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プレス機械又はシャーの安全装置等の型式検定に係る検定の方法等の改正について
平成23年4月7日基発0407第7号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
登録型式検定機関が行うプレス機械又はシャーの安全装置及び動力により駆動されるプレス機械のうちスライドによる危険を防止するための機構を有するものの型式検定に係る検定の方法等については、平成17年4月1日付け基発第0401035号「登録製造時等検査機関が行う製造時等検査、登録個別検定機関が行う個別検定及び登録型式検定機関が行う型式検定の適正な実施について」の別紙3「型式検定に係る検定の方法等」(以下「別紙3」という。)に定められているところであるが、先般、動力プレス機械構造規格の一部を改正する件(平成23年厚生労働省告示第4号)及びプレス機械又はシャーの安全装置構造規格の一部を改正する件(平成23年厚生労働省告示第5号)が制定されたことに伴い、別紙3の表2及び表8を下記のとおり改正するので、関係者への周知を図られたい。
また、今回の改正に伴い、プレス機械又はシャーの安全装置等の型式検定に係る同一型式の範囲についても下記のとおり改正するので、重ねて関係者への周知を図られたい。
なお、本件については、関係する登録型式検定機関に対し、別添により通知したので申し添える。
記
1 平成17年4月1日付け基発第0401035号「登録製造時等検査機関が行う製造時等検査、登録個別検定機関が行う個別検定及び登録型式検定機関が行う型式検定の適正な実施について」の別紙3を次のように改正する。
表2及び表8を別添1のように改め、平成23年7月1日から適用する。
2 昭和53年2月10日付け基発第80号「機械等検定規則の一部を改正する省令の施行について」の別表を次のように改正する。
機械等の種類のうち、「プレス機械又はシャーの安全装置」の項及び「動力プレス機械(スライドによる危険を防止するための機能を有するもの)」の項を別添2のように改め、平成23年7月1日から適用する。
別添1
(下線部が変更部分)
表2 プレス機械又はシャーの安全装置
検定項目 |
検定の方法 |
判定基準 |
1 設計審査 |
(1) 構造、機能等について申請書、構造図、回路図、説明書及びあらかじめ行った試験の結果を記載した書面により確認すること。 (2) ワイヤロープの締結部をクリップで緊結する場合には、ロープの太さが6mm未満のものは2個以上、ロープの太さが6mm以上のものは3個以上のクリップが使用されていることを確認すること。 (3) プレスブレーキ用レーザー式安全装置については、当該安全装置を装着するプレスブレーキの性能及び金型に応じ、使用者が容易に有効な位置に安全装置を装着できるよう説明書等に必要な記載があることを確認すること。 |
・プレス機械又はシヤーの安全装置構造規格(以下この表において「構造規格」という。)第1条、第2条、第4条から第23条まで、第24条第1号及び第2号並びに第25条第1号に適合していること。 |
2 外観検査 |
設計審査により確認した構造図及び回路図と現品を目視、各部の寸法、電圧等を測定すること等により、照合すること。 なお、必要な項目については、安全装置を試験用プレス又はシャーに取り付けて測定等を行うこと。 |
・構造図及び回路図と差異がないこと。 |
3 材料検査 |
掛け合い金具の材料、硬さ及び施された熱処理を構造図、説明書及びあらかじめ行った試験の結果を記載した書面(鋼材分析書等)により確認し、さらに、その試験片についてJISG0566(鋼の火花試験方法)に定める火花試験により化学成分を、硬さ試験器によりロックウェル硬さを測定すること。 |
・構造規格第3条に適合していること。 |
4 強度試験 |
手引き式安全装置の手引きひも及びリストバンドの切断荷重等を測定すること。 |
・構造規格第24条第3号及び第25条第2号に適合していること。 |
5 故障試験 |
(1) 安全装置を試験用プレス等に取り付け、電気回路の電気部品の単一故障状態を模擬的に発生させて、表示ランプの表示及び各行程におけるスライド等の作動状況を確認すること。 (2) 安全装置の作動中に安全装置への電源を遮断し、スライド等の作動状況を確認すること。 |
・構造規格第7条及び第9条に適合していること。 |
6 運転試験 |
安全装置を試験用プレス等に取り付け、プレス等を起動し、以下の試験を行うこと。 |
|
|
(1) 主要な機械部品、主要な電気部品、インターロックガード式安全装置のガードの開閉、両手操作式安全装置の一行程一停止機構及びスライド等を作動させるための操作部の操作、光線式安全装置、制御機能付き光線式安全装置(以下本表において「PSDI式安全装置」という。)又はプレスブレーキ用レーザー式安全装置の検出機構の機能等について確認すること。 |
・構造規格第2条、第6条、第14条、第15条、第16条、第19条、第22条及び第22条の2に適合していること。 |
|
(2) 両手操作式の左右の操作部の時間差が0.5秒を超えたときに起動できないことを、オシロスコープ等で測定すること。 |
・構造規格第16条に適合していること。 |
|
(3) 光線式安全装置又はPSDI式安全装置の投光器及び受光器の間で、直径の異なる試験用遮光棒を移動させて、安全装置が有効に作動する最小検出幅、有効距離及び防護高さを測定すること。 この場合の光線式安全装置又はPSDI式安全装置の電源電圧は、定格電圧の100%、90%及び110%で行うこと。 |
・構造規格第20条又は第21条に適合し、かつ、書面に記載された構造規格第26条第1項第7号の有効距離及び防護高さ以上であること。 |
|
(4) 光線式安全装置又はPSDI式安全装置について、投光器以外の光線に受光器が感応しない構造の試験は、ハロゲンランプ等の光源を用いて確認すること。 |
・構造規格第20条及び第22条第5項において準用する第20条に適合していること。 |
|
(5) PSDI式安全装置の検出機構の起動準備を行うための操作を行った後、30秒を超えた場合に起動できないことを確認すること。 |
・構造規格第22条に適合していること。 |
|
(6) 手引き式安全装置の手引きひもの引き量を測定すること。 |
・構造規格第23条の2に適合していること。 |
|
(7) 開放停止型インターロックガード式安全装置のガードを開いた時、安全一行程式安全装置のスライド等を作動させるための操作部から手が離れた時及び光線式安全装置及びPSDI式安全装置の光線を遮断した時から、急停止機構を作動させる安全装置の出力部から停止信号が出力する時までの時間をオシロスコープにより測定すること。 この場合の開放停止型インターロックガード式安全装置等の電源電圧は、定格電源電圧の100%、90%及び110%の電圧で行うこと。 |
・書面に記載された構造規格第26条第1項第6号の遅動時間以下であること。 |
|
(8) プレスブレーキ用レーザー式安全装置のレーザー光線を遮光した時から、急停止機構を作動させる安全装置の出力部から停止信号が出力する時までの時間をオシロスコープにより測定すること。 この場合のプレスブレーキ用レーザー式安全装置の電源電圧は、定格電源電圧の100%、90%及び110%の電圧で行うこと。 |
・書面に記載された構造規格第26条第1項第8号イの時間以下であること。 |
|
(9) プレスブレーキ用レーザー式安全装置の検出機構は、低閉じ速度以外では検出を無効にすることができないことを確認すること。 |
・構造規格第22条の2に適合していること。 |
7 表示検査 |
表示を確認すること。 |
・構造規格第26条に適合していること。 |
備考 |
構造規格第30条の規定による適用除外を受けた安全装置については、適用しないこととされた規定に関する検定の実施に代えて、適用除外を受けた際の条件に適合していることを確認すること。 なお、構造規格附則第3項に基づき手払い式安全装置の検定を行う場合は、上記設計審査、外観検査及び運転試験として手払い式安全装置の手払い棒の長さ及び振幅を測定し、同項に適合していることを確認すること。 |
表8 動力により駆動されるプレス機械のうちスライドによる危険を防止するための機構を有するもの
検定項目 |
検定の方法 |
判定基準 |
1 設計審査 |
構造、機能等について申請書、構造図、回路図、説明書、あらかじめ行った試験の結果を記載した書面及び明細書(検定則様式第7号)により確認すること。 |
・動力プレス機械構造規格(以下この表において「構造規格」という。)第1条から第18条まで及び第21条から第45条までに適合していること。 |
2 外観検査 |
設計審査により確認した構造図及び回路図と現品を目視、各部の寸法、電圧等を測定すること等により、照合すること。 |
・構造図及び回路図と差異がないこと。 |
3 材料検査 |
クラッチの材料、処理及び硬さを構造図、説明書、あらかじめ行った試験の結果を記載した書面及び明細書により確認し、クラッチに使用しているものと同じ材料を試験片として採取して、材料試験機により、化学成分及びロックウェル硬さを測定すること。 |
・構造規格第19条及び第20条に適合していること。 |
4 故障試験 |
制御用電気回路及び操作用電気回路の電気部品の単一故障状態を模擬的に発生させて、各行程におけるスライドの作動状況を確認すること。 |
・構造規格第11条第2項に適合していること。 |
5 運転試験 |
(1) プレスを起動し、一行程一停止機構、急停止機構、非常停止装置、寸動機構、安全ブロック等、起動時の危険防止機能、切替えスイッチ、表示ランプ、回転角度の表示計、オーバーラン監視装置、圧力上昇防止装置、スライドの調節装置、カウンターバランス、安全プラグ、キーロック、サーボプレスの停止機能、スライド落下防止装置及び危険防止機能の機能を確認すること。 なお、液圧プレスの安全ブロック等の機能の確認の際には、スライドに最大重量の80%以上の重量の金型を取り付けて確認を行うこと。 また、型式検定合格済みの光線式安全装置又は制御機能付き光線式安全装置を危険防止機能として使用する場合には、当該部分の運転試験を省略することができる。 |
・構造規格第1条から第3条まで、第5条から第9条まで、第11条第1項、第25条、第26条、第28条から第33条まで、第36条から第38条まで、第41条、第42条及び第45条に適合していること。 |
|
(2) ポジティブクラッチプレスの1分間のストローク数を測定すること。 |
・構造規格第18条に適合していること。 |
|
(3) 両手操作式の左右の操作部の時間差が0.5秒を超えたときに起動できないことを、オシロスコープ等で測定すること。 |
・構造規格第38条に適合していること。 |
|
(4) 両手操作式、光線式又は制御機能付き光線式の安全プレスについて、スライドに金型の最大重量の80%以上の重量物を取り付けた状態で、次の値を求めること。 ア スライドの下降速度が最大となる位置での安全距離の値 イ 両手操作式の操作部又は光線式若しくは制御機能付き光線式の危険防止機構の光軸と危険限界との間の距離の値 なお、安全距離を算出するための両手操作式、光線式又は制御機能付き光線式の遅動時間はオシロスコープ等で測定し、急停止時間はプレスに急停止時間測定装置で、スライドの最大下降速度における状態でスライドを急停止させて測定すること。 また、液圧プレスの場合は液温が安定するまで、機械プレスの場合はブレーキ面の温度が安定するまでのならし運転後に、クランクプレスについてはクランク軸の3回転後の急停止時間を測定すること。 |
・構造規格第40条、第43条及び第45条に適合していること。 |
|
(5) 光線式又は制御機能付き光線式の検出機構の連続遮光幅を直径の異なる試験用遮光棒を移動させて、検出機構が有効に作動する最小検出幅、有効距離及び防護高さを測定すること。 |
・構造規格第42条及び第45条に適合していること。 |
|
(6) 光線式又は制御機能付き光線式の検出機構の投光器以外の光線に受光器が感応しない構造の試験は、ハロゲンランプ等の光源を用いて確認すること。 |
・構造規格第42条及び第45条に適合していること。 |
|
(7) 制御機能付き光線式の検出機構の起動準備を行うための操作を行った後、30秒を超えた場合に起動できないことを確認すること。 |
・構造規格第45条に適合していること。 |
6 表示検査 |
表示を確認すること。 |
・構造規格第46条に適合していること。 |
備考 |
構造規格第47条の規定による適用除外を受けた動力プレスについては、適用しないこととされた規定に関する検定の実施に代えて、適用除外を受けた際の条件に適合していることを確認すること。 |
別添2
○昭和53年2月10日付け基発第80号「機械等検定規則の一部を改正する省令の施行について」の別表
(下線部が変更部分)
機械等の種類 |
要素 |
区分 |
|
プレス機械又はシャーの安全装置 |
1 両手操作式のもの |
(1) 用途 |
イ プレス機械用のもの ロ シヤー用のもの |
|
(2) 操作方式 |
イ 機械式(押しボタン式のもの) ロ 機械式(操作レバー式のもの) ハ 非機械式(光電式のもの) |
|
|
|
(3) カム引き下げ方式 |
イ ソレノイド直引き式のもの ロ ばね引き式のもの ハ エアーシリンダー式のもの |
|
2 光線式のもの |
(1) 用途 |
イ プレス機械用のもの ロ シャー用のもの ハ イ及びロ共用のもの |
|
|
(2) 受光方式 |
イ 直射式のもの ロ 反射式のもの |
|
|
(3) 光源 |
イ 発光ダイオード式のもの ロ その他の光源の方式のもの |
|
|
(4) 連続遮光幅 |
イ 30mm以下のもの ロ 30mmを超え35mm以下のもの ハ 35mmを超え45mm以下のもの ニ 45mmを超え50mm以下のもの |
|
3 手引き式のもの |
手引き方式 |
イ 天秤式のもの ロ カム式のもの |
|
4 インターロックガード式のもの |
(1) 用途 |
イ プレス機械用のもの ロ シヤー用のもの ハ イ及びロ共用のもの |
|
|
(2) 作動方式 |
イ 下降式のもの ロ 上昇式のもの ハ 横スライド式のもの ニ 倒立式のもの |
|
|
(3) 使用できる金型の最大の大きさ |
イ 500mm以下のもの ロ 500mmを超えるもの |
|
5 制御機能付き光線式(以下「PSDI式」という。)のもの |
(1) 受光方式 |
イ 直射式のもの ロ 反射式のもの ハ その他の方式のもの |
|
(2) 光源 |
イ 発光ダイオード式のもの ロ その他の光源の方式のもの |
|
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|
(3) 連続遮光幅 |
イ 14mm以下のもの ロ 14mmを超え20mm以下のもの ハ 20mmを超え30mm以下のもの |
|
|
(4) 安全囲い |
イ 固定ガード ロ 可動ガード等 (上記イ又はロの一部に代えて既に型式検定に合格した光線式安全装置を用いる場合を含む。) |
|
6 プレスブレーキ用レーザー式のもの |
(1) 受光方式 |
イ 直射式のもの ロ その他の方式のもの |
|
|
(2) 光軸の構成 |
イ 単一光軸のもの ロ 複数光軸を水平に配置したもの ハ 複数光軸を水平及び垂直に配置したもの ニ その他の構成のもの |
|
7 手払い式のもの |
(1) 手払い棒作動方式 |
イ リンク式のもの ロ カム式のもの |
|
|
(2) 使用できる金型の最大の大きさ |
イ 300mm以下のもの ロ 500mm以下のもの ハ 500mmを超えるもの |
機械等の種類 |
要素 |
区分 |
動力プレス機械(スライドによる危険を防止するための機能を有するもの) |
(1) 種類 |
イ プレス ロ プレスブレーキ |
(2) 駆動方式 |
イ 機械式のもの ロ 液圧式のもの |
|
(3) 形状フレーム |
イ C形のもの ロ ストレートサイド形のもの |
|
|
(4) スライドの運動方向 |
イ 立形のもの ロ 横形のもの |
|
(5) スライドの数 |
イ 単動のもの ロ 複動(三動を含む)のもの |
|
(6) クラッチ機構 |
イ フリクション式のもの ロ ポジティブ式のもの |
|
(7) ブレーキ機構 |
イ シュー式のもの ロ ディスク式のもの |
|
(8) 危険防止機能 |
イ インターロックガード式のもの ロ 両手操作式のもの ハ 光線式のもの ニ 両手操作式及びインターロックガード式を併用するもの ホ 両手操作式及び光線式を併用するもの ヘ インターロックガード式及び光線式を併用するもの ト 両手操作式、インターロックガード式及び光線式を併用するもの チ PSDI式のもの リ PSDI式及びインターロックガード式を併用するもの ヌ PSDI及び両手操作式を併用するもの ル PSDI式、インターロックガード式及び両手操作式を併用するもの |
(参考)<編注:略>
別添
○プレス機械又はシャーの安全装置等の型式検定に係る検定の方法等の改正について
平成23年4月7日基発0407第8号
(関係登録型式検定機関の代表者あて厚生労働省労働基準局長通知)
登録型式検定機関が行うプレス機械又はシャーの安全装置及び動力により駆動されるプレス機械のうちスライドによる危険を防止するための機構を有するものの型式検定に係る検定の方法等については、平成17年4月1日付け基発第0401035号「登録製造時等検査機関が行う製造時等検査、登録個別検定機関が行う個別検定及び登録型式検定機関が行う型式検定の適正な実施について」の別紙3「型式検定に係る検定の方法等」(以下「別紙3」という。)に定められているところであるが、先般、動力プレス機械構造規格の一部を改正する件(平成23年厚生労働省告示第4号)及びプレス機械又はシャーの安全装置構造規格の一部を改正する件(平成23年厚生労働省告示第5号)が制定されたことに伴い、別紙3の表2及び表8を下記のとおり改正するので、適正な型式検定の実施方についてよろしくお願いします。
また、今回の改正に伴い、プレス機械又はシャーの安全装置等の型式検定に係る同一型式の範囲についても下記のとおり改正するので、重ねて適正な型式検定の運営についてお願いします。
記
1 平成17年4月1日付け基発第0401035号「登録製造時等検査機関が行う製造時等検査、登録個別検定機関が行う個別検定及び登録型式検定機関が行う型式検定の適正な実施について」の別紙3を次のように改正する。
表2及び表8を別添1のように改め、平成23年7月1日から適用する。
2 昭和53年2月10日付け基発第80号「機械等検定規則の一部を改正する省令の施行について」の別表を次のように改正する。
機械等の種類のうち、「プレス機械又はシャーの安全装置」の項及び「動力プレス機械(スライドによる危険を防止するための機能を有するもの)」の項を別添2のように改め、平成23年7月1日から適用する。