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通達:ビルガラス外装清掃作業における安全作業マニュアルについて

 

ビルガラス外装清掃作業における安全作業マニュアルについて

平成22年3月17日基安安発0317第1号

(都道府県労働局労働基準部安全主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)

 

ビルのガラス外装等の清掃作業においては、足場の設置が困難な高所作業となるため、ゴンドラ作業のほかブランコを使用して作業が行われているところである。

特に、ブランコを使用した作業については、作業床が無く不安定な作業状態になりがちであるとともに、作業者への安全衛生教育が不十分である等により、別添のとおり墜落による死亡災害が発生している。

今般、全国ガラス外装クリーニング協会連合会からビルのガラス外装等の清掃作業における安全作業マニュアル「ビルの窓ガラス及び外壁清掃作業安全基準」の提供があったので、同資料を活用し、関係事業場に対して安全衛生教育、墜落防止措置等の実施について指導の徹底を図るとともに、各地区のガラス外装クリーニング協会、都道府県ビルメンテナンス協会等と連携し、集団指導の実施、ブランコ作業に係る安全教育講習の計画的な実施を促す等の取組を推進されたい。

 

別添

ビルのガラス外装清掃作業等のブランコ作業における死亡災害発生状況(平成12年~21年)

年月

業種

事故の型

 

平成20年11月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

ブランコでの窓拭き作業中に使用のメインロープが切れて4階付近から路上に転落したもの。

平成20年3月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

8階建てビルの外部窓ガラス清掃中、5階窓ガラス部分にブランコがあり、その位置から約9m下の3階ベランダへ墜落し、死亡した。

平成19年11月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

3階建て分譲マンションの外部窓ガラスの清掃作業を行なうため、高さ約10メートルの3階屋上に上り、建物中央の吹き抜け開口部(370cm×337cm)付近で、ロープ(長さ80m)を丸環に結ぶ等のブランコ作業の準備をしていたところ、誤って吹き抜け開口部から地下1階(高さ12m)へ墜落したもの。

平成19年10月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

市民会館において、被災者は屋上からロープを垂らしてブランコに乗り、外部窓ガラスの清掃作業を行った。8F窓ガラスの清掃を行い、引き続き7F窓ガラスの清掃を行うため、ブランコを下に移動した際に、屋上の既設丸カンに固定されていた本ロープがはずれ、ブランコごと墜落した。被災後、すぐに救急車で医療機関へ搬送されたが、5日後に死亡した。

平成18年10月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

5階建築物外部の窓ガラスをブランコを使用して清掃中、建物の屋上に設けられている丸環からブランコを吊っていたロープが外れ墜落し死亡した。

平成18年6月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

作業員4名で5階建てビルの外面ガラスの清掃作業を清掃用ブランコを使用して作業を行っていたが、被災者の姿が見えないことに気づいた同僚が屋上から地上を見下ろしたところ、ビル北側の地上植え込みに被災者が倒れているのを発見し、病院に搬送されたが死亡したもの。

平成17年9月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

市の保健福祉総合センターにて、4階部分の窓清掃作業をキャットウォーク上から行っていたが、手の届かない部分の清掃作業を行うため、屋上からつり下げてあったロープ(ライフライン)にブランコをつなぎ、そこを足がかりにして作業しようと足をかけたところ、ロープが緩んだことからバランスを崩して約1.4m下のキャットウォーク上に墜落し背中を打ち、さらに、約3.6m下の木床上に墜落したもの。

平成17年3月

その他の建築工事業

墜落、転落

高さ15mのサイロの塗装工事において、旧塗装のケレン作業をブランコを使用して行っていた被災者がサイロの下に倒れているのを、通りかかった同僚が発見したもの。被災者が倒れていたサイロ上部には、ブランコが仮設足場の単管に緊結された主ロープに繋がった状態で、命綱用の補助ロープも構造物の手摺に緊結され吊り下がったままの状態で残されていた。また、被災者は安全帽・安全帯を着用した状態で発見された。

平成16年5月

その他の事業

墜落、転落

10階建マンション外壁の老朽破損状況調査(独立した調査であり工事ではない)において、被災者がブランコ機材を持ち込み、一人で出張作業をしていた。エレベーター塔屋壁面のチェック箇所に貼り付けておいたマーキングテープを剥がして降下中にロープが解け、少なくとも16m以上の高さからブランコ及びロープごと地面に墜落したもの。

平成15年10月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

被災者1名により、6階建てテナントビル屋上にある丸環に補助ロープ(ポリエチレン製、直径15ミリ)を取り付け、ブランコ作業にてビル5階の外側窓を清掃していたところ、ロープが切断し高さ約15メートルのところから墜落し、心臓破裂により死亡した(被災者1名による作業で、現認者がいないため推定)。

平成15年7月

その他の事業

墜落、転落

7階建マンションの外壁の隙間に棲み込んだコウモリの巣穴に2cm角のスポンジをベランダから脚立を使って押し込んだ後、外部から点検するため直径が3cmの繊維ロープにブランコを取り付けて屋上から降りようとしていたところ、屋上の丸環に結び付けていた繊維ロープが解けて約22mの箇所からブランコもろとも地上に墜落した。

平成15年6月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

被災者は、単独でブランコ作業を行い、6階建ビルのガラス外装の清掃作業に従事していたが、被災者は通常使用する18mmロープを使わず16mm径ロープ(ライフライン用)を使い作業していたところ、ロープが建物パラペット端部で切断され、6階付近よりおよそ18.5m下のビル前方の歩道上(アスファルト)に墜落、救急車で病院に搬送されたが死亡した。

平成15年6月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

9階建てビルの窓ガラス清掃を行っていたところ、屋上搭屋のパラペット部で下方の窓ガラス清掃に使用するためのブランコ(ベンチ)をセットする際に誤って約38メートル下方の駐輪場屋根に墜落したもの。

平成15年5月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

ビル(9階建・高さ約31m)の窓ガラス清掃作業をブランコを使用して5人(内1人は見張り)で行っていた。被災者は1回目の清掃作業を終了し、2回目の作業に取り掛かる時に、まず、ライフラインを次の作業箇所に移設し、次にメインロープ等を運搬中に墜落したもの(各ロープは屋上の手すりの下欄に取付けて作業を行っていた。屋上端と手すり間は約1mある)。

平成14年10月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

被災者は主に窓拭き作業を行う清掃作業員で、被災場所であるマンション屋上の手すりにロープを結んで窓拭き用ブランコを用いて窓拭き作業を行っていたところ、手すりに結んでいたロープがほどけて高さ約16メートル部分から墜落し死亡したもの。

平成14年10月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

7階建の雑居ビル(高さ約26.5m)の窓の清掃作業(ブランコ作業の準備)を行なっていた労働者が屋上から墜落して死亡した。災害発生時は①屋上にバケツ、ヘルメットが置いてあり②屋上に安全帯用のロープ35mがあり③労働者はブランコ・ピンが通っていないシャックル・ブランコ用のロープ35mと一緒に墜落し④ロリップが付いた安全帯を腰に巻いた状態であった。

平成13年10月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

7階建てビルの外窓清掃作業中、作業箇所を移動する為、ブランコを取り付けるロープ先端のフックを付け替えて、作業を開始しようと、ビル屋上のパラペット上に乗り身体を傾げたところ、当該フックがかかっておらず、約25メートル下にブランコと共に墜落した。

平成13年10月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

被災者は、清掃作業現場にて、窓清掃用のブランコを使用して7階の窓(高さ20m弱)を清掃中、躯体屋上部でブランコを固定していたロープの結び目が解けて地上に墜落し、全身打撲により死亡した。

平成13年5月

その他の建築工事業

墜落、転落

屋上防水鉄骨階段塗装工事のため、3階建ビル正面をブランコで塗装作業中上部より70cm終了し、下にブランコを移動しようとした際、ブランコを支えている細ビキロープが切れ、地上11.2mから地面に墜落し死亡したもの。(屋上には安全帯用の親綱が縛られており、被災者は安全帯を着帯していたが、安全帯のロリップを親綱に取り付けていなかった模様)

平成13年4月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

競輪場内にあるメインスタンドにおいて、被災者は3階及び4階の窓ガラス清掃を外側から行うためブランコに腰を掛けて屋上(高さ24.9メートル)から降下する際、あるいは清掃作業中に地上に墜落、被災したもの。

平成13年2月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

市民体育館へ出張しブランコにて窓拭き清掃中、メインロープとブランコをつなげているシャックルが外れ、墜落したもの。

平成12年10月

その他の事業

墜落、転落

ゴルフ練習場の周りを囲ってあるネットを吊り上げるウインチのワイヤーロープをブランコを使って取り替え作業中、ウインチのワイヤーロープが切断され、ブランコ(約高さ15メートル)から墜落したもの。

平成12年10月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

8階建てビルの外部窓ガラスをブランコを使用して清掃中、屋上の端で被災者がバランスを崩し、27m下の路上に墜落したもの。メインロープを別の丸環にセットし直そうとした際、バランスを崩したものと思料される。

平成12年6月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

7階建ての建物において、ブランコにより窓ガラス清掃作業をしていたところ、ブランコ、ロープ等とともに墜落したもの。ロープの固定を堅固な支持物に確実に固定していなかった。

平成12年5月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

病院の窓の清掃を職長と2名で行なうため、屋上のリングに設けた親綱にロープを結び、そのロープに取り付けたブランコに乗り、パラペット端から約1メートル降りたところで屋上にいる職長から清掃道具を受け取ろうとしたところ、親綱に結んでいたロープがほどけ、約30メートル下の1階事務所屋上に墜落し死亡した。

平成12年3月

ビルメンテナンス業

墜落、転落

ビル外側のガラス清掃のため7階屋上において、ブランコを取付作業中に誤って墜落したもの。

(注) 現時点で災害発生状況の検索が可能な平成12年以降についてまとめたもの。平成21年は平成22年3月12日現在ではブランコ作業に係る死亡災害は把握されていない。