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通達:外国人の日本語の理解力に配慮した技能講習の実施について

 

外国人の日本語の理解力に配慮した技能講習の実施について

令和2年3月31日基発0330第43号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

外国人に対する技能講習については、日常生活に必要な日本語の理解力を有するが、専門的又は技術的な事項に関する日本語の理解力が十分でない外国人労働者に対して、その日本語の理解力に配慮した技能講習が適切に実施されるようにすることを目的として、「外国人労働者に対する技能講習の実施について」(平成24年10月10日付け基発1010第4号厚生労働省労働基準局長通知)の別添「外国人労働者に対する技能講習実施要領」に基づき実施してきた。

今般、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)の改正により特定技能の在留資格が設けられ、技能講習の受講を希望する外国人が増加することが見込まれる。

このため、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第77条第3項に規定する登録教習機関(以下「登録教習機関」という。)は、技能講習を受講する外国人(以下「外国人受講者」という。)を雇用する事業者又は外国人受講者の申告等により、外国人受講者の日本語の理解力を把握するとともに、当該外国人受講者の日本語の理解力に応じた配慮を行った上で技能講習を実施すべきである。以上を踏まえ、また、ガス溶接技能講習規程(昭和47年労働省告示第110号)第3条第3項等の規定に基づき、別添のとおり、「外国人に対する技能講習実施要領」を定めるので、今後は、管内の登録教習機関が日本語の理解力が十分でない外国人に対する技能講習を実施する場合には、各技能講習規程の施行に係る通達のほか、当該実施要領及び下記により技能講習が適切に実施されるよう指導されたい。

なお、本通達をもって「外国人労働者に対する技能講習の実施について」(平成24年10月10日付け基発1010第4号厚生労働省労働基準局長通知)は廃止する。

 

1 修了試験について

外国人に対する技能講習実施要領2(5)修了試験について、厚生労働省が多言語で作成する予定の技能講習の理解度を測る標準的な試験問題(多肢選択方式)について、別途指示するところにより登録教習機関に提供すること。

2 適切な教材の使用について

外国人に対する技能講習実施要領2(6)適切な教材の使用について、市販されている外国語版の教材のほか、厚生労働省が多言語で作成する予定の補助教材について、別途指示するところにより学科講習での活用を促すこと。

3 適切な監査指導の実施について

日本語の理解力が十分でない外国人に対して、その日本語の理解力に配慮した技能講習が適切に実施されていない場合、厳正な指導を行うこと。特に、修了試験について、講師等が正答を教示する等の不正事案に関しては、本通達に基づき、厳正な指導を行うこと。

4 適用

本通達は、令和2年10月1日より適用する。

 

別添

外国人に対する技能講習実施要領

1 本要領の趣旨

本要領は、専門的又は技術的な日本語の理解力が十分でない外国人に対して労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第61条第1項に定める就業制限の対象となる業務に係る技能講習を実施するに際し、その日本語の理解力に配慮した技能講習が適切に実施されるようにするために定めるものである。

2 技能講習の実施

1の技能講習は、次により実施すること。

(1) 外国人の日本語の理解力の把握

事業者は、外国人労働者に技能講習を受講させる場合、当該外国人労働者が当該技能講習の内容を日本語で理解できるか確認し、受講申請の際、その結果を登録教習機関に対して別紙様式を参考に通知すること。また、事業者の指示によらず外国人が技能講習を受講しようとする場合、受講を希望する外国人は、技能講習において使用する日本語のテキスト等を確認し、受講申請の際、自らの日本語の理解力について別紙様式を参考に自己申告すること。

登録教習機関は、技能講習を受講する外国人(以下「外国人受講者」という。)の日本語の理解力を事前に確認しておくことが望ましいこと。

(2) 外国人向けコースの設置

日本語の理解力が十分でない外国人受講者に対して技能講習を実施する場合には、原則として外国人向けコースを別途設置すること。ただし、受講者全体に占める外国人受講者の割合が低い等、外国人向けコースを別途設置することが困難な場合には、個々の外国人受講者の日本語の理解力に応じて、当該外国人受講者が理解できる言語(以下「外国語」という。)による補助教材を使用することや通訳者による同時通訳を実施することにより、通常コースで受け入れることができる。

(3) 通訳者の配置

外国人受講者の日本語の理解力を勘案して、外国語により技能講習を行うことが必要な場合であって、講師が当該外国語に堪能でない場合には、以下のとおり通訳者を配置して行うこと。

ア 通訳者は、当該技能講習を修了した者など、講習科目に関する専門的及び技術的な知識を有している者が望ましいこと。

当該通訳者を手配できない場合は、通訳者に事前に当該技能講習を受講させるなど配慮することが望ましいこと。

イ 登録教習機関において通訳者を手配できないときは、外国人受講者又は外国人受講者を雇用する事業者に手配を求めること。

ウ 専門的又は技術的な事項も含めた日本語を翻訳することができない音声翻訳機をもって通訳者の代替とすることは認められないこと。

(4) 講習時間

通訳者を配置して技能講習を実施する場合には、通訳に要する時間は、各技能講習規程に定める学科講習に係る講習時間に含めないこと。

通訳に要する時間は、通訳の速度を考慮の上、日本語による技能講習の内容をそのまま訳すための時間に過不足のないものとすること。

(5) 修了試験

ア 修了試験問題の程度は、通常の技能講習におけるものと同等のものとすること。

イ 修了試験のうち学科試験は、原則として筆記試験により行うこと。

ウ 筆記試験は、外国人受講者の日本語の理解力に配慮し、原則として試験問題中の全ての漢字にひらがな若しくはローマ字によるルビを付す又は試験問題を外国語に翻訳して行うこととするが、試験問題を外国語で読み上げ、外国人受講者に解答させる方法としても差し支えないこと。この場合、読上げを行う者等が解答を外国人受講者に教示する等の不正行為を行わないよう、試験の適正な実施に十分留意すること。

エ 学科試験の時間は、外国人受講者の日本語の理解力を勘案して、通常の学科試験の時間の1.3倍まで延長して行うことができること。

(6) 適切な教材の使用

外国語によるテキスト、模型及びOHP、ビデオ等の視聴覚教材の活用に努めること。

(7) 技能講習に関する料金

通訳者の配置に際して必要な経費及び外国人受講者の日本語の理解力に配慮して実施する修了試験に必要な経費は、あらかじめ業務規程に定めた上で、受講料として外国人受講者に負担させることができること。なお、通訳者によって経費に幅がある場合、通訳者の配置に係る実費相当を受講料に含める旨を業務規程に明記するとともに、外国人受講者の求めに応じて通訳者の配置に係る実費について開示できるようにすること。

3 技能講習修了証の発行

氏名の欄には、旅券(パスポート)又は在留カードに記載されている氏名を記入すること。

4 業務規程の変更

日本語の理解力が十分でない外国人を対象とする技能講習を実施しようとする登録教習機関は、業務規程に定める事項のうち、技能講習の時間、技能講習の実施方法、修了試験の実施方法、技能講習に関する料金に関する事項等必要な事項について変更を行い、労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令(昭和47年労働省令第44号)第23条第3項の規定に基づき、技能講習を行おうとする場所を管轄する都道府県労働局長に業務規程変更届出書を提出する必要があること。

なお、通訳者を配置して技能講習を行う場合には、技能講習の時間に関する事項及び技能講習の実施方法として、その旨及び通訳に要する時間を当該業務規程に記載すること。

[別紙]