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通達:公共職業訓練施設及び職業訓練大学校の行う無料職業紹介事業関係業務の取扱いについて

 

公共職業訓練施設及び職業訓練大学校の行う無料職業紹介事業関係業務の取扱いについて

昭和61年7月1日能発第163号

(各都道府県知事、雇用促進事業団理事長、身体障害者雇用促進協会会長あ労働省職業能力開発局長通達て)

 

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(昭和六○年法律第八九号)が本年七月一日から施行され、同法による改正後の職業安定法(昭和二二年法律第一四号)第三三条の二の規定に基づき、同日以降、職業能力開発促進法(昭和四四年法律第六四号)第一五条第二項各号に掲げる施設(以下「公共職業訓練施設」という。)及び同法第二七条の職業訓練大学校の長が労働大臣に届け出ることにより、無料職業紹介事業を行うことができることとされた。

この趣旨は、公共職業訓練施設及び職業訓練大学校(以下「職業訓練施設等」という。)の長が、その実施する職業訓練(向上訓練を除く。以下同じ。)を受ける者及び修了した者(以下「訓練生等」という。)を対象とした無料職業紹介事業を行うことによつて、訓練生等の資質・能力に応じた就職の促進を容易にするとともに、求人開拓等事業主との接触を通して、事業主の職業訓練ニーズを直接把握でき、そのニーズに応じた職業訓練の推進を図る上で効果的であるとの考え方から、従来、労働大臣の許可が必要であつた無料職業紹介事業の実施について届出で足りることとされたものである。また、職業能力開発促進法においても、既にこのような考え方に基づき昭和六○年の改正により、同法第二三条第三項において、公共職業訓練施設の長は訓練を受ける求職者の就職の援助に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない旨の規定を設けたところである。

このため、今般、無料職業紹介事業を行う職業訓練施設等の長が当該事業に関し適正な運営を図りうるよう、「公共職業訓練施設及び職業訓練大学校の行う無料職業紹介事業関係業務取扱要領」を別紙のとおり定めたので、左記にご留意の上関係者に十分周知し、業務の適正かつ円滑な運営に特段のご配意をお願いする。

なお、本取扱いについては、職業安定局と合議済みであるので、念のため申し添える。

 

一 職業訓練施設等の長は、そのすべてが職業紹介を円滑に進めるための事務処理体制等を整備し、積極的に無料職業紹介事業に取組むものであるが、事務処理体制等が十分でない職業訓練施設等があることにかんがみ、当面次の方針により、計画的・段階的に無料職業紹介事業に取組むものとする。

(一) 職業訓練大学校及び職業訓練短期大学校の長は、すみやかに労働大臣に届け出て無料職業紹介事業を実施するものとする。

(二) その他の職業訓練施設等の長は事務処理体制等が整備されているものから実施するものとする。

二 職業訓練施設等の長は、無料職業紹介事業の届出に際し、その地域の労働市場全体の労働力需給の円滑な調整を図る観点、及び均等待遇の原則から、その実施する職業訓練の種類や課程によりその取り扱うべき職業紹介の範囲を限定しないものとする。

三 職業訓練施設等の長は、職業紹介を行う場合において特に次の点に留意して運営に努めるものとする。

(一) 訓練生等の職業紹介を行う場合には、訓練生等の訓練状況等を観察の上、職業訓練により習得した知識・技能が真に生かされる職業を紹介するよう努めるものとする。

また、求人受理に当たつては、真に求められる技能の内容を正確に把握し、そのニーズに適合した訓練の実施に努めるものとする。

(二) 職業能力開発推進者が選任され、生涯職業能力開発のための体制の確立した企業等への就職が望ましいので、求人受理の際に職業能力開発推進者が選任されていない企業に対しては、その選任を行うよう助言指導するものとする。

(三) 職業訓練施設等又は公共職業安定所(以下「安定所」という。)の紹介によらないで就職を希望する訓練生等については、その求職方法、雇用条件を把握検討し、適切な職業選択を行つていると認め難いものについては、極力、職業訓練施設等又は安定所の紹介により就職するよう指導するものとする。

(四) 養成訓練の訓練生等の職業紹介に当たつては、その大部分が少年期から青年期への成長過程にあること、職業について未経験であること等から、これらの者が適格な職業選択を行いうるよう安定所の協力を得て事前に職業講話を行うほか、きめ細かい職業相談を行うものとする。

四 無料職業紹介事業を行う職業訓練施設等の長は、地域全般の労働力需給調整に責任をもつ職業安定機関との密接な連携の下に、公的な職業紹介機関として訓練生等の職業紹介の適正かつ円滑な推進が図られるよう努めるものとする。

五 無料職業紹介事業の届出の手続きは、別添職業安定局長通達(昭和六一年六月九日付職発第三五四号)の別添「学校等の行う無料職業紹介事業関係取扱要領」の「第一、学校等が無料職業紹介事業を行う場合の手続き」に定めるところにより行うものとする。

六 無料職業紹介事業を行わない職業訓練施設等における職業訓練を受ける求職者等の就職の援助については、従来通りとする。

 

別紙

公共職業訓練施設及び職業訓練大学校の行う無料職業紹介事業関係業務取扱要領

職業安定法第三三条の二の規定に基づき、無料職業紹介事業を行う旨労働大臣に届け出た職業能力開発促進法第一五条第二項各号に掲げる施設(職業訓練校、職業訓練短期大学校、技能開発センター、身体障害者職業訓練校)及び同法第二七条の職業訓練大学校(以下「職業訓練施設等」という。)の長は、この要領の定めるところにより無料職業紹介事業を行うものとする。

第一 取扱対象者

この要領に示す無料職業紹介事業の取扱対象者は、職業訓練施設等が実施する職業訓練(向上訓練を除く。以下同じ。)を受ける者又は当該職業訓練を修了した者(以下「訓練生等」という。)とする。

第二 職業紹介体制の確立

職業能力開発主管課及び職業訓練施設等(以下「職業能力開発機関」という。)は、労働市場における一般的な情報及び具体的求人情報を整備するほか、次により職業訓練施設等における求人・求職の受理、職業相談、あつ旋等の無料職業紹介事業に関する一連の業務を円滑かつ適正に実施するため責任ある体制を確立するものとする。

一 職業訓練施設等における体制の確立

(一) 就職対策委員会の設置

職業訓練施設等の長は、原則として職業紹介業務を行う者(以下「職業紹介業務担当者」という。)として訓練科毎に一名及びそれらを統括する者を施設の職員の中から定めるとともに、職業紹介業務担当者等で構成される「就職対策委員会」を設置し、訓練生等全体に係る求職動向並びに労働市場における求人動向を踏まえた組織的、計画的な職業紹介業務を推進する体制を確立するものとする。

(二) 業務運営計画の策定

「就職対策委員会」は、職業紹介事業に係る年間業務運営計画を策定するほか、職業紹介業務担当者が相互に連携しつつ的確かつ効率的な職業紹介業務を行うため、求人・求職動向の情報交換、求人充足計画の策定、就職あつ旋計画の策定、公共職業安定所(以下「安定所」という。)との連携その他職業紹介に関する事項の協議等を行うものとする。

年間業務運営計画は、企業が安定所に提出する採用計画書等を勘案の上、業務運営上の基本方針、具体的実施方法、実施時期、職業紹介業務担当者相互の連携体制等について定めるものとする。

二 職業安定機関との連携

(一) 連絡協議会の設置

都道府県職業能力開発主管課は、職業能力開発機関と職業安定主管課及び安定所(以下「職業安定機関」という。)との間で「連絡協議会」を設置する等職業安定機関との連携体制を確立するよう努め、訓練生等の職業紹介に関する情報の交換、協議及び連絡調整を行うものとする。

(二) 安定所との打合せ会

職業訓練施設等の長は、当該職業訓練施設等を管轄区域にもつ安定所(以下「管轄安定所」という。)の長と定期的に打合せ会を開催し、必要な情報の交換を行うほか地域における労働力需給の円滑な調整を図る見地から、求人充足計画、就職あつ旋計画の策定等について協議を行うものとする。

第三 職業紹介の基本原則

職業訓練施設等の長が行う無料職業紹介事業は、職業安定法(以下「法」という。)及び雇用対策法、並びに法に基づく命令及び通達に従つて行われなければならない(法第三三条の二、第三四条)。

職業訓練施設等の長が行う無料職業紹介事業の運営に関する基本となるべき事項及び事業を行う職業訓練施設等の長、職業紹介業務担当者が留意すべき事項の主たるものは、次のとおりである。

一 求人受理の原則

職業訓練施設等の長が無料職業紹介事業を行う場合は、原則としていかなる求人の申込みも受理しなければならない。

ただし、求人の申込みの内容が法令に違反するとき、又はその申込み内容である賃金、労働時間その他の労働条件が通常の労働条件と比べて著しく不適当であると認めるときは、その申込みを受理しなくてもよいものである。

なお、求人の申込みを受理しない場合においては、その申込みの内容が法令に違反しているときはその法令を指摘し、著しく不適当であると認めるときはその理由を説明しなければならない(法第一六条、職業安定法施行規則(以下「規則」という。)第一二条第五項)。

求人の受理に当たつては求人者に対し、その求人数、労働条件その他の求人の条件について指導することができる。

指導すべき主な事項は次のとおりである。

(一) 法令違反等に係る指導

イ 労働時間が休憩時間を除き一日について八時間、一週間について四八時間を超えるものである場合(労働基準法第三二~三六条)。

ロ 危険、有害な業務、坑内の労働又は深夜業に就かせるために年少者(満一八歳に満たない者)又は女子を雇い入れようとする場合(労働基準法第六一条、第六二条、第六三条、第六四条の二、第六四条の三、第六四条の四、児童福祉法第三四条)。

ハ 危険な業務(クレーン運転、ボイラーの取扱い、金属の溶接等)に経験又は必要な資格、技能を有しない労働者を雇い入れようとする場合(労働安全衛生法第六一条、同法施行令第二○条)。

ニ 最低賃金の適用を受ける労働者に対して支払われる賃金額がその最低賃金額未満である場合(最低賃金法第五条)。

ホ 正当な理由がないにもかかわらず、身体障害者でないことを条件とする場合(身体障害者雇用促進法第三条の二)。

ヘ 雇用保険、労災保険等の適用対象事業所であつて、必要な手続きをとつていない場合(雇用保険法第五条、労働者災害補償保険法第三条)。

(二) 労働条件等に係る指導

イ 賃金、労働時間その他の労働条件が当該地域における通常の労働条件と比べて著しく低い場合は、求人者に対し当該労働条件の向上について助言指導を行う。

ロ 身体的条件、技能等について、求人者が希望する条件と就労に必要と認められる条件との間に開きのある場合は、職務の有する必要条件を総合的に判断した上、最も適合する者を紹介あつ旋するものであることについて十分説明し、その理解を求め、当該条件の緩和について助言指導を行う。

(三) 男女の均等な雇用機会の確保に係る助言指導

男女求職者の均等な雇用機会の確保の観点から、求人者に対し、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律及び同法に基づく指針の周知を図り、その趣旨に沿つた求人申込みが行われるよう、必要な場合には、求人条件の緩和等について助言指導を行う。

(四) 選考方法等についての助言指導

求人者が行う選考の方法が不適切な場合、又は選考のために必要としている書類が適正を欠く場合等、就職の機会均等が損われるおそれがある場合は、求人者に対し選考の適否が適格な労働者の確保に影響するものであることを説明し、その是正について助言指導を行う。

二 求職受理の原則

職業訓練施設等の長が無料職業紹介事業を行う場合は、原則として、訓練生等からのいかなる求職の申込みについてもこれを受理しなければならない。

ただし、求職の申込みの内容が法令に違反するときは、その申込みを受理しなくてもよいものである。なお、求職の申込みを受理しない場合においては、その理由を求職の申込みをしようとした訓練生等に説明しなければならない(法第一七条、規則第一三条第二項)。

求職の受理に当たり必要があると認めるときは、求職者に対して、その就職先、労働条件、就職地その他求職の条件について指導することができる。

指導すべき主な事項は次のとおりである。

イ 求職申込みの内容が、法令に違反する場合又は公共の福祉に反する場合には、求職者にその旨を説明して申込みの内容を変更するよう助言指導するほか、その求職者の能力に最も適合する職業に就くよう適切な助言を行う。

ロ 法令に違反する事例としては次のようなものがあるが、このほかその他の法令に違反する場合もあるので、それぞれ適切な助言指導を行う。

(イ) 必要な技能、経験を有しない求職者が、危険な業務に就職を希望している場合(労働安全衛生法第六一条)。

(ロ) 女子又は年少者が就業を制限されている危険な業務、坑内の労働又は深夜業に就業を希望している場合(労働基準法第六三条、第六四条、児童福祉法第三四条)。

ハ 求職者がこれらの助言指導にどうしても応じないときは、その理由を説明して、求職の受理をしないことができる(法第一七条、規則第一三条第二項)。

三 労働条件明示の原則

職業紹介に当たり、労働条件を明示することは、労働者を保護する上からも、就職後における紛争を避ける上からも、労働者が職場に適応してその能力を有効に発揮するためにも必要なことであり、また、求人者が最も適格な労働者を得るためにも必要なことである。

このため、職業紹介を行うに当たり、求職者に対し、その従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない(法第一八条、規則第一四条)。

四 適格紹介の原則

職業紹介は、人と職業との結合という観点に立つて、求職者に対してその能力に適合する職業を紹介するとともに、求人者に対してその雇用条件に適合する求職者を紹介するよう努めなければならない(法第一九条)。

五 中立の原則

公正な労働関係の維持を図るために、労使に対して中立の立場を維持しなければならない。なかでも労働争議は職業紹介によつて大きな影響を受ける場合が多く、労働争議の場合に求職者を紹介することは労働争議そのものを無意味にするか、又は一方を援助することになるので、労働争議の自主的解決を妨げるような求人申込みに対して求職者を紹介してはならない(法第二○条)。

六 自由の原則

職業紹介は、求職者には職業選択の自由が、求人者には雇入れの自由がそれぞれ保障されているものである。したがつて、求職者は紹介された職業に就くことを強制されるものではなく、求人者も紹介された求職者を雇い入れることを強制されるものではない(法第二条、規則第三条第三項)。

七 均等待遇の原則

人と職業との結合は、その労働能力に基づいて行われるべきものである。したがつて、職業紹介は求職者又は求人者に対して労働能力以外の理由、すなわち、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由としてその取扱いを差別してはならない(法第三条)。

八 秘密の厳守

職業紹介に関して、労働者、雇用主その他の者から知り得た労働者又は雇用主の個人的な情報はすべて秘密とし、これを他に洩らしてはならない(法第五一条)。

この秘密厳守については、職業紹介事業を行う者及びその事業に従事する者は、職業紹介に関し知り得た求職者又は雇用主の個人的な情報を洩らすことのないよう留意しなければならない。

したがつて、職業紹介に関する記録(求人票、求職票等)又は知り得た事項については、職業訓練施設等の長若しくはその事業に従事する者又は法を施行する業務に従事する職員以外の者に対しては、それが求人者、求職者であつてもこれを見せたり、あるいは第三者に洩らしてはならないものであつて、この秘密事項を開示しなければならない事情が発生したときは、その都度、職業訓練施設等の長は管轄安定所長及び都道府県知事を通じて労働省職業安定局長の指示を受けなければならない。

第四 職業能力開発機関として職業紹介を実施するに当たつての留意事項

一 訓練対象者別の職業紹介業務重点事項

職業訓練施設等の長は、次のような点に重点を置いて職業紹介を行うものとする。

(一) 養成訓練に係る訓練生等に対する職業紹介

養成訓練は、職業に必要な基礎的な知識、技能を習得させることを目的とし、その訓練対象者は新規学校卒業者等の若年齢者が主体であり、職業について未経験であること等から、これらの者に対しては、安定所の協力を得て職業講話を行うほか、職業人としての自覚を確立させるための指導を積極的に実施するとともに、適格な職業選択ができるよう職業指導をした上で、職業紹介に努めるものとする。

(二) 能力再開発訓練に係る訓練生等に対する職業紹介

能力再開発訓練は、職業生活の中途において職業の転換を図るため、職業の転換に必要な知識、技能を習得させることを目的とし、その訓練対象者は、中高年齢失業者等、駐留軍関係離職者、炭鉱離職者、その他産業構造の変化に伴う離職者等特別な援護を必要とする者が中心であることから、これら訓練生等に対しては、早期に、かつ、積極的に求人の確保を図ること等により就職の促進に努めるものとする。

(三) 指導員訓練に係る訓練生等に対する職業紹介

指導員訓練は、長期課程、短期課程及び研修課程があるが、短期課程及び研修課程は、入校生のほとんどすべてが在職者であることから、長期課程に重点を置いた職業紹介を行うものとする。長期課程の指導員訓練は、高等学校卒業生を対象に将来準則訓練において訓練を担当する者(以下「職業訓練指導員」という。)になろうとする者の養成を目的として実施されており、職業紹介を行うに際しては、職業訓練指導員としての就職に重点を置くものとする。しかしながら民間企業への就職を希望する者については、一般大学卒業予定者に対する職業紹介と同様に取扱うよう十分留意し、適正な職業紹介が行われるよう業務の推進に努めるものとする。

なお、短期課程の指導員訓練の対象者の多くは在職者であるが、就職希望者に対しては職業訓練指導員としての就職に重点を置いた職業紹介に努めるものとする。

(四) 受講指示等に係る訓練生等に対する職業紹介

雇用保険受給者等安定所長の指示又は推薦に基づき職業訓練を受ける者については、安定所が主体になつて職業紹介に努めることとされているが、職業訓練施設等においても安定所における事前の職業相談内容等を踏まえて、安定所と連携しつつ積極的に職業紹介に努めるものとする。この場合雇用関係の各種手当等の中には、安定所の紹介を支給の要件としている場合があるので、留意するものとする。

また、広域求職希望者についても、安定所の広域職業紹介制度を活用する等、安定所との連携・協力を図るものとする。

なお、障害者である訓練生等の職業紹介に当たつては、本人の身体能力等と求人における職務の知的身体的要件とを十分照合して行うものとするが、併せて障害者については安定所が求職登録制度により、就職前の職業指導から就職後の職場適応指導に至るまできめ細かな指導を行うこととされていることを訓練生等に周知するものとする。

二 求人・求職動向の把握及び求人の確保

職業訓練施設等の長は、次のような点に留意して求人・求職動向を把握及び求人の確保に努めるものとする。

(一) 求人動向の把握

安定所長の協力を得て企業が安定所に提出する採用計画書等により、企業における訓練生等の採用予定数の把握に努めるものとする。

(二) 求職動向の把握

職業紹介に先立ち、訓練生等に対する職業相談を行い、就職希望職種(適職)、就職希望地、待遇等求職に関する希望及び条件等を把握するとともに、求人の確保に資するため、これらの情報を管轄安定所に提供するものとする。

なお、養成訓練の訓練生等の職業相談に当たつては、これらの者に係る職業訓練に関する記録(訓練指導要録等)その他必要な資料を参考にするほか、必要に応じ父兄の同席を求め、その意見等を十分聴取する等により最も本人に適した職業の選択ができるよう配慮するものとする。

(三) 求人の確保

(一)、(二)により把握した求人・求職動向に基づき、求人充足及び求職者の就職見込みについて検討し、その結果積極的に求人を確保する必要がある場合は、事業主又は事業主の団体等に対し訓練生等の求職動向に関する情報を提供するとともに、当該職業訓練施設等に対する求人の勧奨、及び個々の事業主に対する具体的な求人開拓等により求人の確保に努めるものとする。

三 積極的かつ計画的な職業紹介

職業訓練施設等の長は、次のような点に留意して求人の受理、求人情報提供及び積極的な職業紹介を行うものとする。

(一) 求人内容の確認

訓練生等を対象とする求人の受理に当たつては、これらの者が習得した知識及び技能を十分に発揮できるか否か、また、これを適正に評価しているか等の観点から求人条件を詳細に確認するとともに訓練生等の受入れにふさわしい求人確保の観点から、必要に応じその整備充実について求人者を助言指導するものとする。

(二) 訓練生等への適切な情報提供

訓練生等がより適格な職業選択ができるよう、地域の求人の状況等雇用情報を整備し、適切な提供に努めるものとする。

(三) 計画的な職業紹介

受理した求人・求職については、職業紹介上措置すべき事項(求人探索による紹介、求人展示、求人者への求職情報の送付、管理選考等)を盛り込んだ充足計画、就職あつ旋計画を策定する等により、積極的かつ計画的な職業紹介を行い、求人・求職の結合の促進に努めるものとする。

(四) 求職・求人条件の緩和指導等

求職者に適合する求人が受理した求人の中にない場合は必要に応じ訓練生等に対して、就職地域の拡大等求職条件の緩和指導を、また求人者に対しては求人条件の緩和指導を行うとともに、求人開拓を行い、求人の確保に努めるものとする。

第五 その他

一 職業紹介に使用する帳票の種類及び様式

無料の職業紹介事業を行う職業訓練施設等の長は、常時、次の帳票を備え付けるとともに職業紹介に当たつてはこれらの帳票を使用し、当該業務について記録、整備するものとする。

(一) 求職票

安定所で使用する求職票に準じたもの、又は下記の事項の含まれた任意の様式のいずれかのうち、職業訓練施設等の管轄安定所長が適当と認めるものであること。

○ 求職票に含むべき事項

受付年月日、求職者の氏名、生年月日、性別、現住所、訓練科目、職業相談状況、資格、就職希望の条件(職種、賃金、就業地、雇用形態、就業時間)、紹介・就職状況

(二) 求人票

安定所で使用する求人票に準じたもの、又は下記の事項が含まれた任意の様式のいずれかのうち、職業訓練施設等の管轄安定所長が適当と認めるものであること。

○ 求人票に含むべき事項

受付年月日、求人者名及び所在地、代表者名、採用事務担当者の役職・氏名、事業内容等事業所の概要、求人数、求人の条件(職種、仕事の内容、賃金、就業場所、雇用形態、就業時間、休日、福利厚生)、応募資格、応募書類、応募受付期間、選考方法、選考日時・場所

(三) 紹介状

安定所で使用する紹介状に準じたもの、又は下記の事項が含まれた任意の様式のいずれかのうち、職業訓練施設等の管轄安定所長が適当と認めるものであること。

○ 紹介状に含むべき事項

紹介年月日、求人者氏名、求職者氏名、職種、無料職業紹介を行う職業訓練施設等名・印

二 届出の報告

職業訓練施設等の長は、管轄安定所長に無料職業紹介事業の開始又は廃止の届出をした場合は、職業訓練大学校、職業訓練短期大学校においては、雇用促進事業団職業訓練部長を通じて、その他の職業訓練施設等においては、都道府県職業能力開発主管部(局)長を通じて労働省職業能力開発局管理課長あて報告するものとする。