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通達:炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則の規定に基づく介護料の支給について

 

炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則の規定に基づく介護料の支給について

平成27年3月31日基発0331第23号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

改正前略 令和4年3月31日基発0331第26号

 

労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律(平成7年法律第35号。以下「改正法」という。)附則第7条の規定により炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法(昭和42年法律第92号)第8条の規定に基づく介護料は廃止されたところであるが、改正法附則第8条の規定により、改正法の施行の日(平成8年4月1日)の前日において介護料の支給を受ける権利を有していた被災労働者(以下「平成8年該当者」という。)について、改正法による改正前の炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法第8条の規定は、なおその効力を有することとされている。

また、当該規定に伴い、労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令(平成8年労働省令第6号。以下「平成8年省令」という。)第3条の規定により削除された炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則(昭和42年労働省令第28号)第7条(介護料の支給額等を規定)についても、平成8年省令附則第6条の規定により、平成8年該当者について、なおその効力を有することとされている。

これらの法令の規定を受け、平成8年該当者であって支給要件を満たす者に対しては、現在に至るまで介護料の支給を継続して行ってきているところである。

平成8年4月1日以後の介護料支給に係る事務の取扱いについては、平成8年4月10日付け基発第228号「炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令の施行について」の記の3の(2)によりなおその効力を有するものとされる同通達による改正前の昭和42年10月25日付け基発第995号「炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法等の施行について」の記の第8(以下「CO特措法施行通達」という。)によりこれまで指示してきたところであるが、今後の介護料支給に係る事務の取扱いについては下記によることとし、事務処理に遺漏なきを期されたい。

なお、本通達中で指示している事務処理手続は、これまで「CO特措法施行通達」等により指示してきた内容を整理したものであり、事務処理方法が変わるものではないことを、念のため申し添える。

本通達は、平成27年4月1日から施行する。

また、本通達の施行に伴い、「CO特措法施行通達」については廃止する。

 

1 趣旨

通常の場合、被災労働者の療養中は看護師等によって必要な看護が行われ、療養の一部としての看護により一定の範囲において患者の介助も行われるので、その限りでは特別の介護を要しないが、炭鉱災害による一酸化炭素中毒患者で重篤な精神神経障害を呈するものについては、看護のほか、さらに家族等による介護を要する例が少なくないので、常に介護を要する者には、介護に要する費用として、介護料を支給することとしたものである。

2 支給対象者

介護料の支給を受けることができる者は、炭鉱災害による一酸化炭素中毒症について労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号。以下「労災保険法」という。)の規定による療養補償給付を受けている被災労働者であって、常時介護を必要とするもの(平成8年該当者に限る。)であること。

3 支給額

介護料の額は介護の程度に応じて定められているが、その介護の程度の判定に当たっては、次により症状の経過に照らして慎重に行うこととし、介護の実績を考慮して、毎月1回、被災労働者に対して支給するものとすること。なお、以下(1)から(3)までにおいて、「介護に要する費用」とは、介護人(被介護者の配偶者、直系血族及び同居の親族を除く。)に対して介護の対価として支払った賃金、日当、謝金、交通費等の費用をいう。

(1) 常時監視及び介助を要するもの

認知症、自発性欠如、情意障害、見当識障害等の精神障害その他高度の片麻痺や四肢麻痺があるため、常に他人の監視や手助けを受けなければ、食事、用便、衣服着脱等の生理的基本動作が不可能であるものが、これに該当する。

月額75,290円

(その月において、介護に要する費用として支出された費用の額が75,290円を超える場合は、当該支出された費用の額(その額が171,650円を超えるときは、171,650円))

(2) 常時監視を要し、随時介助を要するもの

認知症、自発性欠如、情意障害、見当識障害等の精神障害があるため、常に監視を必要とし、また食事、用便、衣服着脱等の生理的基本動作はほぼ独力で可能であるが、片麻痺や四肢麻痺があるため、生理的基本動作に必要な起居動作等について下助けを要するものが、これに該当する。

月額56,490円

(その月において、介護に要する費用として支出された費用の額が56,490円を超える場合は、当該支出された費用の額(その額が128,760円を超えるときは、128,760円))

(3) 常時監視を要するが通常は介助を要しないもの

認知症、情意障害、見当識障害があるため、常時監視を要するが、日常生活について通常は手助けを要しないものが、これに該当する。

月額37,600円

(その月において、介護に要する費用として支出された費用の額が37,600円を超える場合は、当該支出された費用の額(その額が85,780円を超えるときは、85,780円))

(4) なお、(1)から(3)までの支給額は、令和3年4月以後の月に係る介護料について適用し、令和3年3月以前の月に係る介護料の額については、令和3年4月以後に支給する場合であっても、なお従前の例による。

4 手続等

(1) 介護料の支給申請は、暦月単位で前月分について行わせることとする。

(2) 介護料の支給を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、介護料の申請の際に、「介護料支給申請書」(炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法施行規則様式第3号。以下「申請書」という。)を、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄署長」という。)を経由して、事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長(以下「所轄局長」という。)に提出するものとする。

(3) 上記3(1)から(3)までの各場合において、当該月につきそれぞれ73,090円、54,790円、37,600円を超える額の介護料の支給を希望する者は、介護料の申請の際に、「介護に要する費用として支出した費用届」(別添様式第1号)を申請書に添えて、所轄署長を経由して、所轄局長に提出するものであること。したがって、申請者に対し、事前にこの旨を十分説明すること。

なお、介護人が申請者の配偶者、直系血族又は同居の親族である場合の証明欄記載の金額は介護料算定の基礎とはならないので、留意すること。

(4) 所轄署長は、申請書を受理したときは、その内容を検討し支給すべき事由の有無について意見を付して当該申請書を所轄局長に進達しなければならない。

(5) 介護料の支給は、労災保険の社会復帰促進等事業であり、所轄局長が行うものであること。介護料の支給又は不支給に当たっては、「介護料支給・不支給通知」(別添様式第2号)により通知を行うこと。

5 支出事務

(1) 支出項目

介護料支払に要する費用は、労働保険特別会計労災勘定(項)社会復帰促進等事業費(目)介護料支給費から支出すること。

(2) 未支給の介護料

未支給の介護料(介護料の支給を受ける者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき介護料でまだその者に支給しなかったものをいう。)については、労災保険法第11条の規定に準じて取り扱うものとし、その支払は、所轄局長が行うものとする。

(3) 支出負担行為の整理区分

支出負担行為取扱規則(昭和27年大蔵省令第18号)第14条の規定による整理区分は、同規則別表甲号の「25保険金の類」によること。

ただし、支出負担行為に必要な主な書類は、申請書の謄本とすること。

(4) 申請書の謄本の作成等

所轄局長は、介護料の支給決定をしたときは、支出負担行為に必要な書類(支出後は支出計算書の証拠書類となる。)として申請書の謄本を作成して支出負担行為事務を処理すること。

申請書の謄本は、所轄局長が決裁した申請書の原本を複写又は書写した写本を作成し、その写本の標題右横に「謄本」、下部余白に「この謄本は原本と相違ないことを証明する。○○労働局長」と記載して局長官印を押印すること。

(5) 支出負担行為及び支出決裁

介護料を支出しようとするときは、申請書の謄本に基づき決裁書を作成し一般的な支出事務と同様に処理すること。

なお、2以上の申請者に対して隔地送金又は銀行等口座振込の方法による支払をするときは、支給調書を作成して一括して決議すること。

(6) 支出計算書の証拠書類

会計検査院に提出する支出計算書の証拠書類は、領収証書、支出負担行為及び支出決議書、支出調書及び申請書謄本とすること。

なお、支出官が控として保管する証拠書類(副本)の綴には、申請書謄本の写を作成して編綴する必要はないこと。

(7) 介護料支給整理簿

所轄局長は、介護料の支給対象者ごとに介護料支給整理簿を作成し、介護料の支給の都度、必要な事項を記入すること。

6 不正受給に対する措置

偽りその他不正の行為により介護料の支給を受けた者は、当該介護料を所轄局長に返還しなければならないものとする。

7 介護料の支給に要する費用については、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)第12条第3項の規定の適用に当たっては、その額を同条の保険給付の額に算入しなければならないこと。

具体的な事務処理については、平成30年3月27日付け基発0327第8号「メリット制事務処理手引」によること。


別添

様式第1号

様式第2号