◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー
労災保険給付の請求人等に対する懇切・丁寧な対応の徹底について
平成22年3月25日基労補発0325第1号
(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局労災補償部補償課長通知)
標記については、平成22年2月25日付け基労発0225第1号「労災補償業務の運営に当たって留意すべき事項について」(以下「留意通達」という。)の記の第2の3の(1)において既に指示されたところであるが、その具体的な実施事項については、下記のとおりとするので、遺漏なきを期されたい。
なお、下記の取組は、平成21年9月24日以降推進してきた労災保険の窓口業務等の改善において、留意通達の記の第1の2に示した職員の基本姿勢(「親切で、わかりやすく、迅速な対応」、「公平、かつ、納得性の高い対応」)をより徹底して反映すべく、相談者等に対するアンケート結果等も踏まえつつ、取組内容の見直し、拡充を行い、もって労災補償業務に対する国民の満足度を更に高めることを目的とするものである。
記
1 実施事項について
(1) 相談者等に対する丁寧で分かりやすい説明等の実施
① 労働基準監督署(以下「署」という。)の窓口に相談に訪れた者(労災請求等を行おうとする者、既に請求等を行っている者を含む。以下「相談者等」という。)に対して、パンフレット等を活用して懇切丁寧な説明を行うこと。
説明に際しては、求められた事項について説明を行うにとどまることなく、相談内容から相談者等の置かれた状況を的確に把握し、当該相談者等が請求することができると思われる労災保険の各種給付(社会復帰促進等事業による給付を含む。)について、漏れのない説明を行うよう、特に留意すること。
なお、相談者等への説明に活用するパンフレット等については、本省において順次改善を図り、別途送付する予定であるので、これらの活用を図ること。
② 相談に際して、相談者等から時間や相談環境等の要望がある場合には、可能な限りこれに配慮すること。
また、相談者等が複数回にわたり相談等に訪れた際には、同一の担当者が相談等に当たる又は相談の経過等を担当者が容易に把握できる仕組みを採用する等の措置を講じることにより、相談者等に同様の説明を詳細にわたって求めることのないよう配慮すること。
(2) 処理に長期間を要している事案についての処理状況の連絡の徹底
労災請求を受理してから3か月を超えてもなお保険給付等の決定の通知を行っていない事案(1週間以内に決定の通知を行うものを除く。)については、担当者から請求者に対し、原則として電話により処理状況等の連絡を行うこと。
連絡に際しては、請求等に係る調査の進行状況及び当該請求等に対する決定がなされる時期の見通しについて説明するほか、調査等に対する請求者の要望等があれば丁寧に聴取・記録し、その内容を踏まえて、必要に応じ追加の調査等を行うこと。
また、その後、概ね月1回の頻度で請求者に対して調査の進行状況等の連絡を行うこと。
なお、電話等により処理状況の連絡を行うに当たっては、請求人以外の者に誤って処理状況を知らせることのないよう、本人確認を徹底すること。
(3) 不支給決定を行った場合における不支給決定理由等についての分かりやすい説明の実施
脳・心臓疾患事案及び精神障害等事案の不支給決定を行った場合には、当該不支給決定に対する請求人の納得性を高めるため、支給要件の概要及び当該不支給決定理由のポイント、審査請求手続等について、請求人に対する分かりやすい説明を行うこと。
なお、今後、脳・心臓疾患事案及び精神障害等事案以外についても対応を拡大する予定であるが、その具体的な範囲等については、今後、各都道府県労働局(以下「局」という。)・署の意見等を踏まえ、別途検討し、通知する予定である。
2 効果測定等について
上記1の実施事項については、行政サービスに対する国民の満足度の効果測定及び国民からの意見・要望の把握を行い、その結果を更なる行政サービスの改善に役立てるべく、本年10月から12月までの間、効果測定等を実施する予定である。
具体的な実施方法については、別途通知する。
なお、平成21年度の効果測定等の結果については、別紙のとおりであるので、各局において、行政サービスの改善に向けた検討を行う上での資料とし、活用を図ること。
3 その他
留意通達の記の第9の1の(3)で指示された窓口対応等に係る研修の実施に当たっては、上記1の実施事項が的確に推進される視点に十分留意しつつ、研修の企画、実施に臨むこと。
別紙
平成21年度における労災保険の窓口業務等の改善に係る効果測定結果
1 効果測定期間 平成21年10月~12月
2 効果測定対象者
(1) 相談者等 3,075人
(2) 申請者(3カ月を超えても決定の通知を行っていない者) 1,185人
3 効果測定方法
(1) 相談者等については、窓口において調査協力を承諾した者(3,075人)に対して、その場でアンケートを交付することにより実施
(2) 申請者については、3カ月を超えても決定の通知を行っていない申請者であって、処理状況等の連絡を行った者のうち、調査協力を承諾した者(1,185人)に対し、本省からアンケートを送付することにより実施
4 効果測定結果
(1) 相談者等
アンケート総数 3,075 |
|||
設問1 本日は、どのようなご用件でご来署されましたか。 |
|||
|
|
||
|
①労災保険の相談 |
1,528(49.7%) |
|
|
②労災保険の保険給付の請求書の提出 |
1,121(36.5%) |
|
|
③その他 |
440(14.3%) |
|
設問2 本日の説明の結果、必要な情報は得られましたか。 |
|||
|
|
||
|
①大いに得られた |
1,853(60.3%) |
|
|
②得られた |
1,155(37.6%) |
|
|
③得られなかった |
13(0.4%) |
|
満足度(設問2①+②) 97.8% |
|||
設問3 今後、労災保険の窓口業務について、改善を望む事項がありますか。 |
|||
|
|
||
|
①パンフレットをもっと分かりやすいものにしてほしい |
362(11.8%) |
|
|
②同じ担当者に継続して相談に当たってほしい |
998(32.5%) |
|
|
③プライバシーが保てる環境で相談に当たってほしい |
254(8.3%) |
|
|
④その他(下記に多かった意見) |
520(16.9%) |
|
|
|
|
|
|
|
(設備関係)窓口を増やしてほしい、受付が分かりづらい等 (資料関係)労災Q&Aや事例集がほしい、外国語版がほしい、字を大きくしてほしい等 (インターネット関係)インターネットから請求書をダウンロードできるようにしてほしい等 (接遇関係)職員に名札を付けてほしい、声掛けしてもらいたい、いつも窓口にいてほしい等 (様式関係)様式・書くことが多すぎる、印刷が薄い、細かくて読みにくい等 |
(2) 申請者
アンケート返信総数 738 |
||
設問1 調査の進行状況の説明について感想をお聞かせください。 |
||
|
|
|
|
①大変分かりやすい説明を受けた |
220(29.8%) |
|
②現在の進行状況については、一応理解できた |
381(51.6%) |
|
③現在の進行状況が良く分からなかった |
119(16.1%) |
|
④無回答・その他 |
18(2.4%) |
満足度(設問1①+②) 81.4% |
||
設問2 お気づきの点があれば何でもご記入ください。 (5件以上寄せられた意見について下記に記載) |
||
|
|
|
|
早く処理してもらいたい |
178 |
|
処理状況を連絡してもらいたい |
61 |
|
決定時期が分からない |
35 |
|
接遇に不満がある(高圧的、言動等への不満等) |
28 |
|
分かりやすく説明してもらいたい |
11 |
|
労災に関する連絡を書面でほしい |
9 |
|
手続き等が複雑で分かりづらい |
6 |
|
土日も開庁してほしい |
5 |
|
申請書等の書類の書き方を教えてほしい |
5 |
|
担当者が転勤等で変わってしまうのは困る |
5 |
|
窓口職員、担当官等の人数を増やしてほしい |
5 |
※ なお、上記の意見・要望のほか、「親身になっていただきありがとうございます。」「連絡を度々してもらって安心できた。」等の感謝の言葉も多数寄せられたことを付記する。