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通達:普通課程の普通職業訓練及び専門課程の高度職業訓練を受ける者に対する技能照査実施要領について

 

普通課程の普通職業訓練及び専門課程の高度職業訓練を受ける者に対する技能照査実施要領について

平成5年6月1日能発第135号

(各都道府県知事、雇用促進事業団理事長、日本障害者雇用促進協会会長あて労働省職業能力開発局長)

 

今般、職業能力開発促進法及び職業能力開発促進法施行規則の一部改正が行われ、訓練課程の名称及び内容が変更されたことに伴い、標記要領を別添のとおり定めたので、了知されるとともに、下記に留意の上その運用に遺憾のないようにされたい。

なお、貴下の関係団体等に対する周知、指導等について御配慮をお願いする。

おって、昭和六〇年一一月二〇日付け能発第二四九号「普通課程及び専門課程の養成訓練を受ける者に対する技能照査実施要領について」は廃止する。

 

主な改正点

1 職業能力開発促進法施行規則等の一部改正が行われ、訓練の種類及び課程が変更されたことに伴い、新たな訓練課程で同要領を定めたこと。

2 普通課程の訓練時間は、従来、省令上「標準時間」として規定されていたため、旧要領では技能照査の対象となる普通課程の最低限必要な訓練時間を定めていたが、今回の改正によって、省令上「最低限必要な時間」が規定されたため、新要領ではこれを定めないこととしたこと。

3 職業能力開発促進法の一部改正が行われ、「公共職業訓練施設」を「公共職業能力開発施設」と変更されたことに伴い、同要領を定めたこと。

 

別添

技能照査実施要領

1 趣旨

職業能力開発促進法(昭和四四年法律第六四号。以下「法」という。)第二一条(法第二六条の二において準用する場合を含む。)に規定する技能照査は、その要領に定めるところにより実施するものとすること。

2 技能照査を行うもの

技能照査を行うもの(以下「実施者」という。)は、普通課程の普通職業訓練又は専門課程の高度職業訓練を行う公共職業能力開発施設の長及び認定職業訓練を行う事業主等とすること。

3 対象者

対象者は、普通課程の普通職業訓練又は専門課程の高度職業訓練を受けている者であって、訓練修了時までに、訓練を行うものが定める当該訓練の教科ごとの訓練時間の八〇パーセント以上を受講できる見込みがあり、かつ、当該訓練の総時間の八〇パーセント以上を受講できる見込みがある者であること。ただし、通信の方法により訓練を行う場合は、面接指導を終了しており、かつ、通信の方法以外の方法により行った科目の訓練時間を合計した時間の八〇パーセント以上を受講できる見込みがある者であること。

4 試験問題

(1) 職業能力開発促進法施行規則(昭和四四年労働省令第二四号。以下「規則」という。)別表第二及び第六の訓練科の欄に定める訓練科については、別に定めている「普通課程の普通職業訓練を受ける者に対する技能照査の基準の細目」及び「専門課程の高度職業訓練を受ける者に対する技能照査の基準の細目」に掲げられた全項目にわたり、各項目に示された技能又は知識の水準に達しているか否かを判定しうる内容のものとすること。ただし、実技試験については訓練科により細目に掲げられた全項目にわたることが困難な場合には、その一部について実施しなくてもやむを得ないが、この場合にもできる限り多くの項目を包含するよう配慮するものとすること。

(2) 規則別表第二及び第六の訓練科の欄に定める訓練科以外の訓練科については、それぞれ教科の各科目について、習得すべき技能又は知識の水準に達しているか否かを判定しうる内容のものとすること。

(3) 試験問題は原則として実施者が作成するものとするが、職業訓練を推進する団体等にあらかじめ試験問題の作成を委託し、又はこれらの団体があらかじめ作成した試験問題を利用することができるものであること。

(4) 試験問題の作成に当たっては、次の事項に留意するとともに労働省が作成した技能照査標準問題集のある訓練科については、その問題例を参考とすること。

① 一般事項

イ 試験問題の内容が所定の訓練内容と遊離したものでないこと。

ロ 試験問題は訓練生が各科目の内容をどの程度習得したかを判定できるものでなければならないが、必ずしも各科目ごとに別個の問題を作成しなければならないものではないこと。

ハ 試験問題の形式は自由であるが、採点者の主観的な判断により評価のなされるようなものを極力さけ、客観的な基準による採点が行いうるものとするよう努めること。

② 学科試験に関する事項

イ 学科試験は、技能の裏付けとなる関連知識の習得の程度を調べるため実施するものであるから、試験問題はその習得程度の判定に直接関係のある主要な事項で構成すること。

ロ 学科試験には、生活活動の場で解決をせまられている頻度の高い事例を試験問題としてとり上げる等具体性のあるものを含めるよう努めること。

ハ 普通学科は専門学科の理解を助けるために訓練するものであるから、学科試験のうちの普通学科の試験については省略しても差し支えないこと。

ニ 所要時間は、普通課程の普通職業訓練にあっては二時間程度のもの、専門課程の高度職業訓練にあっては四時間程度のものとすること。

③ 実技試験に関する事項

イ 実技試験は主として製品を製作させて審査する方式等の実技作業によることとするが、このような方式によることが困難な訓練科については、単に口述、記述にとどまらず観察、実験等によって技能習得の程度を的確に評価しうる方法を導入するなど、適正な評価を行うよう努めること。

ロ 所要時間は長期観察、実験等による場合を除き、普通課程の普通職業訓練は一日で終了する程度のもの、専門課程の高度職業訓練にあっては二日で終了する程度のものとすること。

5 合格判定の基準

学科試験及び実技試験のそれぞれについて、得点が満点の六〇パーセント以上であるものを合格とするよう定めること。

なお、学科試験の全部又は大部分が正誤法若しくは二肢択一法(択一法による設問で選択肢が二個用意されたもの)による場合においては、正答数から誤答数の二分の一を減じ、その結果が満点の六〇パーセント以上のものを合格とすること。この場合、無回答又は正誤のいずれとも判断のつかない解答の数は、正答数にも誤答数にも含めないこととすること。

6 実施日

実施日は、原則として訓練修了前二カ月の間の日とする。ただし、認定職業訓練を行うもので、やむを得ない理由がある場合は、訓練修了前二カ月の間にかかわらず、技能照査実施年度の訓練時間の総時間の三分の二以上の訓練をした後であれば実施して差し支えないこと。

やむを得ない理由としては、技能照査実施場所の確保が困難な場合、地域によって技能照査(特に実技試験)の実施が困難な場所である場合等をさすものであること。

7 実施場所

実施場所は、受験者がその技能を十分に発揮しうるとともに、その実施に公正を保つことができる建物、機械その他の設備を有する場所とすること。

8 試験問題等の届出

認定職業訓練を行うものが、技能照査を行おうとするときは、その行おうとする一四日前までに、事業主にあってはその事業所の所在地を、その他のものにあってはその主たる事務所の所在地をそれぞれ管轄する都道府県知事に当該技能照査に係る次の事項を届け出なければならないこと。

① 訓練課程及び訓練科の名称

② 試験問題(所要時間、正解、採点要領等を含む。)

③ 合格判定基準

④ 実施年月日

⑤ 実施場所(通常訓練を実施している施設以外の施設で実施する場合には、実施場所として適したものであることを証明するに足りる書面を添付すること。)

9 試験問題の適否に関する指導

(1) 都道府県知事は、届出のなされた試験問題等を検討し、技能照査の試験問題として適しないと認められるものについては、その是正について指導を行うこと。

なお、適切な指導を行うために訓練専門家、学識経験者等を委員とする技能照査実施委員会を設ける等の措置を講ずること。

(2) 試験問題について都道府県知事から指導を受けたものについては、その指導に従った試験問題で実施しなければならないものであること。

(3) 上記4の(3)の運用により複数の都道府県にわたって利用されることとなる試験問題については、労働省職業能力開発局においてその内容を検討することとしており、検討の結果を該当する都道府県に通知するので、都道府県はそれに基づいて実施者に対する指導を行うこと。

10 試験の実施

実施者は、試験の実施に当たり、試験の公正を保つため、実技試験で問題の性質上受験者にあらかじめその内容を示す必要がある場合を除き、試験問題が漏洩することがないよう試験問題及び試験場の管理並びに試験の実施に際しての監督に十分注意すること。

11 採点及び合格判定

実施者は、採点及び合格判定をするに当たっては、不正の行為が行われることのないよう努めること。

なお、採点要領、合格判定基準等について都道府県知事から指導をうけたものについては、その指導に従って改善したものにより適正に行うこと。

12 合格証書の交付

実施者は、技能照査の合格者に対し、規則様式第三号による技能照査合格証書(用紙は、日本工業規格A列四番とする。)を交付しなければならないこと。

なお、規則別表第二又は第六により行われた訓練科については、訓練科名の次に(標)と記入すること。(別紙参照)

13 都道府県知事による証明

都道府県知事は、認定職業訓練について、技能照査合格証書を交付したもの又は技能照査合格証書の交付を受けたものから申請があった場合で、当該技能照査が次に掲げるところにより的確に行われたと認めるときは、当該技能照査合格証書にその旨の証明を行うことができるものであること。(別紙参照)

(1) 届出のなされた試験問題等が適切なものであり、又は届出のなされた試験問題等について都道府県知事の行った指導に従って改善を行ったものであること。

(2) 公正に実施されたものであること。

14 不合格者に対する追試験等

(1) 不合格者に対する追試験は原則として行わないこと。ただし、試験当日に不測の事故により受験ができなかった者又は試験中途において不測の事故により試験を放棄せざるを得なかった者については、追試験を行っても差し支えないものであること。

(2) 追試験は原則として訓練修了前に行わねばならないものであるが、災害、疾病等やむを得ない事情がある場合には訓練修了後に行っても差し支えないものであること。

(3) 追試験の試験問題等の届出については、上記8の手続きによるものであること。

 

別紙