◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー
バーミキュライトが吹き付けられた建築物等の解体等の作業に当たっての留意事項について
平成21年12月28日基安化発1228第1号
(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知)
改正 平成26年3月31日基安化発0331第3号
石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)第3条第1項において、建築物、工作物又は船舶(以下「建築物等」という。)の解体、破砕等の作業(吹き付けられた石綿等の除去の作業を含む。以下「解体等の作業」という。)を行うときは、あらかじめ当該建築物等について、石綿等の使用の有無を確認するための事前調査を実施することとされている。また、同条第2項に規定する石綿等の使用の有無の分析(以下単に「分析」という。)の方法については、平成18年8月21日付け基発第0821002号「建材中の石綿含有率の分析方法について」において、JISA1481「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」(以下「JIS法」という。)等を示している。また、同項の規定による分析による調査(以下「分析調査」という。)については平成20年2月6日付け基安化発第0206003号「石綿障害予防規則第3条第2項の規定による石綿等の使用の有無の分析調査の徹底等について」により周知徹底を指示しているところである。
先般、我が国において建築物等への吹付け材として使用されているバーミキュライト(ひる石)からウィンチャイト及びリヒテライト(以下「ウィンチャイト等」という。)が検出されたとの報道があった。
ウィンチャイト等は、平成18年8月11日付け基発第0811002号「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び石綿障害予防規則等の一部を改正する省令の施行等について」に示した石綿の定義「繊維状を呈しているアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、クリソタイル、クロシドライト及びトレモライト」には該当しない鉱物であるが、トレモライトと同様に角閃石族に属する繊維状の鉱物である。
1970年代・80年代、米国のモンタナ州リビー鉱山の労働者及び地域住民に石綿肺の被害が発生したが、その原因がリビー鉱山産のバーミキュライトであることが確認されており、このリビー鉱山産のバーミキュライトには、石綿の一種であるトレモライトのほか、ウィンチャイト等が含まれていることが明らかになっている。なお、1990年に当該モンタナ州リビー鉱山は閉山している。
また、ウィンチャイト等の有害性については、明確な知見がないものの、トレモライトと形状、結晶構造及び化学的な組成が近似しており、JIS法によりウィンチャイト等のX線回折を行うと回折パターンはトレモライトと同様である。
ついては、バーミキュライトが吹き付けられていた建築物等の解体等の作業に当たっての留意事項は、下記のとおりであるので、貴局管内の建築物等の解体等の作業を行う事業者及び関係事業者団体並びに作業環境測定機関等の分析機関に対し周知を図り、分析調査等の的確な実施に遺漏なきを期されたい。
なお、関係事業者団体に対して、別添のとおり要請したので了知されたい。
記
1 バーミキュライトには、不純物として、トレモライト、ウィンチャイト等が含有されている場合があることから、バーミキュライトが吹き付けられた建物等の解体等の作業に当たっては、石綿が含有していることが明らかであって石綿則第3条第2項の規定に基づく分析を行うまでもなく石綿則に基づくばく露防止措置を採るような場合を除き、石綿則第3条第2項の規定に基づく分析を行い、石綿をその重量の0.1%を超えて含有する場合には、石綿則に定めるばく露防止対策を講ずること。
2 なお、JIS法による分析では、建材中に含有されているウィンチャイト等はトレモライトとして判定されるため、ウィンチャイト等をトレモライトと区別するために改めて分析を行う必要はないこと。
3 バーミキュライトが吹き付けられていた建築物等の分析において、石綿をその重量の0.1%を超えて含有しない場合であっても、JIS法以外の分析方法により、ウィンチャイト等が含有していることが明らかになった場合には、石綿則に準じたばく露防止対策を講ずること。
別添
○バーミキュライトが吹き付けられた建築物等の解体等の作業に当たっての留意事項について
平成21年12月28日基安化発1228第2号
(中央労働災害防止協会会長・建設業労働災害防止協会会長・社団法人日本石綿協会会長・社団法人日本建設業団体連合会会長・社団法人全国建設業協会会長・社団法人日本土木工業協会会長・社団法人日本作業環境測定協会会長・社団法人全国解体工事業団体連合会会長・社団法人日本化学工業協会会長・社団法人日本プラントメンテナンス協会会長・社団法人日本ビルヂング協会連合会会長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知)
労働安全衛生行政の推進につきましては、平素より御理解、御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)第3条第1項において、建築物、工作物又は船舶(以下「建築物等」という。)の解体、破砕等の作業(吹き付けられた石綿等の除去の作業を含む。以下「解体等の作業」という。)を行うときは、あらかじめ当該建築物等について、石綿等の使用の有無を確認するための事前調査を実施することとされています。また、同条第2項に規定する石綿等の使用の有無の分析(以下単に「分析」という。)の方法については、平成18年8月21日付け基発第0821002号「建材中の石綿含有率の分析方法について」において、JISA1481「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」(以下「JIS法」という。)等を示しています。また、同項の規定による分析による調査(以下「分析調査」という。)については平成20年2月6日付け基安化発第0206003号「石綿障害予防規則第3条第2項の規定による石綿等の使用の有無の分析調査の徹底等について」により周知徹底を指示しているところです。
先般、我が国において建築物等への吹付け材として使用されているバーミキュライト(ひる石)からウィンチャイト及びリヒテライト(以下「ウィンチャイト等」という。)が検出されたとの報道がありました。
ウィンチャイト等は、平成18年8月11日付け基発第0811002号「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び石綿障害予防規則等の一部を改正する省令の施行等について」に示した石綿の定義「繊維状を呈しているアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、クリソタイル、クロシドライト及びトレモライト」には該当しない鉱物ですが、トレモライトと同様に角閃石族に属する繊維状の鉱物です。
1970年代・80年代、米国のモンタナ州リビー鉱山の労働者及び地域住民に石綿肺の被害が発生しましたが、その原因がリビー鉱山産のバーミキュライトであることが確認されており、このリビー鉱山産のバーミキュライトには、石綿の一種であるトレモライトのほか、ウィンチャイト等が含まれていることが明らかになっています。なお、1990年に当該モンタナ州リビー鉱山は閉山しています。
また、ウィンチャイト等の有害性については、明確な知見がないものの、トレモライトと形状、結晶構造及び化学的な組成が近似しており、JIS法によりウィンチャイト等のX線回折を行うと回折パターンはトレモライトと同様です。
ついては、建築物等の解体等の作業に当たっての留意事項について、下記のとおりといたしましたので、傘下会員に対する周知につき格別の御配慮を賜りますようお願い申し上げます。
記
1 バーミキュライトには、不純物として、トレモライト、ウィンチャイト等が含有されている場合があることから、バーミキュライトが吹き付けられた建物等の解体等の作業に当たっては、石綿が含有していることが明らかであって石綿則第3条第2項の規定に基づく分析を行うまでもなく石綿則に基づくばく露防止措置を採るような場合を除き、石綿則第3条第2項の規定に基づく分析を行い、石綿をその重量の0.1%を超えて含有する場合には、石綿則に定めるばく露防止対策を講ずること。
2 なお、JIS法による分析では、建材中に含有されているウィンチャイト等はトレモライトとして判定されるため、ウィンチャイト等をトレモライトと区別するために改めて分析を行う必要はないこと。
3 バーミキュライトが吹き付けられていた建築物等の分析において、石綿をその重量の0.1%を超えて含有しない場合であっても、JIS法以外の分析方法により、ウィンチャイト等が含有していることが明らかになった場合には、石綿則に準じたばく露防止対策を講ずること。