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除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドラインの改正について
平成25年4月12日基発0412第6号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
改正 平成26年11月18日基発1118第6号
厚生労働省では、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質に係る土壌等の除染等の業務又は廃棄物収集等業務に従事する労働者の放射線障害を防止するため、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」(平成23年厚生労働省令第152号。以下「除染電離則」という。)等を平成24年1月1日から施行するとともに、除染電離則と相まって、除染電離則に規定された事項のほか、関係事業者が実施する事項及び労働安全衛生関係法令において規定されている事項のうち、重要なものを一体的に示した「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号。平成24年6月15日付け基発第0615第6号により一部改正。以下「除染ガイドライン」という。)を定め、その適切な実施を指導しているところである。
今般、最新の知見を反映し、事業者による粉じん濃度及び放射能濃度の測定等をより一層的確に実施するため、除染ガイドラインの別紙3「高濃度粉じん作業に該当するかの判断方法」及び別紙6―1「放射能濃度の簡易測定手順」を別添1及び2のとおり改正するので、各労働局におかれては、下記の事項に留意の上、関係事業者、都道府県及び市町村に対し周知徹底を図り、除染等業務及び特定線量下業務における放射線障害防止対策の的確な推進を図られたい。
なお、環境省水・大気環境局長、農林水産省農林水産技術会議事務局長、復興庁統括官及び内閣府原子力災害対策本部原子力被災者生活支援チーム事務局長補佐に対して別添3のとおり、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉及び千葉の各県知事に対して別添4のとおり、関係事業者団体に対して別添5のとおり要請したので、了知されたい。
記
1 高濃度粉じん作業に該当するかの判断方法について
あらかじめ定められた質量濃度換算係数を使用したデジタル粉じん計による測定による判断方法を追加したこと。これにより、従来必要だった質量濃度換算係数を決定するための測定を事前に実施することなく、デジタル粉じん計を使った測定を可能としたこと。
2 汚染土壌等の放射能濃度の簡易測定手順について
従来の土のう袋等を用いた測定手順に加え、より容量の大きなフレキシブルコンテナや200リットルドラム缶等を用いた測定手順を追加したこと。
別添1
別紙3 高濃度粉じん作業に該当するかの判断方法
1 目的
高濃度粉じん作業の判断は、事業者が、作業中に高濃度粉じんの下限値である10mg/m3を超える粉じん濃度が発生しているかどうかを知り、内部被ばくの線量管理のために必要となる測定方法を決定するためのものであること。
2 基本的考え方
(1) 高濃度粉じんの下限値である10mg/m3を超えているかどうかを判断できればよく、厳密な測定ではなく、簡易な測定で足りること。
(2) 測定は、専門の測定業者に委託して実施することが望ましいこと。
3 測定の方法(並行測定を行う場合)
(1) 高濃度粉じん作業の判定は、作業中に、個人サンプラーを用いるか、作業者の近傍で、粉じん作業中に、原則としてデジタル粉じん計による相対濃度指示方法によること。
(2) 測定の方法は、以下によること。
ア 粉じん作業を実施している間、粉じん作業に従事する労働者の作業に支障を来さない程度に近い所でデジタル粉じん計(例:LD―5)により、2~3分間程度、相対濃度(cpm)の測定を行うこと。
イ アの相対濃度測定は、粉じん作業に従事する者の全員について行うことが望ましいが、同様の作業を数メートル以内で行う労働者が複数いる場合は、そのうちの代表者について行えば足りること。
ウ アの簡易測定の結果、最も高い相対濃度(cpm)を示した労働者について、作業に支障を来さない程度に近い所(風下)において、デジタル粉じん計とインハラブル粉じん濃度測定器を並行に設置し、10分以上の継続した時間で測定を行い、質量濃度変換係数を求めること。
① 粉じん濃度測定の対象粒径は、気中から鼻孔又は口を通って吸引されるインハラブル粉じん(吸引性粉じん、粒径100μm、50%cut)を測定対象とすること。
② インハラブル粉じんは、オープンフェイス型サンプラーを用い、捕集ろ紙の面速を18(cm/s)で測定すること。
③ 分粒装置の粒径と、測定位置以外については、作業環境測定基準第2条によること。
(3) ウの結果求められた質量濃度変換係数を用いて、アの相対濃度測定から粉じん濃度(mg/m3)を算定し、測定結果のうち最も高い値が10mg/m3を超えている場合は、同一の粉じん作業を行う労働者全員について、10mg/m3を超えていると判断すること。
4 測定方法(所定の質量濃度変換係数を使用する場合)
(1) 適用条件
この測定方法は、主に土壌を取り扱う場合のみに適用すること。落葉落枝、稲わら、牧草、上下水汚泥など有機物を多く含むものや、ガレキ、建築廃材等の土壌以外の粉じんが多く含まれるものを取り扱う場合には、3に定める測定方法によること。
(2) 測定点の設定
ア 高濃度粉じん作業の測定は、粉じん作業中に作業者の近傍で、原則としてデジタル粉じん計による相対濃度指示方法によって行うこと。測定位置は、粉じん濃度が最大になると考えられる発じん源の風下で、重機等の排気ガス等の影響を受けにくい位置とする。測定は、粉じんの発生すると考えられる作業内容ごとに行うこと。
イ 同一作業を行う作業者が複数いる場合には、代表して1名について測定を行うこと。
ウ 作業の邪魔にならず、測定者の安全が確保される範囲で、作業者になるべく近い位置で測定を行うこと。可能であれば、測定者がデジタル粉じん計を携行し、作業者に近い位置で測定を行うことが望ましいこと。また、作業の安全上問題がない場合は、作業者自身がLD―6Nを装着して測定を行う方法もあること。
(3) 測定時間
ア 測定時間は、濃度が最大となると考えらえる作業中の継続した10分間以上とすること。作業の1サイクルが数分程度の短時間の作業が繰り返し行われる場合は,作業が行われている時間を含む10分間以上の測定を行うこと。
イ 作業の1サイクルが10分から1時間程度までであれば作業1サイクル分の測定を行い、それより長い連続作業であれば作業の途中で10分程度の測定を数回行い、その最大値を測定結果とすること。
(4) 評価
ア デジタル粉じん計により測定された相対濃度指示値(1分間当たりのカウント数。cpm。)に質量濃度換算係数を乗じて質量濃度を算出し、10mg/m3を超えているかどうかを判断すること。
イ 質量濃度換算係数について
この測定方法で使用する質量濃度換算係数については、0.15mg/m3/cpmとすること。ただし、この係数の使用に当たっては、次に掲げる事項に留意すること。
① この係数は、限られた測定結果に基づき設定されたものであり、今後の研究の進展により、適宜見直しを行う必要があるものであること。
② 本係数は、光散乱方式のデジタル粉じん計であるLD―5及びLD―6に適用することが想定されていること。
別添2
別紙6―1 放射能濃度の簡易測定手順
1 使用可能な容器の種類
(1) 丸型V式容器(128mmφ×56mmHのプラスチック容器。以下「V5容器」という。)
(2) 土のう袋
(3) フレキシブルコンテナ
(4) 200Lドラム缶
(5) 2Lポリビン
2 事故由来廃棄物等を収納した容器の放射能濃度が1万Bq/kg、50万Bq/kg又は200万Bq/kgを下回っているかどうかの判別方法は、次のとおり。
1) 事故由来廃棄物等を収納した容器の表面の放射線量率を測定し、最も大きい値をA(μSv/h)とする。
2) 事故由来廃棄物等を収納した容器の放射能量B(Bq)を、下記式に測定日に応じた係数Xと測定した放射線量率A(μSv/h)を代入して求める。測定日及び容器の種類に応じた係数Xを表1に示す。
[A]×[係数X]=B
3) 事故由来廃棄物等を収納した容器の重量を測定する。これをC(kg)とする。
4) 事故由来廃棄物等を収納した容器の放射能濃度D(Bq/kg)を、下記式に事故由来廃棄物等を収納した袋等の放射能量B(Bq)と重量C(kg)とを代入して求める。
[B]÷[C]=D
これより、事故由来廃棄物等を収納した容器の放射能濃度Dが1万Bq/kg、50万Bq/kg又は200万Bq/kgを下回っているかどうかが確認できる。
表1 除去物収納物の種類および測定日に応じた係数X
測定日 |
係数X |
||||
V5容器 |
土のう袋 |
フレキシブルコンテナ |
200リットルドラム缶 |
2Lポリビン |
|
平成25年01月 以内 |
3.3E+04 |
7.4E+05 |
9.8E+06 |
2.6E+06 |
9.4E+04 |
平成25年04月 以内 |
3.3E+04 |
7.5E+05 |
1.0E+07 |
2.6E+06 |
9.6E+04 |
平成25年07月 以内 |
3.4E+04 |
7.6E+05 |
1.0E+07 |
2.7E+06 |
9.8E+04 |
平成25年10月 以内 |
3.4E+04 |
7.8E+05 |
1.0E+07 |
2.7E+06 |
1.0E+05 |
平成26年01月 以内 |
3.5E+04 |
7.9E+05 |
1.1E+07 |
2.8E+06 |
1.0E+05 |
平成26年04月 以内 |
3.6E+04 |
8.1E+05 |
1.1E+07 |
2.8E+06 |
1.0E+05 |
平成26年07月 以内 |
3.6E+04 |
8.2E+05 |
1.1E+07 |
2.9E+06 |
1.0E+05 |
平成26年10月 以内 |
3.7E+04 |
8.3E+05 |
1.1E+07 |
2.9E+06 |
1.1E+05 |
平成27年01月 以内 |
3.8E+04 |
8.5E+05 |
1.1E+07 |
2.9E+06 |
1.1E+05 |
別添3
○除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドラインの改正について
平成25年4月12日基発0412第7号
(環境省水・大気環境局長、農林水産省農林水産技術会議事務局長、復興庁統括官、内閣府原子力災害対策本部、原子力被災者生活支援チーム事務局長補佐あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働安全衛生行政の運営につきましては、平素より格段の御理解、御協力をいただきお礼申し上げます。
さて、厚生労働省では、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質に係る土壌等の除染等の業務又は廃棄物収集等業務に従事する労働者の放射線障害を防止するため、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」(平成23年厚生労働省令第152号。以下「除染電離則」という。)等を平成24年1月1日から施行するとともに、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号。平成24年6月15日付け基発第0615第6号により一部改正。以下「除染ガイドライン」という。)を定め、その適切な実施を指導しているところです。
今般、最新の知見を反映し、事業者による粉じん濃度及び放射能濃度の測定等をより一層的確に実施するため、除染ガイドラインの別紙3「高濃度粉じん作業に該当するかの判断方法」及び別紙6―1「放射能濃度の簡易測定手順」を別添1及び2のとおり改正いたします。
つきましては、貴職におかれても、下記の事項にご留意の上、関係事業者の他、除染電離則が適用されない除染等の作業や特定線量下での作業を行う自営業者、住民、ボランティア等に対し周知等をお願い申し上げます。
記
1 高濃度粉じん作業に該当するかの判断方法について
あらかじめ定められた質量濃度換算係数を使用したデジタル粉じん計による測定による判断方法を追加したこと。これにより、従来必要だった質量濃度換算係数を決定するための測定を事前に実施することなく、デジタル粉じん計を使った測定を可能としたこと。
2 汚染土壌等の放射能濃度の簡易測定手順について
従来の土のう袋等を用いた測定手順に加え、より容量の大きなフレキシブルコンテナや200リットルドラム缶等を用いた測定手順を追加したこと。
別添4
○除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドラインの改正について
平成25年4月12日基発0412第8号
(岩手・宮城・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉県知事あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働安全衛生行政の運営につきましては、平素より格段の御理解、御協力をいただきお礼申し上げます。
さて、厚生労働省では、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質に係る土壌等の除染等の業務又は廃棄物収集等業務に従事する労働者の放射線障害を防止するため、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」(平成23年厚生労働省令第152号。以下「除染電離則」という。)等を平成24年1月1日から施行するとともに、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号。平成24年6月15日付け基発第0615第6号により一部改正。以下「除染ガイドライン」という。)を定め、その適切な実施を指導しているところです。
今般、最新の知見を反映し、事業者による粉じん濃度及び放射能濃度の測定等をより一層的確に実施するため、除染ガイドラインの別紙3「高濃度粉じん作業に該当するかの判断方法」及び別紙6―1「放射能濃度の簡易測定手順」を別添1及び2のとおり改正いたします。
つきましては、貴職におかれても、下記事項にご留意の上、貴管内の市町村に対し周知徹底を図られるようお願い申し上げます。
記
1 高濃度粉じん作業に該当するかの判断方法について
あらかじめ定められた質量濃度換算係数を使用したデジタル粉じん計による測定による判断方法を追加したこと。これにより、従来必要だった質量濃度換算係数を決定するための測定を事前に実施することなく、デジタル粉じん計を使った測定を可能としたこと。
2 汚染土壌等の放射能濃度の簡易測定手順について
従来の土のう袋等を用いた測定手順に加え、より容量の大きなフレキシブルコンテナや200リットルドラム缶等を用いた測定手順を追加したこと。
別添5
○除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドラインの改正等について
平成25年4月12日基発0412第9号
(別記の関係事業者団体の長あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働安全衛生行政の運営につきましては、平素より格段の御理解、御協力をいただきお礼申し上げます。
さて、厚生労働省では、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質に係る土壌等の除染等の業務又は廃棄物収集等業務に従事する労働者の放射線障害を防止するため、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」(平成23年厚生労働省令第152号。以下「除染電離則」という。)等を平成24年1月1日から施行するとともに、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号。平成24年6月15日付け基発第0615第6号により一部改正。以下「除染ガイドライン」という。)を定め、その適切な実施を指導しているところです。
今般、最新の知見を反映し、事業者による粉じん濃度及び放射能濃度の測定等をより一層的確に実施するため、除染ガイドラインの別紙3「高濃度粉じん作業に該当するかの判断方法」及び別紙6―1「放射能濃度の簡易測定手順」を別添1及び2のとおり改正いたします。
つきましては、貴団体におかれても、下記事項にご留意の上、貴団体会員に対し周知徹底を図るとともに、除染等業務における放射線障害防止対策の一層の推進を図られるようお願い申し上げます。
記
1 高濃度粉じん作業に該当するかの判断方法について
あらかじめ定められた質量濃度換算係数を使用したデジタル粉じん計による測定による判断方法を追加したこと。これにより、従来必要だった質量濃度換算係数を決定するための測定を事前に実施することなく、デジタル粉じん計を使った測定を可能としたこと。
2 汚染土壌等の放射能濃度の簡易測定手順について
従来の土のう袋等を用いた測定手順に加え、より容量の大きなフレキシブルコンテナや200リットルドラム缶等を用いた測定手順を追加したこと。
別記
中央労働災害防止協会
建設業労働災害防止協会
陸上貨物運送事業労働災害防止協会
港湾貨物運送事業労働災害防止協会
林業・木材製造業労働災害防止協会
一般社団法人全国建設業協会
社団法人日本建設業連合会
公益社団法人全国産業廃棄物連合会
全国森林組合連合会
全国農業協同組合中央会
公益社団法人全日本トラック協会