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通達:「「ジョブ・カード制度」の一層の推進について」の改正について

 

「「ジョブ・カード制度」の一層の推進について」の改正について

平成23年12月15日能発1215第1号

(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長あて厚生労働省職業能力開発局長通知)

 

ジョブ・カード制度は、広く求職者等を対象に、きめ細かなキャリア・コンサルティングや企業実習と座学を組み合わせた訓練を含む実践的な職業訓練の機会を提供し、企業からの評価結果や職務経歴等をジョブ・カードに取りまとめて就職活動等に活用することにより安定的な雇用等へと導く制度として、平成20年4月より実施している。

このうち、有期実習型訓練については、訓練修了後における訓練受講者の正社員への移行割合の引上げが課題となっていることから、今般、対象者を一定期間試行雇用することによりその適性や業務遂行可能性を見極め、求職者及び求人者の相互理解を促進すること等を通じて対象者の早期就職の実現等を図るトライアル雇用と有期実習型訓練を一体的に活用することを可能とし、さらなる正社員への移行促進を図ることとした。

このため、今般、雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)を改正し、訓練期間の下限を3か月に設定するとともに、訓練実施事業主が訓練受講者の正社員への移行の是非を見極めるために訓練期間の延長が必要であると判断した場合は、雇用契約を更新の上、引き続き最大3か月間までの訓練期間の延長を可能とすることとし、その実施に当たり、平成20年10月1日付け能発第1001019号別添1「「ジョブ・カード制度」の一層の推進について」を別添1のとおり改正した。貴職におかれては、改正内容を十分理解の上、その実施に万全を期されたい。

なお、本件については、別添2により各都道府県労働局長、各都道府県知事及び関係団体(中央職業能力開発協会、社団法人全国民営職業紹介事業協会、全国専修学校各種学校総連合会、社団法人日本経済団体連合会、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、日本労働組合総連合会、特定非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会、公益財団法人日本生産性本部)あてにそれぞれ通知したところであるので申し添える。

 

[別添1]

「ジョブ・カード制度」の一層の推進について

第1 ジョブ・カード制度の概要

1 ジョブ・カード制度の全体像

厚生労働省において構築・推進するジョブ・カード制度は、

① フリーター等の職業能力形成機会に恵まれない者を始めとする求職者等が一定の知識等を有するキャリア・コンサルタント(以下「登録キャリア・コンサルタント」という。定義については下記5(4)を参照のこと。)によるキャリア・コンサルティングを通じ、

② 企業における実習と教育訓練機関等における座学とを組み合わせた訓練を含む実践酌な職業訓練(職業能力形成プログラム)を受け、

③ 訓練修了後の職業能力評価のほか職務経歴等の情報を「ジョブ・カード」として取りまとめ、就職活動等に活用する

ことにより求職者と求人企業とのマッチングや実践的な職業能力の習得を促進し、安定的な雇用への移行等を促進する制度をいう。

なお、ジョブ・カード制度には、上記の他に文部科学省において構築・推進しているものとして、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校において職場で活かせる実践的な教育プログラムを受けて履修証明書を得て、職務経歴等の情報とともに「ジョブ・カード」として取りまとめ、就職活動等の職業キャリア形成に活用する「実践型教育プログラム」がある。

2 背景・経緯

現在の人口減少下においても持続的な経済成長を可能とするためには、労働生産性の向上が重要であり、そのためには、一人一人が能力を開発する機会を持ち、能力を発揮できる社会に向けた本格的な取組を実施することが必要である。

このような状況の中、いわゆる就職氷河期と呼ばれた時期に学校を卒業し、就職活動を行った若年者の中には、正社員になりたくてもなれず、非正規労働者にとどまらざるを得なかった結果、職業能力形成の機会にも恵まれないという悪循環に陥っている者が多数存在しており、さらに、子育て終了後の女性や母子家庭の母等についても、同様に、離職期間が長いこと等により、正社員になりたくてもなれず、非正規労働者にとどまらざるを得ない状況にある者が存在するところである。また、新規学卒者を取り巻く雇用情勢は厳しい状況にあり、正祉員になりたくてもなれない若年者のフリーター化を防止するための対策を講ずる必要性も高まっている。

このため、平成19年2月15日の「成長力底上げ戦略構想チーム(主査:内閣官房長官)」決定による「成長力底上げ戦略(基本構想)」において、「人材能力戦略」が柱の一つとして掲げられ、「職業能力を向上させようとしても、能力形成の機会に恵まれない人」への支援として、「職業能力形成システム」(ジョブ・カード制度)を平成20年度に構築することとされ、さらに、「経済財政改革の基本方針2007(平成19年6月19日閣議決定)」においても、政府の最優先課題として位置づけられた。

これらを受け、内閣府に設置された「ジョブ・カード構想委員会」(委員長:森下洋一松下電器産業株式会社相談役)において具体化に向けた検討が行われ、平成19年12月に「最終報告」が取りまとめられたところである。

我が国におけるジョブ・カード制度の普及は、

① 公共職業訓練の他に企業が主体となって実施する職業訓練機会が拡大すること、それを通じて企業の求める能力要件が明らかになること、

② 訓練修了後の評価を通じて職業能力評価基準が普及すること、

③ ジョブ・カードという統一様式の策定により、キャリア・コンサルティングの水準の向上、求職者等の意欲の向上、職業能力等の整理が促進されること

等が期待され、中長期的には能力本位の労働市場構築に資するものである。

厚生労働省としては、安定的な雇用を目指す求職者等を支援することを目的にジョブ・カード制度を平成20年度に構築したところであるが、以上のような観点からも同制度の積極的かつ継続的な普及・推進に努めることとする。

その後、平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」において、ジョブ・カード制度を「実践キャリア・アップ制度」という成長分野における人材を広く育成・確保する仕組みに発展させていく方針を打ち出したこと、また、平成22年10月に実施された行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分け第3弾前半(以下「事業仕分け」という。)において、ジョブ・カード制度関連事業(「ジョブ・カード制度」普及促進事業及びキャリア形成促進助成金(ジョブ・カード制度関連))が受けた評価結果を踏まえ、ジョブ・カードの活用対象となる職業訓練を拡大するとともに、従来の職業能力形成機会に恵まれなかった者のみならず、幅広く求職者、在職者及び学生全般に対してジョブ・カードの活用を促進していくことを目指すこととなった。

また、事業仕分けを踏まえて、

① ジョブ・カードの活用対象となる職業訓練の拡大

② 国が中心となった推進体制を構築し、企業と求職者双方への的確な支援を実施するため、普及促進の中核をなす地域ジョブ・カード運営本部を、地域ジョブ・カードセンターから都道府県労働局へ移管

③ ジョブ・カード関連助成を廃止し、一般のキャリア形成促進助成金へ整理統合

という見直しを行い、より効率的・効果的な制度の推進を図ることとした。

さらに、ジョブ・カード推進協議会において「全国推進基本計画」(平成20年6月30日)が改訂され、新たに「新全国推進基本計画」(平成23年4月21日)が策定されたところであり、今後は、同計画を踏まえて、一層の制度の普及・推進に努めることとしている。

3 ジョブ・カードとは

ジョブ・カードとは、求職者の自律的なキャリア形成支援のためのツールとして求職活動等に活用することを目的とするものであり、「履歴シート」、「職務経歴シート」、「キャリアシート」、「評価シート」を一体的にまとめたものをいう。その様式及び記載例は[別紙1]及び[別紙2]<編注:略>のとおりである(なお、職務経歴、学習歴・訓練歴又は資格・免許をジョブ・カード様式1〔履歴シート〕に記載しきれない場合には、[別紙3]の続紙を用いることとする。また、職務経歴をジョブ・カード様式2〔職務経歴シート〕に記載しきれない場合には、同様式を複数枚使用することとする。)。

ジョブ・カードの交付を希望する求職者は、ジョブ・カードの様式を厚生労働省のホームページや公共職業安定所(以下「安定所」という。)等で入手し、必要事項を記入の上、登録キャリア・コンサルタントによるキャリア・コンサルティングを受け、登録キャリア・コンサルタントがジョブ・カード様式3〔キャリアシート〕に記入することで、その交付を受ける。

また、ジョブ・カード様式4〔評価シート〕は、雇用型訓練又は委託型訓練の受講者による自己評価を経た後、訓練修了時に当該訓練の実習を実施した企業(以下「実習実施企業」という。)の評価を経て交付される。

さらに、ジョブ・カード様式4―2〔評価シート〕(様式及び記載例に[別紙4])は、求職者支援訓練においてキャリア・コンサルティングや習得度評価を実施した後、訓練実施機関から交付される。

求職者は、ジョブ・カードの交付に当たり、キャリア・コンサルティングを受けることによって職業意識やキャリア形成上の問題点を明確にし、自らの職業選択やキャリア形成の方向づけをしていくことが可能となる。こうしたジョブ・カードの性格上、その管理は交付を受けた本人が行い、求職活動に当たり、ジョブ・カード様式3〔キャリアシート〕や様式4(又は様式4―2)〔評価シート〕を企業に提出するかについても本人の意思にゆだねられる。

なお、中学校、高等学校の卒業予定者は、企業の採用選考に当たり、関係機関の協議により定められた統一応募書類のみを用いることとしているところであるが、キャリア支援ツールとしてジョブ・カードの作成を行う場合は、本人の希望により、登録キャリア・コンサルタントによるキャリア・コンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受けることができる。

そのほか、企業等で長く働いた経験がある方のために、その多様な職務経歴を記載できる「職業キャリアが長い方向けのジョブ・カード様式」[別紙5]を策定し、「職業キャリアが長い方向けのジョブ・カード様式の策定について」(平成21年2月10日月職発第0210002号、能発第0210002~0210004号)により通知したところである。当該様式は、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)第17条に基づき、事業主が交付する求職活動支援書としての活用も可能である。

なお、「職業キャリアが長い方向けのジョブ・カード様式」を使用する場合において、ジョブ・カード様式4〔評価シート〕を活用する場合は、当該様式をジョブ・カード様式6〔評価シート〕と読み替えることとする。

4 能力評価

雇用型訓練又は委託型訓練の修了者に対する評価については、実習実施企業内外で訓練成果が正当に評価されるよう、ジョブ・カード様式4〔評価シート〕に基づき、客観的かつ公正に実施することとする。

ジョブ・カード様式4〔評価シート〕の作成等は、具体的には以下により行う。

① 「Ⅰ企業実習・OJT期間内における職務内容」

「職務内容」欄には、以下に設定する評価項目に対応する実習(OJT)の内容を具体的に記載する。

② 「Ⅱ基本的能力」

様式4〔評価シート〕に示された評価項目をそのまま設定する。

③ 「Ⅲ技能、技術に関する能力(1)基本的事項」

様式4〔評価シート〕に示された事務・サービス、技能又は技術の評価項目群から選択して設定する。

④ 「Ⅲ技能、技術に関する能力(2)専門的事項」

ホームページ等で公表されている汎用性のある評価基準に基づき、企業における実習訓練の内容を踏まえ設定する。この場合、汎用性のある評価基準として活用できるものは、新たに作成されるモデル評価シートのほか、厚生労働省が中央職業能力開発協会に委託して作成している「職業能力評価基準」、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「雇用支援機構」という。)が作成した「日本版デュアルシステム訓練修了後の評価項目作成支援ツール」、技能検定等の試験基準、業界団体等が当該職種に関する分析を通じて作成した企業横断的な評価基準等が考えられる。

また、求職者支援訓練の修了者に対する評価については、ジョブ・カード様式4―2〔評価シート〕に基づき、客観的かつ公正に実施することとする。なお、ジョブ・カード4―2〔評価シート〕の作成手順等については、雇用支援機構が作成した「求職者支援制度における評価シート作成マニュアル」に定めるところによる。

5 定義

(1) 職業能力形成機会に恵まれなかった者

原則として、過去5年以内において、おおむね3年以上継続して常用雇用されたことがある者以外の者のことをいう。なお、訓練を実施する分野以外であれば、過去5年以内におおむね3年以上継続して常用雇用されたことがある者も含むものとする。

(2) 職業能力形成プログラム

職業能力形成プログラムとは、職業能力形成機会に恵まれなかった者を始めとする求職者等が、その能力を向上させ、キャリア・アップを図ることにより、安定的な雇用への移行を促進すること等を目的とした、企業における実習と教育訓練機関等における座学を組み合わせた訓練を含む実践的な職業訓練のことをいい、具体的には、有期巣習型訓練及び、実践型人材養成システム(以下「雇用型訓練」という。)、日本版デュアルシステム(以下「委託型訓練」という。)、公共職業訓練、緊急人材育成支援事業による職業訓練(以下「基金訓練」という。)並びに求職者支援制度における職業訓練(以下「求職者支援訓練」という。)のことをいう。

ア 有期実習型訓練

有期実習型訓練とは、雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)第125条第2項第1号ロ(1)(ii)に規定する訓練基準(以下「有期実習型訓練の訓練基準」という。その概要については、[別紙6]のとおり)等の要件を満たした事業主が、同訓練の開始前に都道府県労働局長によって有期実習型訓練の訓練基準に適合する旨の確認を受けた上で行う訓練であって、次のいずれかに該当するものをいう。

なお、以下の(ア)と(イ)の訓練対象者に対し、一の訓練カリキュラムにより訓練を実施することは差し支えない。

(ア) 基本型

新たにフリーターや子育て終了後の女性、母子家庭の母等の職業能力形成機会に恵まれなかった者や新規学卒者を雇用して行うものであって、当該訓練を受講した者について、実習実施企業又は他の企業において期間の定めのない形で雇用されることを目指すものをいう(以下「基本型」という。)。なお、対象者を有期雇用で3か月間雇う場合は、別途定める「トライアル雇用事業実施要領」に基づき実施するトライアル雇用を併用する必要がある。

(イ) キャリア・アップ型

既に雇用している短時間労働者又は期間の定めのある労働契約を締結している労働者であって職業能力形成機会に恵まれなかった者や新規学卒者に対して行うものであり、訓練修了後に期間の定めのない労働契約を締結する通常の労働者に転換させる目的で実施するものをいう(以下「キャリア・アップ型」という。)

イ 実践型人材養成システム

実践型人材養成システムとは、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第26条の3に規定する厚生労働大臣の認定を受けた「認定実習併用職業訓練」(主な訓練基準は[別紙6]のとおり。)であって、現場の中核人材を育成することを目的として、主に新規学卒者を新たに雇用して行うものをいう。

ウ 委託型訓練

委託型訓練とは、公共職業訓練を活用し、雇用支援機構又は都道府県において実施しているものであり、主に実践的な職業能力の習得を必要とする求職者を対象に、民間教育訓練機関等における座学と企業内における実習を組み合わせて実施するもの(委託訓練活用型)と公共職業能力開発施設で行う施設内訓練と企業内における実習を組み合わせて実施するもの(短期課程活用型)であって、訓練修了後に能力評価を実施するものをいう。

エ 公共職業訓練(上記ウの委託型訓練を除く。)

公共職業訓練とは、公共職業能力開発施設の行う普通職業訓練又は高度職業訓練(在職労働者を対象にしたものを除く。)をいう。

オ 基金訓練

基金訓練とは、雇用保険を受給できない者等を対象に、「緊急人材育成支援事業実施要領」に基づき実施する訓練をいう。

カ 求職者支援訓練

求職者支援訓練とは、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律(平成23年法律第47号)に基づく認定を受けて実施する訓練をいう。

(3) ジョブ・カード講習

ジョブ・カード制度の内容、ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングの手法等に関する知識・技能を習得させるため、厚生労働省又は厚生労働省より委託を受けた団体(以下「登録団体」という。)によって実施される講習のことをいう。

(4) 登録キャリア・コンサルタント

ジョブ・カード講習の受講により、ジョブ・カードを交付することが認められた者として、厚生労働省又は登録団体に登録されたキャリア・コンサルタントのことをいう。

ただし、以下に掲げる者については、ジョブ・カード講習を受講しなくても、厚生労働省又は登録団体に登録でき、登録キャリア・コンサルタントとなることができるものとする。

① 平成23年7月1日より適用された「キャリア・コンサルタント能力評価試験の指定基準」(以下「新基準」という。)に基づくキャリア・コンサルタント能力評価試験(以下「能力評価試験」という。)に合格した者

② 平成23年6月30日以前に適用されていた「キャリア・コンサルタント能力評価試験の指定基準」(以下「旧基準」という。)に基づく能力評価試験に合格した者であって、能力評価試験を実施する団体(以下「試験実施団体」という。)若しくは試験実施団体が認めた団体が行う補講(一定の時間を、ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティング手法に関する知識・技能に係る内容に充てているものに限る。)を修了した者

③ 試験実施団体若しくは試験実施団体が認めた団体が行う新基準に基づくジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティング手法に関する知識・技能を含めた140時間程度のカリキュラムで構成される養成講座の修了者であって、旧基準に基づく能力評価試験に合格した者

なお、ジョブ・カードは、登録キャリア・コンサルタントに限り、交付することができる。

(5) 職業紹介機関等

安定所、地方運輸局、職業安定法(昭和22年法律第141号)の規定により許可を受けて又は届出をして職業紹介事業を行う者(以下「職業紹介事業者」という。)、ジョブカフェ(職業紹介事業者であるものを除く。)その他の登録キャリア・コンサルタントがキャリア・コンサルティングを行う機関等をいう。

 

第2 厚生労働省におけるジョブ・カード制度の構築・推進

厚生労働省においては、ジョブ・カード制度の構築・推進のため、下記の取組を実施する。

1 職業能力形成プログラムの構築・推進

厚生労働省は、雇用型訓練については、同訓練を活用することのメリットを積極的に周知するほか、求人開拓推進員による雇用型訓練協力企業の開拓を行うこととし、委託型訓練については、雇用支援機構及び都道府県による民間教育訓練機関等への委託等により、実習と座学を組み合わせた実践的な職業訓練を推進する。

なお、公共職業訓練、基金訓練及び求職者支援訓練については、別途定める通知に基づき実施する。

(1) 雇用型訓練

ア 有期実習型訓練

(ア) 対象者

登録キャリア・コンサルタントによるキャリア・コンサルティングを受けた結果、職業能力形成機会に恵まれなかった者であって、安定的な雇用に就くためには、当該訓練を受講することが必要であると認められた者及び新規学校卒業者(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校、同法第124条に規定する専修学校及び同法第134条に規定する各種学校並びに国、地方公共団体及び独立行政法人の設置する大学校(本要領において「学校等」という。)を卒業・修了した後、訓練開始日において3月を経過していない者。本要領において「新規学卒者」という。)。

(イ) 主な流れ

① 有期実習型訓練実施企業(以下「有期型実施企業」という。)は、有期実習型訓練の訓練基準に適合する旨の確認を都道府県労働局長より受け、基本型については安定所若しくは地方運輸局若しくは職業紹介事業者への求人の申込み又は直接募集により受講者を募集し、キャリア・アップ型については自社に在籍する非正規労働者の中から、有期実習型訓練の受講者を決定する。

② 登録キャリア・コンサルタントは、有期実習型訓練の受講希望者に対してジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングを実施し、職業能力形成機会に恵まれなかった者であって、安定的な雇用に就くためには、同訓練を受講することが必要であると認められるかどうかの確認をし、ジョブ・カードを交付する。なお、中学校及び高等学校の卒業予定者については、関係機関の協議により定められた統一応募書類のみを用いた応募や選考を行うこととされていることから、学校等の卒業・修了予定者が有期実習型訓練の受講を希望する場合はジョブ・カードの交付を必須としないが、キャリア形成の一環としてジョブ・カードの作成を希望する場合は、登録キャリア・コンサルタントによるキャリア・コンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受けることができる。

有期実習型訓練に係る基本型の求人申込みを受理した安定所、地方運輸局又は職業紹介事業者は、受講希望者に交付されたジョブ・カードを参考にしつつ、職業紹介を行う。有期型実施企業による直接募集の場合は、ジョブ・カードの交付を受けた受講希望者自らが応募する。当該希望者は、当該有期型実施企業に採用されれば同訓練を受講することになる。また、キャリア・アップ型については、ジョブ・カードの交付を受けた受講希望者が在籍する企業から訓練受講者として選ばれることにより、同訓練を受講することとなる。

③ 有期型実施企業は、有期実習型訓練を受講した者に対して、訓練修了後、ジョブ・カード様式4〔評価シート〕を交付する。

④ 有期実習型訓練は、修了後、有期型実施企業において引き続き雇用されることを目指すものであるが、有期型実施企業に引き続き雇用されなかった受講者については、職業紹介機関等にジョブ・カード様式4〔評価シート〕を含むジョブ・カードを持参して、再度キャリア・コンサルティングを受け、自らのキャリア形成に係る課題を整理しつつ就職活動を行う。また、訓練修了後、新規学卒者であってジョブ・カードを交付されていない者については、登録キャリア・コンサルタントによるキャリア・コンサルティングを受け、自らのキャリア形成に係る課題を整理し、ジョブ・カードの交付を受けつつ就職活動を行う。こうした一連の流れを経ることにより、ジョブ・カード交付を受けた受講者は安定的な雇用に移行することが期待される。

イ 実践型人材養成システム

(ア) 対象者

新規学卒者を中心とした15歳以上40歳未満の者

(イ) 主な流れ

① 実践型人材養成システム実施企業(以下「実践型実施企業」という。)は、実践型人材養成システム実施計画の認定を厚生労働大臣より受け、安定所若しくは地方運輸局又は職業紹介事業者への求人の申込み又は直接募集により、実践型人材養成システムの受講者を募集する。

② 実践型人材養成システムについては、新規学卒者を主な対象と想定している。登録キャリア・コンサルタントは、実践型人材養成システムの受講希望者に対してジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングを実施し、15歳以上40歳未満の者であるかどうかの確認をし、ジョブ・カードを交付する。なお、中学校及び高等学校の卒業予定者については、関係機関の協議により定められた統一応募書類のみを用いた応募や選考を行うこととされていることから、学校等の卒業予定者が実践型人材養成システムの受講を希望する場合はジョブ・カードの交付を必須としないが、キャリア形成の一環としてジョブ・カードの作成を希望する場合は、登録キャリア・コンサルタントによるキャリア・コンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受けることができる。

また、実践型人材養成システムに係る求人申込みを受理した安定所、地方運輸局又は職業紹介事業者は、受講希望者に交付されたジョブ・カードがあれば、それを参考にしつつ、職業紹介を行う。また、直接募集の場合は、求職者自らが応募する。当該求職者は、当該実践型実施企業に採用されれば同訓練を受講することになる。

③ 実践型実施企業は、実践型人材養成システムを受講した者に対して、訓練修了後、ジョブ・カード様式4〔評価シート〕を交付する。

④ 実践型人材養成システムは、現場の中核人材の育成を目的としているため、実践型人材養成システムを受講した者については、実践型実施企業において期間の定めのない形で雇用されることが期待される。実践型実施企業において引き続き雇用されなかった受講者については、職業紹介機関等にジョブ・カード様式4〔評価シート〕を含むジョブ・カードを持参して、キャリア・コンサルティングを受け、自らのキャリア形成に係る課題を整理しつつ就職活動を行う。こうした一連の流れを経ることにより、ジョブ・カードの交付を受けた求職者は、安定的な雇用に移行することが期待される。

(2) 委託型訓練

ア 委託型訓練の対象者等

(ア) 対象者

委託型訓練の対象者については、職業訓練ごとに下記に当てはまる者であって、かつ、安定所に求職申込みを行っている者のうち、キャリア・コンサルティングを受けた結果、当該訓練の対象となる求職者であると確認され、早期安定就労のためには当該訓練を受講することが必要であると公共職業安定所長(以下「安定所長」という。)が判断した者とする。

(委託訓練活用型デュアルシステム)

実践的な職業能力の習得が必要な者

(短期課程活用型デュアルシステム)

主にフリーター等おおむね40歳未満の求職者

(イ) 主な流れ

(委託訓練活用型デュアルシステム(座学先行コース)及び短期課程活用型デュアルシステム)

① 安定所に求職申込みをする求職者のうち、キャリア・コンサルティングを受けた結果、委託訓練活用型デュアルシステム(座学先行コース)及び短期課程活用型デュアルシステムの対象となる求職者であると確認され、早期安定就労のためには同訓練の受講が必要であると安定所長が判断した求職者に対して、安定所長が受講あっせんを行う。なお、訓練開始日前までにジョブ・カードを交付する。

② 当該訓練の実習実施企業は、訓練受講者に対して、訓練修了後、ジョブ・カード様式4〔評価シート〕を交付する。

③ 当該訓練修了後、職業紹介機関等にジョブ・カードを持参して、キャリア・コンサルティングを受け、自らのキャリア形成に係る課題を整理しつつ就職活動を行う。こうした一連の流れを経ることにより、ジョブ・カードの交付を受けた求職者は、早期安定就労を実現することが期待される。

(委託訓練活用型デュアルシステム(企業実習先行コース))

① 安定所に求職申込みをする求職者のうち、キャリア・コンサルティングを受けた結果、委託訓練活用型デュアルシステム(企業実習先行コース)の対象となる求職者であると確認され、早期安定就労のためには同システムの受講が必要であると安定所長が判断した求職者に対して、安定所長が受講あっせんを行う。なお、訓練開始日前までにジョブ・カードを交付する。

② 当該訓練の実習実施企業は、訓練受講者に対して、最初に行った実習終了後、評価を行う。また、当該評価に基づき必要に応じて公共職業能力開発施設や民間教育訓練機関等による座学を受講させる。

③ 当該訓練修了後、実習実施企業において雇用された場合には、採用後1ヶ月後に再度ジョブ・カード様式4〔評価シート〕により評価を行う。また、実習実施企業において雇用されなかった者については、職業紹介機関等にジョブ・カードを持参して、キャリア・コンサルティングを受け、自らのキャリア形成に係る課題を整理しつつ就職活動を行う。こうした一連の流れを経ることにより、ジョブ・カードの交付を受けた求職者は、早期安定就労を実現することが期待される。

2 職業能力評価基準等の作成・普及

ジョブ・カード制度が広くかつ適切に企業に活用されるようにするたあ、職業能力を評価する統一的な基準である職業能力評価基準、雇用型訓練又は委託型訓練を実施する企業がジョブ・カード様式4〔評価シート〕の作成や評価の実施に当たり参考とし得るモデル評価シート等の作成・普及を行う。

3 登録キャリア・コンサルタントの養成

ジョブ・カード制度においては、求職者の職歴、適性、就業希望等を把握した上で、当該求職者の職業能力を明確にし、職業能力形成プログラムの効果的な受講へと誘導するための経験、知識に加え、ジョブ・カード制度に関する知識を有し、ジョブ・カードの作成を支援することができるキャリア・コンサルタントが必要である。そこで、当該知識等を持ったキャリア・コンサルタントを養成するため、厚生労働省又は登録団体が、[別紙7]に定める要件を満たす者に対して「ジョブ・カード講習」を実施し、当該講習の修了者等を登録キャリア・コンサルタントとして登録することとする。

なお、ジョブ・カード講習については、ジョブ・カード講習の講師を養成するために実施する講師養成研修と、登録キャリア・コンサルタントを養成するために実施する地方研修からなる。また、ジョブ・カード講習の参加費は無料とし、講習内容については、ジョブ・カード制度の概要・仕組み、ジョブ・カードの意義及び利用方法、ジョブ・カードの作成支援及び交付方法などとする。

登録キャリア・コンサルタントによるジョブ・カードを交付した件数の報告については、別途定める通知により報告する。

4 ジョブ・カード制度の普及・促進

ジョブ・カード制度の普及・促進を図り、同制度を実効あるものとするため、全国規模の事業主団体に委託し、全国に中央ジョブ・カードセンター、各都道府県に地域ジョブ・カードセンターを設置し、「ジョブ・カード制度普及推進員」を置く。

5 その他

ジョブ・カード制度への誘導を図るため、携帯電話向けポータルサイト「キャリモバ.jp」により、ジョブ・カード制度の案内に加え、教育訓練や職業・雇用等職業能力形成に係る一体的な情報提供を行う。

 

第3 ジョブ・カード制度の推準体制

1 ジョブ・カード推進協議会を中心とした取組

国においては、内閣府に設置される「ジョブ・カード推進協議会」を中心に、関係省庁が緊密に連携するとともに、広く労使団体への働きかけを通じ、ジョブ・カードの普及に係る取組を推進する。また、「新全国推進基本計画」のフォローアップを行いつつ、必要に応じて同計画を見直す。

2 地域ジョブ・カード運営本部の設置等

地域におけるジョブ・カード制度の円滑な運用のために都道府県労働局に設置される「地域ジョブ・カード運営本部」(メンバー:有識者、労使団体、地方公共団体(職業能力開発関係部局、教育委員会、福祉関係部局等)、民間教育訓練機関、民間福祉団体、雇用支援機構及び地域ジョブ・カードセンター等)を設置・運営し、同本部において、各地域の特性を踏まえた同制度の推進方法を検討するとともに、これらの検討結果を踏まえて地域推進計画を策定し、当該計画に基づく推進状況のフォローアップを行う。

3 中央ジョブ・カードセンター及び地域ジョブ・カードセンター

(1) 中央ジョブ・カードセンター

中央ジョブ・カードセンターは、以下の業務を行う。

ア ジョブ・カード制度の普及・促進に向けた広報・啓発

ジョブ・カード制度に関するホームページの運用や、全国レベルの業界団体等への周知啓発を図る等により、同制度の普及・促進に向けた広報・啓発を行う。

イ 地域ジョブ・カードセンターの業務の指導・調整

地域ジョブ・カードセンターにおける業務が円滑かつ効率的に実施されるよう、各種マニュアル及び周知・広報用資料等の作成、各地域ジョブ・カードセンターに対する助言・指導・進捗管理等を行う。

(2) 地域ジョブ・カードセンター

地域ジョブ・カードセンターは以下の業務を行う。

ア ジョブ・カード制度の普及・促進に向けた広報・啓発

ジョブ・カード制度の普及・促進に向け、地域レベルの業界団体をはじめ広く周知・広報を図るとともに、個別事業主を対象とする啓発セミナー、教育訓練機関のカリキュラム紹介等を併せて実施する「ジョブ・カード制度」参加予定事業主向け講習会等を開催する。

イ 訓練指導・評価担当者講習の実施

訓練の質及び評価の客観性・公正性を担保するため、企業の訓練指導・評価担当者を対象に、実習における指導方法や評価の方法等に関する講習を行う。

ウ 職業能力形成プログラムの活用促進

安定所と密接に連携して雇用型訓練を実施する企業の開拓や、教育訓練機関等の開拓を行うとともに、ジョブ・カード様式4〔評価シート〕や訓練カリキュラムに関する相談を行う。

また、実習実施企業を訪問し、訓練実施状況を把握し、必要な助言等により訓練内容の質の担保を図るとともに、雇用型訓練を受講した者の訓練修了後の就労状況等の把握を行う。

さらに、企業の採用面接等においてジョブ・カードの積極的な活用を図る企業(ジョブ・カード普及サポーター企業)の開拓を行う。

4 都道府県労働局及び安定所

都道府県労働局は、別途定める通知に基づき地域ジョブ・カード運営本部を設置・運営し、同運営本部の庶務を担うほか、有期実習型訓練実施計画及び実践型人材養成システム実施計画が訓練基準を満たすか否かの確認等を行う。

また、安定所は、上記3の(2)の地域ジョブ・カードセンターと密接に連携して、雇用型訓練に係る協力企業の開拓及び当該企業の求人の受理を行うとともに、雇用型訓練の対象者に対して、登録キャリア・コンサルタントによるジョブ・カードの交付、職業相談及び職業紹介を行う。また、委託型訓練の対象者に対し、登録キャリア・コンサルタントによるジョブ・カードの交付を行うとともに、職業相談及び受講あっせんを行う。

5 雇用支援機構

雇用支援機構は、その設置する公共職業能力開発施設において、訓練期間中にジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングを実施するとともに、職業能力開発、職業訓練に関するノウハウを活用し、民間の教育訓練機関において雇用型訓練の座学の実施が困難な場合にあってはその実施に協力するほか、事業主から教育訓練に係る相談を求められた場合は、その業務の範囲内において、相談援助を行う。また、委託型訓練(短期課程活用型)及び公共職業訓練を実施するとともに、求職者支援訓練で用いるジョブ・カード様式4―2〔評価シート〕の作成に関する必要な支援を行うほか、求職者支援訓練の訓練実施機関による評価の質の担保を図るため、訓練の認定に当たり適正な審査を行う。

6 都道府県

都道府県は、委託型訓練を実施する。また、ジョブカフェ等の機関において、職業能力形成プログラムの対象者の登録キャリア・コンサルタントへの誘導に努める。特に、ジョブカフェについては、登録キャリア・コンサルタントへの誘導はもとより、厚生労働省において別途作成している求職者向けジョブ・カード制度に係るリーフレット及びポスター並びにジョブ・カード様式の求職者の目につきやすい場所への掲示、合同面接会等の機会の活用等による同制度の周知・広報に協力するとともに、ジョブカフェに配置されているキャリア・コンサルタントに対するジョブ・カード講習受講の勧奨に協力し、ジョブカフェにおけるジョブ・カード制度の推進に努める。

7 地方運輸局

船員を雇用する事業主が実施する雇用型訓練について、求人の受理を行うとともに、対象者に対して、登録キャリア・コンサルタントへの誘導、職業相談及び職業紹介を行う。

附 則 (平成二十二年九月十七日)

(経過措置)

1 この実施要領の改正の際現に旧様式のジョブ・カードの交付を受けている者や旧様式のジョブ・カードを用いてキャリア・コンサルティングを継続して実施している者等については、平成23年3月末までの間は、引き続き旧様式のジョブ・カードを使用することができる。

附 則 (平成二十三年二月八日)

(施行期日)

1 この要領は、平成23年2月8日から施行する。ただし、新規学卒者を対象とした有期実習型訓練は平成23年4月1日以降に開始する訓練から実施することができるものとする。

附 則 (平成二十三年四月一日)

(施行期日)

1 この要領は、平成23年4月1日から施行する。ただし、第3の2の規定は、「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律」の公布の日から施行する。

附 則 (平成二十三年十月一日)

(施行期日)

1 この要領は、平成23年10月1日から施行する。

附 則 (平成二十三年十二月十五日)

(施行期日)

1 この要領は、平成23年12月15日から施行する。

 

[別紙1](ジョブ・カード様式)

続き2

続き3

続き4

続き5

続き6

続き7


[別紙2](記載例)<編注:略>



[別紙4](ジョブ・カード様式4―2〔評価シート〕及び記載例)

続き2

続き3

続き4


[別紙5](職業キャリアが長い方向けのジョブ・カード様式)

続き2

続き3

続き4

続き5

続き6

続き7


[別紙6]

雇用型訓練の主な訓練基準

 

有期実習型訓練

実践型人材養成システム

趣旨

○フリーター等職業能力形成機会に恵まれなかった者及び新規学卒者に実践的な職業訓練を行うことにより、実習実施企業又は他の企業における期間の定めのない形で雇用されることを目指す

○計画的な訓練を行うことにより、現場の中核人材を育成

対象者

○登録キャリア・コンサルタントによりキャリア・コンサルティングを受けた結果、職業能力形成機会に恵まれなかった者(原則として、過去5年以内において、おおむね3年以上継続して常用雇用されたことがある者以外の者のことをいう。なお、訓練を実施する分野以外であれば、過去5年以内におおむね3年以上継続して常用雇用されたことがある者も含む。)であって、安定的な雇用に就くためには、当該訓練に参加することが必要であると認められた者及び学校等の新規学卒者

○新規学卒者を中心とした15歳以上40歳未満の者

訓練内容

○実習と座学等とが効果的に組み合わされたものであり、かつ、実習と座学等とが相互に密接な関連を有するもの

○同左

訓練期間

○3ヶ月以上6ヶ月(資格取得のため等特別な場合は1年)以下

※トライアル雇用と併用する場合に限り3ヶ月の訓練が可能。

○6ヶ月以上2年以下

総訓練時間数

○6月当たりの時間数に換算し、425時間以上

○1年当たりの時間数に換算し、850時間以上

実習の割合

○1割以上9割以下

○2割以上8割以下

座学

○実習実施事業主以外の設置する施設に依頼して行われる教育訓練(講師の派遣も含む)

○職業能力開発促進法第24条3項に規定する認定職業訓練を行う施設において行う職業訓練

○訓練を行う上で必要と認められるオリエンテーション又は能力評価(上限は合わせて10時間)

○実習実施事業主が実施するもので、専修学校専門課程教員、職業訓練指導員免許取得者又はこれらと同等以上の能力を有する者により実施される職業訓練

○職業能力開発促進法第15条の6第3項に規定する公共職業能力開発施設により行われる職業訓練

○職業能力開発促進法第24条3項に規定する認定職業訓練

○上記に掲げるもののほか、実習実施事業主以外の設置する施設により行われる教育訓練

能力評価

○汎用性のある評価基準に基づきジョブ・カード様式4〔評価シート〕を使用して実施

○同左

 

[別紙7]

ジョブ・カード講習の受講要件

ジョブ・カード講習の受講要件は、次のいずれかに該当し、ジョブ・カード交付業務に従事する予定がある者とする。

(1) キャリア・コンサルティング技能士

(2) 次の表1の試験に合格している者

(3) 次の表2の講座を修了している者

(4) 官民の需給調整機関等、地域ジョブ・カードセンター又は地域ジョブ・カードサポートセンター、有期実習型訓練等を実施又は計画する企業におけるジョブ・カード制度の担当部署及び教育・訓練機関の長が推薦する者であって、次のイ、ロ又はハのいずれかを満たすもの

イ 職業相談に係る資格を有する者

ロ 常時勤務する者として職業相談・職業紹介、人事・労務、その他キャリアに関する業務に係る経験を概ね3年以上有する者

ハ 常時勤務する者としてキャリア・コンサルティング業務に専ら従事する者であって、現に職業相談業務に1年以上携わる者

表1

試験名

試験実施機関名

公益財団法人日本生産性本部認定

キャリア・コンサルタント資格試験

公益財団法人 日本生産性本部

キャリア・コンサルタント試験

社団法人 日本産業カウンセラー協会

DBMマスター・キャリアカウンセラー認定試験

テンプスタッフ・ドレーク・ビーム・モリン 株式会社

CDA資格認定試験

特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会

特定非営利活動法人日本キャリア・マネージメント・カウンセラー協会

認定キャリア・コンサルタント資格試験

特定非営利活動法人 日本キャリア・マネージメント・カウンセラー協会

財団法人関西カウンセリングセンター

キャリア・コンサルタント認定試験

財団法人 関西カウンセリングセンター

GCDF―Japan試験

特定非営利活動法人

キャリアカウンセリング協会

株式会社テクノファ認定キャリア・カウンセラー

(キャリア・コンサルタント)能力評価試験

株式会社 テクノファ

ICDS委員会認定 ICDSキャリア・コンサルタント検定

特定非営利活動法人 ICDS

NPO生涯学習キャリア・コンサルタント検定試験

特定非営利活動法人 エヌピーオー生涯学習

HR総研認定キャリア・コンサルタント能力評価試験

株式会社 フルキャストHR総研

人材開発協会認定キャリア・カウンセラー試験

有限責任中間法人 人材開発協会

表2

講座名

講座実施機関名

キャリア・コンサルタント養成講座

独立行政法人 雇用・能力開発機構

日本経団連キャリア・アドバイザー養成講座

社団法人日本経済団体連合会