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変異原性が認められた化学物質の取扱いについて
令和2年12月7日基発1207第2号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
標記の件に関し、現在まで、
1. 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第57条の4第1項の規定に基づき届出のあった化学物質(以下「届出物質」という。)のうち、有害性の調査の結果、強度の変異原性が認められたもの(合計1,010物質)
2. 法第57条の4第1項の既存の化学物質として政令に定める化学物質(以下「既存化学物質」という。)のうち、有害性の調査の結果等により、強度の変異原性が認められたもの(合計237物質)
については、「変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」(平成5年5月17日付け基発第312号の3の別添1。以下「指針」という。別添1参照。)に基づく措置の実施を届出事業者に対して要請するとともに、指針の周知等を関係事業者団体に対して要請しているところである。
今般、「労働安全衛生法第57条の4第3項の規定に基づき新規化学物質の名称を公表する件」(令和元年厚生労働省告示第206号、令和2年厚生労働省告示第103号、第245号及び第327号)により、835物質の名称を公表したところであるが、それらの化学物質のうち、別紙1に掲げる計27の届出物質について、学識経験者から、変異原性試験の結果、強度の変異原性が認められる旨の意見を得た。
また、既存化学物質のうち別紙2に掲げる5物質について、学識経験者から強度の変異原性が認められる旨の意見を得た。
ついては、別添2により関係事業者団体に対して、別紙に掲げる届出物質を製造する又は取り扱う際には、指針に基づく措置を講ずるよう周知していただきたい旨要請したので、貴職におかれても、管内の事業者に対して、これらの化学物質を製造し、又は取り扱う際には、指針に基づく措置を講ずる等、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずるよう周知されたい。
(別紙1)
変異原性が認められた届出物質
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名称公表 通し番号 |
名称公表年月日 名称公表告示番号 |
名 称 |
1 |
28158 |
令和元年12月27日 厚生労働省告示第206号 |
1,1,3―トリメチル―2,3―ジヒドロ―1H―インデン―4―アミン |
2 |
28189 |
2―ブロモ―1―(4―ニトロフェニル)エタン―1―オン |
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3 |
28289 |
令和2年3月27日 厚生労働省告示第103号 |
5―クロロ―N―[4―(4―クロロチオフェン―2―イル)―1,3―チアアゾール―2―イル]ピラジン―2―カルボキシアミド |
4 |
28294 |
1―クロロ―2,4―ジニトロベンゼンと(1―クロロ―2,4―ジニトロベンゼンと2―ヒドロキシ―1―[4―(2―ヒドロキシエトキシ)フェニル]―2―メチルプロパン―1―オンによる1―{4―[2―(2,4―ジニトロフェノキシ)エトキシ]フェニル}―2―ヒドロキシ―2―メチルプロパン―1―オン合成の際の副生成物)と1―{4―[2―(2,4―ジニトロフェノキシ)エトキシ]フェニル}―2―ヒドロキシ―2―メチルプロパン―1―オンと2―ヒドロキシ―1―[4―(2―ヒドロキシエトキシ)フェニル]―2―メチルプロパン―1―オンの混合物 |
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5 |
28295 |
1―クロロ―2,4―ジフルオロ―5―ニトロベンゼン |
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6 |
28297 |
4―(4―クロロチオフェン―2―イル)―1,3―チアアゾール―2―アミン |
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7 |
28306 |
1―{4―[2―(2,4―ジアミノフェノキシ)エトキシ]フェニル}―2―ヒドロキシ―2―メチルプロパン―1―オンと(1―{4―[2―(2,4―ジニトロフェノキシ)エトキシ]フェニル}―2―ヒドロキシ―2―メチルプロパン―1―オンの水素化反応による1―{4―[2―(2,4―ジアミノフェノキシ)エトキシ]フェニル}―2―ヒドロキシ―2―メチルプロパン―1―オン合成の際の副生成物)の混合物 |
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8 |
28323 |
1,1’―(4,4’―ジニトロ[1,1’―ビフェニル]―2,2’―ジイル)ジメタノール |
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9 |
28379 |
1,1,3―トリメチル―2,3―ジヒドロ―1H―インデン―4―アミニウム=クロリド |
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10 |
28380 |
(3R)―1,1,3―トリメチル―2,3―ジヒドロ―1H―インデン―4―アミン |
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11 |
28381 |
(3R)―1,1,3―トリメチル―2,3―ジヒドロ―1H―インデン―4―アミンと(3S)―1,1,3―トリメチル―2,3―ジヒドロ―1H―インデン―4―アミン(主成分)の混合物 |
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12 |
28394 |
2,5―ビス(4―ニトロフェニル)―1H―ピロール |
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13 |
28426 |
3―ブロモ―2―クロロピリジン |
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14 |
28464 |
令和2年6月26日 厚生労働省告示第245号 |
[(アンモニウム=ホルマートとギ酸と5―クロロ―2―ニトロベンズアルデヒドとプロパン二酸の反応生成物)と塩化水素と水の反応生成物]の4―メチルペンタン―2―オンによる抽出物 |
15 |
28531 |
5―[3―(2―クロロ―5―フルオロ―4―ニトロフェノキシ)―1H―ピラゾール―1―イル]―3―フルオロ―2―メチルピリジン |
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16 |
28612 |
(ナフタレン―2―イル)アセチル=クロリド |
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17 |
28654 |
4―フルオロ―3―ニトロベンゾニトリル |
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18 |
28655 |
3―フルオロ―5―ヒドラジニル―2―メチルピリジン―塩化水素―水(1/2/1) |
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19 |
28682 |
[(ベンジルオキシ)メチル]オキシラン |
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20 |
28684 |
ベンゼンスルホニル=アジド |
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21 |
28705 |
2―メトキシ―N―(メトキシメチル)―N―[(トリメチルシリル)メチル]エタン―1―アミン |
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22 |
28712 |
令和2年9月25日 厚生労働省告示第327号 |
6―[(8―アミノ―2―メチルキノリン―6―イル)メチル]―2―メチルキノリン―5―アミンと6,6’―メチレンビス(2―メチルキノリン―5―アミン)(主成分)の混合物 |
23 |
28734 |
4―({4―[エチル(プロパン―2―イル)アミノ]フェニル}イミノ)―N―メチル―1―オキソ―1,4―ジヒドロナフタレン―2―カルボキシアミド |
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24 |
28764 |
3―(5―クロロ―1,3―ベンゾオキサアゾール―2―イル)―7―(ジエチルアミノ)―2H―1―ベンゾピラン―2―オン |
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25 |
28794 |
5―{[4―(ジメチルアミノ)フェニル]ジアゼニル}―N,N―ジ(プロパン―2―イル)―1,3,4―チアジアゾール―2―アミン |
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26 |
28835 |
4―{[10―(4―ヒドロキシフェニル)アントラセン―9―イル]メチル}フェノール |
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27 |
28852 |
N―{5―[ベンジル(エチル)アミノ]―2―[(4―シアノ―3―メチル―1,2―チアアゾール―5―イル)ジアゼニル]フェニル}アセトアミド |
(別紙2)
変異原性が認められた既存化学物質
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化審法・安衛法官報公示整理番号 |
CAS No. |
名 称 |
1 |
1―215,2―187,9―644 |
4584―46―7 |
N,N―ジメチルアミノエチル―2―クロリド塩酸塩 |
2 |
2―2403 |
598―09―4 |
β―メチルエピクロルヒドリン |
3 |
2―2893 |
598―64―1 |
ジメチルアンモニウムジメチルジチオカルバメート |
4 |
5―152 |
1484―13―5 |
9―ビニルカルバゾール |
5 |
8―(7)―947 |
64359―81―5 |
4,5―ジクロロ―2―n―オクチルイソチアゾル―3―オン |
(注1) これらの化学物質は、化学物質のリスク評価検討会(有害性評価小検討会)の下に設置された遺伝毒性評価ワーキンググループにおいて、既知の知見を基に評価を行い、強い変異原性がある旨の意見を得られたことから、措置の対象とする。
(注2) 「化審法官報公示整理番号」とは、昭和54年6月29日までに化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号)(化審法)の規定により公示された際に付せられた整理番号であり、これらは労働安全衛生法においても既存の化学物質として取り扱うこととしている(労働安全衛生法施行令附則第9条の2関係)。
[別添1]<編注:略。通達名をクリックして表示>
平成5年5月17日基発第312号の3
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
一部改正 平成18年3月9日
一部改正 平成24年12月11日
○変異原性が認められた化学物質の取扱いについて
令和2年12月7日基発1207第1号
((別紙の団体の長)あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働基準行政の運営につきましては、日頃から格段の御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
これまで、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第57条の4第1項の規定に基づき届出のあった化学物質(以下「届出物質」という。)については、同条第3項の規定に基づき、名称を公表するとともに、同条第4項の規定に基づき、有害性の調査の結果について学識経験者の意見を聴取し、変異原性試験の結果、強度の変異原性が認められる旨の意見を得たものについては、「変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」(平成5年5月17日付け基発第312号の3の別添1。以下「指針」という。別添1参照。)に基づく措置を講ずるよう、届出事業者及び関係団体に対して要請しているところです。
今般、「労働安全衛生法第57条の4第3項の規定に基づき新規化学物質の名称を公表する件」(令和元年厚生労働省告示第206号、令和2年厚生労働省告示第103号、第245号及び第327号)により、835物質の名称を公表したところですが、それらの化学物質のうち、別紙1に掲げる計27の届出物質について、学識経験者から、変異原性試験の結果、強度の変異原性が認められる旨の意見を得ました。
また、法第57条の4第1項の既存の化学物質として政令に定める化学物質(以下「既存化学物質」という。)のうち、別紙2に掲げる5物質について、学識経験者から強度の変異原性が認められる旨の意見を得ました。
つきましては、貴団体におかれましても、傘下会員又は傘下事業場に対し、別紙1に掲げる届出物質又は別紙2に掲げる既存化学物質を製造し、又は取り扱う際には、指針に基づく措置を講ずる等、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずるよう周知いただきますようお願いします。
(別紙)
一般社団法人日本化学工業協会
一般社団法人日本化学品輸出入協会
化成品工業協会
農薬工業会
日本製薬団体連合会
日本製薬工業協会