◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー
C型肝炎を発症した場合等の療養の範囲について
平成19年12月13日基労補発第1213001号
(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局労災補償部補償課長通知)
医療従事者等に対するC型肝炎に係る労災保険の取扱いについては、平成5年10月29日付け基発第619号により実施しているところであり、また、業務上の事由又は通勤災害(以下「業務災害等」という。)による傷病の療養中にC型肝炎ウイルス(以下「HCV」という。)に汚染された血液の輸血及び血液製剤の投与等(以下「血液の輸血等」という。)を受け、HCVに感染し、C型肝炎を発症した場合については、従前より、業務上疾病又は通勤による疾病として取り扱ってきたところである。
今般、C型肝炎に対する治療の進展を踏まえ、療養の範囲を明確化するとともに、業務災害等による傷病の療養中にHCVに汚染された血液の輸血等を受けた場合の療養の範囲を下記のとおり示すので、その取扱いに留意されたい。
記
1 C型慢性肝炎を発症した場合の検査及び治療については、「B型及びC型肝炎ウイルスの感染者に対する治療の標準化に関する臨床的研究」(別添)において「血清ALT正常C型肝炎症例への抗ウイルス治療ガイドライン」が示されており、当該ガイドラインに則した治療についても療養の範囲内に含まれること。
なお、C型肝炎については、ウイルスが陰性化した場合の他、ウイルスの持続感染が認められ、かつ、AST値及びALT値が持続的に低値であるものを治ゆとしているが、これはHCVの陰性化を原則としているものであり、当該ガイドラインによる取扱いと矛盾しないことは言うまでもないこと。
2 業務災害等による傷病の療養中にHCVに汚染された血液を輸血等された場合のHCV抗体検査等の検査並びに発症したC型肝炎が業務又は通勤に起因するものと認められる場合の発症以後の検査及び治療については、業務上疾病又は通勤による疾病に対する療養の範囲に含まれるものであること。
なお、HCVに汚染された血液を輸血等された場合とは、HCVに汚染された蓋然性が高い血液を輸血等されたことを含むものであり、例えば、平成4年以前に輸血を受けた場合、輸入非加熱血液凝固因子製剤を投与された場合及び平成6年以前にフィブリノゲン製剤(フィブリン糊としての使用を含む。)を投与された場合も、これに該当すること。