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通達:長時間労働者に対する面接指導制度の周知について

 

長時間労働者に対する面接指導制度の周知について

平成20年9月25日基安労発第0925001号

(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長通知)

 

過重労働による健康障害防止対策については、平成18年3月17日付け基発第0317008号「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」(一部改正平成20年3月7日付け基発第0307006号。以下「総合対策」という。)に基づき周知、指導等所要の対策を推進してきたところである。

しかしながら、脳・心臓疾患に係る労災認定件数は、年々増加傾向にあり平成19年度には392件に達していること、特に労災認定された者のうち1ヶ月平均の時間外労働時間数が100時間以上であったものが半数を占めていること等の状況から、長時間にわたる時間外・休日労働を行った労働者に対する面接指導及びその結果に基づく措置の徹底を図る必要があり、事業者はもとより労働者、産業医等関係者に対し面接指導制度のさらなる周知・啓発等が求められるところである。

ついては、面接指導制度の周知・啓発等について、引き続き総合対策の推進を図るとともに、平成20年8月1日付け基発第0801002号「平成20年度労働時間適正化キャンペーンの実施について」に基づく取組に当たっては、下記に留意の上、集中的かつ効果的な取組に遺憾なきを期されたい。

 

1 周知・啓発等に当たっては、別添参考1や別途送付しているリーフレットを活用する等により、事業者はもとより労働者及びその家族、産業医、産業保健スタッフ、医療機関等への働きかけにも努めること。

2 面接指導の実施の際には、うつ病等のストレスが関係する精神疾患等の発症を予防するためにメンタルヘルス面にも配慮することとされているが、これは労災認定された自殺事案をみると長時間労働であった者が多いことによるものである。

職場におけるメンタルヘルス対策については、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成18年3月31日公示第3号)に基づく取組の促進を図っているところであり、その周知・啓発等に当たっては、別途送付しているパンレット等を活用されたいこと。

参考

【長時間労働者への医師による面接指導制度について】

・ 脳・心臓疾患の発症を予防するため、長時間にわたる労働により疲労の蓄積した労働者に対し、事業者は医師による面接指導を実施することが義務づけられています。

・ 常時50人未満の労働者を使用する事業場も平成20年4月から適用されています。(*地域産業保健センターを利用して面接指導を実施することもできます。)

○ 医師による面接指導の対象となる労働者は、「時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者(申出による)」

※ 「時間外・休日労働時間」とは、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間のことです。

[時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超えたら]

(事業者) 申出をした労働者に対し、医師による面接指導を実施しなければなりません。面接指導を実施した医師から必要な措置について意見聴取を行い、必要と認める場合は、適切な事後措置を実施しなければなりません。

(労働者) 面接指導の申出をし、医師による面接指導を受けましょう。

(産業医) 労働者に対し面接指導の申出をするよう勧奨しましょう。

○ 面接指導又は面接指導に準ずる措置(以下、「面接指導等」という)の対象となる労働者は、

① 長時間の労働(時間外労働・休日労働時間が1月当たり80時間超)により、疲労の蓄積が認められ、又は、健康上の不安を有している労働者(申出による)

② 事業場において定められた基準に該当する労働者

[① 時間外・休日労働時間が月80時間を超えたら]

(事業者) 申出をした労働者に対し、面接指導等を実施するよう努めましょう。

必要と認める場合は、適切な事後措置を実施するよう努めましょう。

(労働者) 面接指導等の申出をし、面接指導等を受けましょう。

[② 事業場において基準を設定するに当たっては]

* 時間外・休日労働時間が月100時間又は2~6月平均で月80時間を超えたら

(事業者) 該当する全労働者が面接指導の対象となるよう基準を設定し、面接指導を実施するよう努めましょう。

面接指導を実施した医師から必要な措置について意見聴取を行い、必要と認める場合は、適切な事後措置を実施するよう努めましょう。

(労働者) 面接指導等を受けましょう。

* 時間外・休日労働時間が月45時間を超えたら

(事業者) 健康への配慮が必要な者が面接指導等の措置の対象となるよう基準を設定し、面接指導等を実施することが望まれます。

必要と認める場合は、適切な事後措置を実施することが望まれます。

※なお、制度の詳細については、厚生労働省のホームページを参照して下さい。

・厚生労働省:職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策(過重労働による健康障害防止対策)

(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html)