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通達:「在職者能力再開発訓練実施要領」等の制定について

 

「在職者能力再開発訓練実施要領」等の制定について

昭和63年4月7日能発第82号

(各都道府県知事、雇用促進事業団理事長あて労働省職業能力開発局長通達)

 

産業構造の転換、労働力の高年齢化等に伴う労働力需給のミスマッチに対応した職業能力開発の推進については、かねてより格別の御努力をお願いしているところであるが、今般、昭和六三年四月七日付け職発第二三五号・能発第八一号「構造転換能力開発事業の実施とその活用等について」の通知によるほか、当該構造転換能力開発事業を具体的に実施するため、「在職者能力再開発訓練実施要領」、「在職者専修学校等委託訓練実施要領」、「在職者速成訓練実施要領」、「事業主団体等委託訓練実施要領」及び「地域雇用能力開発事業実施要領」をそれぞれ別添一、二、三、四及び五のとおり定めたので、構造転換能力開発事業の積極的かつ円滑な推進に努めるよう、特段の御配意をお願いする。

なお、昭和六二年四月一日付け能発第八五号「産業構造の転換、円高等に伴う緊急能力開発対策の実施について」職業能力開発局長通達(以下「旧通達」という。)は廃止することとし、旧通達に基づき昭和六三年四月六日以前に開始した職業訓練については、その訓練の修了するまでの間は本通達に基づくものとみなすこととする。

 

別添一

在職者能力再開発訓練実施要領

特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法(昭和五八年法律第三九号)第二条第一項第三号に規定する特定不況業種事業主若しくは同項第四号に規定する特定雇用調整業種事業主又は同項第六号に規定する特例事業所の事業主(以下「対象業種等事業主」という。)に雇用される者(以下「特定不況業種等在職者」という。)及び六〇歳以上の定年の制度を有する事業所等の事業主がその雇用する四五歳以上六五歳未満の雇用保険の被保険者(雇用保険法第三八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者及び同法第四三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。)に対して創設した高齢期の職業生活に向けた準備を円滑に行わせる制度(以下「高齢期就業準備制度」という。)を利用する者(以下「高齢期就業準備制度利用者」という。)に対する短期課程(職業に必要な相当程度の技能及びこれに関する知識を習得させるためのものに限る。)の普通職業訓練(以下「離転職に係る短期・普通訓練」という。)の実施に当たっては、この要領に定めるところによるものとする。

一 目的

経済活動の停滞等による雇用失業情勢の悪化、高年齢者の雇用機会の不足等に対応し、対象業種等事業主がその雇用する労働者に対し、出向、他企業への就職あっせん等の方法により失業者を出さずに雇用調整を行えるよう、また、高齢期の職業生活に向けた準備の促進を図るため雇用促進事業団が設置する職業能力開発促進センター又は都道府県が設置する職業能力開発校(以下「職業能力開発促進センター等」という。)において特定不況業種等在職者及び高齢期就業準備制度利用者の離転職に係る短期・普通訓練を実施し、これらの者の円滑な労働移動等に資するものとする。

二 実施主体

実施主体は、職業能力開発促進センター等とする。

三 訓練対象者

訓練対象者は、次の各号のいずれかに該当するものとする。

(一) 特定不況業種等在職者であって、当該事業主が安定所長に提出し、その認定を受けた雇用維持等計画(以下「雇用維持等計画」という。)又は失業の予防のための措置に関する計画(以下「失業予防計画」という。)において「配置転換等」、「在籍出向等」又は「離職を余儀なくされる者」として位置づけられた者のうち、離転職に係る短期・普通訓練を受講することが必要と認められる者

(二) 高齢期就業準備制度利用者のうち、離転職に係る短期・普通訓練を受講することが可能と認められる者

四 訓練職種

訓練職種の選定に当たっては、訓練対象者の現に有する技能・知識や労働市場の状況から判断して、特定不況業種等在職者については、雇用可能性の高いものとし、高齢期就業準備制度利用者については、高齢期の職業生活に向けた準備を円滑に行わせるものとすること。特に、高年齢者の訓練職種については、高年齢者が就業可能な職務について、すべての産業、業種を対象とした幅広い把握・選定に努めるものとすること。

五 訓練期間及び訓練時間

(一) この要領に基づいて行う訓練は、離転職に係る短期・普通訓練とし、その訓練期間及び訓練時間は、原則として六カ月、七〇〇時間程度とする。これにより難い場合には、二カ月以上一年以下で、かつ、一五〇時間以上の範囲において現に有する技能・知識等を勘案して弾力的に定めることができる。

(二) (一)により難い場合においては、一カ月以上二カ月以下で、かつ、一五〇時間未満(ただし、できる限り一五〇時間程度とする。)とすることができる。

六 訓練人員

委託訓練を行う一単位の訓練生数は、概ね一〇人とする。ただし、配置転換予定者、出向予定者若しくは離職予定者又は高齢期就業準備制度利用者の発生状況及び地域労働市場の動向等によって弾力的に取り扱うものとし、一人を単位とすることができる。

七 訓練担当者

訓練担当者は、職業訓練指導員免許を有する者、職業能力開発促進法(昭和四四年法律第六四号)第三〇条の二第二項に該当するものと認められる者等とする。

八 災害補償

訓練期間中における訓練生の災害については、未然に防止するよう留意するものとするが、不幸にして災害が発生した場合は、当該訓練のうち特定不況業種等在職者を対象とする訓練にあっては対象業種等事業主の指示に基づいて行われたものであり当該事業主が災害補償を行うこととなるので、職業能力開発促進センター等の長は速やかに当該事業主に災害発生を連絡するものとする。

なお、高齢期就業準備制度利用者を対象とする訓練についても、災害が発生した場合は、当該事業主に連絡するものとする。

九 実施手順

(一) 訓練対象者等の把握

雇用促進事業団が設置する雇用促進センター(以下「雇用促進センター」という。)及び職業能力開発促進センター等は、近接の公共職業安定所(以下「安定所」という。)と連携をとり、雇用維持等計画若しくは失業予防計画又は高齢期就業準備制度の運用に関する計画に係る事業所の情報提供を受け、当該事業所を訪問する等して対象労働者等を把握すること。

なお、高齢期就業準備制度利用者のうち、職業訓練対象者の把握については、下記に留意すること。

イ 雇用促進センター及び職業能力開発促進センター等は、管轄安定所より送付される高齢期就業準備訓練受講希望者在籍証明書及び高齢期就業準備制度運用計画認定通知書の写しにより、高齢期就業準備制度利用者に対する離転職に係る短期・普通訓練(以下「高齢期就業準備訓練」という。)の受講を希望する職業訓練対象者であるかどうかの把握を行う。

上記を踏まえ、高齢期就業準備制度利用者の資質・希望、地域の実情等を十分勘案の上、高齢期就業準備訓練の実施が可能かどうかについて検討し、できるだけ前向きの対応を図ること。

ロ 雇用促進センター及び職業能力開発促進センター等は、高齢期就業準備訓練受講希望者在籍証明書に基づく休暇の期間の開始日の前日までに高齢期就業準備制度利用者から高齢期就業準備訓練の受講の申込みがなかった場合には、管轄安定所に連絡するものとする。

ハ 雇用促進センター及び職業能力開発促進センター等は、高齢期就業準備制度利用者から高齢期就業準備訓練の受講の申し出があった場合には、その休暇の期間の開始予定日を確認し、その開始予定日の三日前までに、高齢期就業準備訓練受講希望者在籍証明書及び高齢期就業準備制度運用計画認定通知書の写しが管轄安定所より送付されない場合には、管轄安定所へ照会するものとする。

ニ 雇用促進センター及び職業能力開発促進センター等は、高齢期就業準備制度利用者が高齢期就業準備訓練の受講を開始できなかった場合又は中止した場合には、管轄安定所へその旨連絡するものとする。

(二) 訓練ニーズの把握

雇用促進センター及び職業能力開発促進センター等は、安定所、対象業種等事業主及び高齢期就業準備制度の運用に関する計画提出事業主との協議を行い、当該事業主に対し積極的に本制度の活用等の指導を行った上、訓練対象者に係る訓練ニーズを把握すること。

(三) 個人別能力開発プログラムの作成

雇用促進センターは、訓練対象者ごとに適切な離転職に係る短期・普通訓練のプログラムを作成し、職業能力開発促進センター等は、当該プログラムに基づいて職業訓練を実施すること。

(四) 訓練の実施

イ 施設内訓練で対応できる場合には、離転職に係る短期・普通訓練の定員の空きを活用することとすること。

また、特定不況業種等在職者を対象とする訓練の実施にあっては、必要に応じて特別枠の訓練科等を設定し、離転職に係る短期・普通訓練により対応することができるものであること。

ロ 施設内訓練で質的又は量的に対応できない場合には、事業主団体等委託訓練を含む委託訓練又は速成訓練を活用すること。

なお、専修学校等委託訓練、速成訓練及び事業主団体等委託訓練の実施については、それぞれ、通達別添二「在職者専修学校等委託訓練実施要領」、通達別添三「在職者速成訓練実施要領」によること。

(五) 在職者能力再開発訓練実施契約の締結

特定不況業種等在職者の職業訓練の受託については、職業能力開発促進センター等の長は対象業種等事業主と、別添「在職者能力再開発訓練実施契約書(準則)」を参考に契約を締結すること。

(六) 職業相談等

イ 雇用促進センター及び職業能力開発促進センター等は、訓練実施中の特定不況業種等在職者に対し、適宜、職業の相談等を実施するとともに、適切な出向、再就職あっせんの受入れ先事業所がある場合には、その情報を直ちに対象業種等事業主又は関係機関に通報すること。受入れ先事業所の求人情報の収集に当たっては、安定所及び財団法人産業雇用安定センターと密接な連絡をとるほか、雇用促進センター及び職業能力開発促進センター等自らにおいても直接収集活動を行うこと。

ロ 離職予定者が訓練修了までに再就職先が決まらず離職した場合には、職業能力開発促進センター等は、職業安定法(昭和二二年法律第一四一号)第三三条の二による無料職業紹介事業の届出を行っている場合は、自らこれらの者に対する職業紹介を行い、それ以外のときは、安定所への求職の申込み等の指導を行うこと。

(七) 費用

費用は、無料とする。

一〇 労働移動能力開発助成金の活用等

(一) 労働移動能力開発助成金の活用

対象業種等事業主がその雇用する労働者に対して職業の転換を図るための職業訓練(訓練期間一カ月以上一年以下の離転職に係る短期・普通訓練(以下「職業転換訓練」という。)を実施する場合に、所定の要件を満たす職業転換訓練については、雇用促進センターから当該事業主に対してその訓練期間中の賃金を次のように助成する労働移動能力開発助成金制度があるので、対象業種等事業主が本要領に基づく在職者に対する職業訓練を実施する際には、安定所、雇用促進センターとの連携の下に労働移動能力開発助成金を活用するよう情報の提供を行うこと。

○ 特定不況業種等在職者を職業能力開発促進センター等に派遣して職業転換訓練を受けさせ、当該訓練終了後、他企業への出向・再就職あっせん、事業転換に伴う配置転換により雇用が維持された場合

訓練期間中の賃金の三分の二(中小企業にあっては四分の三)

(二) 職業転換訓練等受講証明書の交付

安定所から高齢期就業準備奨励金、雇用促進センターから労働移動能力開発助成金が支給される場合には、安定所又は雇用促進センターがこれらの奨励金等を支給決定する上で、公共職業訓練を受講した旨の証明書を必要とするので、職業能力開発促進センター等の長は、高齢期就業準備奨励金が支給される場合は、別紙様式一―二「高齢期就業準備訓練受講証明書」(「高齢期就業準備奨励金支給要領」(備)様式第四―二号に同じ。)を、労働移動能力開発助成金が支給される場合は、別紙様式二「職業転換訓練受講証明書」を、当該事業主に交付すること。

一一 その他の事項

本要領における船員に関する適用は次のとおりとする。

本要領中の「特定不況業種等在職者及び高齢期就業準備制度利用者」には、船員職業安定法(昭和二三年法律第一三〇号)第六条第一項に規定する船員は含まないこと。

 

別添

(続紙)


別添二

在職者専修学校等委託訓練実施要領

特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法(昭和五八年法律第三九号)第二条第一項第三号に規定する特定不況業種事業主若しくは同項第四号に規定する特定雇用調整業種事業主又は同項第六号に規定する特例事業所の事業主に雇用される者(以下「特定不況業種等在職者」という。)及び六〇歳以上の定年の制度を有する事業所等の事業主がその雇用する四五歳以上六五歳未満の雇用保険の被保険者(雇用保険法第三八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者及び同法第四三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。)に対して創設した高齢期の職業生活に向けた準備を円滑に行わせる制度(以下「高齢期就業準備制度」という。)を利用する者(以下「高齢期就業準備制度利用者」という。)に対する専修学校・各種学校等への委託訓練の実施に当たっては、この要領に定めるところによるものとする。

一 目的

通達別添一「在職者能力再開発訓練実施要領」に基づく、公共職業訓練を実施する場合であって、雇用促進事業団が設置する職業能力開発促進センター又は都道府県が設置する職業能力開発校(以下「職業能力開発促進センター等」という。)に当該職業訓練を実施するための訓練科を直ちに設定することが困難である場合又は当該職業訓練を職業能力開発促進センター等以外の専修学校・各種学校等において実施することがより迅速かつ効果的な場合には、本要領に基づく委託訓練を実施し、特定不況業種等在職者の円滑な労働移動及び高齢期の職業生活に向けた準備の促進に資するものとする。

二 実施主体

実施主体は、職業能力開発促進センター等とする。

三 訓練対象者

訓練対象者は、次に該当するものとする。

(一) 特定不況業種等在職者であって、当該事業主が安定所長に提出し、その認定を受けた雇用維持等計画又は失業の予防のための措置に関する計画において「配置転換等」、「在籍出向等」又は「離職を余儀なくされる者」として位置づけられた者のうち、短期課程(職業に必要な相当程度の技能及びこれに関する知識を習得させるためのものに限る。)の普通職業訓練(以下「離転職に係る短期・普通訓練」という。)を受講することが必要と認められる者

(二) 高齢期就業準備制度利用者のうち、離転職に係る短期・普通訓練を受講することが可能と認められる者

四 訓練職種

訓練職種の選定に当たっては、訓練対象者の現に有する技能・知識や労働市場の状況から判断して特定不況業種等在職者については、雇用可能性の高いものとし、高齢期就業準備制度利用者については、高齢期の職業生活に向けた準備を円滑に行わせるものとすること。特に、高年齢者の訓練職種については、高年齢者が就業可能な職務について、すべての産業、業種を対象とした幅広い把握・選定に努めるものとすること。

五 訓練期間及び訓練時間

(一) この要領に基づいて行う訓練は、原則として、離転職に係る短期・普通訓練とし、その訓練期間及び訓練時間は、原則として六カ月、七〇〇時間程度とする。これにより難い場合には、二カ月以上一年以下で、かつ、一五〇時間以上の範囲において現に有する技能・知識等を勘案して弾力的に定めることができる。

(二) (一)により難い場合においては、一カ月以上二カ月以下で、かつ、一五〇時間未満(ただし、できる限り一五〇時間程度とする。)とすることができる。

六 訓練人員

委託訓練を行う一単位の訓練生数は、概ね一〇人とする。ただし、配置転換予定者、出向予定者若しくは離職予定者又は高齢期就業準備制度利用者の発生状況及び地域労働市場の動向等によって弾力的に取り扱うものとし、一人を単位とすることができる。

七 訓練担当者

訓練担当者は、職業訓練指導員免許を有する者、職業能力開発促進法(昭和四四年法律第六四号)第三〇条の二第二項に該当するものと認められる者等とする。

八 準用

訓練職種、訓練形態、教育訓練施設等との契約、専修学校等委託訓練の受講者の取扱い、関係機関との協議、安全衛生並びに訓練計画の策定及び協議については、それぞれ昭和六〇年一二月二三日付け能発第二八六号通達「委託訓練実施要領の改正について」別添「委託訓練実施要領」の五、六、七、一一、一二(一)、一三及び一五に準じて扱うものとする。

九 その他の事項

本要領における船員に関する適用は次のとおりとする。

本要領中の「特定不況業種等在職者及び高齢期就業準備制度利用者」には、船員職業安定法(昭和二三年法律第一三〇号)第六条第一項に規定する船員は含まないこと。

 

別添三

在職者速成訓練実施要領

特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法(昭和五八年法律第三九号)第二条第一項第三号に規定する特定不況業種事業主若しくは同項第四号に規定する特定雇用調整業種事業主又は同項第六号に規定する特例事業所の事業主に雇用される者(以下「特定不況業種等在職者」という。)及び六〇歳以上の定年の制度を有する事業所等の事業主がその雇用する四五歳以上六五歳未満の雇用保険の被保険者(雇用保険法第三八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者及び同法第四三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。)に対して創設した高齢期の職業生活に向けた準備を円滑に行わせる制度(以下「高齢期就業準備制度」という。)を利用する者(以下「高齢期就業準備制度利用者」という。)に対する速成訓練の実施に当たっては、この要領に定めるところによるものとする。

一 目的

通達別添一「在職者能力再開発訓練実施要領」に基づく、公共職業訓練を実施する場合にあって、雇用促進事業団が設置する職業能力開発促進センター又は都道府県が設置する職業能力開発校(以下「職業能力開発促進センター等」という。)に当該職業訓練を実施するための訓練科を直ちに設定することが困難である場合又は当該職業訓練を職業能力開発促進センター等以外の施設を借り上げて実施することが迅速かつ効果的な場合には、本要領に基づく速成訓練を実施し、特定不況業種等在職者の円滑な労働移動及び高齢期の職業生活に向けた準備の促進に資するものとする。

二 実施主体

実施主体は、職業能力開発促進センター等とする。

三 訓練対象者

訓練対象者は、次に該当するものとする。

(一) 特定不況業種等在職者であって、当該事業主が安定所長に提出し、その認定を受けた雇用維持等計画又は失業の予防のための措置に関する計画において「配置転換等」、「在籍出向等」又は「離職を余儀なくされる者」として位置づけられた者のうち、短期課程(職業に必要な相当程度の技能及びこれに関する知識を習得させるためのものに限る。)の普通職業訓練(以下「離転職に係る短期・普通訓練」という。)を受講することが必要と認められる者

(二) 高齢期就業準備制度利用者のうち、離転職に係る短期・普通訓練を受講することが可能と認められる者

四 訓練職種

訓練職種の選定に当たっては、訓練対象者の現に有する技能・知識や労働市場の状況から判断して、特定不況業種等在職者については、雇用可能性の高いものとし、高齢期就業準備制度利用者については、高齢期の職業生活に向けた準備を円滑に行わせるものとすること。特に、高年齢者の訓練職種については、高年齢者が就業可能な職務について、すべての産業、業種を対象とした幅広い把握・選定に努めるものとすること。

五 訓練期間及び訓練時間

(一) この要領に基づいて行う訓練は、離転職に係る短期・普通訓練とし、その訓練期間及び訓練時間は、概ね三カ月、三五〇時間程度とする。これにより難い場合には、二カ月以上一年以下の範囲において、現に有する技能・知識等を勘案して弾力的に定めることができる。

(二) (一)により難い場合においては、一カ月以上二カ月以下で、かつ、一五〇時間未満(ただし、できる限り一五〇時間程度とする。)とすることができる。

六 訓練人員

委託訓練を行う一単位の訓練生数は、概ね一〇人とする。ただし、配置転換予定者、出向予定者若しくは離職予定者又は高齢期就業準備制度利用者の発生状況及び地域労働市場の動向等によって弾力的に取り扱うものとし、一人を単位とすることができる。

七 訓練担当者

訓練担当者は、職業訓練指導員免許を有する者、職業能力開発促進法(昭和四四年法律第六四号)第三〇条の二第二項に該当するものと認められる者等とする。

八 準用

訓練形態、施設等との契約、速成訓練の受講者の取扱い、関係機関との協議、安全衛生並びに訓練計画の策定及び協議については、それぞれ昭和六〇年一二月二三日付け能発第二八七号通達「速成訓練実施要領の改正について」別添「速成訓練実施要領」の六、七、一一、一二、一三及び一五に準じて扱うものとする。

九 その他の事項

本要領における船員に関する適用は次のとおりとする。

本要領中の「特定不況業種等在職者及び高齢期就業準備制度利用者」には、船員職業安定法(昭和二三年法律第一三〇号)第六条第一項に規定する船員は含まないこと。

 

別添四

地域雇用能力開発事業実施要領

地域雇用能力開発事業は、この要領の定めるところにより実施するものとする。

一 目的

地域雇用開発等促進法(昭和六二年法律第二三号。以下「地域法」という。)に基づき指定された特定雇用機会増大促進地域において、雇用促進事業団の雇用促進センターは連携して、以下の地域雇用能力開発事業を実施し、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法(昭和五八年法律第三九号)第二条第一項第三号に規定する特定不況業種事業主若しくは同項第四号に規定する特定雇用調整業種事業主又は同項第六号に規定する特例事業所の事業主(以下「対象業種等事業主」という。)に雇用される者(以下「特定不況業種等在職者」という。)の円滑な産業間、企業間等の移動並びに地域法第二条第一項第九号に規定する特定雇用機会増大促進地域離職者(以下「特定雇用機会増大促進地域離職者」という。)の再就職の促進を図るものとする。

二 事業の内容

(一) 対象業種等事業主及び特定雇用機会増大促進地域離職者に対する職業訓練に係る情報提供及び相談の実施

(二) 雇用調整を実施する対象業種等事業主に係る情報収集

(三) 訓練委託先事業所の開拓

(四) 雇用調整を実施する対象業種等事業主及び関係機関に対し、出向先、再就職あっせん事業所に係る情報の提供

(五) 当該事業を実施する地域における就職支援能力開発事業の推進気運の醸成

三 事業の実施地域

産業構造の変化等に伴い雇用の状況が著しく悪化しているか、又は雇用機会が不足している地域で地域法上指定された雇用機会増大促進地域のうち悪化するおそれがあると認められた地域であって、地域法に基づき、特定雇用機会増大促進地域として指定された地域とする。

四 事業の実施主体

実施主体は、特定雇用機会増大促進地域ごとに平成八年五月一一日付け職発第三一九―二号・能発第一三六号「就職支援能力開発事業の実施とその活用等について」の別表に指定する雇用促進センターとする。

五 事業の実施体制及び方法

(一) 地域雇用能力開発協議会の開催

特定雇用機会増大促進地域ごとに就職支援能力開発事業の推進及び気運の醸成等を図るため、地域雇用能力開発協議会(以下「開発協議会」という。)を開催する。

イ 構成員

特定雇用機会増大促進地域の事業主団体、地元市町村、公共職業安定所(以下「安定所」という。)、雇用促進センター又は職業能力開発促進センター、都道府県立職業能力開発校、専修学校・各種学校及び財団法人産業雇用安定センター(以下「産業雇用安定センター」という。)を構成員とする。

ロ 協議等の内容

(イ) 地域産業の実情、雇用調整の現状、能力開発の現状、労働者の産業間・企業間労働移動の状況等を考慮した地域における能力開発等の目標、施策の方向となるべき事項等に関する意見交換等を行い関係者の理解と連携を図る。

(ロ) 就職支援能力開発事業の実施に関して必要な情報・資料の提供、広報等により機運の醸成を図る。

(二) 雇用能力開発室の設置・運営

本事業を実施するため、上記四の雇用促進センターの出先機関として雇用能力開発室を特定雇用機会増大促進地域に設置する。

イ 職員

雇用能力開発室に、必要に応じ臨時職員、職業相談員、訓練相談員を置くことができること。

ロ 業務

雇用能力開発室は、以下の業務を実施するものとする。

(イ) 要訓練対象者の把握登録

安定所との連携の下に、特定雇用機会増大促進地域内の特定不況業種等在職者であって当該事業主が公共職業安定所長に提出し、その認定を受けた雇用維持等計画(以下「雇用維持等計画」という。)又は失業の予防のための措置に関する計画(以下「失業予防計画」という。)において「配置転換等」、「在籍出向等」及び「離職を余儀なくされる者」として位置づけられた者並びに特定雇用機会増大促進地域離職者(雇用保険受給資格者であるものに限る。)のうち、職業訓練を受講することが必要と認められる者を要訓練対象者として把握、登録すること。

(ロ) 個人別能力開発プログラムの作成等の援助

上記(イ)より登録された者に対して職業訓練に係る情報の提供、適性検査、職業相談等を行い、その結果等に基づき個人別の能力開発プログラムを作成するとともに次の受入れ先事業所の開拓等の援助を行うこと。

(ハ) 受入れ先事業所の開拓及び当該情報の提供

受入れ先事業所等求人情報を、安定所及び産業雇用安定センターと連絡をとりつつ常時把握し、要訓練対象者として登録された者を受け入れる事業所の開拓を行い、受け入れる事業所を確認した場合は、直ちにその情報を対象業種等事業主に提供すること。

なお、この場合、安定所又は産業雇用安定センターから得た情報に係るものは、それぞれ当該機関に連絡しその対応を協議すること。

(ニ) 受入れ先事業所への指導・助言

雇用維持等計画又は失業予防計画の認定を受けた対象業種等事業主から出向・再就職あっせん者を受け入れる事業主であって、当該労働者に対し、新しい業務に適応するための訓練を行った事業主に対しては、出向・再就職あっせん後の教育訓練に係る労働移動能力開発助成金として教育訓練期間中当該労働者の賃金及び訓練費用の三分の二(中小企業にあっては四分の三)に相当する額が支給されることとなっており、この助成金の活用も含め、当該受入れ事業所に対して効果的な職業訓練の実施について指導及び助言に当たること。

(ホ) 安定所等との連携

本業務に係る訓練の対象者の把握・登録及び相談等の実施、受入れ先事業所等の求人情報の収集に当たっては、安定所又は産業雇用安定センターと密接な連絡をとること。

また、訓練終了後においても受入れ先事業所が決定しない対象者についても引き続き地域全般の労働力需給に責任をもっている安定所と密接な連携の下に早期再就職の促進のための必要な援助に努めること。

(ヘ) 開発協議会の庶務

上記(一)の開発協議会の開催通知、会場設営、資料作成等庶務的事項について担当すること。

(ト) その他雇用促進センターの長が定める業務

上記業務のほか、雇用調整を実施する対象業種等事業主に係る情報の収集等、地域の実情により関係機関との連携及び関係機関への援助のため実施することが必要な事項について雇用促進センターの長が定める業務を実施すること。

六 その他の事項

本要領における船員等に関する適用は次のとおりとする。

(一) 在職者関係

前記五の(二)のロの(イ)中の「特定不況業種等在職者」には、船員職業安定法(昭和二三年法律第一三〇号)第六条第一項に規定する船員(以下「船員」という。)は含まないこと。

(二) 離職者関係

前記五の(二)のロの(イ)中の「特定雇用機会増大促進地域離職者」には、船員になろうとする者は含まないこと。この場合同項中の「雇用保険受給資格者」は、「船員保険失業保険金受給資格者であって船員になろうとする者以外の者」と読み替えること。