img1 img1 img1

◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー  

通達:有機溶剤中毒予防規則等に基づく化学物質の管理が一定の水準にある場合の適用除外の認定制度の運用について

 

有機溶剤中毒予防規則等に基づく化学物質の管理が一定の水準にある場合の適用除外の認定制度の運用について

令和5年1月30日基安発0130第1号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)

 

有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号。以下「有機則」という。)第4条の2第1項、鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第37号。以下「鉛則」という。)第3条の2第1項、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下「特化則」という。)第2条の3第1項及び粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号。以下「粉じん則」という。)第3条の2第1項の規定に基づく所轄都道府県労働局長の認定(以下単に「認定」という。)については、「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について」(令和4年5月31日付け基発0531第9号)の記の第3の7のほか、下記の事項に留意し、その運用に遺漏のないようにされたい。

 

1 認定対象

(1) 認定は、有機則第4条の2第2項、鉛則第3条の2第2項、特化則第2条の3第2項又は粉じん則第3条の2第2項に基づき申請を行った事業場ごとに行うこと。

(2) 認定は、省令ごとに行うこと。

2 申請書類

申請に必要な書類については、次に掲げる事項に留意すること。なお、当該書類を所轄都道府県労働局長あてに提出する際には、所轄労働基準監督署長を経由する必要があること。

(1) 各省令の適用除外認定申請書(有機則様式第1号の2、鉛則様式第1号の2、特化則様式第1号及び粉じん則様式第1号の2)(以下「申請書」という。)及び申請書備考4~6に掲げる書面

同時に複数の省令について申請する場合は、申請書の添付書類で共通のものは、重ねて提出させる必要はないこと。

(2) 申請事業場に専属の化学物質管理専門家が配置され、当該化学物質管理専門家が以下に掲げる事項を管理していることを証する書面

ア 申請する省令ごとに、当該事業場において取り扱われる全ての規制対象物(有機溶剤、鉛等、特定化学物質及び粉じん。以下同じ。)に係る、リスクアセスメント(有機則、鉛則及び特化則にあっては、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第57条の3第1項及び第2項に基づくもの。粉じん則にあっては、法第28条の2第1項に基づくもの。以下同じ。)の実施に関すること。

イ リスクアセスメントの結果に基づく措置その他当該事業場における各省令における規制対象物による労働者の健康障害を予防するため必要な措置の内容及びその実施に関すること。

(3) 過去3年間に当該事業場において各省令における規制対象物による労働者が死亡する労働災害又は休業の日数が4日以上の労働災害が発生していないことを証する申立書(この項において、「労働災害」とは、当該労働災害に係る労災認定において発症日が申請日から過去3年間以内のものを含む。)

(4) 過去3年間に当該事業場の作業場所について行われた各省令に基づく規制対象物に係る作業環境測定(有機則、鉛則、特化則及び粉じん則に基づき実施したものに限る。)の評価の結果が全て第一管理区分に区分されたことを証する作業環境測定結果証明書(更新においては、過去3年間の当該事業場の作業場所に係る作業環境が第一管理区分に相当する水準にあることを証する書面として、個人ばく露測定の結果による評価結果、作業環境測定の結果による評価結果又は数理モデルによる評価結果等であっても差し支えない。)

(5) 有機則、鉛則及び特化則においては、過去3年間に当該事業場の労働者について行われた各省令に基づく特殊健康診断の結果、各省令における規制対象物による異常所見があると認められる労働者が新たに発見されなかったことを証する健康診断結果記録等(有機則様式第3号の2の有機溶剤等健康診断結果報告書、鉛則様式第3号の鉛健康診断結果報告書及び特化則様式第3号の特定化学物質健康診断結果報告書の写し等)。粉じん則においては、過去3年間に当該事業場において常時粉じん作業に従事する労働者について第3条の2第1項第4号の者がいないことを証する健康診断結果記録等(じん肺法施行規則(昭和35年労働省令第6号。以下「じん肺則」という。)様式第8号のじん肺健康管理実施状況報告の写しを含む。)。

(6) 過去3年間に1回以上、有機則、鉛則及び特化則においては、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第34条の2の8第1項第3号及び第4号に掲げる事項について、粉じん則においては、法第28条の2第1項に掲げる事項のうち、安衛則第34条の2の8第1項第3号及び第4号に相当する事項について、化学物質管理専門家(当該事業場に属さない者に限る。)による評価を受け、当該評価の結果、当該事業場において各省令における規制対象物による労働者の健康障害を予防するため必要な措置が適切に講じられていると認められることを示す書面

(7) 過去3年間に事業者が当該事業場について法及びこれに基づく命令に違反していないことに係る申立書

(8) その他、所轄都道府県労働局長が必要と認めるもの

申請の適正な審査のため、次の書類を追加で提出を求めること。

ア 申請事業場に関する以下の図面等

(ア) 申請事業場の周囲の状況及び四隣との関係を示す図面

(イ) 機械、設備等の配置を示す図面

(ウ) 労働災害を防止するための方法及び設備の概要を示す書面又は図面

(エ) 申請する省令ごとに、申請事業場において規制対象物を取り扱う場所を示す図面

イ 申請事業場における作業内容、教育の実施状況(過去3年分)

ウ 化学物質管理者、化学物質管理専門家を含む各級管理者の選任状況、業務分担

エ 関係請負人への情報提供状況

オ 構内下請事業場一覧リスト

3 認定(更新)基準

申請書類等により次の事項のいずれにも適合することが確認できる場合は、適用除外申請を認定するものとする。認定に当たっては、実地調査を行うこと。

(1) 申請事業場に専属の化学物質管理専門家の要件等(有機則第4条の2第1項第1号等関係)

ア 以下の条件を満たしていること。

(ア) 申請書備考4①に規定する書面により、申請事業場に専属の化学物質管理専門家が、「労働安全衛生規則第三十四条の二の十第二項、有機溶剤中毒予防規則第四条の二第一項第一号、鉛中毒予防規則第三条の二第一項第一号及び特定化学物質障害予防規則第二条の三第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める者」(令和4年厚生労働省告示第274号)及び「粉じん障害防止規則第三条の二第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める者」(令和4年厚生労働省告示第275号)(以下両告示をまとめて「専門家告示」という。)に規定する要件を満たしていること。

(イ) 申請書備考4②に規定する書面(労働条件通知書、雇用保険適用証明書、雇入通知書又は所属事業者等が発行した人事異動書等)の写しにより、当該化学物質管理専門家が当該事業場に専属であることを確認すること。これらの書面がない場合で、専属であることについての申立書が提出されている場合は、労働条件通知書等を添付できない理由が明記されていること。また、申立書は、申請事業者により作成されたもの又は申請事業者により記載事実に誤りがないことの証明を受けているものである必要があること。

イ 作業場の規模や取り扱う化学物質の種類、量に応じた必要な人数が配置されていること。

(2) 申請事業場に属さない化学物質管理専門家の要件(有機則第4条の2第1項第5号等関係)

ア 申請書備考5に規定する書面により、申請事業場に属さない化学物質

管理専門家が、専門家告示に規定する要件を満たしていること。

イ 申請書備考6に規定する書面(労働条件通知書、雇用保険適用証明書、雇入通知書又は当該化学物質管理専門家が所属する事業者等が発行した人事異動書等)の写しにより、当該化学物質管理専門家が申請事業場に所属しないことを確認すること。これらの書面がない場合で、申請事業場に所属しないことについての申立書が提出されている場合は、当該申立書は、当該化学物質管理専門家が所属する事業者(個人事業者の場合は、当該化学物質管理専門家)により作成されたもの又は当該事業者により記載事実に誤りがないことの証明を受けているものである必要があること。

(3) リスクアセスメントの実施に係る管理について(有機則第4条の2第1項第1号のイ等関係)

ア 申請事業場において作成している化学物質の管理に関する規程(以下「化学物質管理規程」という。)に相当するものが定められており、次に掲げる事項が規定されていること。また、化学物質管理規程は、安全衛生委員会、安全委員会又は衛生委員会において審議された上で決定されている必要があること。なお、労働者数50人未満の事業場においては、これらの委員会を設置する義務はないが、安衛則第577条の2第10項に基づき労働者から意見聴取を行う必要があること。

(ア) 化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針(平成27年危険性又は有害性等の調査等に関する指針公示第3号)及び危険性又は有害性等の調査等に関する指針(平成18年危険性又は有害性等の調査等に関する指針公示第2号)(以下「リスクアセスメント指針等」という。)によるリスクアセスメントの実施方法

(イ) 有機則第4条の2第1項第1号、鉛則第3条の2第1項第1号、特化則第2条の3第1項第1号及び粉じん則第3条の2第1項第1号に定めるところにより、有機則第4条の2第1項第1号イ、鉛則第3条の2第1項第1号イ、特化則第2条の3第1項第1号イ及び粉じん則第3条の2第1項第1号イに規定する事項を化学物質管理専門家に管理させること。

(ウ) 安衛則第12条の5第3項から第5項までに定めるところにより、化学物質管理者を選任するとともに、同条第1項及び第2項に定める事項を管理させること。

(エ) 安衛則第12条の6第2項から第4項までに定めるところにより、保護具着用管理責任者を選任するとともに、同条第1項に定める事項を管理させること。

(オ) 安衛則第34条の2の7第1項及びリスクアセスメント指針等に規定する時期にリスクアセスメントを実施すること。

(カ) 安衛則第34条の2の8第1項に定めるところによりリスクアセスメントの実施結果の記録を作成し、これを3年間保存するとともに、同条第2項に定める方法により関係労働者に周知すること。また、記録の作成方法として、同条第1項に規定する事項のほか、リスクアセスメント指針等の別紙4「記録の記載例」と同等以上の項目を含む記録の様式が定められていること。

(キ) 製造又は取り扱う全てのリスクアセスメント対象物(申請する法令対象のものに限る。)の安全データシート(SDS)を収集すること。

イ 過去3年間、リスクアセスメント指針等に基づくリスクアセスメントが適切に実施されていることを書面及び実地調査で確認すること。

(4) リスクアセスメントの結果に基づく措置等について(有機則第4条の2第1項第1号のロ等関係)

ア 申請事業場において作成している化学物質管理規程に相当するものにおいて、次に掲げる事項が規定されていること。

(ア) リスクアセスメント指針等に基づくリスクアセスメントの結果に基づく措置その他当該事業場における化学物質又は粉じんによる労働者の健康障害を予防するため必要な措置の実施方法に関すること。

(イ) 有機則第4条の2第1項第1号、鉛則第3条の2第1項第1号、特化則第2条の3第1項第1号及び粉じん則第3条の2第1項第1号に定めるところにより、有機則第4条の2第1項第1号ロ、鉛則第3条の2第1項第1号ロ、特化則第2条の3第1項第1号ロ及び粉じん則第3条の2第1項第1号ロに規定する事項を化学物質管理専門家に管理させること。

(ウ) 安衛則第577条の2第1項及び第2項の措置その他法第57条の3第2項の措置の内容及びその実施に関すること。

(エ) 安衛則第577条の2第3項から第9項までに定める健康診断の実施等に関すること。

(オ) 安衛則第577条の2第10項に基づく労働者から意見聴取に関すること。

(カ) 安衛則第577条の2第11項の規定による記録の作成及び保存並びにその周知に関すること。

(キ)安衛則第577条の2第1項の措置に関して、衛生委員会での付議に関すること。

(ク) 安衛則第577条の3に規定する措置の実施に関すること。

(ケ) 安衛則第594条の2に規定する皮膚等障害化学物質等を使用する際の保護具の使用等に関すること。

(コ) 安衛則第596条及び第597条に規定する保護具の数の確保及び保持等に関すること。

(サ) リスクアセスメント対象物を原因とする労働災害が発生した場合の対応に関すること。

(シ) 安衛則第97条の2各項に規定するところにより、がんに罹患した労働者について、所轄都道府県労働局長への必要な事項の報告に関すること。

(ス) (ア)から(シ)に定める事項の管理を実施するに当たっての労働者に対する必要な教育に関すること。

(セ) (ア)から(シ)に定める事項の管理の結果の記録を作成し、3年間保存すること。

イ ア(セ)の記録の確認及び実地調査により、過去3年間について、アに掲げる事項が適切に実施されていることを確認すること。

(5) 過去3年間の労働災害発生状況について(有機則第4条の2第1項第2号等関係)

記録の確認及び実地調査により、申請日から過去3年間において当該事業場で各省令における規制対象物による労働者が死亡する労働災害又は休業の日数が4日以上の労働災害が発生しておらず労働者死傷病報告(安衛則様式第23号)が提出されていないこと及び当該労働災害に係る労災認定において発症日が申請日から過去3年間以内のものがないことを確認すること。なお、本基準は、当該申請事業場において、申請に係る化学物質又は粉じんによる休業4日以上の労働災害が発生していないことを求める趣旨であることから、当該申請事業場において作業を行っている関係請負人の労働災害の発生状況等も把握し、その結果は、(8)の評価において活用すること。

(6) 過去3年間の作業環境測定結果について(有機則第4条の2第1項第3号等関係)

対象作業場の作業環境測定及びその結果等については、次の事項を記録及び実地調査で確認すること。

ア 申請事業場において、申請に係る有機則等において作業環境測定が義務付けられている全ての規制対象物について有機則等の規定に基づき作業環境測定を実施し、作業環境の測定結果に基づく評価が第一管理区分であることを過去3年間維持していること。

イ 作業環境測定は、作業環境測定士が作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)に従って実施したものであること。当該作業環境測定の結果は、作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)に従って評価され、対象物に係る評価が全て第一管理区分に区分されていること。

なお、当該作業環境測定は、有機溶剤(第一種有機溶剤又は第二種有機溶剤に限る。)、鉛等若しくは特定化学物質(第一類物質又は第二類物質のうち作業環境評価基準に管理濃度が記載されているものに限る。)が製造され、若しくは取り扱われる屋内作業場、又は常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場で行われているものであること。

ウ 更新における「第一管理区分に相当する水準」の確認は、作業環境測定基準第10条第5項等による方法(以下「個人サンプリング法」という。)を含めた作業環境測定の結果、個人ばく露測定の結果又は数理モデルによる解析の結果を作業環境評価基準に準じて評価し、第一管理区分相当であることを年1回以上の頻度で確認すること。なお、数理モデル解析の結果による評価は、解析による濃度が相当低い(第1評価値が管理濃度の半分以下など)場合に限ること。

(7) 過去3年間の健康診断結果について(有機則第4条の2第1項第4号等関係)

ア 申請事業場において、申請に係る有機則等において健康診断の実施が義務付けられている全ての規制対象物について、過去3年間の健康診断で新たに異常所見があると認められる労働者が一人もいないことが求められること。また、粉じん則については、じん肺法(昭和35年法律第30号)の規定に基づくじん肺健康診断の結果、新たにじん肺管理区分が管理2以上に決定された労働者、又はじん肺管理区分が決定されていた者でより上位の区分に決定された労働者が一人もいないことが求められること。なお、安衛則に基づく定期健康診断の項目だけでは、規制対象物による異常所見かどうかの判断が困難であるため、安衛則の定期健康診断における異常所見については、適用除外の要件とはしないこと。

イ 認定に当たっては、労働者名簿や作業記録等により、特殊健康診断の対象となる労働者にもれなく特殊健康診断が実施されていることを確認すること。

ウ 申請日から遡り過去3年分の各申請に係る有機則等に基づく健康診断結果報告書等(有機則様式第3号の2の有機溶剤等健康診断結果報告書、鉛則様式第3号の鉛健康診断結果報告書、特化則様式第3号の特定化学物質健康診断結果報告書、じん肺則様式第8号のじん肺健康管理実施状況報告の写し等)を確認すること。なお、異常所見があると認められる労働者が新たに発見されていないことを確認するため、必要に応じ、健康診断結果の個人票も確認すること。なお、当該申請事業場において作業を行う関係請負人がいる場合は、当該請負人の特殊健康診断の結果報告書についても把握し、その結果は、(8)の評価において活用すること。

(8) 申請事業場に属さない化学物質管理専門家による評価について(有機則第4条の2第1項第5号等関係)

ア客観性を担保する観点から、認定を申請する事業場に属さない化学物質管理専門家から、安衛則第34条の2の8第1項第3号及び第4号に掲げるリスクアセスメントの結果やその結果に基づき事業者が講ずる労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置の内容に対する評価を受けた結果、当該事業場における化学物質による健康障害防止措置が適切に講じられているとする評価書(又は意見書)の提出がなされていること。

イ 評価書には、(3)から(7)までで定める事項の評価が記載され、すべての項目について適切であると評価されている必要があること。

ウ 評価書の記載の確認に加え、実地調査を行い、(3)から(7)までに示す事項が適切に実施されているか確認すること。

エ リスクアセスメント指針等においては、事業場における化学物質等による危険性又は有害性を特定した上でリスクを見積もり、リスク低減措置を実施する趣旨であるから、事業場におけるリスクアセスメントの結果に基づく必要な措置は、事業場内で作業する関係請負人にも裨益するものである。この趣旨から、(5)及び(7)において、関係請負人において、規制対象物による労働災害が発生し、又は特殊健康診断の有所見者がいる場合、そのような状態であってもなお、申請事業場において、リスクアセスメントの結果に基づく措置が適切に行われている旨を事業場外の化学物質管理専門家が評価している場合、その理由を慎重に確認し、当該事業場において、リスクアセスメント結果に基づく必要な措置が適切に講じられていると認められるかを判断する必要があること。

(9) 過去3年間の法令違反について(有機則第4条の2第1項第6号等関係)

過去3年間に事業者が当該事業場について法及びこれに基づく命令に違反していないことを要件とするが、軽微な違反まで含む趣旨ではないこと。

なお、軽微な違反には、以下の場合は含まれないことから、過去3年間にこうした事案があった場合には認定を行わないこと。

○法及びそれに基づく命令の違反により送検されている場合

○労働基準監督機関から使用停止等命令を受けた場合

○労働基準監督機関から違反の是正の勧告を受けたにもかかわらず期限までに是正措置を行わなかった場合

4 認定(更新)の手続き等

(1) 認定(更新)の手続き

ア 認定(更新)に当たっては、当面の間、厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課に協議すること。

イ 認定(更新)を行う場合又は認定(更新)を行わない場合の通知の様式は別添によること。

ウ 所轄都道府県労働局は、認定を受けた事業場に係る情報として、認定年月日、認定事業場の名称、認定番号、認定に係る省令の名称等を適切に管理すること。

(2) 認定に当たり、別添の別紙の「2留意事項」に記載されている次の事項について指導を行うこと。

ア 適用除外の認定を受けた場合でも、以下の対応が必要であること。

(ア) 適用除外の対象とならない、健康診断及び保護具関係の規定は引き続き遵守する必要があること。

(イ) 安衛則で定める衛生基準、危険物等に関する規定を遵守すること。

(ウ) 作業場外に化学物質を排出する場合は、環境基準を遵守する必要があること。

(エ) 局所排気装置等の点検、検査、補修等については、有効性を損なわない頻度で定期的に実施し、実施した場合には記録を作成し、次回更新まで保存しておくことが望ましいこと。

(オ) 作業主任者の職務については、作業主任者技能講習の修了者に引き続き職務を行わせることが望ましいこと。その際に「作業主任者」の職名を使わせることは差し支えないこと。

イ 認定は、3年以内に更新が完了しなければ効力を失うので、審査に要する時間を勘案した上で更新申請を行うこと。

ウ 申請書備考4~6に掲げる書面に変更が生じた際は、遅滞なく変更後の書面を所轄都道府県労働局長あてに提出すること。

エ 認定事業場が認定の要件を満たさなくなったときは、有機則第4条の2第6項等の規定に基づき、遅滞なく文書でその旨を所轄都道府県労働局長あてに報告しなければならないこと。なお、本条は法第100条第1項を根拠としており、本条違反には罰則が適用されることがあること。

(3) 認定事業場が営業譲渡等をする場合の対応

ア 認定を受けた事業者が認定事業場に係るすべての事業を譲り渡し、又は認定を受けた事業者について相続、合併若しくは分割があり、認定事業場に係る事業者が別法人となった場合、当該認定は効力を失うため、認定を受けた所轄都道府県労働局長あて速やかに認定通知書を返納すること。

イ 認定を受けた事業者が、認定事業場に係る一部の事業を譲り渡し、又は認定を受けた事業者について相続、合併若しくは分割があった場合で、合併により認定事業場の労働者数がおおむね倍以上になったとき又は譲渡、相続若しくは分割により認定事業場の労働者数がおおむね半分以下になったとき等、有機則第4条の2第7項第3号等に該当するおそれがあると認めるときは、所轄都道府県労働局長は、当該認定事業場に係る事業者に対して、次の事項のいずれかを当該事業者に選択させることを内容とする改善指示を行うこと。

(ア) 認定を受けた所轄都道府県労働局長あて認定通知書を返納すること。

(イ) 譲渡、相続、合併又は分割後の事業場において申請書を再度提出することにより、譲渡等の前の認定を継承することができる場合があること。ただし、所轄都道府県労働局長は、認定基準を満たしていないと認める場合は、取消処分を行うことがあること。

ウ 認定を受けた事業者が廃業する場合、又は化学物質の取扱い業務がなくなった場合、認定を受けた所轄都道府県労働局長あて速やかに認定通知書を返納すること。

 

別添:様式<クリックして表示