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事業主団体等委託訓練生の労働者災害補償保険の特別加入について
平成元年5月26日管発第17号
(各都道府県労働主管部(局)長、雇用促進事業団職業能力開発企画部長、雇用促進事業団職業能力開発指導部長あて労働省職業能力開発局管理課長通達)
職業能力開発行政の推進については、日頃より格別の御配慮を賜り心から感謝申し上げます。
さて、事業主団体等委託訓練(以下「委託訓練」という。)につきましては、昭和六三年四月七日付け職発第二三五号・能発第八一号「構造転換能力開発事業の実施とその活用等について」により構造転換能力開発事業の重点として積極的な活用をお願いしているところでありますが、このたび、労働者災害補償保険法施行規則(昭和三〇年労働省令第二二号)第四六条の一八第二号ロの規定に基づき労働大臣が定める職業訓練であって事業主又は事業主の団体に委託されるものを定める告示が本年三月一七日に公布(労働省告示第一四号)され(別添通達写し参照(略))、これにより委託訓練を受講する訓練生に対して、労働者災害補償保険の特別加入が認められることとなりましたので、下記に御留意のうえ当該保険関係の成立等につき特段の御配意をお願いします。
記
1 特別加入の趣旨
(1) 委託訓練の作業は、生産現場において労働者と同様の作業形態で行われる点が、現在労災保険の特別加入の対象となっている職場適応訓練の作業と同じであることから、職場適応訓練と同様の取扱いとすることが望ましいこと。
(2) 委託訓練の訓練生は、作業の実態等からみて、労働基準法適用労働者に準じて保護するにふさわしい者であること。
(3) 作業の実態から、委託訓練生の作業の範囲が明確に特定でき、業務災害の認定をはじめ保険関係の適正な処理が技術的に可能であること。
(4) 委託訓練の訓練生に係る災害補償を万全のものとすることにより、委託先事業主等を確保し、事業主団体等委託訓練による職業転換のための職業訓練を積極的に実施することが雇用対策上必要であること。
2 加入対象者
委託訓練を受講する訓練生のうち、次のいずれかに該当する者であって公共職業安定所長(以下「安定所長」という。)から委託訓練の受講指示又は受講推薦を受けた雇用保険受給資格者であること。
(1) 特定不況業種に属する事業所の事業規模縮小等による離職者。
(2) 次に掲げる離職者であって、現に失業しており、又はその職業が著しく不安定であるため失業と同様の状態にあると認められる者。
イ 特定雇用開発促進地域に居住する離職者。
ロ イに掲げる者以外の離職者で、特定雇用開発促進地域内に所在する事業所に雇用されていた者。
(3) 緊急雇用安定地域内に所在する事業所に雇用されていた離職者であって、現に失業しており、又はその職業が著しく不安定であるため失業と同様の状態にあると認められる者。
(4) 雇用保険の受給資格に係る離職の日において五五歳以上六五歳未満の高年齢離職者。
なお、今年度新規事業の雇用開発促進地域内に居住する大規模プロジェクト求職者については平成元年度予算成立と同時に加入対象者として認められる予定である。
また、別添通達写し第二の2の(1)によると「受講指示を受けた・・・であること」とされているが、これについては「受講推薦された者」も該当する旨労働省労働基準局労災管理課及び補償課との了解事項となっているので念のため申し添えます。
3 特別加入の手続等
(1) 特別加入の方法
委託訓練生を労災保険への特別加入は、同訓練生が労働者災害補償保険法(昭和二二年法律第五〇号)(以下「労災法」という。)第二七条第五号に該当する者として労災法第二九条第一項に規定する団体を結成し、管轄の労働基準監督署長を経由して都道府県労働基準局長あて申請することが必要であるが、特別加入及びその後の関係事務は、都道府県分にあっては都道府県職業能力開発主管課、雇用促進事業団分にあってはそれぞれの技能開発センター又は総合高等職業訓練校において行うものであること。
(2) 特別加入申請の手続き
イ 特別加入申請の手続きに関し、都道府県分については特別加入の申請団体名を「〇〇県事業主団体等委託訓練生組合」とし、代表者は職業能力開発主管課長をもってあて、事務所を職業能力開発主管課内に置くものとし、雇用促進事業団分については特別加入の申請団体名を「〇〇技能開発センター(又は〇〇総合高等職業訓練校)事業主団体等委託訓練生組合」とし、代表者はそれぞれの技能開発センターの長又は総合高等職業訓練校長をもってあて、事務所を技能開発センター内又は総合高等職業訓練校内に置くものとすること。
ロ 特別加入申請の手続きは、平成元年度予算成立後遅滞なく行うこと。
(3) 給付基礎日額
労働者災害補償保険法施行規則(昭和三〇年労働省令第二二号)第四六条の二四に規定する給付基礎日額は、雇用保険法(昭和四九年法律第一一六号)第一三条の規定に該当する者及び同法第三九条第一項の規定に該当する者の基本手当の額の算定の基礎となる賃金日額又は船員保険法(昭和一四年法律第七三号)に基づく船員失業保険金受給資格者の失業保険金の額の算定の基礎となる標準報酬日額が三、〇〇〇円を超え、一六、〇〇〇円以下のものにあっては、同給付基礎日額の決定基準額(三、〇〇〇円、三、五〇〇円、四、〇〇〇円、五、〇〇〇円、六、〇〇〇円、七、〇〇〇円、八、〇〇〇円、九、〇〇〇円、一〇、〇〇〇円、一二、〇〇〇円、一四、〇〇〇円及び一六、〇〇〇円)に相当する額のうち、当該基本手当の額の算定の基礎となる賃金日額又は当該失業保険金の額の算定の基礎となる標準報酬日額の直近の高い額とし、一六、〇〇〇円を超えるものにあっては一六、〇〇〇円とすること。
(4) 保険料の算定
保険料の算定については、給付基礎日額に応ずる労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(昭和四七年労働省令第八号。以下「徴収則」という。)別表第四「特別加入保険料算定基礎額表」の右欄の保険料算定基礎額の一二分の一の額に委託訓練生の訓練月数(暦月により計算することとし、端数は一カ月に切り上げる。)を乗じて得た額を「賃金総額の算定の基礎となる額」とし、この額に一〇〇〇分の七(徴収則別表第五「第二種特別加入保険料率表」の特一四)を乗じて算定すること。
なお、保険年度の中途又は二保険年度にわたって事業主団体等委託訓練を受講する場合の受講を開始した保険年度についての保険料は、特別加入した月から当該保険年度の末日までの委託訓練生の訓練月数(暦月により計算することとし、端数は一カ月に切り上げる。)により計算すること。
(5) 概算保険料の申告・納付
労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四四年法律第八四号。以下「徴収法」という。)第一五条の規定に基づき、保険年度ごとにその保険年度の初日(保険年度の中途において特別加入した場合には、特別加入した日)から四五日以内に当該年度内の訓練受講予定者に係る概算保険料を申告し、納付すること。
(6) 確定保険料の申告・納付
徴収法第一九条の規定に基づき、保険年度ごとに次の保険年度の初日から四五日以内に確定保険料の申告をすること。
確定保険料申告に際しては、当該保険年度における全事業主団体等委託訓練生について賃金総額の内訳書(別添様式第一号・略)を添付すること。
(7) 保険給付の請求
保険給付請求を行う場合、保険給付請求書の事業主の証明は、当該特別加入団体の代表者が行うこととし、また証明事項のうち、負傷又は発病年月日、災害の原因及び発生状況等については、受託事業主のその事実を証明する書類を添付させること。
なお、平均賃金欄に記載されるべき給付基礎日額については、当該特別記入団体の代表者が給付基礎日額証明書(別添様式第二号・略)により証明するものであること。
(8) 加入者名簿の整理
都道府県分については都道府県職業能力開発主管課、雇用促進事業団分については技能開発センター又は総合高等職業訓練校において年月日、訓練修了年月日、当該年度内における訓練月数を記載した「特別加入者名簿」(別添様式第三号・略)を整備しておくこと。
(9) その他
本業務については各都道府県労働基準局又は管轄の労働基準監督署と協議の上すすめること。
4 保険料の経費
保険料に係る経費は、交付金対象として取扱うものとする。