正の趣旨及び概要

第2 内容

1 目的等(第1条関係)

(1) 目的(第1項)

(2) 労使関係者の責務(第2項)

(3) 時間外・休日労働協定をする場合の留意事項(第3項)

(4) 拘束時間及び休息期間の定義

(5) 個人事業主等の取扱い

2 タクシー運転者の拘束時間等(第2条第1項から第4項まで関係)

(1) 日勤勤務者の拘束時間及び休息期間(第1項)

(2) 隔日勤務者の拘束時間及び休息期間(第2項)

(3) 車庫待ち等の自動車運転者について(第1項、第2項)

(4) 予期し得ない事象への対応時間の取扱い(第3項)

(5) 休日労働(第4項)

3 ハイヤー運転者の時間外労働の上限規制等(第2条第5項、第3条関係)

(1) 拘束時間、休息期間等の適用除外(第2条第5項)

(2) 時間外労働の上限規制等(第3条)

4 トラック運転者の拘束時間等(第4条関係)

(1) 1箇月及び1年の拘束時間(第1項第1号、第2号)

(2) 1日の拘束時間(第1項第3号、第4号)

(3) 休息期間(第1項第5号)

(4) 運転時間(第1項第6号)

(5) 連続運転時間(第1項第7号)

(6) 住所地での休息期間(第2項)

(7) 予期し得ない事象への対応時間の取扱い(第3項)

(8) 拘束時間及び休息期間の特例(第4項)

(9) 休日労働(第5項)

5バス運転者の拘束時間等(第5条関係)

(1) 1箇月及び1年又は4週平均1週及び52週の拘束時間(第1項第1号、第2号)

(2) 1日の拘束時間(第1項第3号)

(3) 休息期間(第1項第4号)

(4) 運転時間(第1項第5号)

(5) 連続運転時間(第1項第6号、第7号)

(6) 住所地での休息期間(第2項)

(7) 予期し得ない事象への対応時間の取扱い(第3項)

(8) 拘束時間及び休息期間の特例(第4項)

(9) 休日労働(第5項)

6 適用除外業務

第3 自動車運転者の労働時間等の取扱い及び賃金制度等の取扱い

1 労働時間等の取扱い

2 賃金制度等の取扱い

3 法定基準等の確保

第4 発注者等

別紙1 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の在り方について(報告)(令和4年9月27日労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会取りまとめ)

別紙2 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部を改正する件(令和4年厚生労働省告示第367号)

別紙3 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号)(改正後全文)

別紙4-1 ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示の内容(一覧表)

別紙4-2 トラック運転者の改善基準告示の内容(一覧表)

別紙4-3 バス運転者の改善基準告示の内容(一覧表)

別紙5-1 労使協定(例)(ハイヤー・タクシー)

別紙5-2 労使協定(例)(トラック)

別紙5-3 労使協定(例)(バス)

別紙6 本通達と旧通達の対照表(参考資料)

 

第1 改正の趣旨及び概要

自動車運転者の労働時間等の規制については、改善基準告示により、拘束時間、休息期間等の基準が設けられ、その遵守を図ってきたところである。

しかしながら、運輸・郵便業においては、過労死等のうち脳・心臓疾患の労災支給決定件数が全業種で最も多い業種である(令和3年度:59件(うち死亡の件数は22件))等、依然として長時間・過重労働が課題になっている。

一方、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号。以下「働き方改革関連法」という。)では、労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「法」という。)が改正され、新たに時間外労働の上限規制が設けられたところであり、自動車運転の業務にも、令和6年4月1日から、時間外労働の上限を原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がある場合でも時間外労働の上限を年960時間とする等の規制が適用されることとなる。また、働き方改革関連法の国会附帯決議(衆議院厚生労働委員会(平成30年5月25日)及び参議院厚生労働委員会(同年6月28日))において、過労死等の防止の観点から改善基準告示の総拘束時間等の改善を求められていた。

こうした状況の下、今般、関係労使の代表の合意である令和4年報告に基づき、改善基準告示の改正を行ったものであり、上限規制を踏まえた時間外労働の削減や過労死等の防止といった観点から、労使関係者にあっては、新告示を遵守することが強く要請されるものである。

なお、改善基準告示のそれぞれの内容に係る改正の趣旨及び概要は、第2のとおりであること。

 

第2 内容

1 目的等(第1条関係)

(1) 目的(第1項)

長時間労働の実態がみられる自動車運転者について、労働時間等に関する改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の労働条件の向上を図ることを目的とすることを明らかにするものであること。

改善基準告示の対象者は、法第9条にいう労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。以下同じ。)であって、四輪以上の自動車の運転の業務(厚生労働省労働基準局長(以下「局長」という。)が定めるものを除く。以下同じ。)に主として従事するものであること。このため、改善基準告示は、運送を業とするか否かを問わず、自動車運転者を労働者として使用する全事業に適用されるものであり、例えば工場等の製造業における配達部門の自動車運転者等、自家用自動車(事業用自動車以外の自動車をいう。)の自動車運転者にも適用されるものであること。

「自動車の運転の業務に主として従事する」か否かは、個別の事案の実態に応じて判断することとなるが、実態として、物品又は人を運搬するために自動車を運転する時間が現に労働時間の半分を超えており、かつ、当該業務に従事する時間が年間総労働時間の半分を超えることが見込まれる場合には、「自動車の運転の業務に主として従事する」に該当するものであること。

このため、自動車の運転の業務が主たる業務ではない労働者、例えばクレーン車のオペレーターが移動のため路上を走行するような場合には、原則として「自動車の運転の業務に主として従事する」に該当しないものであること。

「四輪以上の自動車の運転の業務(局長が定めるものを除く。)」の「局長が定める」業務とは、6に定める緊急輸送等の業務であり、当該業務を改善基準告示の適用除外とするものであること。

なお、第1項の考え方については、改正告示による改正前の改善基準告示(以下「旧告示」という。)からの変更はないこと。

(2) 労使関係者の責務(第2項)

労働関係の当事者は、改善基準告示で定める基準を理由として、自動車運転者の労働条件を低下させてはならないことを求めるとともに、その向上に努めなければならないことを規定するものであること。

なお、第2項の考え方については、旧告示からの変更はないこと。

(3) 時間外・休日労働協定をする場合の留意事項(第3項)

令和6年4月1日から、自動車運転の業務に対しても、時間外労働の上限規制が適用されるとともに、労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針(平成30年厚生労働省告示第323号。以下「指針」という。)が全面適用されることを踏まえ、使用者及び労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者(以下「労使当事者」という。)は、法第36条第1項の協定(以下「時間外・休日労働協定」という。)を締結するに当たっては、次の事項に十分留意しなければならないことを、新たに規定したものであること。

ア 労働時間を延長して労働させることができる時間(以下「時間外労働時間」という。)は、1箇月について45時間及び1年について360時間(1年単位の変形労働時間制を採用している場合であって、その対象期間として3箇月を超える期間を定めているときは、1箇月について42時間及び1年について320時間。以下「限度時間」という。)を超えない時間に限ることとされていること。

イ アに定める1年の限度時間を超えて労働させることができる時間(以下「臨時的な特別の事情がある場合の時間外労働時間」という。)を定めるに当たっては、事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に当該限度時間を超えて労働させる必要がある場合であっても、960時間を超えない範囲内とされていること。

ウ ア及びイに掲げるもののほか、労働時間の延長及び休日の労働は必要最小限にとどめられるべきであることその他の労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項については、指針において定められていること。

(4) 拘束時間及び休息期間の定義

ア 拘束時間

拘束時間とは、労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む。以下同じ。)の合計時間、すなわち、始業時刻から終業時刻までの使用者に拘束される全ての時間をいうものであること。また、拘束時間の範囲内であっても、法定労働時間を超えて又は休日に労働させる場合には、時間外・休日労働協定の締結・届出が必要であることはいうまでもないこと。

拘束時間とは、基本的には労働時間と休憩時間の合計時間をいうものであるが、改善基準告示においては拘束時間規制の観点から、あらゆる場合における始業時刻から終業時刻までの使用者に拘束されている全ての時間を確実に含ましめるため、念のため「その他の使用者に拘束されている時間」を加えたものである。したがって、通常の場合「その他の使用者に拘束されている時間」が発生する余地はなく、労働時間と休憩時間の合計時間が拘束時間となるものである。

なお、今回の改正においては、臨時的な特別の事情がある場合でも時間外労働の上限が年960時間とされていること等を踏まえ、1年及び1箇月の拘束時間について、次の時間数を念頭に見直しの検討が行われたものである。

・1年の拘束時間(3,300時間)=1年の法定労働時間(週40時間×52週=2,080時間)+1年の休憩時間(1時間×週5日×52週=260時間)+時間外労働960時間

・1箇月の拘束時間(275時間)=1年の拘束時間(3,300時間)÷12か月

ただし、この時間数は、事業場ごとの所定労働時間、休憩時間及び月の日数等の違いを考慮したものではないため、あくまで「目安」として参考にしたものである。

イ 休息期間

休息期間とは、使用者の拘束を受けない期間であること。勤務と次の勤務との間にあって、休息期間の直前の拘束時間における疲労の回復を図るとともに、睡眠時間を含む労働者の生活時間として、その処分が労働者の全く自由な判断に委ねられる時間であり、休憩時間や仮眠時間等とは本質的に異なる性格を有するものであること。

(5) 個人事業主等の取扱い

法第9条にいう労働者に該当しない個人事業主等は、改善基準告示の直接の対象とはならない。他方、道路運送法(昭和26年法律第183号)及び貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)等の関連法令に基づき、旅客自動車運送事業者及び貨物自動車運送事業者は、運転者の過労防止等の観点から、国土交通大臣が告示で定める基準に従って、運転者の勤務時間及び乗務時間を定め、当該運転者にこれらを遵守させなければならない旨の規定が設けられており、その基準として、改善基準告示が引用されている。当該規定は、個人事業主等である運転者にも適用され、実質的に改善基準告示の遵守が求められるものであることから、これらの事業者等の関係者は、このことに留意する必要があること。

2 タクシー運転者の拘束時間等(第2条第1項から第4項まで関係)

第2条第1項から第4項までは、一般乗用旅客自動車運送事業に従事する自動車運転者(ハイヤーに乗務する自動車運転者(以下「ハイヤー運転者」という。)を除く。以下「タクシー運転者」という。)の拘束時間、休息期間等の基準を定めたものであること。

なお、第2条第5項は、ハイヤー運転者について、タクシー運転者に係る基準は適用しないことを定めたものであること(3参照)。

(1) 日勤勤務者の拘束時間及び休息期間(第1項)

タクシー運転者のうち、隔日勤務(始業及び終業の日が同一の日に属さない業務をいう。以下同じ。)以外の勤務に就く者(以下「日勤勤務者」という。)の拘束時間及び休息期間については次のとおりであること。

ア 1箇月の拘束時間(第1号)

日勤勤務者の1箇月の拘束時間は、「288時間」を超えないものとしたこと。

旧告示において、日勤勤務者の1箇月の拘束時間の限度は「299時間」とされていたが、「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」(令和3年9月14日付け基発0914第1号別添。以下「脳・心臓疾患に係る労災認定基準」という。)において発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって1か月あたりおおむね80時間を超える時間外労働(休日労働)がある場合に業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強いと評価できるとされていること等を踏まえ、過労死等の防止の観点から、月80時間の時間外労働を前提とした「275時間」の拘束時間に、月1回の休日労働として1日「13時間」の拘束時間を加えた、「288時間」としたこと。

なお、第1号の「1箇月」とは、原則として暦月をいうものであるが、就業規則、勤務割表等で特定日を起算日と定めている場合には、当該特定日から起算した1箇月でも差し支えないものであること。((2)アの隔日勤務者の1箇月の拘束時間についても同じ。)

第1号ただし書は、車庫待ち等の自動車運転者の1箇月の拘束時間を定めたものであること((3)参照)。

イ 1日の拘束時間(第2号、第3号)

日勤勤務者の1日(始業時刻から起算して24時間をいう。以下同じ。)の拘束時間は、「13時間」を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、1日の拘束時間の限度(以下「最大拘束時間」という。)は「15時間」としたこと。この場合において、「1日の拘束時間が14時間を超える回数をできるだけ少なくするよう努める」ものとしたこと。

旧告示において、日勤勤務者の最大拘束時間は「16時間」とされていたが、自動車運転者の睡眠時間の確保による疲労回復の観点から、これを1時間短縮し、「15時間」としたこと。

また、1日の拘束時間について「13時間」を超えて延長する場合は、自動車運転者の疲労の蓄積を防ぐ観点から、新たに、使用者は、1日の拘束時間が「14時間」を超える回数をできるだけ少なくするよう努めるものとした。当該回数については、1週間に3回以内を目安とすること。この場合において、1日の拘束時間が「14時間」を超える日が連続することは望ましくないこと。

第2号ただし書は、車庫待ち等の自動車運転者について定めたものであること((3)参照)。

ウ 休息期間(第4号)

日勤勤務者の休息期間は、勤務終了後、「継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない」ものとしたこと。

旧告示において、日勤勤務者の休息期間は、勤務終了後「継続8時間以上」とされていたが、十分な休息期間の確保が重要であり、脳・心臓疾患に係る労災認定基準において、長期間の過重業務の判断に当たって「勤務間インターバル」がおおむね11時間未満の勤務の有無等について検討し評価することとされていること等を踏まえ、自動車運転者の睡眠時間の確保による疲労回復の観点から、休息期間について「継続11時間以上」与えるよう努めることが原則であることを示すとともに、下限を1時間延長し、「9時間」としたこと。

労使当事者にあっては、このことを踏まえ、単に休息期間の下限「9時間」を遵守するにとどまらず、「継続11時間以上」の休息期間が確保されるよう自主的な改善の取組を行うことが特に要請されるものであること。

(2) 隔日勤務者の拘束時間及び休息期間(第2項)

タクシー運転者のうち隔日勤務に就く者(以下「隔日勤務者」という。)の拘束時間及び休息期間については、次のとおりであること。

なお、隔日勤務とは、始業及び終業の時刻が同一の日に属さない業務をいう。2労働日の勤務を一勤務にまとめて行うものであり、深夜時間帯における公共交通機関としての役割を果たすタクシー業において、都市部を中心に広く採用されている勤務形態であること。

ア 1箇月の拘束時間(第1号)

隔日勤務者の1箇月の拘束時間は、「262時間」を超えないものとすること。

ただし、地域的事情その他の特別な事情がある場合において、労使協定があるときは、1年のうち6箇月までは、1箇月の拘束時間を「270時間」まで延長することができること。

なお、1箇月の拘束時間を延長する場合の「地域的事情その他の特別な事情」とは、例えば地方都市における顧客需要の状況、大都市部における顧客需要の一時的増加等をいうものであること。

なお、隔日勤務者の1箇月の拘束時間については、旧告示からの変更はないこと。

1箇月の拘束時間を延長する場合の労使協定については、別紙5-1の協定例を参考とすること。労使協定では、1年の始期及び終期を定め、当該1年のうち6箇月までの範囲で1箇月の拘束時間を「270時間」を超えない範囲で延長する旨を協定することとなるが、その場合の各月の拘束時間は、例えば次のようになり、全ての協定対象者の各月の拘束時間は、この範囲内とする必要があること。

図

イ 2暦日の拘束時間(第2号)

隔日勤務者の2暦日の拘束時間は、「22時間」を超えないものとし、かつ、「2回の隔日勤務を平均し隔日勤務1回当たり21時間を超えない」ものとしたこと。

旧告示において、2暦日の拘束時間の限度は「21時間」と定めていたが、当該拘束時間について旧告示と同程度の水準に抑えつつ、突発的な顧客需要や交通事情等に一層柔軟に対応する観点から、見直しを行ったものであること。

また、2回の隔日勤務を平均した1回当たりの拘束時間の計算に当たっては、特定の隔日勤務を起算点として、2回の隔日勤務に区切り、その2回の隔日勤務の平均とすることが望ましいが、特定の隔日勤務の拘束時間が改善基準告示に違反するか否かは、次により判断するものであること。

表

なお、日勤勤務と隔日勤務を併用して頻繁に勤務態様を変えることは、労働者の生理的機能への影響に鑑み認められないこと。したがって、日勤勤務と隔日勤務を併用する場合には、制度的に一定期間ごとに交替させるよう勤務割を編成しなければならないこと。

ウ 休息期間(第4号)

隔日勤務者の休息期間は、勤務終了後、「継続24時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続22時間を下回らない」ものとしたこと。

旧告示において、隔日勤務者の休息期間は、勤務終了後「継続20時間以上」とされていたが、上記(1)ウで述べた休息期間の重要性に加え、隔日勤務については2労働日の勤務を一勤務にまとめて行うため自動車運転者の身体的負担を伴うものであること等を踏まえ、休息期間について「継続24時間以上」与えるよう努めることが原則であることを示すとともに、下限を2時間延長し、「継続22時間」としたものであること。

労使当事者にあっては、このことを踏まえ、単に休息期間の下限「22時間」を遵守するにとどまらず、「継続24時間以上」の休息期間が確保されるよう自主的な改善の取組を行うことが特に要請されるものであること。

(3) 車庫待ち等の自動車運転者について(第1項、第2項)

ア 定義

顧客の需要に応ずるため常態として車庫等において待機する就労形態(以下「車庫待ち等」という。)の自動車運転者とは、常態として車庫待ち、駅待ち等の形態によって就労する自動車運転者であり、比較的作業密度が薄いこと等により、帰庫させ仮眠時間を与えることが可能な実態を有するため、一定の要件の下に最大拘束時間の延長を認めるものである。就労形態について次の要件を満たす場合には、車庫待ち等の自動車運転者に該当するものとして取り扱って差し支えないものであること。

(ア) 事業場が人口30万人以上の都市に所在していないこと。

(イ) 勤務時間のほとんどについて「流し営業」を行っている実態でないこと。

(ウ) 夜間に4時間以上の仮眠時間が確保される実態であること。

(エ) 原則として、事業場内における休憩が確保される実態であること。

なお、新告示の適用の際、現に車庫待ち等の自動車運転者として取り扱われている者の属する事業場については、(ア)にかかわらず、当該事業場が人口30万人以上の都市に所在している場合であっても、当分の間、当該事業場の自動車運転者を車庫待ち等の自動車運転者に該当するものとして取り扱うこと。

イ 日勤勤務の車庫待ち等の自動車運転者(第1項第1号、第2号)

日勤勤務の車庫待ち等の自動車運転者の拘束時間は、上記(1)アの日勤勤務者の1箇月の拘束時間と同様、1箇月について「288時間」を超えないものとし、労使協定により、1箇月の拘束時間を「300時間」まで延長することができること。また、次に掲げる要件を満たす場合、1日の拘束時間を「24時間」まで延長することができること。

(ア) 勤務終了後、「継続20時間以上」の休息期間を与えること。

(イ) 1日の拘束時間が「16時間」を超える回数が1箇月について7回以内であること。

(ウ) 1日の拘束時間が「18時間」を超える場合には、夜間に「4時間以上」の仮眠時間を与えること。

旧告示において、日勤勤務の車庫待ち等の自動車運転者の1箇月の拘束時間は、「322時間」まで延長することができるとされていたが、脳・心臓疾患に係る労災認定基準等を踏まえ、過労死等の防止の観点から、22時間短縮し、「300時間」としたこと。

また、1箇月の拘束時間を延長する場合の労使協定については、別紙5-1の協定例を参考とすること。なお、上記(ウ)の運用に当たっては、仮眠設備において夜間「4時間以上」の仮眠時間を確実に与えることが要請されていることについて、引き続き、留意すること。

ウ 隔日勤務の車庫待ち等の自動車運転者(第2項第3号)

隔日勤務の車庫待ち等の自動車運転者の拘束時間は、上記(2)アの隔日勤務者の1箇月の拘束時間の原則と同様、1箇月について「262時間」を超えないものとし、労使協定により、「270時間」まで延長することができること。また、次に掲げる要件を満たす場合、1箇月の拘束時間については上記の時間(262時間又は270時間)に「10時間」を加えた時間まで、2暦日の拘束時間については「24時間」まで、それぞれ延長することができること。

(ア) 夜間に「4時間以上」の仮眠時間を与えること。

(イ) 2暦日の拘束時間が22時間を超える回数及び2回の隔日勤務を平均し隔日勤務1回当たり21時間を超える回数の合計は、労使協定により、1箇月について7回以内の範囲で定めること。

旧告示において、隔日勤務の車庫待ち等の自動車運転者の拘束時間は、1箇月「270時間」まで延長することができ、上記(ア)及び(イ)の要件を満たす場合には、「20時間」を加えた時間まで延長できるとされていたが、脳・心臓疾患に係る労災認定基準等を踏まえ、過労死等の防止の観点から、当該要件を満たした場合に延長できる時間を「20時間」から10時間短縮し、「10時間」としたものであること。

また、拘束時間を延長する場合の労使協定については、別紙5-1の協定例を参考とすること。

(4) 予期し得ない事象への対応時間の取扱い(第3項)

ア 趣旨

タクシー運転者が、災害や事故等の通常予期し得ない事象に遭遇し、運行が遅延した場合において、その対応に要した時間についての拘束時間の例外的な取扱いを新たに定めたものであること。

イ 「予期し得ない事象への対応時間」の取扱い

1日の拘束時間及び2暦日の拘束時間の規定の適用に当たっては、予期し得ない事象への対応時間を、これらの拘束時間から除くことができること。この場合において、予期し得ない事象への対応時間により、1日の拘束時間が最大拘束時間を超えた場合、勤務終了後、1日の勤務の場合には「継続11時間以上」、2暦日の勤務の場合には「継続24時間以上」の休息期間を与えること。

当該例外的な取扱いは、タクシー運転者については、1日又は2暦日の拘束時間の規定の適用に限ったものであり、1箇月の拘束時間等の改善基準告示の他の規定の適用に当たっては、予期し得ない事象への対応時間を除くことはできないこと。また、予期し得ない事象への対応時間は、休憩に該当しない限り、労働時間として取り扱う必要があることはいうまでもないこと。

ウ 「予期し得ない事象への対応時間」の定義

「予期し得ない事象への対応時間」とは、次の(ア)(イ)の両方の要件を満たす時間をいうこと。

(ア) 通常予期し得ない事象として局長が定めるものにより生じた運行の遅延に対応するための時間であること。(第1号)

「局長が定める」事象とは、次のいずれかの事象をいうこと。

a 運転中に乗務している車両が予期せず故障したこと。

b 運転中に予期せず乗船予定のフェリーが欠航したこと。

c 運転中に災害や事故の発生に伴い、道路が封鎖されたこと又は道路が渋滞したこと。

d 異常気象(警報発表時)に遭遇し、運転中に正常な運行が困難となったこと。

当該事象は、「通常予期し得ない」ものである必要があり、例えば、平常時の交通状況等から事前に発生を予測することが可能な道路渋滞等は、これに該当しないこと。

(イ) 客観的な記録により確認できる時間であること。(第2号)

次のaの記録に加え、bの記録により、当該事象が発生した日時等を客観的に確認できる必要があり、aの記録のみでは「客観的な記録により確認できる時間」とは認められないこと。

a 運転日報上の記録

・対応を行った場所

・予期し得ない事象に係る具体的事由

・当該事象への対応を開始し、及び終了した時刻や所要時間数

b 予期し得ない事象の発生を特定できる客観的な資料

遭遇した事象に応じ、例えば次のような資料が考えられること。

(a) 修理会社等が発行する故障車両の修理明細書等

(b) フェリー運航会社等のホームページに掲載されたフェリー欠航情報の写し

(c)公益財団法人日本道路交通情報センター等のホームページに掲載された道路交通情報の写し(渋滞の日時・原因を特定できるもの)

(d) 気象庁のホームページ等に掲載された異常気象等に関する気象情報等の写し

(5) 休日労働(第4項)

休日労働の回数は2週間について1回を超えないものとし、当該休日労働によって、上記(1)から(3)までに定める拘束時間の限度を超えないものとすること。また、休日労働の場合であっても、当該休日における勤務と前後の勤務の間には、それぞれ所定の休息期間が必要であること。

隔日勤務の場合の休日労働は2日をまとめて行うものであるが、この場合、次のような形の休日労働も「2週間を通じ1回を限度とする」との休日労働に該当するものであること。

図

なお、これらについては、旧告示からの変更はないこと。

3 ハイヤー運転者の時間外労働の上限規制等(第2条第5項、第3条関係)

(1) 拘束時間、休息期間等の適用除外(第2条第5項)

第2条第5項で規定するハイヤーの定義(「一般乗用旅客自動車運送事業の用に供せられる自動車であって、当該自動車による運送の引受けが営業所のみにおいて行われるものをいう。」)は、タクシー業務適正化特別措置法(昭和45年法律第75号)第2条第2項の規定を参考としているものであるが、具体的には各地方運輸局長(沖縄総合事務局長を含む。)からハイヤー運賃の認可を受けた自動車をいうものであること。ハイヤー運転者については、その勤務の実態を踏まえ、従前から、第2条第1項から第4項までの拘束時間、休息期間等の規定を適用しないこととしており、これらの考え方等については、旧告示から変更はないこと。

(2) 時間外労働の上限規制等(第3条)

労使当事者は、ハイヤー運転者に係る時間外・休日労働協定を締結するに当たっては、次の事項を遵守しなければならないものとしたこと。(第1項)

ア 時間外労働時間については、限度時間を超えない時間に限ること。

イ 臨時的な特別の事情がある場合の時間外労働時間を定めるに当たっては、960時間を超えない範囲内とされていること。

また、使用者は、時間外・休日労働協定において、時間外労働時間を定めるに当たっては当該時間数を、休日の労働を定めるに当たっては当該休日に労働させる時間数を、それぞれできる限り短くするよう努めなければならないものとしたこと。(第2項)

さらに、使用者は、ハイヤー運転者が疲労回復を図るために、必要な睡眠時間を確保できるよう、勤務終了後に一定の休息期間を与えなければならないものとしたこと。(第3項)

旧告示において、ハイヤー運転者については、時間外労働時間を1箇月「50時間」等の目安時間以内とするよう努めること等とされていたが、令和6年4月1日から、ハイヤー運転者についても他の自動車運転者と同様、法に基づく時間外労働の上限規制や指針の適用対象となることを踏まえ、時間外・休日労働協定を締結するに当たっての労使当事者又は使用者の責務を定めたものであること。

また、第3項は、自動車運転者の睡眠時間の確保による疲労回復の観点から、勤務終了後に一定の休息期間を与えなければならないことを新たに規定したこと。ハイヤー運転者は、タクシー運転者に比べて、一層柔軟に顧客の需要に対応する必要がある場合があり、休息期間の下限時間を定めることが困難であることから、「一定の休息期間」としたものであるが、当該規定に基づき、使用者は、ハイヤー運転者の各々の勤務の実態に即した適切な時間の休息期間を勤務終了後に与える必要があること。

ハイヤー運転者については、拘束時間の基準等の規定は設けられていないが、時間外労働の削減や過労死等の防止といった観点から、適正に労働時間管理を行うべきことは当然のことであり、使用者は特にこのことに留意する必要があること。

なお、第3項の規定が設けられたことに伴い、従前において143号通達で示していた「当該運転者の疲労回復を図る観点から、継続4時間以上の睡眠時間を確保するため少なくとも6時間程度は次の勤務に就かせないようにする」との取扱いは廃止すること。

4 トラック運転者の拘束時間等(第4条関係)

第4条第1項から第5項までは、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者(以下「トラック運転者」という。)の拘束時間、休息期間等について定めたものであること。

なお、同条第6項の「旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者(主として人を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事する者を除く。)」とは、主として物を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事する者がこれに該当するものであり、例えば、工場等の製造業における配達部門の運転者については、本条によるものであること。

(1) 1箇月及び1年の拘束時間(第1項第1号、第2号)

トラック運転者の拘束時間は、1箇月の拘束時間が「284時間」を超えず、かつ、1年の総拘束時間が「3,300時間」を超えないものとしたこと。ただし、労使協定により、1年のうち6箇月までは、1年の総拘束時間が「3,400時間」を超えない範囲内において、1箇月の拘束時間を「310時間」まで延長することができること。この場合において、1箇月の拘束時間が「284時間」を超える月が3箇月を超えて連続しないものとし、かつ、1箇月の時間外労働及び休日労働の合計時間数が「100時間未満」となるよう努めるものとしたこと。

旧告示において、1箇月の拘束時間の限度は「293時間」とされていたが、脳・心臓疾患に係る労災認定基準等を踏まえ、過労死等の防止の観点から、月80時間の時間外労働時間を前提とした「275時間」の拘束時間に、月1回の休日労働に相当する1日「9時間」の拘束時間を加えた、「284時間」としたこと。1年の総拘束時間が「3,300時間」とあるのは、「275時間」の拘束時間に12箇月を乗じたものであり、旧告示における1年の総拘束時間の上限である293時間×12箇月=3,516時間から216時間短縮していること。また、旧告示において、労使協定があるときは、1年のうち6箇月までは、1年の総拘束時間が「3,516時間」を超えない範囲内において1箇月の拘束時間を「320時間」まで延長できると定めていたが、過労死等の防止の観点を踏まえつつ、業務の繁閑等にも対応できるよう、1年の総拘束時間を116時間、1箇月の拘束時間を10時間短縮し、1年の拘束時間が「3,400時間」を超えない範囲内において1箇月の拘束時間を「310時間」まで延長できることとしたこと。

労使協定により拘束時間を延長する場合であっても、1箇月の拘束時間を全て上限値(284時間×6箇月かつ310時間×6箇月)とすると1年の総拘束時間は3,564時間となることから、そのようなことはできず、1年で「3,400時間」以内となるよう1箇月当たりの拘束時間を抑制する必要があること。

また、労使協定により拘束時間を延長する場合、拘束時間の長い勤務が長期間連続して行われることによる疲労の蓄積を防ぐ観点から、拘束時間が「284時間」を超える月は3箇月を超えて連続しないこととし、1箇月の時間外・休日労働時間数が「100時間未満」となるよう努めることとしたこと。

労使協定により拘束時間を延長する場合、使用者には、過労死等や過労運転を防止する観点から、トラック運転者の睡眠時間が十分確保されるよう運行計画を作成すること等が要請されるものであること。なお、この場合の「1箇月」とは、原則として暦月をいうものであるが、就業規則、勤務割表等において特定日を起算日と定めている場合には、当該特定日から起算した1箇月でも差し支えないものであること。また、拘束時間を延長する場合の労使協定については、別紙5-2の協定例を参考とすること。また、労使協定により定めた1年の各月の拘束時間の限度は、例えば次のようになり、全ての協定対象者の各月の拘束時間は、この範囲内とする必要があること。

図

(2) 1日の拘束時間(第1項第3号、第4号)

1日の拘束時間は、「13時間」を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は「15時間」としたこと。ただし、自動車運転者の1週間における運行が全て長距離貨物運送(一の運行(自動車運転者が所属する事業場を出発してから当該事業場に帰着するまでをいう。以下同じ。)の走行距離が450㎞以上の貨物運送をいう。以下同じ。)であり、かつ、一の運行における休息期間が住所地以外の場所におけるものである場合(以下「宿泊を伴う長距離貨物運送の場合」という。)、当該1週間について2回に限り最大拘束時間を「16時間」とすることができること。

また、1日の拘束時間を延長する場合(宿泊を伴う長距離貨物運送の場合を含む。)において、「1日の拘束時間が14時間を超える回数をできるだけ少なくするよう努める」ものとしたこと。

旧告示において、最大拘束時間は「16時間」とされていたが、自動車運転者の睡眠時間の確保による疲労回復の観点から、これを1時間短縮し、「15時間」としたこと。また、宿泊を伴う長距離貨物運送の場合、車中泊など住所地以外の場所における休息期間を確保するよりも、運行終了後に住所地での休息期間を十分に確保し、トラック運転者の疲労回復を図る等の観点から、1週間について2回に限り拘束時間を「16時間」とすることを可能としたものであること。

1日の拘束時間について「13時間」を超えて延長する場合は、自動車運転者の疲労の蓄積を防ぐ観点から、新たに、使用者は、1日の拘束時間が「14時間」を超える回数をできるだけ少なくするよう努めるものとした。当該回数については、1週間について2回以内を目安とすること。この場合において、1日の拘束時間が「14時間」を超える日が連続することは望ましくないこと。

(3) 休息期間(第1項第5号)

休息期間は、勤務終了後、「継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない」ものとしたこと。ただし、宿泊を伴う長距離貨物運送の場合、当該1週間について2回に限り、「継続8時間以上」とすることができることとし、この場合において、一の運行終了後、「継続12時間以上」の休息期間を与えるものとしたこと。

旧告示において、休息期間は、勤務終了後「継続8時間以上」とされていたが、十分な休息期間の確保が重要であり、脳・心臓疾患に係る労災認定基準において、長期間の過重業務の判断に当たって「勤務間インターバル」がおおむね11時間未満の勤務の有無等について検討し評価することとされていること等を踏まえ、自動車運転者の睡眠時間の確保による疲労回復の観点から、休息期間について「継続11時間以上」与えるよう努めることが原則であることを示すとともに、下限を1時間延長し、「9時間」としたこと。労使当事者にあっては、このことを踏まえ、単に休息期間の下限「9時間」を遵守するにとどまらず、「継続11時間以上」の休息期間が確保されるよう自主的な改善の取組を行うことが特に要請されるものであること。

また、上記(2)のとおり、宿泊を伴う長距離貨物運送の場合、車中泊など住所地以外の場所における休息期間を確保するよりも、運行終了後に住所地での休息期間を十分に確保し、トラック運転者の疲労回復を図る等の観点から、当該運行終了後に、通常の「継続11時間」を上回る「継続12時間以上」の休息期間を与えるものとしたこと。

(4) 運転時間(第1項第6号)

運転時間は、2日を平均し1日当たり「9時間」、2週間を平均し1週間当たり「44時間」を超えないものとすること。

2日を平均し1日当たりの運転時間の算定に当たっては、特定の日を起算日として2日ごとに区切り、その2日間の平均とすることが望ましいが、特定日の最大運転時間が改善基準告示に違反するか否かは、次により判断するものであること。

図

また、2週間における総運転時間を計算する場合は、特定の日を起算日として2週間ごとに区切り、その2週間ごとに計算しなければならないものであること。

なお、運転時間については、旧告示からの変更はないこと。

(5) 連続運転時間(第1項第7号)

連続運転時間(1回が「おおむね連続10分以上」で、かつ、合計が「30分以上」の運転の中断をすることなく連続して運転する時間をいう。)は、「4時間以内」とし、当該運転の中断については原則として休憩を与えるものとしたこと。ただし、高速道路等のサービスエリア又はパーキングエリア等に駐車又は停車できないことにより、やむを得ず連続運転時間が「4時間」を超える場合には、「4時間30分」まで延長することができること。

旧告示における運転の「中断」については、その解釈を特段示していなかったものであるが、トラック運転者については、運転の中断時に荷積み・荷卸し等の作業に従事することにより、十分な休憩が確保されない実態があるといったことを踏まえ、運転の中断については、原則として休憩を与えるものとしたこと。例えば、運転の中断時に特段の事情なく休憩が全く確保されないような運行計画を作成することは、「原則として休憩を与える」ものとは当然認められないものであり、中断時に適切に休憩が確保されるような運行計画を作成することが使用者においては要請されるものであること。

また、旧告示においては、運転の中断の下限時間を「連続10分以上」としていたが、これを「おおむね連続10分以上」とした。デジタル式運行記録計により細かな時間管理が可能になる中で、運転の中断の時間が「10分」にわずかに満たないことをもって直ちに改善基準告示違反とするのはトラック運転者の勤務実態を踏まえたものではないという観点から見直したものである。「おおむね連続10分以上」とは、運転の中断は原則10分以上とする趣旨であり、例えば10分未満の運転の中断が3回以上連続する等の場合は、「おおむね連続10分以上」に該当しないものであること。

ただし書は、サービスエリア又はパーキングエリア等で運転を中断しようとしたものの、当該サービスエリア等が満車である等により駐車又は停車できず、やむを得ず連続運転時間が4時間を超える場合の例外的取扱いを新たに定めたものであること。「サービスエリア又はパーキングエリア等」には、コンビニエンスストア、ガスステーション及び道の駅も含まれること。

なお、連続運転時間は4時間を超えないことが原則であり、当該ただし書が設けられたことをもって、連続運転時間が4時間30分に延長されたと解してはならない。使用者においてはこのことを踏まえ余裕をもった運行計画を作成する必要があり、例えば、当該例外的取扱いを前提として、連続運転時間が4時間となるような運行計画を作成することは、当然に認められないものであること。

(6) 住所地での休息期間(第2項)

自動車運転者の住所地における休息期間がそれ以外の場所における休息期間より長くなるように努めるものとすること。

特に長距離貨物運送の場合、運行の中継地や目的地において休息期間を過ごすことがあるが、休息期間の配分においてはトラック運転者の疲労の蓄積を防ぐ観点から、当該運転者の住所地における休息期間が、それ以外の場所における休息期間よりもより長く確保されるよう、使用者は努めるべきものであること。

なお、第2項については、旧告示からの変更はないこと。

(7) 予期し得ない事象への対応時間の取扱い(第3項)

ア 趣旨

トラック運転者が、災害や事故等の通常予期し得ない事象に遭遇し、運行が遅延した場合において、その対応に要した時間についての拘束時間等の例外的な取扱いを新たに定めたものであること。

イ 「予期し得ない事象への対応時間」の取扱い

1日の拘束時間、運転時間(2日平均)及び連続運転時間の規定の適用に当たっては、予期し得ない事象への対応時間を、これらの時間から除くことができること。この場合、勤務終了後、通常どおりの休息期間(継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない)を与えること。

当該例外的な取扱いは、トラック運転者については、1日の拘束時間、運転時間(2日平均)及び連続運転時間の規定の適用に限ったものであり、1箇月の拘束時間等の改善基準告示の他の規定の適用に当たっては、予期し得ない事象への対応時間を除くことはできないこと。

また、予期し得ない事象への対応時間は、休憩に該当しない限り、労働時間として取り扱う必要があることはいうまでもないこと。

ウ 「予期し得ない事象への対応時間」の定義

「予期し得ない事象への対応時間」とは、次の(ア)(イ)の両方の要件を満たす時間をいうこと。

(ア) 通常予期し得ない事象として局長が定めるものにより生じた運行の遅延に対応するための時間であること。(第1号)

「局長が定める」事象とは、次のいずれかの事象をいうこと。

a 運転中に乗務している車両が予期せず故障したこと。

b 運転中に予期せず乗船予定のフェリーが欠航したこと。

c 運転中に災害や事故の発生に伴い、道路が封鎖されたこと又は道路が渋滞したこと。

d 異常気象(警報発表時)に遭遇し、運転中に正常な運行が困難となったこと。

当該事象は、「通常予期し得ない」ものである必要があり、例えば、平常時の交通状況等から事前に発生を予測することが可能な道路渋滞等は、これに該当しないこと。

(イ) 客観的な記録により確認できる時間であること。(第2号)次のaの記録に加え、bの記録により、当該事象が発生した日時等を客観的に確認できる必要があり、aの記録のみでは「客観的な記録により確認できる時間」とは認められないこと。

a 運転日報上の記録

・対応を行った場所

・予期し得ない事象に係る具体的事由

・当該事象への対応を開始し、及び終了した時刻や所要時間数

b 予期し得ない事象の発生を特定できる客観的な資料

遭遇した事象に応じ、例えば次のような資料が考えられること。

(a) 修理会社等が発行する故障車両の修理明細書等

(b) フェリー運航会社等のホームページに掲載されたフェリー欠航情報の写し

(c) 公益財団法人日本道路交通情報センター等のホームページに掲載された道路交通情報の写し(渋滞の日時・原因を特定できるもの)

(d) 気象庁のホームページ等に掲載された異常気象等に関する気象情報等の写し

(8) 拘束時間及び休息期間の特例(第4項)

第4項の拘束時間及び休息期間の特例の要件等の詳細については、従前は、特例通達において示していたが、今回、当該特例の要件等について一部見直しが行われたことを契機に、当該要件等の主な部分を新告示で規定することとしたこと。

ア 休息期間の分割の特例(第1号)

休息期間は、「継続11時間以上与えることを基本とし、継続9時間を下回らない」ものとする必要があるが、業務の必要上、勤務終了後、「継続9時間以上」(宿泊を伴う長距離貨物運送の場合は継続8時間以上)の休息期間を与えることが困難な場合、次に掲げる要件を満たすものに限り、当分の間、一定期間(1箇月程度を限度とする。)における全勤務回数の2分の1を限度に、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与えることができること。

(ア) 分割された休息期間は、1回当たり「継続3時間以上」とし、2分割又は3分割とすること。

(イ) 1日において、2分割の場合は「合計10時間以上」、3分割の場合は「合計12時間以上」の休息期間を与えなければならないこと。

(ウ) 休息期間を3分割する日が連続しないよう努めること。

トラック運転者の睡眠時間の確保による疲労回復の観点から、継続した休息期間を確保することが重要であり、休息期間を分割することは本来好ましいものではなく、できる限り避けるべきものである。休息期間の分割(分割休息)の特例は、我が国の貨物自動車運送事業の実態を踏まえて、当分の間、業務の必要上やむを得ない場合の特例として設けられたものであるため、「業務の必要上」については、厳格に運用する必要がある。このため、使用者において、分割休息を前提とした運行計画を作成することはできる限り避けるべきであること。

特例通達において、分割された休息期間の下限時間は「継続4時間以上」としていたが、長距離のトラック運転者の勤務実態等を踏まえ、新告示においてこれを「継続3時間以上」とした一方、3分割の場合は、1日に「合計12時間以上」の休息期間(例えば、3時間+3時間+6時間や3時間+4時間+5時間)を与えなければならないものとしたこと。また、この場合において、分割休息が連続することによるトラック運転者の疲労の蓄積を防ぐ観点から、「休息期間を3分割とする日が連続しないよう努める」ものとするとともに、「一定期間」については、特例通達においては最大「2箇月程度を限度」としていたところ、新告示においてこれを「1箇月程度を限度」と短縮したこと。

イ 2人乗務の特例(第2号)

自動車運転者が同時に1台の自動車に2人以上乗務する場合であって、車両内に身体を伸ばして休息することができる設備があるときは、最大拘束時間を「20時間」まで延長するとともに、休息期間を「4時間」まで短縮することができること。ただし、当該設備が自動車運転者の休息のためのベッド又はこれに準ずるものとして局長が定める設備に該当する場合で、かつ、勤務終了後、継続11時間以上の休息期間を与える場合は、最大拘束時間を「24時間」まで延長することができること。また、この場合において「8時間以上」の仮眠時間を与える場合には、当該拘束時間を「28時間」まで延長することができること。

「局長が定める設備」とは、次のいずれにも該当する車両内ベッドをいう。

(ア) 長さ198cm以上、かつ、幅80cm以上の連続した平面であること

(イ) クッション材等により走行中の路面等からの衝撃が緩和されるものであること。

「これに準ずるもの」については、車両の技術開発の動向等を踏まえ検討されるものであり、現時点では上記(ア)(イ)に該当する車両内ベッドのみが、ただし書の特例の対象となる。

特例通達においては、2人乗務の場合には、拘束時間を「20時間」まで延長し、休息期間を「4時間」まで短縮できるとされていたが、馬匹輸送(競走馬輸送)におけるトラックの運行実態等を踏まえ、トラック運転者の疲労の蓄積を防ぐ等の観点から車両内ベッド等が一定の基準を満たす場合には、拘束時間を延長できることとしたこと。

また、「20時間」を超えて拘束時間を延長する場合には、一の運行終了後、「継続11時間以上」の休息期間を確保する必要があるとしたこと。

なお、車両内ベッドについては、関係法令の趣旨を踏まえ、安全な乗車を確保できるようにする必要があるところ、例えば、運転席の上部に車両内ベッドが設けられている場合、当該車両内ベッドにおいては、安全な乗車が確保できないことから、2人乗務において使用することは当然に認められない。

ウ 隔日勤務の特例(第3号)

業務の必要上やむを得ない場合には、当分の間、2暦日の拘束時間が「21時間」を超えず、かつ、勤務終了後、「継続20時間以上」の休息期間を与える場合に限り、自動車運転者を隔日勤務に就かせることができること。ただし、局長が定める施設において、夜間に「4時間以上」の仮眠を与える場合には、2週間について3回を限度に、この2暦日における拘束時間を「24時間」まで延長することができること。この場合においても、2週間における総拘束時間は「126時間」(21時間×6勤務)を超えることができないものとする。

「局長が定める施設」とは、事業場内仮眠施設又は使用者が確保した同種の施設をいうこと。

なお、隔日勤務の特例の要件等については、特例通達から変更はないこと。

エ フェリーに乗船する場合の特例(第4号)

自動車運転者が勤務の中途においてフェリーに乗船する場合、フェリーに乗船している時間は、原則として、休息期間として取り扱うものであること。その場合、休息期間とされた時間を与えるべき休息期間の時間から減ずること。ただし、減算後の休息期間は、2人乗務の場合を除き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間の2分の1を下回ってはならないものとする。なお、フェリーの乗船時間が「8時間(※)」を超える場合には、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始されるものであること。

なお、フェリーに乗船する場合の特例の要件等については、特例通達から変更はないこと。

(※)2人乗務の場合には「4時間」、隔日勤務の場合には「20時間」

(9) 休日労働(第5項)

休日労働の回数は2週間について1回を超えないものとし、当該休日労働によって、上記(1)及び(2)に定める拘束時間の限度を超えないものとすること。また、休日労働の場合であっても、当該休日における勤務と前後の勤務の間には、それぞれ所定の休息期間が必要であること。

なお、第5項については、旧告示からの変更はないこと。

5 バス運転者の拘束時間等(第5条関係)

第5条は、一般乗用旅客自動車運送事業以外の旅客自動車運送事業に従

事する自動車運転者(以下「バス運転者」という。)の拘束時間、休息期間等について定めたものであること。なお、旅客自動車運送事業及び貨物自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者であって、主として人を運送することを目的とする自動車の運転の業務に従事するもの、例えば、旅館の送迎用バスの運転者や、スクールバスの運転者等についても、本条によるものであること。

(1) 1箇月及び1年又は4週平均1週及び52週の拘束時間(第1項第1号、第2号)拘束時間について、次のア(1箇月及び1年の基準)又はイ(4週間を平均し1週間当たり及び52週の基準)のいずれかの基準によることとしたこと。

ア 1箇月及び1年の拘束時間

1箇月及び1年の基準による場合は、1箇月の拘束時間が「281時間」を超えず、かつ、1年の拘束時間が「3,300時間」を超えないものとしたこと。ただし、貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、乗合バスに乗務する者(一時的な需要に応じて追加的に自動車の運行を行う営業所において運転の業務に従事する者に限る。)、高速バスに乗務する者及び貸切バスに乗務する者(以下「貸切バス等乗務者」という。)については、労使協定により、1年のうち6箇月までは、1年の総拘束時間が「3,400時間」を超えない範囲内において、1箇月の拘束時間を「294時間」まで延長することができること。この場合において、1箇月の拘束時間が「281時間」を超える月が4箇月を超えて連続しないこと。

旧告示においては、4週間を平均し1週間当たり(以下「4週平均1週」という。)の拘束時間の基準のみを定めてきたものであるが、賃金等の労務管理を1箇月単位で実施する企業も多いことから、事業場ごとの労務管理等の実態に応じて、1箇月及び1年の基準又は4週平均1週及び52週の基準のいずれかを選択することができるよう見直しを行ったものであること。

1箇月の拘束時間の限度である「281時間」は、現行の4週平均1週の拘束時間の限度である「65時間」と同水準(65時間×52週÷12箇月=281.66≒281時間)であり、1年の総拘束時間が「3,300時間」とあるのは、過労死等の防止の観点から、月80時間の時間外労働時間を前提とした「275時間」の拘束時間に12箇月を乗じたものであること。

また、1箇月の拘束時間を延長することができる対象は、旧告示においては「貸切バスを運行する営業所において運転の業務に従事する者、貸切バスに乗務する者及び特定運転者(高速バスの運転者)」とされていたが、これに加え、「乗合バスに乗務する者(一時的な需要に応じて追加的に自動車の運行を行う営業所において運転業務に従事する者に限る。)」についても、季節的な業務の繁忙に対応する必要があることから、拘束時間を延長することができる対象として新たに追加したものであること。なお、このことは、4週平均1週の拘束時間を延長することができる対象についても同様であること。

延長した拘束時間の限度は、脳・心臓疾患に係る労災認定基準等を踏まえ、過労死等の防止の観点から、現行の4週平均1週の拘束時間の限度(71.5時間)を1箇月当たりに換算した「309時間」(71.5時間×52週÷12箇月=309.83≒309時間)から15時間短縮し、「294時間」としつつ、延長する場合であっても年間を通じた拘束時間の抑制を図る観点から、延長する場合の1年の上限時間(3,400時間)を設けたものであること。

労使協定により拘束時間を延長する場合、拘束時間の長い勤務が長期間連続して行われることによる疲労の蓄積を防ぐ観点から、拘束時間が「281時間」を超える月は4箇月を超えて連続しないこととしたこと。

労使協定により拘束時間を延長する場合、使用者には、過労死等や過労運転を防止する観点から、バス運転者の睡眠時間が十分確保されるよう運行計画を作成すること等が要請されるものであること。なお、この場合の「1箇月」とは、原則として暦月をいうものであるが、就業規則、勤務割表等において特定日を起算日と定めている場合には、当該特定日から起算した1箇月でも差し支えないものであること。

イ 4週平均1週及び52週の拘束時間

4週平均1週及び52週の拘束時間の基準による場合は、4週平均1週の拘束時間が「65時間」を超えず、かつ、52週の拘束時間が「3,300時間」を超えないものとすること。ただし、貸切バス等乗務者については、労使協定により、52週間のうち24週間までは、52週間の総拘束時間が「3,400時間」を超えない範囲内において、4週平均1週「68時間」(294時間×12箇月÷52週=67.84≒68時間)まで延長することができること。この場合において、4週平均1週の拘束時間が「65時間」を超える週が16週間を超えて連続しないこと。

4週平均1週の拘束時間の見直しの趣旨・水準については上記アの1箇月の拘束時間と同様であること。なお、「4週平均1週の拘束時間が65時間を超えない」とは、拘束時間について4週間の範囲内で各労働日又は各週の拘束時間に長短をつけることができるが、その場合、できる限り各労働日又は各週の拘束時間を平準化し、1週間当たり「65時間」(13時間×20日÷4週)となるようにすることが望ましいとの意である。当該基本的な考え方については、旧告示と同様であること。

なお、この場合の4週間における総拘束時間の計算に当たっては、特定の日を起算日とし、4週間ごとに区切って計算すること。

ウ 拘束時間を延長する場合の労使協定

拘束時間を延長する場合の労使協定については、別紙5-3の協定例を参考とすること。また、労使協定により定めた1年の各月の拘束時間の限度は、例えば次のようになり、全ての協定対象者の各月の拘束時間は、この範囲内とする必要があること。

図

4週平均1週の拘束時間を延長する場合は、労使協定により、協定の対象となる期間の始期から4週間ごとに区切り(そのそれぞれの期間を以下「スパン」という。52週間のスパンの数は計13(52週間÷4週間=13)となる。)、当該13に区切られたスパンのうち6つのスパンについて、4週平均1週68時間まで延長できることとなること(4つのスパンは基本的には協定の対象となる始期から4週間ごとに区切った各スパンと一致するものであること)。当該延長されたスパンの総拘束時間の限度は272時間となるが、この場合においても、1週間当たり「68時間」となるよう、なるべく週ごとの拘束時間を平準化することが望ましいものであること。

また、この場合、労使協定の協定期間は、52週間となることが基本であるため、年間総暦日数との関係で最初に締結した労使協定の始期と次の労使協定の始期とがずれてくることとなるが(例えば、令和6年4月1日を始期として労使協定を締結した場合、次の労使協定の始期は令和7年3月31日、その次の労使協定の初日は令和8年3月30日となる。)、労使協定の始期を同一日に合わせることにより生ずる1スパン未満の期間(以下「端数期間」という。)の総拘束時間は、按分比例によって清算し、(端数期間)÷28×260時間より大きくならないようにする必要があること。

(2) 1日の拘束時間(第1項第3号)

1日の拘束時間は、「13時間」を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は「15時間」としたこと。この場合において、「1日の拘束時間が14時間を超える回数をできるだけ少なくするよう努める」ものとしたこと。

旧告示において、最大拘束時間は「16時間」とされていたが、自動車運転者の睡眠時間の確保による疲労回復の観点から、これを1時間短縮し、「15時間」としたこと。

また、1日の拘束時間について「13時間」を超えて延長する場合は、自動車運転者の疲労の蓄積を防ぐ観点から、新たに、使用者は、1日の拘束時間が「14時間」を超える回数をできるだけ少なくするよう努めるものとした。当該回数については、1週間について3回以内を目安とすること。この場合において、1日の拘束時間が「14時間」を超える日が連続することは望ましくないこと。

(3) 休息期間(第1項第4号)

休息期間は、勤務終了後、「継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない」ものとしたこと。

旧告示において、休息期間は、勤務終了後「継続8時間以上」とされていたが、十分な休息期間の確保が重要であり、脳・心臓疾患に係る労災認定基準において、長期間の過重業務の判断に当たって「勤務間インターバル」がおおむね11時間未満の勤務の有無等について検討し評価することとされていること等を踏まえ、自動車運転者の睡眠時間の確保による疲労回復の観点から、休息期間について「継続11時間以上」与えるよう努めることが原則であることを示すとともに、下限を1時間延長し、「9時間」としたこと。

労使当事者にあっては、このことを踏まえ、単に休息期間の下限「9時間」を遵守するにとどまらず、「継続11時間以上」の休息期間が確保されるよう自主的な改善の取組を行うことが特に要請されるものであること

(4) 運転時間(第1項第5号)

運転時間は、2日を平均し1日当たり「9時間」、4週平均1週「40時間」を超えないものとすること。ただし、貸切バス等乗務者については、労使協定により、52週間における総運転時間が「2,080時間」を超えない範囲内において、52週間のうち16週間まで、4週平均1週「44時間」まで延長することができること。

新告示において、(1)アと同様、運転時間を延長することができる

対象に、「乗合バスに乗務する者(一時的な需要に応じて追加的に自動車の運行を行う営業所において運転業務に従事する者に限る。)」を追加したものであること。なお、運転時間を延長する場合の労使協定については、別紙5-3の協定例を参考とすること。

2日を平均し1日当たりの運転時間の算定に当たっては、特定の日を起算日として2日ごとに区切り、その2日間の平均とすることが望ましいが、特定日の最大運転時間が改善基準告示に違反するか否かは、次により判断するものであること。

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なお、4週間における総運転時間を計算する場合は、特定の日を起算日として4週間ごとに区切り、その4週間ごとに計算しなければならないものであること。この場合、労使協定では52週間の始期及び終期を定め、当該52週間のうち16週間までは、4週平均1週「44時間」まで延長する旨協定することとなるが、その場合の各スパンの拘束時間の限度は、例えば、下図のようになり、全ての協定対象者の各スパンの運転時間はこの範囲内とする必要があること。

また、最初に締結した労使協定の始期と次の労使協定の始期を同一日に合わせることにより生ずる端数期間の処理については、上記(1)ウと同様であること。

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(5) 連続運転時間(第1項第6号、第7号)

ア 連続運転時間(第6号)

連続運転時間(1回が「連続10分以上」で、かつ、合計が「30分以上」の運転の中断をすることなく連続して運転する時間をいう。)は、「4時間」を超えないものとすること。ただし、特定運転者(高速バスの運転者)及び貸切バスに乗務する者が高速道路等を運行する場合は、一の連続運転時間についての高速道路等における連続運転時間(夜間において長距離の運行を行う貸切バスについては、高速道路等以外の区間における運転時間を含む。)は「おおむね2時間」までとするよう努めるものとしたこと。

連続運転時間については、「高速乗合バス及び貸切バスの交替運転者の配置基準」(平成14年1月30日付け国自総第446号・国自旅第161号・国自整第149号)の内容を踏まえ、新たに新告示においても、高速バスの運転者及び貸切バスに乗務する者が高速道路等を運行する場合における連続運転時間は「おおむね2時間」までとするよう努めることとしたこと。また、貸切バスが、夜間に長距離の運行を行う場合は、高速道路以外の区間における運転時間も含めて「おおむね2時間まで」とするよう努めることとなるので留意すること。なお、第6号において「運行」とあるのは、実車運行区間(旅客の乗車の有無にかかわらず、旅客の乗車が可能として設定した区間)における運行をいうものであり、回送運行は含まれないこと。

イ 軽微な移動を行う必要が生じた場合の取扱い(第7号)

交通の円滑を図るため、駐車又は停車した自動車を予定された場所から移動させる必要が生じたことにより運転した時間を、当該必要が生じたことに関する記録がある場合に限り、一の連続運転時間当たり「30分」を上限として、連続運転時間から除くことができること。

第7号については、バスの運行に当たっては、消防車、救急車等の緊急通行車両の通行に伴い、又は他の車両の通行の妨げを回避するため、駐車又は停車した自動車をその位置から移動させる必要が生じる等、軽微な移動を行う必要が生じる場合があるところ、そのような場合の例外的取扱いを新たに定めたものであること。当該取扱いは、当該軽微な移動のために運転した時間(以下「移動時間」という。)を、30分を上限に連続運転時間から除くことができることとしたものであり、拘束時間や運転時間からは当該移動時間を除くことはできないこと。また、当該移動時間について、労働時間として取り扱う必要があることはいうまでもないこと。

上記のほか、運用に当たっては、特に次の点にも留意すること。

(ア) 当該取扱いは、第6号の一の連続運転時間を単位として適用されることから、「合計30分以上」の運転中断後に、新たな連続運転時間が開始される場合は、上記の移動時間も、当該開始時点から新たに算定が開始されることとなること。

また、一の連続運転時間中、上記の移動時間が複数回発生した場合であって、これらの時間の合計が「30分」を超えないときは、当該合計した時間を連続運転時間から除くことができる一方、移動時間の合計が「30分」を超えるときは、当該「30分」を超える時間について連続運転時間に含めて取り扱う必要があること。

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(イ) 第7号の「当該必要が生じたことに関する記録がある場合」とは、①移動前後の場所、②移動が必要となった理由、③移動に要したおおむねの時間数等の当該移動の事実を、運転日報上の記録等により確認できる場合が該当するものであること。

(6) 住所地での休息期間(第2項)

自動車運転者の住所地における休息期間がそれ以外の場所における休息期間より長くなるように努めるものとすること。

特に貸切バスに乗務する者の場合、運行の中継地や目的地において休息期間を過ごすことがあるが、休息期間の配分においては貸切バスに乗務する者の疲労の蓄積を防ぐ観点から、当該者の住所地における休息期間が、それ以外の場所における休息期間よりもより長く確保されるよう、使用者は努めるべきものであること。

なお、第2項については、旧告示からの変更はないこと。

(7) 予期し得ない事象への対応時間の取扱い(第3項)

ア 趣旨

バス運転者が、災害や事故等の通常予期し得ない事象に遭遇し、運行が遅延した場合において、その対応に要した時間についての拘束時間等の例外的な取扱いを新たに定めたものであること。

イ 「予期し得ない事象への対応時間」の取扱い

1日の拘束時間、運転時間(2日平均)及び連続運転時間の規定の適用に当たっては、予期し得ない事象への対応時間を、これらの時間から除くことができること。この場合、勤務終了後、通常どおりの休息期間(継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない)を与えること。

当該例外的な取扱いは、バス運転者については、1日の拘束時間、運転時間(2日平均)及び連続運転時間の規定の適用に限ったものであり、1箇月の拘束時間等の改善基準告示の他の規定の適用に当たっては、予期し得ない事象への対応時間を除くことはできないこと。また、予期し得ない事象への対応時間は、休憩に該当しない限り、労働時間として取り扱う必要があることはいうまでもないこと。

ウ 「予期し得ない事象への対応時間」の定義

「予期し得ない事象への対応時間」とは、次の(ア)(イ)の両方の要件を満たす時間をいうこと。

(ア) 通常予期し得ない事象として局長が定めるものにより生じた運行の遅延に対応するための時間であること。(第1号)

「局長が定める」事象とは、次のいずれかの事象をいうこと。

a 運転中に乗務している車両が予期せず故障したこと。

b 運転中に予期せず乗船予定のフェリーが欠航したこと。

c 運転中に災害や事故の発生に伴い、道路が封鎖されたこと又は道路が渋滞したこと。

d 異常気象(警報発表時)に遭遇し、運転中に正常な運行が困難となったこと。

当該事象は、「通常予期し得ない」ものである必要があり、例えば、平常時の交通状況等から事前に発生を予測することが可能な道路渋滞等は、これに該当しないこと。

(イ) 客観的な記録により確認できる時間であること。(第2号)

次のaの記録に加え、bの記録により、当該事象が発生した日時等を客観的に確認できる必要があり、aの記録のみでは「客観的な記録により確認できる時間」とは認められないこと。

a 運転日報上の記録

・対応を行った場所

・予期し得ない事象に係る具体的事由

・当該事象への対応を開始し、及び終了した時刻や所要時間数

b 予期し得ない事象の発生を特定できる客観的な資料

遭遇した事象に応じ、例えば次のような資料が考えられること。

(a) 修理会社等が発行する故障車両の修理明細書等

(b) フェリー運航会社等のホームページに掲載されたフェリー欠航情報の写し

(c) 公益財団法人日本道路交通情報センター等のホームページに掲載された道路交通情報の写し(渋滞の日時・原因を特定できるもの)

(d) 気象庁のホームページ等に掲載された異常気象等に関する気象情報等の写し

(8) 拘束時間及び休息期間の特例(第4項)

第4項の拘束時間及び休息期間の特例の要件等の詳細については、従前は、特例通達において示していたが、今回、当該特例の要件等について一部見直しが行われたことを契機に、当該要件等の主な部分を新告示で規定することとしたこと。

ア 休息期間の分割の特例

休息期間は、「継続11時間を与えることを基本とし、継続9時間を下回らない」ものとする必要があるものであるが、業務の必要上、勤務終了後、「継続9時間以上」の休息期間を与えることが困難な場合、当分の間、一定期間(1箇月を限度とする。)における全勤務回数の2分の1を限度に、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与えることができること。この場合において、分割された休息期間は、1日において1回当たり「継続4時間以上」、「合計11時間以上」とすること。

バス運転者の睡眠時間の確保による疲労回復の観点から、継続した休息期間を確保することが重要であり、休息期間を分割することは本来好ましいものではなく、できる限り避けるべきものである。休息期間の分割(分割休息)の特例は、我が国のバス事業の実態を踏まえて、当分の間、業務の必要上やむを得ない場合の特例として設けたものであるため、「業務の必要上」については、厳格に運用する必要がある。このため、使用者において、分割休息を前提とした運行計画を作成することはできる限り避けるべきであること。

特例通達において、分割された休息期間は1日において「合計10時間以上」としていたが、バス運転者の休息期間の確保の観点から、新告示においてこれを「合計11時間以上」としたこと。また、この場合において、分割休息が連続することによるバス運転者の疲労の蓄積を防ぐ観点から、「一定期間」については、特例通達においては最大「2箇月程度を限度」としていたところ、新告示において「1箇月を限度」と短縮したこと。さらに、分割休息は本来好ましくないという観点から、特例通達においては3分割が認められていたところ、新告示においては2分割のみとし、3分割以上の分割は認められないものとしたこと。

イ 2人乗務の特例

自動車運転者が同時に1台の自動車に2人以上乗務する場合であって、車両内に身体を伸ばして休息することができる設備がある場合は、次に掲げるところにより、最大拘束時間を延長し、休息期間を短縮することができること。

(ア) 当該設備がバス運転者等の専用の座席であり、かつ、局長が定める要件を満たす場合は、最大拘束時間を「19時間」まで延長し、休息期間を「5時間」まで短縮することができること。

「局長が定める要件」とは、当該専用の座席として、身体を伸ばして休息できるリクライニング方式の座席が少なくとも一座席以上確保されていることをいう。

(イ) 当該設備としてベッドが設けられている場合その他バス運転者等の休息のための措置として局長が定める措置が講じられている場合、最大拘束時間を「20時間」まで延長し、休息期間を「4時間」まで短縮することができること。

「局長が定める措置」とは、上記(ア)の要件を満たす専用の座席を設けた上で、当該座席についてカーテン等により他の乗客からの視線を遮断する措置をいう。

特例通達においては、2人乗務の場合には、拘束時間「20時間」まで延長し、休息期間を「4時間」まで短縮できるとされていたが、新告示において、新たに、当該特例の要件である「車両内に身体を延ばして休息することができる設備」の内容を上記(ア)のとおり明確化するとともに、延長できる拘束時間を1時間短縮したこと。また、上記(イ)のとおり、車両内ベッドが設けられていること等を要件として、最大拘束時間を「20時間」まで延長できるものとしたこと。

ウ 隔日勤務の特例

業務の必要上やむを得ない場合には、当分の間、2暦日の拘束時間が「21時間」を超えず、かつ、勤務終了後、「継続20時間以上」の休息期間を与える場合に限り、自動車運転者を隔日勤務に就かせることができること。ただし、局長が定める施設において、夜間に「4時間以上」の仮眠を与える場合には、2週間について3回を限度に、この2暦日における拘束時間を「24時間」まで延長することができること。この場合においても、2週間における総拘束時間は「126時間」(21時間×6勤務)を超えることができないものとする。

「局長が定める施設」とは、事業場内仮眠施設又は使用者が確保した同種の施設をいうこと。

なお、隔日勤務の特例の要件等については、特例通達から変更はないこと。

エ フェリーに乗船する場合の特例

自動車運転者が勤務の中途においてフェリーに乗船する場合、フェリーに乗船している時間は、原則として、休息期間として取り扱うものであること。その場合、休息期間とされた時間を与えるべき休息期間の時間から減ずることができるが、減算後の休息期間は、2人乗務の場合を除き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間の2分の1を下回ってはならないものしたこと。なお、フェリーの乗船時間が「9時間(※)」を超える場合には、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始されるものであること。

(※)2人乗務の場合には「5時間」(車両内ベッドが設けられている場合や、カーテン等により他の乗客からの視線を遮断する等の措置が講じられている場合には4時間)」、隔日勤務の場合には「20時間」

特例通達においては、トラック運転者と異なり、バス運転者がフェリーに乗船している時間のうち2時間は拘束時間とし、その他の時間は休息期間としていたが、新告示においてはトラック運転者と同様、バス運転者についても、フェリーに乗船している時間は、原則として休息期間として取り扱うよう見直したものであること。

(9) 休日労働(第5項)

休日労働の回数は2週間について1回を超えないものとし、当該休日労働によって、上記(1)及び(2)に定める拘束時間の限度を超えないものとすること。また、休日労働の場合であっても、当該休日における勤務と前後の勤務の間には、それぞれ所定の休息期間が必要であること。

なお、第5項については、旧告示からの変更はないこと。

6 適用除外業務

改善基準告示第1条第1項に基づき局長が定める業務(以下「適用除外業務」という。)及びその留意点は、次のとおりであること。

(1) 適用除外業務

適用除外業務は、次のアからウまでに掲げる業務とすること。

ア 災害対策基本法等に基づく緊急輸送の業務

災害対策基本法(昭和36年法律第223号)、大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)、原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)及び武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成16年法律第112号)に基づき、都道府県公安委員会から緊急通行車両であることの確認、標章及び証明書の交付を受けて行う緊急輸送の業務に係る運転の業務。

これらの業務は、大規模災害等発生時の応急対策の一環として、人命救助や災害拡大防止等のために行われる業務であり、公益性が高く、かつ緊急の性格を有することから、改善基準告示の適用除外業務とするものであること。

イ 上記アに掲げるもののほか、人命又は公益を保護するために、法令の規定又は国若しくは地方公共団体の要請等に基づき行う運転の業務。

次に掲げる業務がこれに該当すること。

(ア) 新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)第54条に基づき新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に必要な緊急物資を運送する業務又は医薬品等を配送する業務

(イ) 家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)に基づく家畜伝染病のまん延の防止のために、次に掲げるものを運搬する業務

(a) 同法第21条第1項に規定する家畜の死体

(b) 同法第23条第1項に規定する家畜伝染病の病原体により汚染し又は汚染したおそれがある物品

(c) 同法第16条第1項若しくは第3項に基づくと殺、第17条の2第5項若しくは第6項に基づく殺処分、第21条第1項若しくは第4項に基づく焼却若しくは埋却、第23条第1項若しくは第3項に基づく焼却、埋却若しくは消毒又は第25条第1項若しくは第3項に基づく消毒を実施するために必要な人員、防疫資材等(第25条第1項又は第3項に基づく消毒に必要な人員、防疫資材等については、初回の消毒に必要なものに限る。)ウ 消防法等に基づく危険物の運搬の業務

次に掲げる業務であって、貨物自動車運送事業に係るもの。

これらの業務については、危険物の迅速かつ安全な運行を確保する観点から、関係法令により別途、長距離運送の場合の交替運転手の確保といった規制が担保されていることに加え、運転中の危険物の監視義務など特別の規制が設けられる等、特殊な性格を有することから、改善基準告示の適用除外業務とするものであること。

(ア) 消防法(昭和23年法律第186号)第16条の2第2項及び危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)第30条の2第5号に基づき、移送の経路その他必要な事項を記載した書面を関係消防機関に送付の上行う、アルキルアルミニウム若しくはアルキルリチウム又はこれらのいずれかを含有するものを移動タンク貯蔵所(タンクローリー)により移送する業務

(イ) 高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)第23条に基づき、一般高圧ガス保安規則(昭和41年通商産業省令第53号)第49条第1項の保安上必要な措置を講じるとともに同項の技術上の基準に従い行う、表1の高圧ガスを車両に固定した容器(タンクローリー)により移動する業務

 

表1 一般高圧ガス保安規則第49条第1項第17号に規定する高圧ガス

1 圧縮ガスのうち次に掲げるもの(3に掲げるものを除く。)

(1) 容積300立方メートル以上の可燃性ガス及び酸素

(2) 容積100立方メートル以上の毒性ガス

2 液化ガスのうち次に掲げるもの(3に掲げるものを除く。)

(1) 質量3,000キログラム以上の可燃性ガス及び酸素

(2) 質量1,000キログラム以上の毒性ガス

(3) 一般高圧ガス保安規則第7条の3第2項、第7条の4第2項、第11条第1項第5号(第7条の3第2項の基準を準用する場合に限る。)及び第12条の2第2項の圧縮水素スタンド並びにコンビナート等保安規第7条の3第2項の圧縮水素スタンドの液化水素の貯槽に充塡する液化水素

3 特殊高圧ガス

 

(ウ) 火薬類取締法(昭和25年法律第149号)第19条に基づき、都道府県公安委員会に届け出て、運搬証明書の交付を受けた上で行う火薬類(表2の数量以下の火薬類を除く。)の運搬の業務

 

表2 火薬類の運搬に関する内閣府令(昭和35年総理府令第65号)別表第1に規定する数量

区分 数量
火薬薬量 200キログラム
爆薬薬量 100キログラム
火工品 工業雷管・電気雷管・信号雷管 4万個
導火管付き雷管 1万個
銃用雷管 40万個
捕鯨用信管・捕鯨用火管 12万個

実包

空包

1個当たりの装薬量0.5グラム以下のもの 40万個
1個当たりの装薬量0.5グラムを超えるもの 20万個
導爆線 6キロメートル
制御発破用コード 1.2キロメートル
爆発せん孔器 2,000個
コンクリート破砕器 2万個
煙火 がん具煙火(クラッカーボールを除く。) 薬量2トン
クラッカーボール・引き玉 薬量200キログラム
上記以外の煙火 薬量600キログラム
上記以外の火工品 薬量100キログラム

備考

本表で定める区分の異なる火薬類を同時に運搬する場合の数量は、各区分ごとの火薬類の運搬しようとする数量をそれぞれ当該区分に定める数量で除し、それらの商を加えた和が1となる数量とする。

(注)表2に掲げる数量以下の火薬類を運搬する場合は、火薬類取締法第19条第1項に規定する届出及び運搬証明書の交付は要しない。

 

(エ) 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第59条第2項に基づき国土交通大臣の確認を受け、かつ、同条第5項に基づき都道府県公安委員会に届け出て運搬証明書の交付を受けた上で行う、核燃料物質等(BM型輸送物、BU型輸送物、核分裂性輸送物)の運搬の業務

(オ) 放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号)第18条第2項に基づき国土交通大臣の確認を受け、かつ、同条第5項に基づき都道府県公安委員会に届け出て行う、放射性同位元素等(BM型輸送物、BU型輸送物)の運搬の業務

(2) 適用除外業務に従事しない期間がある場合の拘束時間等の上限適用除外業務に従事する期間を含む1箇月等の一定期間における、当該業務に従事しない期間に関しては、改善基準告示が適用されるものであること。この場合の一定期間における、適用除外業務に従事しない期間の拘束時間等は、次のとおり、当該一定期間及び適用除外業務に従事しない期間の日数の比率により、改善基準告示で規定する拘束時間等の上限時間を按分した時間を超えないものとすること。

 

表3 適用除外業務に従事しない期間がある場合の拘束時間等の上限

タクシー運転者の拘束時間
1箇月の拘束時間 日勤勤務者 [(適用除外業務に従事した期間を含む1箇月の日数)-(適用除外業務に従事した日数)]÷(適用除外業務に従事した期間を含む1箇月の日数)×288時間(※)
隔日勤務者 [(適用除外業務に従事した期間を含む1箇月の日数)-(適用除外業務に従事した日数)]÷(適用除外業務に従事した期間を含む1箇月の日数)×262時間(※)

※改善基準告示の拘束時間の上限時間。なお、労使協定により、改善基準告示で規定する時間を超えない範囲で延長する場合は、当該延長した時間とする。

 

トラック運転者の拘束時間等
1箇月の拘束時間 [(適用除外業務に従事した期間を含む1箇月の日数)-(適用除外業務に従事した日数)]÷(適用除外業務に従事した期間を含む1箇月の日数)×284時間(※1)
1年の拘束時間 [(適用除外業務に従事した期間を含む1年間の日数)-(適用除外業務に従事した日数)]÷(適用除外業務に従事した期間を含む1年間の日数)×3,300時間(※1)
2週間の運転時間 [14日-(適用除外業務に従事した日数)]÷14日×88時間(※2)

※1 改善基準告示の拘束時間の上限時間。なお、労使協定により、改善基準告示で規定する時間を超えない範囲で延長する場合は、当該延長した時間とする。

※2 改善基準告示の運転時間の上限時間。

 

バス運転者の拘束時間等
1箇月の拘束時間 [(適用除外業務に従事した期間を含む1箇月の日数)-(適用除外業務に従事した日数)]÷(適用除外業務に従事した期間を含む1箇月の日数)×281時間(※1)
1年の拘束時間 [(適用除外業務に従事した期間を含む1年間の日数)-(適用除外業務に従事した日数)]÷(適用除外業務に従事した期間を含む1年間の日数)×3,300時間(※1)
4週間の拘束時間 [28日-(適用除外業務に従事した日数)]÷28日×260時間(※1)
52週間の拘束時間 [(適用除外業務に従事した期間を含む52週間の日数)-(適用除外業務に従事した日数)]÷(適用除外業務に従事した期間を含む52週間の日数)×3,300時間(※1)
4週間の運転時間 [28日-(適用除外業務に従事した日数)]÷28日×160時間(※2)

※1 改善基準告示の拘束時間の上限時間。なお、労使協定により、改善基準告示で規定する時間を超えない範囲で延長する場合は当該延長した時間とする。

※2 改善基準告示の運転時間の上限時間。なお、労使協定により、改善基準告示で規定する時間を超えない範囲で延長する場合は当該延長した時間とする。

 

(3) 適用除外業務に関する書類の備付け等

上記(1)の業務を行うに当たっては、適用除外業務に該当することが明らかとなる関係法令に基づく各種行政機関への届出書や、物資等の運搬に関する地方公共団体の要請文書等の写の事業場への備付け及び自動車運転者ごとの当該業務に従事した期間が明らかとなる記録の整備が必要であること。

(4) 休息期間の確保

適用除外業務に従事する期間の直前において改善基準告示に定める休息期間を与えなくてはならないことはもとより、当該業務に従事する期間の直後の休息期間についても、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とすることが特に要請されるものであること。

 

第3 自動車運転者の労働時間等の取扱い及び賃金制度等の取扱い

1 労働時間等の取扱い

(1) 労働時間の取扱い

労働時間は、拘束時間から休憩時間を差し引いたものとすること。この場合において、事業場外における仮眠時間を除く休憩時間は3時間を超えてはならないものとすること。ただし、業務の必要上やむを得ない場合であって、あらかじめ運行計画により3時間を超える休憩時間が定められている場合、又は運行記録計等により3時間を超えて休憩がとられたことが客観的に明らかな場合には、この限りでないものとすること。自動車運転者の業務は事業場外において行われるものではあるが、通常は走行キロ数、運転日報等からも労働時間を算定し得るものであり、法第38条の2の「労働時間を算定し難いとき」という要件には該当しないこと。

事業場外における休憩時間については、就業規則等に定めた所定の休憩時間を休憩したものとして取り扱うこととしたが、休憩時間が不当に長い場合は歩合給等の賃金体系との関連から休憩時間中も働く可能性があるので、事業場外での休憩時間は、仮眠時間を除き、原則として3時間を超えてはならないものとしたこと。なお、手待時間が労働時間に含まれることはいうまでもないこと。

法の遵守に当たっては、使用者には労働時間の管理を行う責務があり、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日付け基発0120第3号別添)により、始業・終業時刻の確認及び記録を含め適正な労働時間管理を行う必要があること。また、自動車運転者の労働時間管理を適正に行うためには、運転日報等の記録を適正に管理するほか、運行記録計による記録を自動車運転者個人ごとに管理し、労働時間を把握することも有効な方法であること。

したがって、貨物自動車運送事業輸送安全規則(平成2年運輸省令第22号)第9条や旅客自動車運送事業運輸規則(昭和31年運輸省令第44号)第26条に基づき、運行記録計を装着している車両を保有する使用者においては、運行記録計の活用による適正な労働時間管理を行うこと。また、運行記録計を装着している車両を保有しない使用者においては、車両に運行記録計を装着する等により適正な労働時間管理を行うこと。

(2) 休日の取扱い

休日は、休息期間に24時間を加算して得た、連続した時間とすること。ただし、いかなる場合であっても、その時間が30時間を下回ってはならないものとすること。

法第35条に規定する休日は原則として暦日を単位として付与されるべきものであるが、自動車運転者については、その業務の特殊性から暦日を単位として休日を付与することが困難であるため、休息期間に24時間を加算して得た労働義務のない時間を休日として取り扱うものであること。このため、休日については、通常勤務の場合は継続33時間(9時間+24時間)、隔日勤務の場合は継続46時間(22時間+24時間)※を下回ることのないようにする必要があること。

※トラック運転者及びバス運転者については継続44時間(20時間+24時間)また、休息期間を分割して付与した場合、2人乗務の場合及びフェリーに乗船した場合には、休息期間に24時間を加算しても30時間に満たない場合があるが、この場合については、休息期間に24時間を加算して得た時間ではなく、連続した30時間の労働義務のない時間を休日として取り扱うこと。なお、休日が暦日を単位として付与されている場合であっても、当該時間が上記所定の時間に満たない場合は、要件を満たさないものであること。

2 賃金制度等の取扱い

自動車運転者の賃金制度等は、次により改善を図るものとすること。

(1) 賃金制度等

ア 保障給

歩合給制度が採用されている場合には、労働時間に応じ、固定的給与と併せて通常の賃金の6割以上の賃金が保障されるよう保障給を定めるものとすること。

歩合給制度を採用している場合には、労働者ごとに労働時間に応じ各人の通常賃金の6割以上の賃金が保障されるようにすることを意図したものであって、6割以上の固定的給与を設けなければならないという趣旨ではないこと。

「通常の賃金」とは、原則として、労働者が各人の標準的能率で歩合給の算定期間における通常の労働時間(勤務割に組み込まれた時間外労働及び休日労働の時間を含む。)を満勤した場合に得られると想定される賃金額(上記の時間外労働及び休日労働に対する手当を含み、臨時に支払われる賃金及び賞与を除く。)をいい、「一時間当たりの保障給」の下限は次の算式により算定すること。

図

なお、「一時間当たりの保障給」の実際の算定に当たっては、特段の事情のない限り、各人ごとに過去3箇月程度の期間において支払われた賃金の総額(全ての時間外労働及び休日労働に対する手当を含み、臨時に支払われた賃金及び賞与を除く。)を当該期間の総労働時間数で除して得た金額の100分の60以上の金額をもって充てることとして差し支えなく、また、毎年1回等定期的にあらかじめ定めておく場合には、特段の事情のない限り、当該企業の歩合給制労働者に対し過去3箇月程度の期間に支払われた賃金の総額(全ての時間外労働及び休日労働に対する手当を含み、臨時に支払われた賃金及び賞与を除く。)を当該期間の延総労働時間数で除して得た金額の100分の60以上の金額をもって保障給として差し支えないこと。

イ 累進歩合制度

賃金制度は、本来、労使が自主的に決定すべきものであるが、自動車運転者に係る賃金制度のうち、累進歩合制度については、自動車運転者の長時間労働やスピード違反を極端に誘発するおそれがあり、交通事故の発生も懸念されることから、廃止すべきであること。

累進歩合制度には、水揚高、運搬量等に応じて歩合給が定められている場合にその歩合給の額が非連続的に増減するいわゆる「累進歩合給」(図1)のほか、水揚高等の最も高い者又はごく一部の労働者しか達成し得ない高い水揚高等を達成した者のみに支給するいわゆる「トップ賞」、水揚高等を数段階に区分し、その水揚高の区分の額に達するごとに一定額の加算を行ういわゆる「奨励加給」(図2)が該当するものであること。これらの制度は、いずれも廃止すべき累進歩合制度に該当するため、認められないものであること。

図

累進歩合制度の廃止については、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適性化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律(平成25年法律第83号)の国会附帯決議(衆議院国土交通委員会(平成25年11月8日)及び参議院国土交通委員会(同月19日))においても、労使双方にその趣旨を踏まえ、真摯な対応を行うよう促すことが求められていることから、労使当事者にあっては自主的な改善を行うことが要請されること。

なお、累進歩合制度の廃止に関する周知及び指導については、平成26年1月24日付け基発0124第1号によること。

ウ 年次有給休暇の不利益取扱いの是正

法附則第136条の規定に従い、年次有給休暇を取得した労働者に対して賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにすること。

3 法定基準等の確保

改善基準告示及び上記内容は、自動車運転者の労働の実態にかんがみ、自動車運転者の労働時間等の労働条件の改善を図るため、法に定める事項のほかに必要な事項を定めているものであるが、割増賃金の適正かつ確実な支払い、実態に即した就業規則の整備、賃金台帳の適正な記録、仮眠施設の設置、健康診断の実施等、法及び労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)に定められた事項を遵守すべきことはいうまでもないこと。

 

第4 発注者等

令和4年報告においては、改善基準告示の履行確保を徹底する観点から、荷主(発荷主及び着荷主)やいわゆる元請運送事業者、貸切バス利用者等の発注者、貨物自動車利用運送事業者等(以下「発注者等」という。)に対し、幅広く周知することが適当等とされている。(令和4年報告4(1))このことを踏まえ、次の事項に留意すること。

1 発注担当者等に対する周知

改善基準告示の履行確保を徹底するため、発注者等においては、改善基準告示の内容をその発注担当者等に周知することが要請されること。

2 トラック運転者に係る長時間の恒常的な荷待ちの改善等

道路貨物運送業は、他の業種に比べて長時間労働の実態にあり、過労死等のうち脳・心臓疾患の労災支給決定件数が最も多い業種であることから、自動車運転者の長時間労働の是正等の働き方改革を一層積極的に進める必要がある一方、道路貨物運送業の長時間労働の要因の中には、取引慣行など個々の事業主の努力だけでは見直すことが困難なものがあり、その改善のためには、発荷主及び着荷主並びに道路貨物運送業の元請事業者(以下「発着荷主等」という。)の協力が必要不可欠である。

このことを踏まえ、発着荷主等においては、次の事項を実施することが要請されること。

(1) 発着荷主等の荷主都合による長時間の恒常的な荷待ちは、自動車運転者の長時間労働の要因となることから、これを発生させないよう努めること。

(2) 運送業務の発注担当者に、改善基準告示を周知し、自動車運転者が改善基準告示を遵守できるような着時刻や荷待ち時間等を設定すること。

(3) 改善基準告示を遵守できず安全な走行が確保できないおそれのある発注を貨物自動車運送事業者に対して行わないこと。

 

別紙1 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の在り方について(報告)(令和4年9月27日労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会取りまとめ)<編注:略>

 

別紙2 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の一部を改正する件(令和4年厚生労働省告示第367号)<編注:略>

 

別紙3 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号)(改正後全文)<編注:略>

 

別紙4-1 ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示の内容(一覧表)

 

別紙4-2 トラック運転者の改善基準告示の内容(一覧表)

 

別紙4-3 バス運転者の改善基準告示の内容(一覧表)

 

別紙5-1 労使協定(例)(ハイヤー・タクシー)

 

別紙5-2 労使協定(例)(トラック)

 

別紙5-3 労使協定(例)(バス)

 

別紙6 本通達と旧通達の対照表(参考資料)<編注:略>