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通達:雇用対策法の施行に伴う職業転換訓練の積極的推進について

 

雇用対策法の施行に伴う職業転換訓練の積極的推進について

昭和41年7月21日訓発第139号

(各都道府県知事、雇用促進事業団理事長あて労働省職業訓練局長通達)

 

転職訓練の推進については、かねてより格段の御努力を願つているところであるが、今般、雇用対策法及び関係法令が施行されたことに伴い、従来の転職訓練推進関係諸通達を統合するとともに、所要の改正を行ない新たに「転職訓練推進要領」を別添一のとおり定めたので、御了知の上、本業務の推進について一層の御努力をお願いする。

なお、本通達の施行に伴い昭和三八年四月八日訓発第五四号「転職訓練の拡大強化について」のうち移動訓練に関する部分を除く部分、昭和三八年一〇月一日訓発第二一六号「中高年齢失業者等就職促進訓練の実施について」及び昭和四一年三月一二日訓発第三八号、職発第一三六号「中高年齢失業者等に対する転職訓練の積極的推進について」は廃止し、昭和三八年六月三日訓発第一〇〇号「一般職業訓練所及び総合職業訓練所の訓練生選考基準について」のうち別紙「訓練職種別所要性能基準表」を別添二のとおり改正する。

 

別添一

転職訓練推進要領

目次

一 転職訓練計画の作成

 (一) 地方職業訓練計画の作成

 (二) 計画の修正

 (三) 入所あつせん計画

二 広報活動の強化

 (一) 関係機関との協力

 (二) 広報資料の作成

 (三) 報道機関への資料の提供

 (四) 職業訓練所の公開見学

 (五) 出張相談等の実施

三 訓練の対象者

 (一) 訓練の対象者

四 入所選考

 (一) 入所選考基準

 (二) 入所指示基準

 (三) 職業安定機関との事前協議

五 訓練職種

六 訓練生に対する援護措置

 (一) 訓練手当及び特定職種訓練受講奨励金

 (二) 失業保険金受給資格者に対する措置

 (三) 炭鉱離職者及び駐留軍関係離職者に対する措置

 (四) 訓練移転資金

 (五) 広域求職活動費、移転資金及び帰省旅費

 (六) 援護措置関係業務の担当者

七 職業訓練所の受入れ体制の整備

 (一) 入所機会の増大

 (二) 実技の訓練の重視

 (三) 視聴覚教材の活用等

 (四) 機械、設備等の整備

 (五) 生活指導及び職業指導

 (六) 職業訓練指導員

 (七) 訓練の単位等

 (八) 健康管理及び災害防止

八 就職あつせん

 (一) 職業安定機関への協力

 (二) 修了者名簿への記録

 (三) 事業所の意向の把握

九 その他

 (一) 記録

 (二) 報告

別添一

 

転職訓練推進要領

一 転職訓練計画の作成

(一) 地方職業訓練計画の作成

都道府県は、毎年度末、別途指示されるところにより作成する地方職業訓練計画のうち、転職訓練に関する計画の作成にあたつては、特に次の事項について十分検討を行なうこと。

イ 失業者の発生状況及び地域労働市場の動向

ロ 職業訓練所における訓練職種の改廃の必要性の有無

ハ 職業訓練所に設けられていない職種について訓練を実施する必要の生じた場合にとるべき措置

ニ 等差循環方式の採用等入所を容易にするために講ずべき措置

(二) 計画の修正

イ 年度中途において著しい事情の変化のあつた場合等においては、計画の修正を適切に行なうこと。

ロ 職業転換訓練及び炭鉱離職者特別職業訓練については、所別設定枠にとらわれることなく都道府県全体として各訓練の計画数が達成されるよう実行上措置すること。

(三) 入所あつせん計画

都道府県職業安定主管課においては、別途指示されるところにより、転職訓練計画に対応した入所あつせん計画が作成されるものであること。

二 広報活動の強化

職業訓練機関は、職業安定機関と相互に有機的かつ密接な連携を保ちつつ、転職訓練についての広報活動を積極的に展開すること。この場合、特に次の事項について十分留意すること。

(一) 関係機関の協力

イ 地方雇用対策協議会の協力を得ること。

ロ 必要に応じ、関係機関(都道府県労政主管課及び広報主管課、都道府県労働基準局、市町村、労政事務所、労働基準監督署、経営者団体、労働組合、報道機関等)との連絡会議の開催等その協力を得ること。

(二) 広報資料の作成

ポスター、パンフレツト、リーフレツト等の広報資料を作成すること。また、その内容として、転職訓練好事例集、転職訓練修了者就業実態調査等の内容を積極的に活用すること。

(三) 報道機関への資料の提供

ラジオ、テレビ、新聞、有線放送等の報道機関に対して上記(二)の広報資料その他転職訓練の重要性、職業訓練所の紹介等の資料を積極的に提供し、報道を依頼すること。

(四) 職業訓練所の公開見学

必要に応じ、職業訓練所の一般市民に対する公開見学を実施すること。

(五) 出張相談等の実施

一時に相当数の離職者の発生が予想される事業所がある場合、出かせぎ労務者の常用就職促進のため職業訓練が有効と認められる場合などには、地域の実情に応じ、職業安定機関が実施する事業所への出張相談、巡回相談等に積極的に協力するとともに、事業所及び労働者に対する広報を行なうこと。

三 訓練の対象者

訓練の対象者は、職業転換給付金の支給対象者である次の(一)から(五)までに掲げる求職者並びに特別措置法の対象者である(六)及び(七)に掲げる離職者を最優先して取扱うこと。

なお、以上の者のみに対する訓練によつては、訓練施設に余剰が見込まれる場合には、(八)及び(九)に掲げる者について、その順序に従つて積極的に訓練受講の指導を行なうこと。

(一) 職業安定法第二七条第一項の認定を受けている失業者

(二) 公共職業安定所において緊急失業対策法(昭和二四年法律第八九号)第二条第一項の失業対策事業に紹介される失業者として取り扱われている者

(三) 職業安定法第一九条の二に規定する職業紹介活動により職業のあつせんを受けることが適当であると公共職業安定所により認定された者

(四) 激甚な災害を受けた地域において就業していた者であつて当該災害により離職を余儀なくされたもの

(五) 不況産業に属する事業の事業所に雇用されていた者であつて当該産業の不況に伴い離職を余儀なくされたもの

(六) 駐留軍関係離職者

(七) 炭鉱離職者等

(八) 年令が原則として三五歳以上の失業保険金受給資格者

(九) 上記(一)から(八)に掲げる者のほか、求職者であつて、かつ、年令が二五歳以上である者及びこれに準ずる者

四 入所選考

(一) 入所選考基準

入所希望者に対する選考については、昭和三八年訓発第一〇〇号「一般職業訓練所及び総合職業訓練所の訓練生選考基準について」によるものであること。

(二) 入所指示基準

入所希望者のうち三(一)から(五)に掲げる者に対する訓練受講の指示は、別途職業安定局長から指示されるところにより公共職業安定所において行なわれるものであり、その際の指示の基準は、別紙一のとおりであること。

(三) 職業安定機関との事前協議

上記(二)に掲げる者については、事前に、公共職業安定所と十分な協議を行ない入所選考基準に合致したものについて訓練受講指示がなされるよう措置すること。

五 訓練職種

入所希望者の訓練職種の決定については、本人の希望、上記四の選考に際し実施された適性検査の結果、訓練修了時に予想される労働市場の状況等を勘案するとともに必要な指導を加えて決定するものとすること。なお、この場合、年令三五歳以上の入所希望者の訓練職種及び訓練期間は、別添二のうちから選定するものとすること。

六 訓練生に対する援護措置

(一) 訓練手当及び特定職種訓練受講奨励金

転職訓練生に対する援護措置のうち、都道府県の支給する職業転換給付金の支給については、訓練手当支給要領(昭和四一年七月二一日婦発第二六九号、職発第四四二号、訓発第一三七号「訓練手当支給要領について」別添)及び特定職種訓練受講奨励金支給要領(昭和四一年七月二一日訓発第一三八号「特定職種訓練受講奨励金支給要領について」別添)により行なわれるものであること。

(二) 失業保険金受給資格者に対する措置

転職訓練生のうち、失業保険金受給資格者に対する失業保険金その他の給付金の支給は、失業保険法(昭和二二年法律第一四六号)その他関係法令通達により、公共職業安定所において行なわれるものであること。

(三) 炭鉱離職者及び駐留軍関係離職者に対する措置

炭鉱離職者臨時措置法(昭和三四年法律第一九九号)に定める炭鉱離職者及び駐留軍関係離職者臨時措置法(昭和三三年法律第一五八号)に定める駐留軍関係離職者であつて職業訓練を受ける者に対する援護措置については、雇用促進事業団において行なわれるものであること。

(四) 訓練移転資金

雇用対策法施行規則(昭和四一年労働省令第二三号)第四条の移転資金は、職業訓練を受けるため住居の移転を必要とする者に対しても支給されるものであり、関係公共職業安定所との連携及び証明関係の事務処理について的確に処理すること。

(五) 広域求職活動費、移転資金及び帰省旅費

雇用対策法施行規則第三条の広域求職活動費、第四条の移転資金及び第六条の帰省旅費は、それぞれの所定の支給基準を満たす転職訓練修了生に対しても支給されるものであり、これらの者に対する公共職業安定所の就職あつせん業務等については、特に密接な連携をもつて協力すること。

(六) 援護措置関係業務の担当者

転職訓練生に対する援護措置が拡大されたこと等に伴い、公共職業安定所との連絡、その他の業務の重要性が増大するので、これらの事務を担当する者を特定しておくこと等の措置をとることが望ましいものであること。

七 職業訓練所の受入れ体制の整備

職業訓練所の受入れ体制の整備については、とくに次の事項に留意し、所定の訓練期間内において所期の訓練効果をあげられるよう指導上の創意工夫に努めるものとすること。

(一) 入所機会の増大

訓練生の入所機会の増大については、地方職業訓練計画において十分配慮するのは当然であるが、所定の入所時期を経過した後に入所希望者があつた場合は、一年訓練のものについては二月、六月訓練のものについては一月の範囲内に限り適性その他から所定期間内に訓練の効果をあげる見込のある者については、積極的に入所せしめること。

(二) 実技の訓練の重視

訓練の内容は、修了後の就職に必要な技能及び適応力を養成することに重点をおき、学科については、実技に直接関連のある知識及び関係法規の知識の訓練とし、実技については職務に必要な中核的作業に重点をおいて訓練を行なうこと。

(三) 視聴覚教材の活用等

転職訓練生の指導に当つては、フイルム、スライド等の視聴覚教材の活用、反復訓練の実施、適正な班編成等により、技能の習得が容易になるよう配慮すること。また、転職訓練生の前職経験を訓練の有効な場面において活用すること。

(四) 機械、設備等の整備

職業訓練所における機械、設備等については、職業訓練の基準に照らし、さらに一層の整備充実を図るよう努めるとともに、転職訓練生の技能の習得が容易になるよう、実習材料の確保、機械設備の適正な配置に留意すること。

(五) 生活指導及び職業指導

生活指導及び職業指導については、職業安定機関と密接な連絡をとり、求人側の意向をも十分に斟酌して行なうとともに、転職訓練生の家族との連絡について十分配慮し、家庭の事情等により訓練中途において挫折することのないよう努めること。

(六) 職業訓練指導員

イ 職業訓練指導員は、職業訓練の基準に定める定数を配置するとともに、研修の実施等によりその資質の向上を図り、熟達の者による指導により訓練成果の向上を期すること。また、職業訓練指導員の定数の不足している場合においては、講師の委嘱等により訓練内容の低下を来さぬよう措置すること。

ロ 職業訓練指導員の指導は、指導案及び作業分解表に基づいて、計画的かつ容易に訓練生の技能の習得が行なわれるよう努力すること。

ハ 職業訓練指導員の判断により、補講を必要とする者に対しては、これを的確に実施し、所定期間内に訓練効果をあげられるよう努めること。

(七) 訓練の単位等

イ 転職訓練生の訓練単位は、原則として訓練生の数を一〇人又はその倍数として編成するものとし、転職訓練生と養成訓練生はそれぞれ別個の訓練単位を編成するものとすること。

ロ 職業訓練指導員の配置、機械設備の整備等の状況により、基本実技の訓練等教科内容の同一のものについては、いわゆる混合訓練を実施してさしつかえないこと。この場合、転職訓練生の年令、前職経験等を十分考慮し、混合訓練の長所を活用するとともに、その短所が現われることのないよう特に留意すること。

(八) 健康管理及び災害防止

転職訓練生については、入所前の健康診断書の重視、訓練体操の実施等その健康管理に十分留意するとともに、安全衛生管理をとくに厳重に行ない訓練生の災害防止に万全を期すること。

八 就職あつせん

(一) 職業安定機関への協力

転職訓練生の就職あつせんは、別途指示されるところにより職業安定機関によつて行なわれるものであるが、職業訓練機関においては、この業務に協力し訓練修了時までに訓練生の全員について就職先が決定するよう努めること。

(二) 修了者名簿への記録

就職先の決定した転職訓練生については、住所、就職先事業所、賃金その他の労働条件等を修了生名簿に記入するとともに、変動のつど職業訓練所に連絡するよう指導し、訓練修了生と職業訓練所との連携を密にするよう努めること。

(三) 事業所の意向の把握

職業訓練所は、転職訓練生の就職先事業所の意向の把握に努め、訓練内容の向上及び就職あつせん業務への協力の資とすること。

九 その他

(一) 記録

転職訓練生の訓練活動に関する記録を訓練生指導要録に記入し、訓練修了時の就職あつせんに必要な技能証明の資料等とすること。

(二) 報告

転職訓練の実施状況については、別途指示するところにより労働省職業訓練局あて報告すること。

 

別紙一

職業訓練受講指示要領

雇用対策法施行規則(以下「則」という。)第二条第二項に関する指示の要領は次のとおりとする。

ただし、則第二条第二項第一号の失業者については、従前の例によるものとする。

一 指示対象者

則第二条第二項に関する指示は、次の(一)の各号の一に該当する求職者(駐留軍関係離職者等臨時措置法第一〇条の二第一項又は第二項の規定による認定を受けている者及び受けることができる者並びに炭鉱離職者臨時措置法第八条、第九条又は第九条の二の規定による炭鉱離職者求職手帳の発給を受けた者(当該炭鉱離職者求職手帳が同法第一一条の規定により効力を失つた者を除く。)及び受けることができる者を除く。)に対し、次の(二)の各号のすべてに該当する場合に指示する。

(一) イ 公共職業安定所(以下「安定所」という。)において緊急失業対策法第二条第一項の失業対策事業に紹介される失業者として取り扱われている者

ロ 職業安定法第一九条の二に規定する職業紹介活動により職業のあつ旋を受けることが適当であると認定された者

これは職業安定行政手引(Ⅲ)〇五四一〇により送出対象求職者として選定されたものである。

ハ 激甚な災害を受けた地域において就業していた者であつて、当該災害により転職を余儀なくされたもの

これは災害救助法が適用された地域その他激甚な災害の発生した地域のうち、雇用失業状勢が悪化した地域として指定される地域において就業していた者であつて、当該災害により職を失い、転職を余儀なくされたものである。

ニ 労働大臣の指定する不況産業に属する事業の事業所に雇用されていた者であつて、当該産業の不況に伴い離職を余儀なくされたもの

(二) イ 現在有する知識、技能と労働市場の状況から判断して当該職業訓練を受けさせることが適職に就かせるために必要であると認められる者であること。

ロ 職業訓練を受けるに必要な能力等を有する者であること。

ハ 次の各号に該当するものであること。ただし、職業訓練を受けさせることが適職に就かせるために特に必要であると認められる場合を除く。

(イ) 失業保険金受給資格者については当該受給資格にかかる受給期間中において、失業保険金受給資格者以外の者については指示しようとする日前一年間において安定所により指示された職業訓練の受講を正当な理由なく拒否した事実がないこと。

(ロ) 失業保険金受給資格者については当該受給資格にかかる受給期間中において、失業保険金受給資格者以外の者については指示しようとする日前一年間において、職業訓練を行なう施設に入所し、正当な事由がないにもかかわらず中途退所したこと等の事実がないこと。

ニ (一)のロ、ハ及びニに掲げる者(失業保険金受給資格者を除く。)については、公共職業安定所長が職業訓練受講の指示をした日において現に安定した職業についていない者であつて相当期間引き続き求職活動を行なつている者であること。

ホ (一)のハ及びニに掲げる者(失業保険金受給資格者を除く。)にあつては、指示しようとする日以前一年以内に離職したものであつて、かつ離職後安定した職業についたことのないものであること。

ヘ (一)のニに掲げる者(失業保険金受給資格者を除く。)にあつては、当該事業所に離職の日前引き続き一年以上雇用されていたものであること。

二 指示する職業訓練の範囲

指示する職業訓練は、公共職業訓練(訓練期間が一年を超えるものを除く。)、家事サービス職業訓練及び職場適応訓練とする。ただし、一の(一)のロ、ハ及びニに掲げる者にあつては家事サービス職業訓練を、一の(一)のイに掲げる者、一の(一)のロに掲げる者のうち炭鉱離職者緊急就労対策事業に紹介される炭鉱離職者及び一の(一)のニに該当する失業保険金受給資格者であつて当該事業所に離職の日前引き続き一年以上雇用されていないものにあつては、職場適応訓練を除くものとする。

三 指示方法

(一) 職業訓練を受けることについての指示は、指示しようとする者の住所又は居所を管轄する公共職業安定所長が行なうものとする。

(二) 職業訓練を受けることについての指示は、書面により行なうものとし、その様式は別紙のとおりとする。

ただし、失業保険金受給資格者については、その者の失業保険金受給資格者証に、指示の日付け、職業訓練の種類、職業訓練施設の名称、訓練職種、訓練期間及び訓練開始予定日を記入し、公共職業安定所長印を押印するものとする。

四 その他

(一) 指示しようとする職業訓練の施設が他の都道府県にあるときは、あらかじめ当該都道府県の合意をえた後に、指示を行なうものとする。

(二) 指示を受けた者が、他の安定所の管轄区域内にある職業訓練の施設へ入所したときには、職業指導を行なうことを職業訓練の施設の所在地を管轄する安定所に委嘱するものとする。又、指示を受けた者が、その住所又は居所を移転したこと等により管轄安定所に変動が生じたときは、移管の措置をとるものとする。

 

(様式)