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通達:耳及び口の障害に関する障害等級認定基準の一部改正について

 

耳及び口の障害に関する障害等級認定基準の一部改正について

平成14年2月1日基発第0201001号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

労災保険の障害等級の認定については、昭和50年9月30日付け基発第565号別冊「障害等級認定基準」(以下「認定基準」という。)により取り扱っているところであるが、今般、平成14年1月11日付けで報告のあった「耳鼻咽喉科領域の障害認定に関する専門検討会」の検討結果を踏まえ、認定基準のうち、耳及び口に関する障害について、下記のとおり認定基準を改めることとしたので、事務処理に遺漏のないように期されたい。

 

1 改正の要旨

(1) 難聴の聴力検査の統一化

難聴の聴力検査は、これまで職業性難聴と急性音響性聴器障害等とに区分して取り扱ってきたところであるが、これまでの検査の方法等について整理し、今後は難聴の聴力検査として統一した取扱いにするとともに、聴力検査に係る検査期間の短縮を図ること等としたこと。

(2) 耳鳴に係る検査方法等の明確化

耳鳴に係る検査方法等についてこれまで明記していなかったところであるが、今後は耳鳴に係る検査方法について明記するとともに、併せて耳鳴と難聴との関係等についても明確化したこと。

(3) そしゃくの機能障害の適用範囲の明確化

そしゃくの機能障害(第10級の2)について、これまでその適用範囲に不明確な点があったことから、認定基準を改正し、その適用範囲を明確にしたこと。

(4) 味覚減退の障害としての評価(準用)

味覚減退については、これまで障害とは取り扱ってこなかったところであるが、味覚減退を把握できる検査方法が定着したこと等から、今後は障害補償の対象とし、第14級を準用することとしたこと。

(5) 開口障害等を原因としてそしゃくに相当時間を要することの障害としての評価(準用)

そしゃくに時間を要することについてはこれまで障害としては取り扱っていなかったところであるが、開口障害等を原因としてそしゃくに相当時間を要する場合について障害と評価し、今後は第12級を準用することとしたこと。

2 改正の内容

(1) 認定基準第2の2の(2)のイの(ハ)の「職業性難聴」を「騒音性難聴」に改める。

(2) 認定基準第2の2の(2)のイの(ニ)、(ホ)及び(ヘ)を次のとおり改め、(ト)を(ホ)に改める。

(ニ) 難聴の聴力検査は、次により行うこと。

a 聴力検査の実施時期

(a) 騒音性難聴

騒音性難聴の聴力検査は、85dB以上の騒音にさらされた日以後7日間は行わないこと。

(b) 騒音性難聴以外の難聴

騒音性難聴以外の難聴については、療養効果が期待できることから、治ゆした後すなわち療養が終了し症状が固定した後に検査を行うこと。

b 聴力検査の方法

(a) 聴覚検査法

障害等級認定のための聴力検査は、別紙1「聴覚検査法(1990)」(日本聴覚医学会制定)により行うこと(語音聴力検査については、日本聴覚医学会制定「聴覚検査法(1990)」における語音聴力検査法が新たに制定されるまでの間は、日本オージオロジー学会制定「標準聴力検査法Ⅱ語音による聴力検査」により行うこととし、検査用語音は、57式、67式、57S式又は67S式のいずれを用いても差し支えないものとする。)。

(b) 聴力検査回数

聴力検査は日を変えて3回行うこと。

但し、聴力検査のうち語音による聴力検査の回数は、検査結果が適正と判断できる場合には1回で差し支えないこと。

(c) 聴力検査の間隔

検査と検査の間隔は7日程度あければ足りること。

c 障害等級の認定

障害等級の認定は、2回目と3回目の測定値の平均純音聴力レベルの平均により行うこと。

2回目と3回目の測定値の平均純音聴力レベルに10dB以上の差がある場合には、更に聴力検査を行い、2回目以降の検査の中で、その差が最も小さい2つの平均純音聴力レベル(差は10dB未満とする。)の平均により、障害認定を行うこと。

(3) 認定基準第2の2の(3)のロの(ロ)を次のとおり改める。

(ロ) 耳鳴に係る検査によって難聴に伴い著しい耳鳴が常時あると評価できるものについては第12級を、また、難聴に伴い常時耳鳴のあることが合理的に説明できるものについては第14級を、それぞれ準用する。

a 「耳鳴に係る検査」とは、ピッチ・マッチ検査及びラウドネス・バランス検査をいう。

b 「難聴に伴い」とは、騒音性難聴にあっては、騒音職場を離職した者の難聴が業務上と判断され当該難聴に伴い耳鳴がある場合をいう。

騒音性難聴以外の難聴にあっては、当該難聴が業務上と判断され治ゆ後にも継続して当該難聴に伴い耳鳴がある場合をいう。

c 耳鳴に係る検査により耳鳴が存在すると医学的に評価できる場合には、「著しい耳鳴」があるものとして取り扱うこと。

d 耳鳴が常時存在するものの、昼間外部の音によって耳鳴が遮蔽されるため自覚症状がなく、夜間のみ耳鳴の自覚症状を有する場合には、耳鳴が常時あるものとして取り扱うこと。

e 「耳鳴のあることが合理的に説明できる」とは、耳鳴の自訴があり、かつ、耳鳴のあることが騒音ばく露歴や音響外傷等から合理的に説明できることをいう。

(4) 認定基準第2の4の(2)のイの(ニ)を次のとおり改める。

(ニ) 「そしゃく機能に障害を残すもの」とは、固形食物の中にそしゃくができないものがあること又はそしゃくが十分にできないものがあり、そのことが医学的に確認できる場合をいう。

a 「医学的に確認できる場合」とは、不正咬合、そしゃく関与筋群の異常、顎関節の障害、開口障害、歯牙損傷(補てつができない場合)等そしゃくができないものがあること又はそしゃくが十分にできないものがあることの原因が医学的に確認できることをいう。

b 「固形食物の中にそしゃくができないものがあること又はそしゃくが十分にできないものがあり」の例としては、ごはん、煮魚、ハム等はそしゃくできるが、たくあん、らっきょう、ピーナッツ等の一定の固さの食物中にそしゃくができないものがあること又はそしゃくが十分にできないものがあるなどの場合をいう。

(5) 認定基準第2の4の(3)のロの(ロ)を次のとおり改める。

(ロ) 味覚障害については、次により取り扱うこと。

a 味覚脱失

(a) 頭部外傷その他顎周囲組織の損傷及び舌の損傷によって生じた味覚脱失については、第12級を準用すること。

(b) 味覚脱失は、濾紙ディスク法における最高濃度液による検査により、基本4味質すべてが認知できないものをいう。

b 味覚減退

(a) 頭部外傷その他顎周囲組織の損傷及び舌の損傷によって生じた味覚減退については、第14級を準用すること。

(b) 味覚減退は、濾紙ディスク法における最高濃度液による検査により、基本4味質のうち1味質以上が認知できないものをいう。

c 検査を行う領域

検査を行う領域は、舌とする。

d 障害認定の時期

味覚障害については、その症状が時日の経過により漸次回復する場合が多いので、原則として療養を終了してから6ケ月を経過したのちに等級を認定すること。

(6) 認定基準第2の4の(3)のロの(ニ)の次に(ホ)を設ける。

(ホ) 開口障害等を原因としてそしゃくに相当時間を要する場合は、第12級を準用すること。

a 「開口障害等を原因として」とは、開口障害、不正咬合、そしゃく関与筋群の脆弱化等を原因として、そしゃくに相当時間を要することが医学的に確認できることをいう。

b 「そしゃくに相当時間を要する場合」とは、日常の食事において食物のそしゃくはできるものの、食物によってはそしゃくに相当時間を要することがあることをいう。

c 開口障害等の原因から、そしゃくに相当時間を要することが合理的に推測できれば、「相当時間を要する」に該当するものとして取り扱って差し支えないこと。

3 施行日

改正された認定基準は、平成14年4月1日以降に支給事由が生じたものについて適用し、平成14年4月1日前に支給事由が生じたものについては改正前の認定基準によること。