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通達:「じん肺標準エックス線写真集」(平成23年3月)フィルム版及び電子媒体版の取扱いについて

 

「じん肺標準エックス線写真集」(平成23年3月)フィルム版及び電子媒体版の取扱いについて

平成23年9月26日基安労発0926第1号

(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長通知契印省略)

 

じん肺法(昭和35年法律第30号)に基づくじん肺健康診断及びじん肺管理区分の決定(以下「じん肺健康診断等」という。)における胸部エックス線写真の像の区分の判定においては、「じん肺標準エックス線フィルム」(昭和53年)が用いられてきたところである。

今般、新たに「じん肺標準エックス線写真集」(平成23年3月)フィルム版及び電子媒体版が使用できるようになったことから、その取扱い方法を示すので、その実施及び貴管下の関係医療機関への周知につき遺憾なきを期されたい。

なお、別記の団体に対しては、関係医療機関等への周知のため「じん肺標準エックス線写真集」(平成23年3月)電子媒体版を送付し、別紙のとおり要請を行ったので、了知されたい。

 

1 「じん肺標準エックス線写真集」(平成23年3月)フィルム版(以下、「フィルム版」という。)の取扱いについて

(1) フィルム版は、厚生労働省本省及び各都道府県労働局に配布されているものであること。

(2) フィルム版は、厚生労働省本省及び各都道府県労働局におけるじん肺管理区分の決定におけるじん肺のエックス線写真の像の区分の判定のために用いられるものであること。

2 「じん肺標準エックス線写真集」(平成23年3月)電子媒体版(以下、「電子媒体版」という。)の取扱いについて

(1) 電子媒体版は、厚生労働省本省、各都道府県労働局及びじん肺健康診断等を実施する医療機関等の関係団体に配布されているものであること。

(2) 電子媒体版は、じん肺健康診断等を実施する医療機関等において使用するものであり、医療機関等の求めに応じ、期限を定めて貸与し、必ず返却させること。

(3) 電子媒体版の貸与にあたっては、その使用目的及び具体的な使用方法について、別添「「じん肺標準エックス線写真集」電子媒体版について」の内容及び下記3の内容を周知させること。なお、医療機関等が電子媒体版に収録されたデータの継続的な保存を希望する場合は、電子媒体版は一定の条件の下で複製可能であることから、医療機関等において複製することは差し支えないこと。

3 じん肺健康診断等におけるフィルム版及び電子媒体版の使用について

(1) じん肺健康診断等を実施する医療機関等における電子媒体版の必要要件及び使用方法については、医療機関等の医療機器(画像データの保存装置、キャプチャー機器及びビューワー、医療用モニター、イメージャー)により異なるので、別添「「じん肺標準エックス線写真集」電子媒体版について」に示した医療機器の必要要件等を確認すること。

なお、別添「「じん肺標準エックス線写真集」電子媒体版について」の5のアにおいて、じん肺健康診断に用いる医療機器が同4に示した4つの要件のすべてを満たす場合、「受診者の胸部エックス線写真は、各撮影装置のじん肺モードを用いて撮影して下さい。」としているが、この方法により適切な胸部エックス線写真が撮影できる撮影装置については、専門家による確認を経て順次示すこととし、それまでの間は同イに準じ、現行どおりの条件にて撮影すること。

(2) デジタル写真によるじん肺のエックス線写真の像の区分の判定におけるフィルム版及び電子媒体版の使用方法については、平成22年6月24日付け基安労発0624第1号「じん肺健康診断及びじん肺管理区分の決定におけるDR(FPD)写真及びCR写真の取扱い等について」の一部を改正し、別途通知するので、その内容を参照すること。

(3) アナログ写真によるじん肺のエックス線写真の像の区分の判定は、従来どおり「じん肺標準エックス線フィルム」(昭和53年)を使用できるほか、電子媒体版に収録された写真データを別添「「じん肺標準エックス線写真集」電子媒体版について」に示された適切な条件においてフィルムに出力したものを使用しても差し支えないこと。

4 フィルム版及び電子媒体版に収録された胸部エックス線写真等の所見については、別添「「じん肺標準エックス線写真集」附属書」の内容を参照すること。なお、別添「「じん肺標準エックス線写真集」電子媒体版について」及び別添「「じん肺標準エックス線写真集」附属書」の電子データについては、電子媒体版のDVD―ROMにも収録されている。

 

(別添)

「じん肺標準エックス線写真集」電子媒体版について

(平成23年3月)

【目次】

1 はじめに

2 使用目的

3 収録データの権利関係

4 じん肺健康診断に用いる医療機器の必要要件

5 じん肺健康診断における電子媒体版の使用方法

6 フィルム出力時の留意点(グレースケールパターン画像の使用方法)

1 はじめに

じん肺標準エックス線写真集電子媒体版(以下「電子媒体版」)は、DVD―ROMに収録されています。DVD―ROM等の電子媒体は、フィルムと比較して、サイズが小さい、画像データの劣化がないといった利点があります。その一方で、使用する機器やその設定によって画像の見え方が大きく変わることがある等、電子媒体ならではの留意点もあります。

この文書では、電子媒体版の適切な使用方法等について解説します。

2 使用目的

電子媒体版及びそれに収録された電子データは、非営利目的であれば無償にて使用及び複製が可能です。ここでいう「非営利目的」とは、下記(1)から(4)のような用途を想定しています。

(1) 医療機関等におけるじん肺健康診断の実施。

(2) 事業場等(営利企業を含む)における、粉じん作業を行う労働者の健康管理に資する活動(例えば、事業場内の衛生委員会、関係団体での教育研修等)の実施。ただし、当該活動の実施に伴う金銭の授受は講師報酬等の必要経費に充当する場合に限る。

(3) 研究機関(大学等)における粉じん作業を行う労働者の健康管理に資する研究の実施。

(4) 行政機関(厚生労働省等)における行政施策の実施。

3 収録データの権利関係

電子媒体版に収録されている各種データの著作権等については、下記のとおりです。

(1) 症例の胸部エックス線写真及び胸部CT写真は、平成19~21年度厚生労働科学研究「じん肺健康診断におけるエックス線デジタル撮影画像の活用に関する研究」(主任研究者 村田喜代史)、平成22年度厚生労働科学研究「じん肺健康診断等におけるデジタル画像の標準化ならびにモニター診断および比較読影方法の確立に関する研究」(主任研究者 村田喜代史)及び厚生労働省「デジタル撮影によるじん肺標準エックス線画像に関する検討会」(平成22年10月~平成23年1月)において収集及び選定が行われたものであり、国(厚生労働省)が管理します。

(2) グレースケールパターン画像は、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が著作権を保有しており、非営利目的に限り使用可とされています。

(3) 「Array AOC」は、アレイ株式会社の製品であり、その使用は同社の定める使用許諾条件に基づきます。

(4) 「Adobe Reader」は、Adobe Systems Incorporatedの製品であり、その使用は同社の定める使用許諾条件に基づきます。

4 じん肺健康診断に用いる医療機器の必要要件

電子媒体版をじん肺健康診断に用いる場合、あらかじめ下記(1)から(4)の要件を確認しておく必要があります。

(1) 画像データの保存装置

・画像データの保存は、グレースケール10ビット(1024階調)以上、画素サイズ200ミクロン以下のフォーマットで行うこと。

この要件を満たさない場合、画像データを医療用モニター及びフィルムに出力しても、鮮明な画像が得られません。

(2) キャプチャー機器(CR又はDR(FPD)の撮影装置)及びビューワー(画像を表示するソフトウェア)

・DICOM Part14に準拠したP―Value(グレースケール変換処理後の画素値)に対応した運用が行われていること。

この要件を満たさない場合、画像データを医療用モニター及びフィルムに出力したときに、画像の見え方が大きく変わり、じん肺の読影には不適切な画像となってしまいます。

(3) 医療用モニター(ディスプレイ)

・二面モニターを用いることが望ましい。

・解像度は3メガピクセル(1536×2048ピクセル)以上であることが望ましい。

・輝度が300cd/m2以上であること。

・DICOM Part14に準拠したキャリブレーション(表示の補正)がなされていること。

これらの要件を満たさない場合、じん肺の読影には不適切な画像の見え方となってしまうおそれがあります。

(4) イメージャー(フィルム出力装置)

・DICOM Part14に準拠したP―Valueの画像データを適切に出力すること。

この要件を満たさない場合、医療用モニターでは適切な画像が得られても、フィルムに出力したときに画像の見え方が大きく変化し、じん肺の読影には不適切なフィルムとなってしまいます。

参考:DICOM Part14について

DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)は、米国電機工業会(NEMA)が管理し、国内の医療機器メーカーにおいても対応が進んでいる医用画像の規格群です。そのうちPart14ではグレースケール(白黒階調)に関する規格が定められています。

5 じん肺健康診断における電子媒体版の使用方法

じん肺健康診断における電子媒体版の使用方法は、上記4に示した要件(1)から(4)のうち、いずれを満たしているかによって異なります。

ア 要件(1)から(4)の全てを満たす場合

・じん肺健康診断受診者の胸部エックス線写真の画像データと、電子媒体版に収録された標準写真の画像データを、医療用モニターを用いて比較読影することが可能です。

・このとき、受診者の胸部エックス線写真は、各撮影装置のじん肺モードを用いて撮影して下さい。

 

イ 要件(2)を満たすビューワー及び(4)を満たすイメージャーはあるが、他の要件のいずれかを満たさない場合

・医療用モニターを用いた比較読影はできませんが、受診者の胸部エックス線写真のフィルムと、電子媒体版に収録された標準写真をフィルムに出力したものとの比較読影が可能です。

・このとき、受診者の胸部エックス線写真は、「じん肺健康診断及びじん肺管理区分の決定におけるDR(FPD)写真及びCR写真の取扱い等について」(平成22年6月24日付け基安労発0624第1号)に示した条件で撮影して下さい。

 

ウ 上記アとイのいずれにも該当しない場合

・じん肺健康診断に電子媒体版は使用できません。

6 フィルム出力時の留意点(グレースケールパターン画像の使用方法)

上記5のアの使用方法においてじん肺健康診断受診者の胸部エックス線写真をフィルムに出力するとき、及び上記5のイの使用方法において電子媒体版に収録された標準写真をフィルムに出力するときには、じん肺の読影に適した画像を得るために、用いられる機器及びその設定がDICOM Part14に準拠していることが確認されている必要があります。

具体的には、胸部エックス線写真の撮影からフィルム出力までに用いる機器又はその設定を変更したときに、P―Valueで出力されたグレースケールパターン画像をビューワーからフィルムへ出力し、フィルム濃度値がほぼリニア(直線)になっていること(通常±0.1程度に収まる)を確認して下さい。