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通達:「母子家庭の母等の職業的自立促進事業実施要領」の改定について

 

「母子家庭の母等の職業的自立促進事業実施要領」の改定について

平成23年3月30日能発0330第2号

(各都道府県知事・横浜市長あて厚生労働省職業能力開発局長通知)

 

標記事業につきましては、平成17年3月31日付け能発第0331014号「母子家庭の母等に対する職業訓練機会の拡大について」により、各都道府県及び横浜市において実施していただいているところですが、今般、当該事業において、平成23年度より託児サービスを付加した訓練コースを新たに設定出来るようにしたこと等に伴い、別添のとおり「母子家庭の母等の職業的自立促進事業実施要領」を改定することといたしましたので、その実施について、特段の御配慮をお願いいたします。

なお、旧要領に基づき、平成22年度以前に開講した訓練コースについては、従前の例によることとするので、適切に実施するようお願いいたします。

 

別添

母子家庭の母等の職業的自立促進事業実施要領

1.目的

民間の教育訓練機関等地域の多様な委託先を活用し、訓練受講及び就職への意識啓発を目的とした準備講習を実施した後に、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第15条の6第3項に規定する委託訓練を機動的に実施することにより、就職に必要な知識・技能の習得を図り、児童扶養手当受給者及び生活保護受給者の職業的自立の促進に資することを目的とする。

2.用語の定義

(1) 本要領における「母子家庭の母」とは、就労経験のない又は就労経験に乏しい、いわゆる長期失業状態にある母子家庭の母をいう(以下「母子家庭の母」という。)。

(2) 本要領における「母子家庭の母等」とは上記(1)で定義する母子家庭の母や自立支援プログラムに基づき、福祉事務所を通じて受講を希望する児童扶養手当受給者及び生活保護受給者をいう(以下「母子家庭の母等」という。)。

なお、本要領における、母子家庭の母及び児童扶養手当受給者の範囲は、原則雇用対策法施行規則第2条第2項第8号に規定する者とする。

3.実施主体

都道府県等(都道府県及び市町村が設置する公共職業能力開発施設)とする。

4.訓練対象者

訓練の受講対象者は、原則として母子家庭の母等であって、公共職業安定所に求職申込みを行っている者とする。

5.事業の流れ

(1) 事業計画の作成

都道府県等は、労働局と調整の上、年度の準備講習付き職業訓練実施計画を作成する。

計画の作成に当たっては、本事業の対象者である母子家庭の母等に対する福祉施策及び自立支援策等を相対的に勘案のうえ、労働局、公共職業安定所、都道府県等及び福祉部局等との横断的な連携をとり、年間の訓練実施計画数、重点的に訓練コースを設定する分野及び既存の訓練計画とを総合的に勘案の上、年間スケジュールを作成する。

なお、労働局は本事業の円滑な実施に必要な協力を行うこととする。

(2) 準備講習の設定

準備講習の設定に当たっては、原則として、7の(1)の事項をいずれも盛り込むものとするが、具体的なメニューについては対象者の様態等を考慮し、柔軟に設定すること。

(3) 事業の周知・広報

都道府県等は、準備講習を設定した場合は、事業の周知・広報のため、概要(趣旨・目的、カリキュラム等の内容、スケジュール等)についてのパンフレット等を適宜作成するほか、インターネット等を積極的に活用することにより、その広報に努める。

なお、作成したパンフレットについては、就職を希望する母子家庭の母等の立ち寄る公共施設(公共職業安定所や福祉事務所等)に備え置くものとする。

(4) 準備講習への参加勧奨等

公共職業安定所は、母子家庭の母等に対する職業相談、自立支援プログラム等の相談の過程で、相談者に対する職業意識の啓発が必要と認められる場合や、相談者が公共職業訓練の受講を希望する場合等、準備講習への参加が適当と認められる場合に、当該者に対して参加勧奨を行う。併せて、福祉事務所等での相談実施、参加の申込みを行うよう、必要な情報の提供を行う。

(5) その他準備講習の実施に係る留意点

イ 都道府県等は、労働局及び公共職業安定所と調整の上、年間のスケジュールを策定するが、スケジュールに基づき確実に実施できるよう、必要な情報収集に努めること。

ロ 好事例の収集、情報提供

都道府県等は、準備講習のコース内容、実績向上に向けた取組み等を把握し、効果的運営に資する取組みについてはこれを積極的に厚生労働省に提供すること。

6.母子家庭の母等に対する委託訓練の実施

(1) 訓練対象者

母子家庭の母等に対する委託訓練(以下「委託訓練」という。)は、本要領の4に定める対象者として準備講習に参加した者であって、その早期安定就労のために訓練を受講することが適切であると判断され、6の(2)ロの②に基づく公共職業安定所長の受講指示又は受講推薦を受けた者を対象として実施するものとする。

(2) 相談の実施等

イ 都道府県等

都道府県等において、準備講習参加者以外の者からの委託訓練の受講希望について相談が寄せられた場合には、原則、委託訓練の趣旨や内容、受講に向けた手続き等を紹介し、準備講習の受講を勧奨する。また、公共職業安定所による委託訓練対象者に対する相談、情報提供の円滑化を図るため、受講案内、受講申込書等の印刷物を提供するほか、委託訓練の実施機関である民間教育訓練機関等の資料や問い合わせ先等に関する情報を提供する等により、公共職業安定所によるきめ細やかな相談の実施に便宜を図ること。

ロ 公共職業安定所

① 公共職業安定所は、都道府県等の作成する委託訓練に係る受講案内・受講申込書等の配置を行うこと等により、委託訓練の円滑な実施に協力するものとする。

なお、準備講習参加者以外の者が、委託訓練の受講を希望する場合には、原則、5の(4)のイに基づき準備講習への参加勧奨を行うものとする。

② 受講指示及び受講推薦

公共職業安定所長は、当該報告の内容を踏まえ、当該対象者が「職業訓練受講指示要領」(昭和56年6月8日付け職発320号、訓発第124号別冊2の9)の1の各号のいずれかに該当する場合は、職業訓練受講指示要領に基づき受講指示を行う。受講指示の対象とならない者については、「職業訓練受講推薦要領」(昭和61年1月8日付け職発11号別添)の2から5に基づいて受講推薦を行う。

公共職業安定所長は、受講指示、受講推薦を行った場合は、その旨を都道府県等に通知するものとする。

7.準備講習の実施

(1) 準備講習の内容

準備講習は、次のイ~ヘの各内容を盛り込んだものとする。

イ 地域における雇用失業情勢、母子家庭の母等を取り巻く雇用の状況に関する理解の促進に資するもの

ロ 企業が求める人材像の促進に資するもの(例;企業人事担当によるセミナー等)

ハ 自己の職業適性等の理解の促進に資するもの(例;個別及び集団方式によるキャリア・コンサルティング等)

ニ 職業に必要なビジネスマナーの向上に資するもの(例;ビジネスマナー講習)

ホ 企業の就業現場の理解の促進に資するもの(例;事業所見学等)

ヘ 職業能力開発に関する理解の促進に資するもの(例;訓練コース、自立支援教育訓練給付制度、生業扶助制度等に関する情報提供や、職業能力開発施設等への訪問)

(2) 実施人数

1コース当たり原則30人とする。

(3) 準備講習期間

原則5日間とし、1日の訓練時間は5時間を標準とする。

8.委託先

事業主、NPO法人、民間教育訓練機関等

9.準備講習の委託先機関の選定

準備講習の委託先の選定については、訓練実施の管理を責任をもって確実に行うことができる委託先機関を選定すること。

なお、必要に応じ委託先の事業概要等の資料を受託希望機関に提出させる等により、適切な選定作業を行うこと。

10.準備講習委託契約の締結

(1) 職業能力開発校の長は、準備講習を実施する場合は、別紙1に定める「準備講習委託訓練契約書(参考)」により、契約を締結するものとする。

(2) 準備講習受託機関は、準備講習の実施及び実施に伴う次の業務を行う。

イ 訓練受講者の出欠席の管理及び指導

ロ 訓練実施状況の把握

ハ 災害時の連絡

ニ 訓練受講者の中途退校に係る事務処理等

ホ その他準備講習実施に伴う必要な事項

なお、準備講習は当該訓練について適切な指導が必要と認められる者に指導を担当させて実施するものであること。

(3) 委託契約は、次のいずれかに該当するときは変更又は解除することができる。

イ 委託先機関が特別な事情により、委託元の能力開発校の長に対し、委託契約の変更又は解除の協議をし、同意を得たとき。

ロ 次のいずれかに該当すると委託元能力開発校の長が認めたとき。

① 委託契約締結後事情の変更により、当該準備講習を実施できなくなった場合。

② 委託先機関が、委託契約の内容又はこれに付した条件に違反した場合。

(4) 準備講習と委託訓練を一体的に実施する場合であって、受託機関がいずれも同一の場合は、必要に応じ一つの契約書にて委託契約を締結しても差し支えないものとする。

ただし、契約書の内容については、準備講習及び委託訓練の委託契約内容を含むものであること。

11.準備講習委託費

(1) 委託費は1人5日間当たりの単価は10,000円(外税)を上限とする。ただし、5日間を下回る場合は、1日当たり2,000円を減じた額を上限とする。

(2) 委託費の単価が上記(1)の金額を超える場合は、厚生労働省への事前協議を必要とするものであること。

(3) 訓練受講者が中途退所した場合、又は、委託契約を解除した場合は、委託費の額は、訓練が行われた日について日割り計算によって得た額とすること。

(4) 委託費は、委託先機関の請求により、訓練の行われた機関について支払われるものであること。

(5) 委託先機関が委託契約の内容又はこれに付した条件に違反した場合には、都道府県等は当該委託先機関に対し、既に支払った委託費の額の全部又は一部を返還させるものとすること。

12.委託訓練の実施等

(1) 委託訓練の内容

委託訓練の内容は、本施策対象者の態様及び地域ニーズを勘案し、当該訓練を受講して就職の促進が図られると認められる職種を選定するものとする。

(2) 実施人数

1コース当たり30人程度を原則とする。

(3) 訓練期間

訓練期間は原則3ヶ月とする。ただし、必要に応じ6ヶ月を超えない範囲内で期間の設定を行うものとする。

また、訓練時間は、月当たり100時間を標準とし、下限を80時間とする。

(4) 委託訓練実施要領に定める職業訓練と併せて訓練コースを設定している場合のジョブ・カードの取扱い

「『総合雇用対策』等に基づくあらゆる教育訓練資源を活用した委託訓練の推進について」(平成13年12月3日付け能発第519号)別添「委託訓練実施要領」(以下「実施要領」という。)第5章の第1に定めるジョブ・カードの交付対象となる職業訓練と併せて訓練コースを設定している場合、当該コースの受講者については、実施要領第5章の規定に準じて、ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティング及び能力評価を実施するものとする。

13.委託先

事業主、NPO法人、民間教育訓練機関等

14.委託先機関の選定及び契約の締結

委託先機関の選定及び契約の締結については、実施要領第1章の第5に準じるものとする。

15.委託費及びその支払い等

委託費及びその支払い等については、実施要領第2章の第3に準じるものとする。

また、訓練受講期間中において、受講者のニーズに応じた託児サービスを提供する場合に、託児サービスに係る委託費を併せて支給することとし、その具体的な実施方法等については、「委託訓練に係る託児サービス付加事業実施要領」(平成21年7月31日付け能発第0731第5号)に準じるものとする。

16.労働者災害補償保険の特別加入

事業所での実習等の訓練を実施する場合は、その期間について、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第33条に定める労働者災害補償保険(以下、「労災保険」という。)の特別加入の対象とする。

なお、その取扱は実施要領に準じるものとする。

17.訓練受講中の事故発生に備えた保険の取扱

当該委託訓練については、訓練中の事故等により訓練受講生が負傷、あるいは、訓練受け入れ先事業所の設備や顧客に損害を与える事態に備え、委託訓練の受講生は、訓練実施期間中の訓練生の死亡、負傷、他人に対する損害賠償責任に対する民間保険への加入を推奨することとする。

18.事業実績の報告

(1) 都道府県等は毎月の実施状況を、厚生労働省職業能力開発局能力開発課に報告するものとする。なお、具体的な実施方法は別途定めるものとする。

(2) 委託元能力開発校は、毎月及び訓練終了後、受講者ごとの出欠・能力習得状況、就職状況等について、委託先機関から速やかに報告を求めるとともに、必要と認めるときは、関係職員等をして調査を行わせること。

19.安全衛生

準備講習付き職業訓練を実施するにあたり、訓練期間中における訓練受講生の安全衛生については十分配慮するものとする。

20.職業訓練実施協議会の設置

(1) 設置目的

都道府県等は、当該訓練の円滑な実施を図るために関係機関の連携を図り、年間の訓練実施計画及びスケジュール等を含む、実施手順等の必要な事項を調整することを目的とし、職業訓練実施協議会を設置する。

(2) 構成員

イ 都道府県等職業能力主管課長又は担当者

ロ 都道府県等福祉部局主管課長又は担当者

ハ 主要福祉事務所長又は担当者

ニ 都道府県労働局職業安定部長又は担当者

ホ 主要公共職業安定所長又は担当者

ヘ その他必要であると認められる者

(3) 協議事項等

イ 訓練実施計画、訓練内容、訓練実施人数等の検討及び調整

ロ 訓練実施目標の設定(就職率等)

ハ 県内の雇用失業状況や児童扶養手当、生活保護受給者についての実情等についての情報交換等

ニ 実施状況及び目標に対する達成状況報告等

ホ その他必要であると認められる事項

21.その他

事業の委託等に係る諸手続等については、「母子家庭の母等の職業的自立促進事業実施委託要領」に定めるところによる。

附則

本要領は平成24年4月1日から施行する。

 

別紙1

続き

別紙