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卓越した技能者の表彰制度の一部改正について
平成16年3月29日能発第0329004号
(各都道府県知事あて厚生労働省職業能力開発局長通知)
技能者表彰規程の一部を改正する告示(平成16年厚生労働省告示第138号)が平成16年3月29日に告示され、同日付けで適用された。
ついては、その留意事項は下記のとおりであるので、これらについて御了知いただくとともに、貴管内の技能労働者が従事する事業所、民間職業訓練機関等に対する改正内容の周知及び本制度の円滑な運営に関して特段の御配意をお願いする。
第1 趣旨
「卓越した技能者の表彰」(以下「表彰」という。)は、昭和42年の制度創設以来、卓越した技能者を表彰することにより、広く社会一般に技能尊重の気風を浸透させ、もって技能者の地位及び技能水準の向上を図ることを目的に実施されているところである。
今般、産業界、国民一般等からの関心の高まりに伴い「表彰」制度をさらに充実させるとともに、人目に付きにくい分野等で活躍する優れた技能者を把握するため、これまでの都道府県知事及び本職が指定した業界団体(以下「指定団体」という。)から卓越した技能者の候補者としてふさわしい者(以下「被推薦者」という。)の推薦を受けて選考する方式を一部改め、「一般の推薦者」が被推薦者を推薦できる制度(以下「個人エントリー制度」という。)を新設するとともに、従来の指定団体からの推薦制度を廃止し、全国的な規模の事業を行う事業主団体等であればどのような団体でも推薦を行うことを可能とすることとした。
また、本制度の被表彰者は一般に「現代の名工」と称され、我が国の最高水準の技能と品格を有する技能者として高い評価を得るに至っているが、遺憾ながら受章後に被表彰者としての信用を大きく損ね、「表彰」制度の権威を傷つけるようなケースも発生している。このため、被表彰者に対する高い評価を受章後も保つとともに、「表彰」制度の権威を維持する観点から、そのような行為を行なった被表彰者に授与品の返納を求めることとした。
さらに、個人エントリー制度の創設及び指定団体からの推薦制度の廃止に伴い、各職種とも従来以上に推薦件数が多くなることが見込まれることから、部門別審査委員の審査部門を再編し、現在の8部門から20部門に細分化することにより、審査委員による適正な審査体制を整備することとした。
第2 改正の具体的内容
1 個人エントリー制度の新設
(1) 概要
市井の人目に付きにくい分野等で活躍する優れた技能者を把握するため、現在行っている都道府県知事及び事業主団体からの推薦以外に、一般からの推薦を厚生労働省において直接受け付けるものとした。
推薦者は、別添に定めるところにより、直接、厚生労働省職業能力開発局能力評価課振興係(以下「能力評価課」という。)に対して推薦書及びその推薦に賛同する賛同者2名の賛同書を提出する。
推薦者は、35歳以上の者とし、自ら及び自らと二親等以内の親族関係にある者を被推薦者として推薦することはできない。
賛同者は、35歳以上の者とし、被推薦者及び推薦者と二親等以内の親族関係にないものとする。
同一の推薦者が推薦できる被推薦者数は1名とする。
推薦が、不特定多数の者から金品等の対価を得て推薦者又は賛同者をあっせんする業者を関与して行われること等は個人エントリー制度の趣旨に合致しないため、各都道府県に個人エントリー制度について一般から問い合わせがあった際は、その様な方法により推薦者を引き受ける事が無いように注意の喚起をお願いする。
(2) 都道府県における確認
能力評価課において申請資格等について審査を行い、申請資格を満たす場合、被表彰候補者の就業地を所管する各都道府県の職業能力開発主管課に推薦書等の記載内容(被推薦者の技能功績等)について事実確認及び結果の情報提供をお願いする。
(3) 申請手続の概要
① 推薦者による申請
↓
② 能力評価課
・ 「技能者表彰実施要領」(「技能者表彰規程」(昭和42年労働省告示第38号。以下「規程」という。)第6条に基づき、厚生労働省職業能力開発局長が定めた表彰の実施に関する細目。以下「要領」という。)に基づき、申請資格を審査
↓
③ 都道府県(被表彰候補者の就業地)
・ 推薦書等の記載内容(技能功績等)の事実確認及び結果の情報提供
↓
④ 能力評価課
↓
⑤ 部門別審査委員会(各審査部門ごとに被表彰候補者を選出)
↓
⑥ 総合審査委員会(部門別審査委員の審査を経た被表彰候補者について、総合的な見地から表彰を行うことの適否を審査)
↓
⑦ 被表彰者の決定(厚生労働大臣)
2 「職業能力開発局長が指定する団体(指定団体)」からの推薦制度の廃止
(1) 概要
平成8年度に工業系職種の推薦を奨励する目的で、指定団体から被推薦者の推薦を受ける制度が創設されたが、今般、被推薦者を広く募る観点から、同制度を廃止し、新たに産業分野や団体の指定数の制限を設けることなく、全国的な規模の事業を行う事業主団体若しくはその連合体又は民法第34条の規定により設立された法人(以下「全国的な事業主団体等」という。)であれば、どのような団体であっても1名の推薦を行うことができることとした。
(2) 各都道府県知事からの推薦を要する団体等所属の技能労働者について
全国的な事業主団体等以外の団体等については、これまで通り、当該団体等に所属する被推薦者の推薦は、当該団体等の所在地を所管する都道府県知事からの推薦により行うため、当該団体等から推薦依頼があった際には、各都道府県知事による被推薦者の選定に当たって遺漏無きようお取り計らい願いたい。
3 被表彰者が表彰制度の信用を傷つけた場合における授与品の返納要求
(1) 概要
規程第2条第4号は、被表彰者の要件として「他の技能者の模範と認められる者」と規定しており、被表彰者はきわめて優れた技能を有する者であることのみならず、勤務実績、日常行為等においても他の技能者の模範と認められる者でなければならないこととされている。このため、要領により、過去において禁錮以上の刑に処せられた者は表彰の対象から外しているが、授与品(表彰状、卓越技能章)の返納等については規程及び要領に規定されていない。
しかしながら、本制度の被表彰者は、「現代の名工」と称され、名実ともに我が国の最高水準の技能と品格を有する技能者として世間から高い評価を得るに至っており、また、若年技能者等からは将来の目標とされる存在となっている。こうした被表彰者に対する高い評価を受章後も保つとともに、「表彰」制度の権威を維持するためには、被表彰者が受章後に被表彰者としての信用を大きく損ね、「表彰」制度の権威を傷つけるような行為を行なった場合において、授与品の返納を求めることができるよう制度を整備する必要がある。
このため、被表彰者が受章後に禁錮以上の刑に処せられ、又は被表彰者としての信用を大きく損ねるような行為を行った場合は、卓越した技能者の証である授与品の返納を求めることとした。
(2) 都道府県による情報提供等について
各都道府県にあっては、過去の被表彰者が禁錮以上の刑に処せられ、又は被表彰者としての信用を大きく損ねるような行為を行ったと思料される事案についての情報を入手した場合は、事実確認を行った上、遅滞なく能力評価課に情報提供をお願いする。
なお、当該事案が「被表彰者としての信用を大きく損ねるような行為」に該当するか否かの判断は、当該都道府県の意見等を参考に本職において行うこととする。
4 部門別審査体制の再編
制度改正に伴う、厚生労働省における本制度に係る審査の流れ等は以下のとおりであるので参考とされたい。
(1) 表彰に係る審査の流れ(フロー)…別紙1
(2) 新部門への職種再編図…別紙2
○卓越した技能者の表彰制度の一部改正について
平成16年3月29日能発第0329005号
(各職業能力開発局長指定団体代表者あて厚生労働省職業能力開発局長通知)
職業能力開発行政の推進につきましては、平素より格別の御高配を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、厚生労働省といたしましては、我が国において最高の水準にある現役の優れた技能者を表彰することによって、広く社会一般に技能尊重気運を浸透させ、もって技能者の地位及び技能水準の向上に資するとともに、青少年に夢と誇りをもって技能者になることを促すため「卓越した技能者の表彰制度」(通称:現代の名工)を設け、昭和42年度から毎年度、各都道府県知事から卓越した技能者の候補者としてふさわしい者(以下「被推薦者」という。)の推薦を受け、専門家の意見を聞いた上で被表彰者を決定し、厚生労働大臣の表彰を行っているところです。
また、平成8年度から主に全国的な工業系の業界団体のうちから貴団体も含め概ね50団体を指定し、当該団体からも被推薦者の推薦を受けてきたところですが、今般、技能者表彰規程の一部を改正する告示(平成16年厚生労働省告示第138号)が平成16年3月29日に告示され、同日付けで適用されました。
つきましては、その改正内容は下記のとおりとなっておりますので、貴団体におかれましては、御了知の上、新制度の趣旨を御理解いただき、今後とも優秀な技能者の把握に努められるとともに、被推薦者を御推薦いただきますようお願い申し上げます。
なお、今回の制度改正により、市井の人目に付きにくい分野等で活躍する優れた技能者を把握するため、一般の推薦者からの推薦を厚生労働省において直接受け付ける個人エントリー制度を新設することとしましたので、併せて御了知願います。
記
改正の具体的内容
1 「職業能力開発局長が指定する団体」からの推薦制度の廃止
平成8年度に工業系職種の推薦を奨励する目的で、職業能力開発局長が指定する団体から被推薦者の推薦を受ける制度が創設されたが、今般、被推薦者を広く募る観点から、同制度を廃止し、産業分野や団体の指定数の制限を設けることなく、全国的な規模の事業を行う事業主団体若しくはその連合体又は民法第34条の規定により設立された法人(以下「全国的な事業主団体等」という。)であれば、どのような団体であっても1名の推薦を行えることとした。
2 部門別審査体制の再編
制度改正に伴う、厚生労働省における本制度に係る審査の流れ等は以下のとおりであるので参考とされたい。
(1) 表彰に係る審査の流れ(フロー)…別紙1
(2) 新部門への職種再編図…別紙2
3 被表彰者が表彰制度の信用を傷つけた場合における授与品の返納要求
(1) 概要
規程第2条第4号は、被表彰者の要件として「他の技能者の模範と認められる者」と規定しており、被表彰者はきわめて優れた技能を有する者であることのみならず、勤務実績、日常行為等においても他の技能者の模範と認められる者でなければならないこととされている。このため、要領により、過去において禁錮以上の刑に処せられた者は表彰の対象から外しているが、授与品(表彰状、卓越技能章)の返納等については規程及び要領に規定されていない。
しかしながら、本制度の被表彰者は、「現代の名工」と称され、名実ともに我が国の最高水準の技能と品格を有する技能者として世間から高い評価を得るに至っており、また、若年技能者等からは将来の目標とされる存在となっている。こうした被表彰者に対する高い評価を受章後も保つとともに、「表彰」制度の権威を維持するためには、被表彰者が受章後に被表彰者としての信用を大きく損ね、「表彰」制度の権威を傷つけるような行為を行なった場合において、授与品の返納を求めることができるよう制度を整備する必要がある。
このため、被表彰者が受章後に禁錮以上の刑に処せられ、又は被表彰者としての信用を大きく損ねるような行為を行った場合は、卓越した技能者の証である授与品の返納を求めることとした。
(2) 全国的な事業主団体等による情報提供等について
全国的な事業主団体等にあっては、過去の当該団体推薦の被表彰者が禁錮以上の刑に処せられ、又は被表彰者としての信用を大きく損ねるような行為を行ったと思料される事案についての情報を入手した場合は、事実確認を行った上、能力評価課に情報提供をお願いする。
なお、当該事案が「被表彰者としての信用を大きく損ねるような行為」に該当するか否かの判断は、当該都道府県の意見等を参考に本職において行うこととする。