img1 img1 img1

◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー  

通達:職業訓練受講生の確保及び訓練修了生の就職あつせんについて

 

職業訓練受講生の確保及び訓練修了生の就職あつせんについて

昭和44年11月13日訓発第284号

(各都道府県知事あて労働省職業訓練局長通達)

 

最近における技能労働者不足の深刻化、技術革新の進展に伴う技能労働の質的変化等により、労働者の職業に必要な能力を開発及び向上させ、職業人として有為な労働者を養成する職業訓練の果すべき役割りは、ますます重要なものとなつてきている。

このような情勢に対処するため、労働省においては、いわゆる「腕と頭」を兼ね備え、技術革新に対応できる新しいタイプの技能労働省の養成を図ることとし、先般職業訓練法の全面改正を行なつたところである。職業安定機関においては、これと相まつて職業訓練の推進とくに訓練性の確保及び訓練修了生の就職あつせん等について、計画的かつ積極的に実施することとして、さきに新規学校卒業者の職業紹介業務取扱要領(職業安定行政手引四―三)、昭和四四年四月一日付け職発第一七四号「公共職業訓練修了者の職業紹介について」及び昭和四四年五月二〇日付け職発第二六八号「身体障害者の職業紹介」(職業安定行政手引四―四)がそれぞれ定められたところである。

職業訓練機関においても、これが積極的推進を図るため、別紙「職業訓練の受講促進及び訓練修了生の就職あつせん等の取扱い」を定めたので、関係者に十分周知し、業務の円滑な運営に特段の御配意をお願いする。

なお、本取扱いについては、職業安定局と合議済であるので念のため申し添える。

おつて、昭和三八年六月二一日付け管発第三八号「職業訓練所入所あつせん及び訓練修了生の就職あつせんについて」は廃止する。

 

職業訓練の受講促進及び訓練修了生の就職あつせん等の取扱い

目次

第一 公共職業訓練施設の行なう職業訓練に関する取扱い

 一 業務反省検討会の実施

 二 業務取扱計画の策定

 三 募集

  (一) 養成訓練生の募集

   イ 広報資料の作成等

   ロ 職業訓練校見学の実施

   ハ 学校に対する情報提供等

   ニ 入校希望者に対する指導等

   ホ 応募状況の把握等

   ヘ 選考

  (二) 能力再開発訓練の受講促進

 四 就職のあつせん

  (一) 職業安定主管課との連けい

  (二) 公共職業安定所との打合会の開催

  (三) 職業指導の実施

  (四) 職業講話等の実施

  (五) 就職相談の実施

  (六) 職業相談に対する協力

  (七) 自己就職希望者に対する指導

  (八) 職場適応のための措置

  (九) 求人者に対する指導

  (一〇) 業務の開始時期

 五 就職後の指導

  (一) 養成訓練修了就職者に対する就職後の指導

   イ 「年少就職者相談室」についての周知

   ロ 「働く青少年手帳」の配布等

   ハ 職場不適応者の発生に対する措置

  (二) 能力再開発訓練生に対する就職後の指導

第二 事業主等の行なう職業訓練生の確保について

 一 事業主等に対する指導

 二 職業安定機関に対する協力

別紙

 

職業訓練の受講促進及び訓練修了生の就職あつせん等の取扱い

第一 公共職業訓練施設の行なう職業訓練に関する取扱い

一 業務反省検討会の実施

専修職業訓練校、高等職業訓練校及び身体障害者職業訓練校(以下「訓練校」という。)は、関係の公共職業安定所(以下「安定所」という。)と業務反省検討会を開催し、前年度における訓練生の募集及び訓練修了生に対する就職あつせん等の業務についての反省検討を行なうものとする。

二 業務取扱計画の策定

(一) 都道府県職業訓練主管課は、訓練生の募集に関し、当該都道府県内における新規学校卒業者の進路状況、求職者の状況、技能労働力の需要状況その他労働市場の状況等を十分把握し、雇用促進事業団及び職業安定主管課と調整のうえ、訓練校別、訓練科別募集人員、募集地域、募集時期及び募集方法等訓練生募集に関する計画の大綱を策定するものとする。

(二) 訓練校は、上記一の業務反省検討会の結果を参考にしつつ、上記(一)の募集計画大綱に基づき安定所と協議して募集開始日、募集方法及び選考日その他選考方法等訓練生の募集選考に関する具体的計画を策定するものとする。

(三) 訓練修了生の就職あつせんは安定所が行なうものであるが、訓練校は安定所が訓練生の就職あつせん計画を策定するに際し、訓練の実施状況(進捗状況)を十分考慮し、訓練効果の確保に支障をきたさないよう協議すること。

三 募集

能力再開発訓練の受講あつせんについては、安定所が行なうが、養成訓練生の募集は、職業訓練機関が自ら行なうものである。したがつて職業訓練機関は、養成訓練生の募集については、職業安定機関、学校(中学校及び高等学校をいう。以下同じ。)等関係機関との有機的連けいのもとに広報活動を強化し、訓練生の確保(定員の充足)に一層努めるものとする。

また、高等学校進学率の上昇に伴い高等学校卒業者の技能的職種への入職の増加状況を背景として、今後は、高等学校卒業者を対象とした職業訓練が実施されていくことになるが、職業安定機関においても高等学校卒業者に対する職業指導の過程において、技能的職業の社会的意義等についての周知を図るとともに、職業訓練に関する情報の提供等を積極的に推進する方針であるので、訓練校においては、高等学校卒業者に対し中学校卒業者に準じた広報及び募集活動を行ない、訓練生の確保に一層努めるものとする。

(一) 養成訓練生の募集

イ 広報資料の作成等

職業訓練主管課は、訓練生の募集に関する広報資料(募集要項、ポスター、リーフレツト等)を作成し、直接又は訓練校を経由して安定所、学校、市町村及び社会福祉機関等関係機関に配布するものとする。

なお、必要な場合は、訓練校において直接作成及び配布するものとする。

ロ 職業訓練校の見学の実施

訓練校は、必要に応じ学校及び安定所と協議して計画的に教師及び生徒に対する訓練校の公開、見学を実施し、職業訓練についての十分な理解と魅力づけに努めるものとする。

ハ 学校に対する情報提供等

訓練校は、積極的に学校を訪問し、訓練校案内等職業訓練に関するあらゆる広報資料を利用して情報提供及び職業訓練の意義等についての広報に努めるものとする。

ニ 入校希望者に対する指導等

訓練校は、安定所が行なう職業相談に際しては、必要に応じて担当者を派遣し、職業訓練情報の提供、入校希望者に対する応募手続きの指導を行ない、積極的に受講の促進に努めるものとする。

ホ 応募状況の把握等

訓練校は、安定所の協力を得てできる限り早急に応募者の状況を把握し応募者が募集定員に満たないと見込まれる場合は、速やかに追加募集に関する計画の策定等所要の諸手続きを行ない定員の充足に万全を期すること。

ヘ 選考

応募者の入所選考については、当分の間「一般職業訓練所及び総合職業訓練所の訓練生選考基準」(昭和三八年六月三日付け訓発第一〇〇号別紙)により行なうものとする。

(二) 能力再開発訓練の受講促進

能力再開発訓練の受講あつせんについては、昭和四一年七月二一日付け職発第四四四号「職業訓練の受講あつせんについて」により行なわれるものであるが、これらの訓練生の確保については、職業訓練機関は職業安定機関と緊密な連絡をとり、受講の促進に努めるものとする。

四 就職のあつせん

訓練修了生の就職あつせんは、養成訓練、能力再開発訓練を問わず、すべて安定所において行なうものであるが、養成訓練生については、少年期から青年期への成長過程にあること、また能力再開発訓練生については、中高年齢者等で転離職者であること等により、就職のあつせんについては特別な配慮が必要である。このため、職業訓練機関は職業安定機関に協力し、訓練生がその職業能力を十分発揮できる事業所へ就職できるよう努めるものとする。

(一) 職業安定主管課との連けい

職業訓練主管課は、職業安定主管課との連けいを緊密にし、就職あつせんに関する情報の交換、協議及び連絡調整を行なうものとする。

(二) 公共職業安定所との打合せ会の開催

訓練校は、安定所と定期的に打合せ会を開催し、必要な情報の交換を行なうほか、職業紹介の手順、時期等就職あつせんに必要な具体的取扱いについて協議するものとする。

(三) 職業指導の実施

訓練校は、訓練生に対し安定所から提供された労働市場の状況、求人地域の生活環境その他必要な情報資料を活用し、職業指導を行なうものとする。

(四) 職業講話等の実施

訓練校は、安定所のおこなう職業講話のほか訓練生に対し職業人としての心がまえ等に関する指導を積極的に実施するものとする。

(五) 就職相談の実施

訓練校は、安定所の行なう職業相談に先立ち、上記(三)及び(四)の職業指導結果等に基づき、訓練生に対する就職相談を実施し、就職希望職種(適職)、就職希望地、待遇等求職に関する希望及び条件等をあらかじめ把握しておくものとする。

(六) 職業相談に対する協力

訓練校は、安定所の行なう職業相談に対し担当者を同席させ、また養成訓練生の場合には可能な限り父兄の同席を求め訓練生の求職条件、父兄の意見等を十分聴取するほか、訓練校の意見及び職業訓練に関する記録(訓練生指導要録等)その他必要な資料を安定所に提供し、安定所が訓練生に最も適した職場への就職あつせんを行なうことができるよう積極的に協力するものとする。

(七) 自己就職希望者に対する指導

訓練校は、安定所の紹介によらないで就職希望する者を把握するとともに、その希望理由、雇用条件等を検討し、適切な選職を行なつていると認め難いものについては、極力安定所の紹介により就職するよう指導するものとする。

(八) 職場適応のための措置

訓練校は、職場適応上特に配慮を必要とする訓練生については、その状況を安定所に通知し、就職先決定に際し、特別な配慮を行なうよう協力を求めるものとする。

(九) 求人者に対する指導

求人はすべて安定所において受理するものである。

したがつて、求人者が直接訓練校に求人申込みを行なおうとする場合は、求人事業所を管轄する安定所へ求人申込みを行なうよう指導するものとする。

また、求人者が事業所情報提供のため行なう訓練校訪問については、関係安定所と十分連絡し、訓練校における職業訓練の運営に支障をきたさない範囲(時期及び時間)で計画的に行なうものとする。

なお、事業所に関する情報については訓練生に対する職業指導上必要な事項を的確に聴取、把握するよう努めるものとする。

(一〇) 業務の開始時期

安定所における訓練生の就職あつせんについて、その開始時期はおおむね次のとおりであるが、その具体的日程は、関係安定所と協議して決定するものとする。

イ 求人受理の開始 訓練修了前 六カ月より

ロ 職業相談の開始 訓練修了前 六カ月より

ハ 求人一覧表の掲示 訓練修了前 五カ月より

ニ 紹介(選考)の開始 訓練修了前 三~四カ月より

五 就職後の指導

訓練生の就職後の指導については、安易にしかも早期に離転職する傾向が見受けられる若年層及び身体的に欠陥あるいは一般社会の生活慣習に対する理解の不足などから職場生活に対する適応が必ずしも十分でない身体障害者を中心に、積極的にこれを推進する必要性が高まつている。

このため、職業訓練機関においても養成訓練修了就職者については、職業安定機関と情報交換を行なう等積極的な協力体制を確立し、職場適応に努めるものとする。

(一) 養成訓練修了就職者に対する就職後の指導

イ 「年少就職者相談室」についての周知

訓練校は、訓練生に対し安定所に設置されている「年少就職者相談室」についてその設置場所、業務内容、利用方法等についての指導を行なうものとする。

ロ 「働く青少年手帳」の配布等

訓練校は、安定所より送付された「働く青少年手帳」を訓練生に配布し、その内容、利用方法等についての指導を行なうものとする。

ハ 職場不適応者の発生に対する措置

訓練校は、訓練を修了して就職した者について職場不適応の情報を把握した場合には、速やかに安定所に通報し、適切な指導を行なうよう求めるものとする。

(二) 能力再開発訓練生に対する就職後の指導

能力再開発訓練を修了し就職した者の就職後の指導についても、訓練校は、職場適応上問題があることを把握した場合には、安定所に通報し適切な指導を行なうよう求めるものとする。

第二 事業主等の行なう職業訓練生の確保について

職業安定機関においては、新規学校卒業者の職業紹介については、認定職業訓練の実施等組織的、計画的に職業訓練が実施されており、かつ、労務管理体制等が新規学校卒業者を紹介するにふさわしい求人に対して紹介を積極的に推進することとしているので、職業訓練機関においても、その趣旨を十分了知し、認定職業訓練生の確保をはかる立場から各企業に対しとくに年少就職者の受入体制の整備に配意するよう周知を図ることにより、認定職業訓練の一層の発展に努めるものとする。

一 事業主等に対する指導

職業訓練主管課は、事業主等に対し、認定職業訓練を実施している事業所で、新規学校卒業者の職場適応が良好であり新規学校卒業者の将来について労務管理上適切な配慮がなされていること、および、就職者がその職場で十分能力を発揮できるよう適正配置体制が整備されていること等新規学校卒業者を紹介するにふさわしい求人については、職業安定機関において新規学校卒業者の職業紹介上特別な配慮がなされていることについて、その周知徹底に努めるものとする。

二 職業安定機関に対する協力

職業訓練主管課は、職業安定機関が前記の方針により新規学校卒業者の職業紹介を円滑に行なうことを援助するため、「認定職業訓練実施事業所名簿」その他必要な資料を提供するものとする。