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ビルガラス外装清掃作業におけるブランコ作業マニュアルについて
平成23年5月23日基安安発0523第2号
(都道府県労働局労働基準部安全主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)
ビルのガラス外装等の清掃作業におけるブランコ使用による作業(以下「ブランコ作業」という。)の安全対策については、平成22年3月17日付け基安安発0317第1号「ビルガラス外装清掃作業における安全作業マニュアルについて」により、関係事業場に対する安全衛生教育の促進等について指導の徹底や関係団体と連携した取組の推進を指示したところであるが、平成22年のブランコ作業における墜落による死亡災害は別紙のとおり、なお5件発生している状況にある。
今般、全国ガラス外装クリーニング協会連合会から、昨年提供された「ビルの窓ガラス及び外壁清掃作業安全基準」の内容を踏まえて、新たにブランコ作業者向け安全教育用に作成した「ブランコ作業マニュアル」の提供があったので、送付する。
ついては、引き続き、安全衛生教育や墜落防止措置の徹底を図るとともに、各地区のガラス外装クリーニング協会及び都道府県ビルメンテナンス協会と連携協力し、会員外の事業場も対象に、集団指導の実施、ブランコ作業に係る安全教育講習の計画的な実施を促進されたい。
別紙
ブランコ作業における死亡災害の概要
1.平成22年に発生した死亡災害5件の概要
1月21日
被災者は、ホテルの窓清掃作業のため、ロープを緊結し、ホテル屋上のパラペット(屋上手すり)からロープを伝って下降しようとしたところ、ロープの緊結がほどけ、高さ約45m下の地面に墜落した。
6月11日
被災者は、8階建てビルの外面窓清掃作業のため、屋上にブランコをセットした後、6階の窓ガラスを清掃していたところ、ブランコのロープ2本が切断し、地上へ墜落した。
8月5日
被災者は、6階建ビルの窓拭き作業のため、屋上において、ビル外壁を下るための「ブランコ(通称)」を取付けるメインロープを盛り替えていたところ、何らかの原因で屋上南端から22.3m下の当該ビル南側のアスファルト駐車場に墜落した。
11月13日
被災者は別の作業者と2名で、建物(高さ約24m)の窓ガラス清掃作業を行っており、吊り下げ器具を移動させた後、吊り下げ器具の固定をするための親綱を張っていたところ、パラペット(屋上手すり)付近にいた被災者が、吊り下げ器具とともに地上に墜落した。
12月22日
被災者は、7階建てビルにおいて、ブランコを使用して外壁・窓清掃作業を行っていたところ、ブランコを支えていたメインロープの屋上部分の結び目が外れ,被災者は,7階壁面位置からメインロープ・ブランコごと地上に墜落した。被災者の垂直親綱(ライフライン)は外れていなかった。
2.これまでに発生したブランコ作業における墜落災害の主な原因
ここ10年間に発生したブランコ作業に係る墜落災害26件の原因については、「安全帯を使用せずブランコ作業準備のため建物屋上から墜落」(9件)、「ロープがほどけたこと」(6件)及び「ロープが切断したこと」(4件)が全体の8割を占めている。