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労災診療費算定基準の一部改定に伴う運用上の留意事項について
平成20年3月31日基労補発第0331004号
(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局労災補償部補償課長通知)
労災診療費算定基準の一部改定については、平成20年3月31日付け基発第0331018号により指示されたところであるが、この運用に当たっては下記の事項に留意のうえ、その取扱いに遺漏のなきを期されたい。
なお、平成18年12月18日付け基労補発第1218001号「労災診療費算定基準の実施上の留意事項について」は平成20年3月31日をもって廃止する。
記
1 初診料
健保点数表(医科に限る。)の初診料の注2前段にかかわらず、健康保険等他保険及び自費(医療保険給付対象外)(以下「他保険等」という。)により傷病の診療を継続している期間中に、当該診療を継続している医療機関において、業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病により初診を行った場合、または、健康診断に引き続いて、当該健康診断を受けた医療機関において、業務上の事由又は通勤による疾病により、初診を行った場合に、初診料を算定できることとしたものであり、労災保険において継続診療中に、新たな労災傷病にて初診を行った場合は、初診料の算定はできないこと。ただし、診療報酬の算定方法(平成20年3月5日厚生労働省告示第59号)の別表第一医科診療報酬点数表及び第二歯科診療報酬点数表(以下「健保点数表」という。)(医科に限る。)の初診料の注2ただし書に該当する場合については、初診料の半額の1,820円を算定できること。
なお、改定後の初診料の算定例は、別紙1のとおりであること。
2 外来管理加算
外来管理加算については、健保点数表の再診料の注6にかかわらず、従前どおりの計画的な医学管理を行った場合に所定点数に52点を加算して算定できること。
3 四肢の傷病に係る処置等の加算
爪甲除去(麻酔を要しないもの)、穿刺排膿後薬液注入、粘(滑)液嚢穿刺注入、ガングリオン穿刺術及びガングリオン圧砕法の取扱いについては、平成18年12月18日付け基労補発第1218001号「労災診療費算定基準の実施上の留意事項について」にて指示しているところであるが、その取扱いを踏まえ、改定を行うものであり、従来の取扱いを変更するものではないこと。
4 再就労療養指導管理料
再就労療養指導管理料については、3,000円を引上げ、420点に点数化したものであること。
指導管理箋については、職場に応じ、就労に当たっての療養上必要な指導事項及び就労上必要な指導事項を記載するため様式を変更するとともに、主治医から産業医へ診療情報等の提供のため、新たに産業医提出用の指導管理箋を追加したものであること。
5 入院室料加算
入院室料加算については、健康保険において地域加算の対象地域に国家公務員給与の地域手当に準じる地域が追加されたことから、新たに追加された同地域の4級地から5級地についても、甲地として算定することとしたものであること。
なお、追加された地域は、別紙2のとおりであること。
6 処置等の特例
腰部又は胸部固定帯固定、低出力レーザー照射、矯正固定及び変形機械矯正術の取扱いについては、平成18年12月18日付け基労補発第1218001号「労災診療費算定基準の実施上の留意事項について」にて指示しているところであるが、その取扱いを踏まえ、改定を行うものであり、従来の取扱いを変更するものではないこと。
7 救急医療管理加算
救急医療管理加算については、初診の傷病労働者について救急医療を行った場合に算定できるものであることから、上記1の初診料を算定でき救急医療を行った場合にも、救急医療管理加算を算定できるものであること。
ただし、健保点数表(医科に限る。)の初診料の注2ただし書に該当する場合として、初診料の半額の1,820円を算定する初診については、救急医療管理加算は算定できない。
8 リハビリテーション
(1) 健保点数表の疾患別リハビリテーション料の各規程の注2を適用しないこととしたことから、労災保険では、早期リハビリテーション加算は、算定できないものであること。
(2) 健保点数表の疾患別リハビリテーション料の各規程の注3を適用しないこと及びリハビリテーションの必要性及び効果が認められるものについては、疾患別リハビリテーションの各規定の注1ただし書にかかわらず、健保点数表に定める標準的算定日数を超えて算定できるものとすることとしたことから、労災保険では、標準的算定日数を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う者は、傷病に関わらず、下記9の取扱いを行うものであること。
(3) 健保改正により、健保点数表からADL加算は削除されたが、労災保険では、算定できるものであること。
なお、ADL加算の算定要件は、改定前と変わるものではないこと。
9 リハビリテーションの継続理由を記載する書面について
改定前は、①算定日数の上限を超えて疾患別リハビリテーションを行う患者のうち、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合は、診療費請求内訳書の摘要欄に継続の理由等の必要事項を記載する又は労災リハビリテーション評価計画書を診療費請求内訳書に添付させること、②算定日数の上限の除外対象とならなかった傷病であって、算定日数の上限を超えて疾患別リハビリテーションを行う必要性及び効果が認められるものは労災リハビリテーション評価計画書を診療費請求内訳書に添付させることと取り扱っていた。
改定後は、傷病に関わらず、標準的算定日数を超えて疾患別リハビリテーションを継続して行う場合は、診療費請求内訳書の摘要欄に標準的算定日数を超えて行うべき医学的所見等を記載することとする。
なお、労災リハビリテーション評価計画書を診療費請求内訳書に添付して提出している場合には、診療費請求内訳書の摘要欄に標準的算定日数を超えて行うべき医学的所見等を記載する必要はないこととする。
また、労災リハビリテーション評価計画書を別紙3のとおり変更する。
10 職業復帰訪問指導料
ア 入院期間が1月又は6月を超えると見込まれる傷病労働者とは、継続して1月又は6月を超えて入院すると見込まれる傷病労働者であること。
イ 傷病労働者の職場復帰に向けた指導を行うに当たり、異なる職種の者2人以上が共同して指導を行った場合に所定点数に加えて320点の加算を算定できるものであり、同一の職種の者2人以上が共同して指導を行った場合には、所定点数に加えて320点の加算は算定できないものであること。
なお、事業主には、事業主に代わって監督又は管理の地位にある者も含むものであること。
11 後期高齢者医療について
高齢者医療確保法の規定による療養の給付は、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)第57条の規定により、労災保険法による療養(補償)給付を受けることができる場合には行わないとされていることから、労災診療費算定基準では、後期高齢者に係る点数の適用を受けないこと。
別紙2
追加された地域
(新たに甲地として算定できる地域)
1 茨城県(4市町)
石岡市、那珂市、東海村、阿見町
2 埼玉県(7市町)
羽生市、鳩ヶ谷市、蕨市、富士見市、新座市、三芳町、狭山市
3 千葉県(8市町)
習志野市、我孫子市、鎌ヶ谷市、八千代市、長柄町、長南町、木更津市、君津市
4 東京都(6市町)
羽村市、日の出町、檜原村、東久留米市、小金井市、奥多摩町
5 神奈川県(8市町)
愛川町、座間市、綾瀬市、伊勢原市、逗子市、清川村、寒川町、山北町
6 愛知県(2市町)
尾張旭市、長久手町
7 滋賀県(1市)
栗東市
8 京都府(5市町)
南丹市、久御山町、八幡市、城陽市、宇治田原町
9 大阪府(5市町)
島本町、摂津市、松原市、大阪狭山市、豊能町
10 兵庫県(2市町)
猪名川町、川西市
11 奈良県(1市)
御所市
12 広島県(1町)
府中町