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通達:第13次労働災害防止計画の推進について

 

第13次労働災害防止計画の推進について

平成30年3月7日基発0307第1号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

平成30年度を初年度とする第13次労働災害防止計画(以下「13次防」という。)の策定については、平成30年2月28日付け厚生労働省発基安0228第1号により通知したところである。

13次防は、今後5年間にわたる労働災害防止対策を進めるために、中長期的な視点から、国が重点的に取り組むべき対策を示したものであるので、貴職におかれては、下記の事項に留意の上、その効果的な推進を図られたい。

 

1 基本的な考え方

死亡災害は減少しているものの依然として年間約1,000人が亡くなっている。

第12次労働災害防止計画(以下「12次防」という。)期間中、重点業種として取り組んできたにもかかわらず、製造業は全業種平均の死亡災害の減少率に届かず、建設業は依然として死亡災害全体の3分の1を占め、12次防期間中、重点業種ではなかった林業については労働災害発生の強度率が他の業種と比較して極めて高いことから、これらの業種を重点業種とした上で、13次防の第一の重点事項として、「死亡災害の撲滅を目指した対策の推進」を掲げたところである。

また、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)を踏まえ、労働者の健康確保対策や治療と仕事の両立支援を推進するとともに、多様で柔軟な働き方を選択できる社会が進む中での労働安全衛生の確保、胆管がんや膀胱がんといった化学物質による重篤な健康障害の防止、今後増加が見込まれる石綿使用建築物の解体等工事への対策強化も必要となっている。このような安全衛生を取り巻く現状等を総合的に考慮し、13次防における重点事項として8項目定めたところである。

死傷災害(休業4日以上の労働災害をいう。以下同じ。)の状況については、12次防期間中は横ばいが続いたが、事故の型別の死傷者数を見ると、「転倒」や「動作の反動・無理な動作」が大きく増加しているが、これら以外の事故の型の死傷者数は減少しており、労働力の高齢化によるものと考えられる。また、雇用者数が2012年の5,513万人から2017年の5,819万人へと5.6%増加していることも要因と考えられる。

これらを考慮して、死傷災害の目標については、12次防における死傷者数を15%以上減少から、13次防においては死傷者数を5%以上減少としたところであるが、目標達成のためには、「転倒」と「動作の反動・無理な動作」は、少なくとも12次防の前年の2012年の水準に戻すとともに、これら以外の事故の型の死傷者数は2012年比で15%以上減少させる必要があり、高齢化を踏まえた対策を更に推進する必要がある。

特に死傷災害の重点業種について、第三次産業の雇用者数の大幅な増加等について適切に評価するため、死傷年千人率で評価することとしたが、これらの業種については、死傷年千人率で評価したとしても大きく減少しておらず、社会福祉施設及び飲食店に至っては、災害発生件数のみならず死傷年千人率でも増加しており、今まで以上の対策が求められることはいうまでもない。

メンタルヘルスに関する目標については、「働き方改革実行計画」等を踏まえ、労働者が安心して医師による面接指導や産業医・産業保健スタッフによる健康相談を受けられる環境整備を促進するとともに、ストレスチェックの集団分析結果を活用した職場環境改善の普及を図るため、新たに目標を追加したところであり、より一層の対策の推進を図る必要がある。

12次防においては死傷災害を始めとして、メンタルヘルス、化学物質、腰痛等、多くの目標が未達成となったが、13次防期間中においては、改めて管内の産業構造、労働災害の発生状況等の実情を分析し、効率的かつ効果的に指導を実施する等により、計画期間中に定めた全ての目標達成に向け、万全を期されたい。

2 計画の策定について

13次防及び管内情勢を踏まえ、以下の(1)から(3)までに留意の上、労働災害防止に関する5か年計画(以下「推進計画」という。)を今年度中に策定し、5月1日までに本省労働基準局安全衛生部計画課あてに提出すること。

(1) 目標設定について

13次防においては、1の(3)計画の目標の①から④までに目標を定めているが、都道府県労働局(以下「局」という。)においては、以下のアからウまでに留意の上、目標を設定すること。

ア 計画の目標①及び②に相当する全産業の目標については、13次防の目標を踏まえて、全ての局において目標を設定すること。

イ 計画の目標③に相当する重点業種別の目標のうち、建設業及び製造業の目標については、全ての局において設定すること。また、林業の目標については、過去5年間に3件以上の死亡災害が発生した局においては必ず設定するとともに、その他の局においては管内の実情を踏まえ、数値目標の設定の有無も含め検討すること。

なお、死亡者数の目標については、件数が数人程度で、年によりその件数が大きく増減する場合には、12次防期間中の総数と13次防期間中の総数とを比較するような目標の設定として差し支えないこと。

死傷者数の目標については、13次防において重点業種としている陸上貨物運送事業、小売業、社会福祉施設及び飲食店について設定することが望ましいが、上記アの全産業の目標の達成に向けて、管内の産業構造、労働災害の発生状況等の実情を分析の上、対象とする業種を決定すること。

また、13次防における死傷者数の業種別目標は、第三次産業における雇用者数が増加していることを踏まえ、死傷年千人率による数値としているところであるが、局において目標を設定するに当たっては、以下の(ア)又は(イ)のとおりとすること。

(ア) 死傷年千人率による数値を目標とする場合

都道府県が集計を行っている労働力調査における産業別雇用者数を分母として、死傷年千人率による数値を目標として設定すること。

労働力調査の各都道府県分の集計データについて、都道府県に確認し、集計されていない場合には、毎月勤労統計調査(地方調査)などの他の調査に基づく雇用者数等の客観的な数値を活用すること。

(イ) (ア)以外の場合

死傷者数による数値を目標として設定すること。その際には、例えば、「平成29年の死傷者数より減少させる。」といった目標とすることで差し支えないこと。

ウ 計画の目標④に相当する上記以外の目標については、局において管内の状況を正確に把握することが困難な場合は、必ずしも設定する必要はないが、数値目標を設定しない場合においても、可能な限り対策の実施状況を定量的な指標で把握し、毎年の業務計画の策定に活用すること。

なお、計画の目標④のうち、「仕事上の不安、悩み又はストレスについて、職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合を90%以上(71.2%:2016年)とする。」(注)、「メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上(56.6%:2016年)とする。」及び「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)による分類の結果、危険性又は有害性等を有するとされる全ての化学物質について、ラベル表示と安全データシート(SDS)の交付を行っている化学物質譲渡・提供者の割合を80%以上(ラベル表示60.0%、SDS交付51.6%:2016年)とする。」(注)については、労働安全衛生調査(実態調査)等により評価を行うため対象が10人以上の事業場であること、「ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60%以上(37.1%:2016年)とする。」(注)については、ストレスチェックの実施義務が課せられている50人以上の事業場を対象としていることに留意すること。

(注) 2016年の数値は「労働安全衛生調査(実態調査)特別集計」による。

(2) 計画の重点事項について

推進計画においても、13次防における3の(1)から(8)までに定める重点事項に沿って重点とする対策を策定すること。

なお、管内の実情に応じて重点事項を追加しても差し支えないこと。

また、重点業種については、13次防における重点業種を踏まえ、管内の実情に応じて定めること。

(3) 関係省庁、自治体、労働災害防止団体及び業界団体との連携について

対策の推進に当たっては、警察、運輸(支)局、地方整備局等の関係省庁、都道府県等の自治体、労働災害防止団体及び業界団体との密接な連携を図ることが重要であることから、推進計画の策定に当たっては、それらについて具体的な対策を定めること。

具体的には、警察や運輸(支)局等と連携した交通労働災害防止対策、地方整備局等の関係省庁、都道府県等の自治体に対する建設工事発注者対策、労働災害防止団体と連携した個別指導等の実施、業界団体と連携した啓発指導、自治体と連携した石綿ばく露防止対策や社会福祉施設に対する取組、都道府県や大学等と連携した高校生や大学生に対する安全衛生に関する啓発等があること。

3 計画の評価について

本省においては、毎年13次防の実施状況の確認及び評価を行い、労働政策審議会安全衛生分科会に報告することとしている。局においても毎年地方労働政策審議会に報告する等、推進計画の実施状況の確認及び評価を適切に実施するとともに、その結果について毎年5月1日までに本省労働基準局安全衛生部計画課まで報告すること。

4 計画の周知について

13次防の周知に当たっては、パンフレットやパワーポイントの資料を本省で作成するので活用すること。また、各種取組に係るパンフレット等の配布や集団指導、ホームページへの掲載のみならず、新聞やテレビ等の取材に積極的に応じる等各種メディアを積極的に活用すること。