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通達:受動喫煙防止対策助成金の支給の実施について

 

受動喫煙防止対策助成金の支給の実施について

平成23年9月16日基発0916第6号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

最終改正 令和元年5月9日基発0509第1号

 

標記については、労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令(平成23年厚生労働省令第113号。以下「改正省令」という。)が平成23年9月6日付けで公布され、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第29条第1項第3号に掲げる社会復帰促進等事業として、受動喫煙防止対策助成金を創設することとしたところである。

また、「受動喫煙防止対策助成金の支給について」(平成23年9月16日厚生労働省発基安0916第1号)をもって受動喫煙防止対策助成金交付要綱が定められたところであるが、今般、別添のとおり「受動喫煙防止対策助成金交付要領」を定め、平成23年10月1日より施行することとしたのでその実施に遺漏なきを期されたい。

 

(別添)

受動喫煙防止対策助成金交付要領

労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第29条第1項第3号に掲げる社会復帰促進等事業として実施する受動喫煙防止対策助成金(以下「助成金」という。)の交付については、受動喫煙防止対策助成金交付要綱(以下「交付要綱」という。)に定めるほか、この要領によるものとする。

第1 趣旨

職場における受動喫煙防止対策については、平成4年より、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)に基づく快適職場形成の一環として対策を推進してきたところであるが、平成27年6月1日より、労働安全衛生法において、職場の受動喫煙防止対策について実情に応じた措置を講じることを事業者の努力義務とすること及び国が必要な援助を行うことが規定されている。

そこで、労働者の健康を保護する観点から、事業場における受動喫煙を防止するための効果的な措置を講じる事業者を支援し、もって職場における受動喫煙防止対策の推進に資するため、助成金を交付する。

第2 交付対象事業主

本助成金は、次の(1)から(3)までのいずれにも該当する中小企業事業主に対して交付するものとする。

(1) 次のアからエまでのいずれかに該当する中小企業事業主であること。ただし、第4の2の④の措置を講ずる場合にあっては、措置を講じる事業場が令和2年4月以降に健康増進法(平成14年法律第103号)に規定する既存特定飲食提供施設に該当する見込みである中小企業事業主であること。

ア 製造業、建設業、運輸業その他の業種(以下イからエまでに掲げる業種を除く。)については、その常時雇用する労働者が300人以下又はその資本金の規模が3億円以下

イ 卸売業については、その常時雇用する労働者の数が100人以下又はその資本金の規模が1億円以下

ウ 小売業については、その常時雇用する労働者の数が50人以下又はその資本金の規模が5,000万円以下

エ サービス業については、その常時雇用する労働者の数が100人以下又はその資本金の規模が5,000万円以下

(2) 事業場の室内又はこれに準ずる環境において当該室以外での喫煙を禁止するために喫煙専用室を設置する等の措置を講じる中小企業事業主であること。

(3) (2)に規定する措置の実施の状況を明らかにする書類を整備している中小企業事業主であること。

第3 不交付要件

第2の交付対象事業主からの助成金の交付申請であっても、次の(1)~(10)に該当する場合は助成金を交付しないものとする。

(1) 当該事業主が、交付要綱第4条の様式第1号「受動喫煙防止対策助成金交付申請書」(以下「交付申請書」という。)の提出日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度において、労働保険料の滞納が継続している場合

(2) 当該事業主が、交付申請書の提出日から起算して過去3年間に、労働者災害補償保険法第3章の2又は雇用保険法(昭和49年法律第116号)第4章の規定により支給される給付金について、不正受給を行った場合

(3) 暴力団関係事業場(事業主又は事業主が法人である場合にあっては、当該法人の役員若しくは事業場の業務を統括する者その他これに準ずる者のうちに暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)に該当する者のある事業場、暴力団員が経営に実質的に関与している事業場及びこれらの事業場であると知りながら、これを不当に利用するなどしている事業場等)であると認められる場合

(4) 当該事業主又は当該事業主が法人である場合にあっては、当該法人の役員若しくは事業場の業務を統括する者その他これに準ずる者のうちに破壊防止法(昭和27年法律第240号)に規定する暴力主義的破壊活動を行った又は行う恐れのある団体に属している場合

(5) 当該事業主が、交付申請書の提出日又は交付要綱第14条の様式第11号「受動喫煙防止対策助成金交付額支払請求書」(以下「支払請求書」という。)の提出日の時点で倒産している場合

(6) 当該事業主が、第3(2)の不正受給が発覚した際に都道府県労働局長等が実施する事業主名の公表について、あらかじめ同意していない場合

(7) 当該事業主が、交付申請書の提出日の前日から起算して1年前の日から支払請求書の提出日の前日までの間に、労働関係法令違反を行ったことが明らか(司法処分等)である場合など、当該事業主に本助成金を交付することが適切でないと都道府県労働局長が認める場合

(8) 当該事業主が交付要綱第4条において申請した受動喫煙の防止に係る事業計画(以下「事業計画」という。)の内容が、健康増進法(平成14年法律第103号)、建築基準法(昭和25年法律第201号)、消防法(昭和23年法律第186号)その他当該事業計画に関連する法令等に抵触している場合

(9) 当該事業主が事業計画の内容に対して他の補助金等を受けている又は申請を行っている場合

(10) その他助成金を交付することが適切でないものと都道府県労働局長が認める場合

第4 交付対象

1 交付要綱第3条第2項に定める助成金の交付は、事業場単位とし、1事業場当たり1回に限るものとする。

2 受動喫煙を防止するための措置に係る事業の実施に必要な経費として助成金の交付が認められる対象は、次のとおりとする。

① 喫煙専用室の設置(要件を満たすための改修等を含む。)

第5の1の(2)の①に定める要件を満たす喫煙専用室を設置するために必要なもの(工費、設備費、備品費及び機械装置費等)とする。

② 指定たばこ専用喫煙室等の設置(要件を満たすための改修等を含む。)

第5の1の(2)の②に定める要件を満たす指定たばこ専用喫煙室等を設置するために必要なもの(工費、設備費、備品費及び機械装置費等)とする。

③ 屋外喫煙所の設置(要件を満たすための改修等を含む。)

第5の1の(2)の③に定める要件を満たす屋外喫煙所を設置するために必要なもの(工費、設備費、備品費及び機械装置費等)とする。

④ ①、②及び③以外の受動喫煙を防止するための措置(要件を満たすための改修等を含む。)

第5の1の(2)の④に定める要件を満たすよう換気装置の設置等の措置を講ずるために必要なもの(工費、設備費、備品費及び機械装置費等)とする。

第5 交付手続

1 助成金の交付申請

(1) 交付申請に必要な書類等

① 交付申請書の提出は、本助成金の交付を受けようとする者(以下「助成事業主」という。)の事業場を管轄する都道府県労働局長(以下単に「都道府県労働局長」という。)に正本及び副本を各1通提出するものとする。

② 交付申請書の(添付書類)の「2 その他関係資料」とは、次のアからキまでの書類とする。

ア 第2に規定する交付事業主の全ての要件に該当する旨及び第3に規定するいずれの条件にも該当しない旨の申立を行う書類(交付要領様式第1号「受動喫煙防止対策助成金交付要件等確認申立書」)

イ 設置等をしようとする喫煙専用室、指定たばこ専用喫煙室等、屋外喫煙所又はそれ以外の措置等を行おうとする喫煙区域(以下「喫煙専用室等」という。)の工事前の場所の写真(申請日から3か月以内に撮影したもの)

ウ 設置等をしようとする喫煙専用室等の場所、仕様、換気扇等の設備、利用可能な人数、その他助成事業の詳細を確認できる資料

エ (2)の要件を満たして設計されていることが確認できる資料

オ 事業場の室内及びこれに準ずる環境において、(2)の①に定める要件を満たす喫煙専用室、(2)の②に定める要件を満たす指定たばこ専用喫煙室等、(2)の③に定める要件を満たす屋外喫煙所又は(2)の④の措置を講じる場所以外においては喫煙を禁止する旨を説明する書類

カ 喫煙専用室の設置等に係る施工業者からの見積書の写し(2者以上)

キ その他都道府県労働局長が必要と認める書類

(2) 喫煙専用室等の要件

① 喫煙専用室の設置(要件を満たすための改修等を含む。)

喫煙専用室の入口において、喫煙専用室内に向かう風速が0.2(m/s)以上となること。また、専ら喫煙の目的で喫煙専用室を使用するための構造や設備であること。

② 指定たばこ専用喫煙室等の設置(要件を満たすための改修等を含む。)

指定たばこ専用喫煙室等の入口において、指定たばこ専用喫煙室等内に向かう風速が0.2(m/s)以上となること。また、労働者が受動喫煙を受けないよう対策を講じること。

③ 屋外喫煙所の設置(要件を満たすための改修等を含む。)

屋外喫煙所における喫煙により当該喫煙所の直近の建物の出入口等における浮遊粉じん濃度が増加しないこと。また、専ら喫煙の目的で屋外喫煙所を使用するための構造や設備であること。

④ ①、②及び③以外の受動喫煙を防止するための措置(要件を満たすための改修等を含む。)

顧客が喫煙できることをサービスに含めて提供している場所(たばこの煙の流出防止措置を講じていないものに限る。)における受動喫煙を防止するための措置として、以下のいずれかの要件を満たすこと。

ア 措置を講じた結果、粉じん濃度が0.15(mg/m3)以下となること。

イ n席の客席における1時間当たりの必要換気量が70.3×n(m3)以上となること。

(3) 交付決定のための審査

交付要綱第5条に定める助成事業主から提出された交付申請書等について都道府県労働局長が行う審査の要件は、次の①から⑧までとし、これらの要件を全て満たす場合に助成金の交付を決定するものとする。

① 「第2 交付対象事業主」の全ての要件に該当していること。

② 「第3 不交付要件」のいずれの条件にも該当していないこと。

③ 事業計画の内容について、交付申請時において未着工であることが証明できること。

④ 設置等をしようとする喫煙専用室等の詳細(設置予定場所及び設置する設備等)が写真や資料によって確認でき、不明瞭な点がないこと。

⑤ 施工業者からの見積書が明瞭であること。

⑥ 見積書の内訳が喫煙専用室等の仕様に従って詳細に記載されていること。

⑦ (2)の要件を満たして設計されていることが確認できること。

⑧ 事業計画の内容が技術的及び経済的な観点から妥当であること。

特に経済的な観点について、助成対象経費が、喫煙専用室等の面積に以下の表に掲げる金額を乗じた金額を超える場合は、当該金額を超える合理的な理由があると都道府県労働局長が認める場合を除き、当該金額を助成対象経費として助成金の交付決定を行うものとする。

また、喫煙専用室等の想定利用人数と面積とのバランスについても、審査の際に考慮するものとする。

交付対象

設置を行おうとする喫煙専用室等の面積に乗じる金額

・喫煙専用室の設置

・指定たばこ専用喫煙室等の設置

・屋外喫煙所の設置

(いずれも要件を満たすための改修等を含む。)

60万円/m2

・上記以外の受動喫煙を防止するための措置

(要件を満たすための改修等を含む。)

40万円/m2

(4) 受動喫煙を防止するための措置に関する事業の実施

助成事業主は、都道府県労働局長より交付要綱第5条第1項の様式第2号による「受動喫煙防止対策助成金交付決定通知書」(以下「交付決定通知書」という。)を受けた後に当該事業の発注・施工を行うこと。当該交付決定通知書を受ける前に実施した事業については原則として助成金を交付しないので留意すること。

なお、交付決定通知書を受ける前に事業の発注、支払等を行う特段の事情がある場合には、事前に都道府県労働局長の承認を得ること。

(5) 変更の承認申請及び承認

交付決定通知書を受けた助成事業主は、やむを得ない事由により、交付決定を受けた事業の内容の一部を変更しようとする場合、あらかじめ交付要綱第7条の様式第4号「受動喫煙防止対策助成金交付決定内容変更承認申請書」と併せて交付決定通知書の写し、加えて、既に交付決定を受けた事業の内容の変更について都道府県労働局長の承認を受けているものがある場合にあっては、交付要綱第8条の様式第5号において定める「受動喫煙防止対策助成金交付決定内容変更承認通知書」(以下「変更承認通知書」という。)の写しを都道府県労働局長に提出するものとする。なお、当該変更の承認申請をせず、交付決定通知書により承認を受けた内容と異なる内容を実施した場合は、その変更が軽微であるものを除き、原則として助成金を交付しないので、留意すること。

(6) 事業を中止又は廃止する場合

交付決定通知書を受けた事業者は、当該交付決定を受けた事業を中止又は廃止する場合、交付要綱第9条の様式第7号「受動喫煙防止対策助成金事業中止(廃止)承認申請書」と併せて交付決定通知書の写しを都道府県労働局長に提出するものとする。

2 助成事業の実績報告及び助成金の額の確定

(1) 事業実績報告

① 交付要綱第11条の様式第9号「受動喫煙防止対策助成金事業実績報告書」(以下「事業実績報告書」という。)は、1の(1)の①において交付の決定を受けた都道府県労働局長に正本及び副本を各1通提出するものとする。

② 事業実績報告書の(添付書類)の「2 その他関係資料」とは、次のアからキまでの書類とする。

ア 交付決定通知書の写し

イ 交付決定内容の変更を受けた場合は、変更承認通知書の写し(複数回変更している場合はその全ての写し)

ウ 受動喫煙の防止に係る事業の領収書及び当該経費に係る内訳の写し並びに領収書の金額が正しいことを証する書面(振込明細書等)

(領収書が発行されない場合にあっては、経費に係る内訳の写し及びその金額が正しいことを証する書面(振込明細書等))

エ 設置等をした喫煙専用室等の場所、仕様、換気扇等の設備、その他実施した受動喫煙を防止するための設備、備品等の詳細を確認できる写真(工事終了後速やかに撮影したもの)

オ 交付決定を受けた内容と実際に実施した事業が相違ないことを説明する書類

カ 実施した受動喫煙を防止するための措置が、1の(2)の要件を満たしていることを確認できる書類

キ その他都道府県労働局長が必要と認める書類

(2) 事業実績報告書の審査及び助成金の額の決定

交付要綱第13条に定める助成事業主から提出された事業実績報告書について都道府県労働局長が行う審査の要件は、次の①から④までとし、これらの要件を全て満たす場合に助成金の額を確定し、その交付を行うものとする。

① 交付決定通知書で交付決定した事業の内容(交付決定を受けた事業の内容を変更している場合には変更承認通知書で承認を受けた事業の内容を含む。複数回変更している場合にはその全て。)と、実施した事業の内容が一致していること。特に1の(2)の要件に合致していること。

② 実施した受動喫煙を防止するための措置の詳細が写真や資料によって確認でき、不明瞭な点がないこと。

③ 受動喫煙を防止するための措置に関する施工業者からの領収書及び当該経費に係る内訳の写し並びに領収書の金額が正しいことを証する書面(振込明細書等)等が明瞭であること。

④ 領収書等の金額に対する交付申請時に添付された見積書の金額及びそれらの内訳が妥当なものと認められること。

⑤ 「事業の実施期間」中に工事が施工されていること及び事前に都道府県労働局長の承認がある場合を除き、交付決定通知の日以降に工事の発注、支払等が行われていること。

(3) 助成金の交付方法

受動喫煙防止対策助成金の交付は、都道府県労働局長が、交付要綱第14条の様式第11号「受動喫煙防止対策助成金交付額支払請求書」により助成金振込先として申請された金融機関の口座に振り込むことによって行うものとする。

第6 交付申請の取下げ

助成事業主は、交付要綱第6条の規定に基づき本助成金交付の申請を取り下げようとするときには、書面にその理由を付して都道府県労働局長に提出するものとする。

第7 立入検査等

都道府県労働局長は、交付要綱第5条に定める交付決定、同第8条に定める交付決定内容の変更の承認、同第13条に定める助成金の額の確定、その他本助成金の適正な運用を確保するために必要があるときは、交付要綱第18条に規定する立入検査等を行うものとする。

第8 財産の管理等

助成事業主は、交付要綱第19条第1項に基づき、設置等をした喫煙専用室等については、助成対象事業の完了後においても、適切に管理し、助成金交付の目的に従って、その効率的な運用を図らなければならない。

また、助成事業主は、交付対象設備等の設置後、おおむね1年経過するごとに、喫煙専用室等の運用状況に係る現状報告(様式第2号)を都道府県労働局長に提出するものとする。

都道府県労働局長は、当該報告を踏まえ、必要があるときは、助成事業主に指導等を行うものとする。

附則

この要領は、平成23年10月1日から施行する。

改正 平成25年5月16日 一部改正。

なお、改正前の「受動喫煙防止対策助成金支給要綱」第11条第1項の規定に基づき支給の決定を受けた助成事業主にあっては、改正前の「受動喫煙防止対策助成金支給要領」の第7の規定は、なおその効力を有する。

改正 平成26年7月1日 一部改正。

改正 平成27年4月13日 一部改正。

改正 平成28年4月1日 一部改正。

改正 平成29年4月1日 一部改正。

改正 平成30年4月1日 一部改正。

改正 令和元年5月9日 改正。

 

様式第1号(受動喫煙防止対策助成金交付要件等確認申立書)


様式第2号(喫煙専用室等の運用状況に係る現状報告書)