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業務用厨房施設における一酸化炭素中毒事故の防止に関する関係団体等に対する注意喚起の実施について
平成22年6月18日基安化発0618第1号
(都道府県労働局労働基準部労働衛生主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知)
「業務用厨房施設における一酸化炭素中毒による労働災害防止について」については、平成21年12月4日付け基安化発1204第1号(以下「基安化発1204第1号」という。)により、「業務用厨房施設におけるガス機器による事故防止対策の周知について」については、平成22年2月23日付け基安化発0223第1号により、それぞれ通知したところである。
今般、冷房機を使用する夏期を迎えることから、別添のとおり、経済産業省原子力安全・保安院ガス安全課長及び液化石油ガス保安課長より当職あて、改めて標記事故防止に関する関係団体等に対する注意喚起の実施に係る協力依頼があったところであるので、基安化発1204第1号により、各種機会を通じた管内の関係団体等に対し、幅広に要請等に努められたい。
○業務用厨房施設におけるCO(一酸化炭素)中毒事故の防止に関する注意喚起についての事業者団体への要請について(協力依頼)
平成22年5月26日
(厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長あて経済産業省原子力安全・保安院ガス安全課長・経済産業省原子力安全・保安院液化石油ガス保安課長通知)
当省では、業務用厨房施設におけるCO中毒事故の防止について、これまでも注意喚起のためのチラシ作成、飲食関係業界・情報誌への注意喚起広告の掲載、厨房機器メーカー団体との連携による注意喚起活動を実施してまいりました。貴省にも平成22年2月に協力を依頼し、関係団体あて注意喚起文書の発出について御協力いただいたところです。
しかしながら、業務用厨房施設におけるCO中毒事故は、昨年も18件(都市ガス6件、LPガス12件)発生(別添)したこと及びより冷房機を使用する夏期を迎えることから、再度、関係団体あて注意喚起文書の発出について御協力いただきたく思います。
当省では、ガス事業者団体、液化石油ガス販売事業者団体等に対し、業務用厨房施設への注意喚起実施の協力依頼を実施することとしました。つきましては、厨房内のガス機器によるCO中毒等の事故を防ぐため、所管の業務用厨房施設関係団体に対し、以下の事項について注意喚起を行うよう要請をお願いいたします。
(1) 取扱説明書をよく読んで正しい使用方法を確認すること。
(2) 必ず換気を行うこと。特に夏期、冬期等冷暖房機を使用する時期でも、室内を密閉した状況で機器を使用しないこと。
(3) 使用中は火から離れないこと。
(4) 火を消したらガス栓も確実に閉めること。
(5) ガス機器、換気設備は日頃から手入れをすること。特に台風、地震、積雪後は排気筒の異常の確認をすること。
(6) 万一のガス漏れや不完全燃焼に備えてガス警報器の設置が望ましいこと。
(別添)
平成21年業務用厨房施設等における一酸化炭素中毒事故(一覧表)
発生日 |
場所 |
人身被害 |
事故概要 |
機器分類 |
参考情報 |
事業形態 |
||
死亡 |
中毒 |
製造(輸入)者 |
型式 |
|||||
2009年1月15日 |
東京 |
0 |
2 |
ラーメン店において、従業員2名が軽度の一酸化炭素中毒となった。厨房では、めんゆで器、業務用こんろ(七輪)が使用中であった。また、排気ダクトの防火ダンパー2カ所のうち1カ所が当日何らかの影響で閉じていたことが判明している。原因は、排気ダクトの防火ダンパーが閉じていたために厨房内の換気がされていない状況でめんゆで器、業務用こんろを長時間使用したことにより、厨房内に燃焼排ガスが滞留するとともに、燃焼状態が徐々に悪くなり、厨房内の空気中の一酸化炭素濃度が上昇し一酸化炭素中毒に至ったものと推定される。 |
① 業務用めんゆで器 ② 業務用こんろ |
① (有)敬和 ② 不明 |
① 不明(製造年不明) ② 不明(製造年不明) |
一般 |
2009年1月16日 |
東京 |
0 |
2 |
ラーメン店において、めんゆで器を使用中、従業員2名が軽度の一酸化炭素中毒となった。換気ダクトは作動していたが、厨房内の目の細かい金網が取り付けられている給気口は大量の埃等で閉塞されていた。また、ゆでめん器のガバナにガス量がガバナ設定値を超える不具合があったことも判明した。原因は、めんゆで器がガバナの不具合で不完全燃焼をしていたところ、さらに、厨房内の給気口が大量の埃等で閉塞されていたことで換気ダクトの風量が弱くなり、排ガスの一部がフードから厨房内に溢れ一酸化炭素中毒の発生に至ったものと推定される。 |
業務用めんゆで器 |
日本ビーエス工業(株) |
NBS―80―110R(製造年不明) |
一般 |
2009年1月24日 |
東京 |
0 |
1 |
洋菓子店において、食器洗浄機に湯を供給するFE式瞬間湯沸かし器を使用していたところ、従業員1名が帰宅後も気分が悪いとして病院に搬送され、一酸化炭素中毒の可能性が高いと診断された。原因は、瞬間湯沸器が埃詰まり等により高濃度の一酸化炭素を排気していたこと、換気ダクトを稼働させずに瞬間湯沸器を使用したため排気が厨房内にあふれたことによるものと推定される。 また、CO警報器も期限切れであったことが判明している。 |
瞬間湯沸器 |
(株)ノーリツ |
GQ―2421WZ―HP―2(2003年4月製) |
一般 |
2009年1月26日 |
鹿児島 |
0 |
18 |
高等学校の集団給食室において、複数のガス燃焼機器を使用して調理実習中に、生徒17名、教員1名の計18名が一酸化炭素中毒となり病院に搬送された。 原因は、窓を閉め切り、給気が不十分な状態で換気扇を使用したことにより室内が負圧状態となり、一酸化炭素を含むボイラーの排気が室内に漏れたことによるものと推定される。 |
貯湯式湯沸器(ボイラー) |
(株)巴商会 |
TGN―Y―1002(1984年4月製) |
LP |
2009年1月30日 |
福島 |
0 |
4 |
葬祭場において、食器等を洗っていた従業員4名が一酸化炭素中毒(軽症)となり、入院した。原因は、瞬間湯沸器が埃詰まり等により給気不良となり高濃度の一酸化炭素を排気していたこと、排気筒の設置方法の不備により適切な換気が行われなかったことにより、一酸化炭素を含む排気が室内に滞留したためと推定される。 |
瞬間湯沸器(FE式) |
東陶機器(株) |
カスタムμ10(1994年9月製) |
LP |
2009年4月15日 |
愛知 |
0 |
3 |
会社食堂厨房の洗浄室において食器洗浄機を使用していたところ、従業員3名の気分が悪くなり軽度の一酸化炭素中毒と診断された。当時、換気設備は稼働させていたとのことであった。現地にて、換気設備の稼働中/停止中の条件で当該機器の燃焼状態の再現試験を行ったが、一酸化炭素中毒に至るような数値は測定されず、また、メーカーにて機器内部を調べたところでは、不完全燃焼につながるような埃などの異物は機器内部に確認できなかった。 |
業務用食器洗浄機 |
中西製作所 |
WGD―X23G4AT(2006年2月製) |
一般 |
2009年5月31日 |
北海道 |
0 |
3 |
飲食店において、ガス機器を使用中、従業員3名が一酸化炭素中毒とみられる症状(軽症)となる事故が発生した。原因は、換気設備を稼働せずに、ガス機器を使用したことから、排気が室内に滞留したためと推定される。 |
① 業務用フライヤー(2台) ② 業務用グリドル |
①② (株)コメットカトウ |
① CSF―472MF(1998年9月製) ② CBPG―1185MFL3(1998年7月製) |
LP |
2009年6月12日 |
岐阜 |
0 |
3 |
菓子店の厨房において、調理をしていた従業員3名が一酸化炭素中毒(軽症)となり、入院した事故が発生した。原因は、厨房内の換気扇3基のうち2基しか作動していないことから、排気が室内に滞留したためと推定される。 |
業務用オーブン |
(株)ワールド精機 |
FG32Y―D―PP(1997年8月製) FG―43YW―D―PPK(2006年9月製) |
LP |
2009年6月22日 |
宮崎 |
0 |
2 |
保育園の調理室において、ガスこんろを使用し調理をしていた調理師2名が一酸化炭素中毒(軽症)となり、病院へ搬送された。原因は、密閉した調理室内でガスこんろを使用したことから、給排気が不十分になり不完全燃焼を起こし、一酸化炭素中毒に至ったものと推定される。 |
業務用こんろ |
不明 |
不明 |
LP |
2009年7月5日 |
長野 |
0 |
2 |
庭園内のフードコートの厨房において、パン焼き用オーブンを使用していた調理師2名が一酸化炭素中毒(軽症)となり、入院した。原因は、換気扇を回さずにパン焼き用オーブンを使用したことから、排気が室内に滞留したためと推定される。 |
業務用オーブン |
北沢産業(株) |
KSG―6―12―2T―8(製造年不明) |
LP |
2009年7月21日 |
石川 |
2 |
0 |
小学校において、食器洗浄機のメンテナンス作業を行っていた作業員2名が病院に搬送され、死亡した。被害は一酸化炭素中毒によるものと考えられる。なお、事故当時、給湯器を使用していたが、換気扇は回していなかった。現在、原因を含めて詳細調査中。 |
給湯器 |
(株)ノーリツ |
GQ―501W―F |
LP |
2009年7月21日 |
福岡 |
0 |
9 |
飲食店において、9名(従業員2名、客7名)が一酸化炭素中毒とみられる症状(軽症)により、病院に搬送された。原因は、当該飲食店のフライヤーの排気口に食材が詰まり、排気が不十分な状態となったことで不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生したことによるものと推定される。 |
業務用フライヤー |
(株)コメットカトウ |
CFS―472ME(製造年月不明) |
LP |
2009年7月25日 |
福岡 |
0 |
3 |
飲食店において、3名(従業員2名、取引業者1名)が一酸化炭素中毒とみられる症状(軽症)により、病院に搬送された。厨房の換気扇が故障していたため、換気扇を使用していなかったとの情報があるが、原因を含めて、現在、詳細調査中。 |
① 業務用こんろ ② 業務用フライヤー(2台) ③ 業務用グリドル ④ 業務用オーブン ⑤ 瞬間湯沸器(屋外式) |
①④ リンナイ(株) ②③ (株)コメット カトウ ⑤ (株)ノーリツ |
① RSB306(製造年不明) RTS―1NP(2002年1月製) ② OSF472MF(1999年1月製) ③ OBFG―1185MFL3(1998年12月製) ④ RGP―42B(製造年不明) ⑤ GQ―2037WS |
LP |
2009年7月30日 |
福岡 |
0 |
4 |
パン屋において、開店前に業務用オーブンを使用していたところ、従業員4名が一酸化炭素中毒とみられる症状により病院に搬送された(軽症)。パン屋の調理場には排気ファンが2台設置されているが、事故当時は1台のみの運転であった。運転していた排気ファンのダクトには、外れと破れがあり排気能力が十分でない状態であること、オーブンを運転すると高濃度の一酸化炭素が排出されることが確認されている。オーブンから排出された高濃度の一酸化炭素は、排気ファン1台を作動されていたものの、ダクトに外れと破れがあり排気能力が不十分であったこと、もう一台の排気ファンが未作動状態であったために、一酸化炭素を含む排気が調理場内に残留し中毒事故の発生に至ったものと推定される。 |
業務用オーブン |
サンベイク(株) |
不明 |
一般 |
2009年9月16日 |
栃木 |
0 |
11 |
パン屋において、開店前にガスオーブンを使用していたところ、従業員11名が一酸化炭素中毒と見られる症状により病院に搬送された。 原因は、当該ガスオーブン排気筒のダンパーを閉止した状態でガスオーブンを使用したため、一酸化炭素を含む排気が外へ排出されず、室内へ逆流したもの。 なお、当該飲食店では運営会社が変わったため、定休日前日の終業時に排気筒ダンパーを閉止し、定休日明けの始業時にダンパーを開けてからオーブンに点火することを知らされていない従業員がおり、この従業員が定休日明けに、ダンパーが閉まっていることを知らずにガスオーブンに点火していた。 |
業務用オーブン |
スペインタイソー社(スペイン製)(輸入者:(株)ダイユー) |
TM―73―NS BY(2009年3月製) |
LP |
2009年9月22日 |
東京 |
0 |
4 |
飲食店において厨房内のフライヤーを使用して揚げ物調理を行っていたら気分が悪くなり、客2名、従業員2名が救急車で搬送された。フライヤーを試運転したところ、高濃度の一酸化炭素が発生していることが確認された。機器内部を調べたところ、メインバーナーとパイロットバーナーの一次空気取り入れ口に多量の埃が詰まっていることが確認された。一次空気の不足から、燃焼異常となり多量の煤が発生し、固まりとなった煤が排気経路に付着したことにより排気抵抗が増して燃焼状態が悪化し、高濃度の一酸化炭素が発生するに至ったものと推定される。 |
業務用フライヤー |
タニコー(株) |
S―TGFL―35(製造1993年製) |
一般 |
2009年10月2日 |
岡山 |
0 |
6 |
飲食店において、ガスフライヤーを使用中、従業員6名が一酸化炭素中毒による体調不良を訴え病院で治療を受けた。 原因は、業務用フライヤーが経年劣化したため、異常燃焼を起こし、高濃度の一酸化炭素が発生したことによるもの。 |
業務用フライヤー |
(株)マルゼン |
MXF―046CO(2001年製) |
LP |
2009年10月7日 |
愛知 |
0 |
2 |
パン屋において、ガスオーブンを使用していたところ、従業員2名が一酸化炭素中毒とみられる症状を訴え病院に搬送された。 原因は、事故前日に実施したエアコンの修理工事終了後に常時作動させていた換気扇のスイッチを切ったが、翌日、そのことを知らない従業員が換気扇を作動させないでオーブンを使用したため、一酸化炭素を含む排気が室内に滞留したもの。 なお、当該飲食店では、近年、オーブンの点検整備を実施しておらず、また、換気扇の作動確認が作業手順の中に無かった。 |
業務用オーブン |
カールウェルカー社(ドイツ製) |
UH―438(1988年10月製) |
LP |
○業務用厨房施設におけるCO(一酸化炭素)中毒事故の防止に関する貴団体加盟事業者による注意喚起の実施について(協力依頼)
平成22年5月26日
(社団法人日本ガス協会・社団法人日本簡易ガス協会・社団法人エルピーガス協会・社団法人日本厨房工業会・日本液化石油ガス協議会あて経済産業省原子力安全・保安院ガス安全課・経済産業省原子力安全・保安院液化石油ガス保安課通知)
<上記(協力依頼)の内容と同一のため以下略>