img1 img1 img1

◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー  

通達:雇用保険法等の一部を改正する法律等について

 

雇用保険法等の一部を改正する法律等について

令和4年4月1日基発0401第7号・職発0401第3号・開発0401第8号

(各都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長・厚生労働省職業安定局長・厚生労働省人材開発統括官通知)

 

「雇用保険法等の一部を改正する法律」については、第208回国会において可決成立し、令和4年法律第12号として昨日公布されたところである。

また、昨日、「雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」(令和4年政令第171号)、「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令」(令和4年厚生労働省令第73号)、「雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係告示の整理に関する告示」(令和4年厚生労働省告示第143号)及び「雇用保険法附則第五条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する地域」(令和4年厚生労働省告示第144号)が公布されたところである。

その主たる内容は下記のとおりであるので、その趣旨を十分理解の上、その施行に万全を期されたい。なお、施行期日が令和4年10月1日の改正項目に関する政省令等の整備については、今後、順次行うこととしている。

 

第1 雇用保険法等の一部を改正する法律関係

1 雇用保険法(昭和49年法律第116号)の一部改正(第1条)

(1) 受講指示の対象となる職業訓練の追加(令和4年7月1日施行)

公共職業安定所長が受給資格者に対して受講を指示することができる公共職業訓練等として、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律(平成23年法律第47号)第4条第2項に規定する認定職業訓練(厚生労働省令で定めるものを除く。)を加えること。

(2) 事業を開始した受給資格者等に係る受給期間の特例(令和4年7月1日施行)

受給資格者であって、基本手当の受給資格に係る離職の日後に事業(その実施期間が30日未満のものその他厚生労働省令で定めるものを除く。)を開始したものその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定める者が、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該事業の実施期間(当該期間の日数が4年から受給期間の日数を除いた日数を超える場合における当該超える日数を除く。)は、受給期間に算入しないものとすること。

(3) 能力開発事業の改正(令和4年4月1日施行)

能力開発事業として、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第10条の3第1項第1号の規定によりキャリアコンサルティングの機会を確保する事業主に対して必要な援助を行うこと及び労働者に対してキャリアコンサルティングの機会の確保を行うことができるものとすること。

(4) 国庫負担の改正(令和4年4月1日施行)

イ 日雇労働求職者給付金以外の求職者給付(高年齢求職者給付金を除く。以下このイにおいて同じ。)に要する費用に係る国庫の負担額について、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める割合に相当する額とすること。

① 毎会計年度の前々会計年度における労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況及び求職者給付の支給を受けた受給資格者の数の状況が、当該会計年度における求職者給付の支給に支障が生じるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当する場合当該日雇労働求職者給付金以外の求職者給付に要する費用の4分の1

② ①に掲げる場合以外の場合当該日雇労働求職者給付金以外の求職者給付に要する費用の40分の1

ロ 日雇労働求職者給付金及び広域延長給付を受ける者に係る求職者給付に要する費用に係る国庫の負担額について、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める割合に相当する額とすること。

① イ①に掲げる場合当該日雇労働求職者給付金及び広域延長給付を受ける者に係る求職者給付に要する費用の3分の1

② イ②に掲げる場合当該日雇労働求職者給付金及び広域延長給付を受ける者に係る求職者給付に要する費用の30分の1

ハ 国庫は、毎会計年度において、労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況を踏まえ、必要がある場合(雇用保険率が1,000分の15.5(労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)の規定により雇用保険率が変更されている場合においては1,000分の15又は1,000分の14.5)(うち失業等給付に係る率1,000分の8)以上である場合その他の政令で定める場合に限る。)には、当該会計年度における失業等給付及び職業訓練受講給付金の支給に要する費用の一部に充てるため、予算で定めるところにより、雇用保険法第66条第1項、第2項及び第5項並びに第67条の規定により負担する額を超えて、その費用の一部を負担することができるものとすること。

ニ 雇用継続給付(介護休業給付金に限る。ホにおいて同じ。)、育児休業給付及び職業訓練受講給付金に係る国庫の負担額については、当分の間、国庫が負担すべきこととされている額の100分の55に相当する額とすること。

ホ 令和4年度から令和6年度までの各年度における雇用継続給付及び育児休業給付に要する費用に係る国庫の負担額については、ニにかかわらず、国庫が負担すべきこととされている額の100分の10に相当する額とすること。

ヘ 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するため、国庫が、予算で定めるところにより、令和4年度における失業等給付及び職業訓練受講給付金の支給に要する費用(特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第20条の3第4項の規定による繰入れ又は同条第5項の規定による補足を行った金額がある場合は、当該金額に相当する額を当該費用に加えた額)の一部を負担できるものとするとともに、国庫が、同年度における雇用安定事業(新型コロナウイルス感染症対応休業支援金を支給する事業等に限る。)に要する費用のうち政令で定めるところにより算定した額を負担するものとすること。

ト 雇用保険の国庫負担については、引き続き検討を行い、令和7年4月1日以降できるだけ速やかに、安定した財源を確保した上でニの国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとすること。

(5) 基本手当の支給に関する暫定措置の改正(令和4年4月1日施行)

特定理由離職者(厚生労働省令で定める者に限る。)を特定受給資格者とみなして基本手当の支給に関する規定を適用する暫定措置を令和7年3月31日以前の離職者まで適用するものとすること。

(6) 地域延長給付の改正(令和4年4月1日施行)

地域延長給付について、令和7年3月31日以前の離職者まで支給することができるものとすること。

(7) 教育訓練支援給付金の改正(令和4年4月1日施行)

教育訓練支援給付金について、令和7年3月31日以前に教育訓練を開始した者に対して支給するものとすること。

(8) 返還命令等の対象の追加(令和4年10月1日施行)

募集情報等提供事業を行う者(労働者になろうとする者の依頼を受け、当該者に関する情報を労働者の募集を行う者、募集受託者又は他の職業紹介事業者等に提供する募集情報等提供を業として行う者に限る。)が偽りの届出等をしたため失業等給付が支給されたときは、その失業等給付の支給を受けた者と連帯して、失業等給付の返還又は納付額の納付を命ずることができるものとすること。

(9) その他

その他所要の改正を行うこと。

2 職業安定法(昭和22年法律第141号)の一部改正(第2条)

(1) 募集情報等提供の定義の拡大(令和4年10月1日施行)

「募集情報等提供」について次に掲げるものをいうものと定義すること。

イ 労働者の募集を行う者等(労働者の募集を行う者、募集受託者又は職業紹介事業者その他厚生労働省令で定める者(以下この(1)において「職業紹介事業者等」という。)をいう。ニにおいて同じ。)の依頼を受け、労働者の募集に関する情報を労働者になろうとする者又は他の職業紹介事業者等に提供すること。

ロ イのほか、労働者の募集に関する情報を、労働者になろうとする者の職業の選択を容易にすることを目的として収集し、労働者になろうとする者等(労働者になろうとする者又は職業紹介事業者等をいう。ハにおいて同じ。)に提供すること。

ハ 労働者になろうとする者等の依頼を受け、労働者になろうとする者に関する情報を労働者の募集を行う者、募集受託者又は他の職業紹介事業者等に提供すること。

ニ ハのほか、労働者になろうとする者に関する情報を、労働者の募集を行う者の必要とする労働力の確保を容易にすることを目的として収集し、労働者の募集を行う者等に提供すること。

(2) 官民の相互協力(令和4年4月1日施行)

雇用情報の充実等に関し、職業安定機関と相互に協力するよう努めなければならない対象に募集情報等提供事業を行う者を加えること。

(3) 求人等に関する情報の的確な表示(令和4年10月1日施行)

イ 公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者、募集情報等提供事業を行う者並びに労働者供給事業者は、刊行物に掲載する広告、文書の掲出又は頒布その他厚生労働省令で定める方法(以下この(3)において「広告等」という。)により求人若しくは労働者の募集に関する情報又は求職者若しくは労働者になろうとする者に関する情報その他厚生労働省令で定める情報(ハにおいて「求人等に関する情報」という。)を提供するときは、虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならないものとすること。

ロ 労働者の募集を行う者及び募集受託者は、広告等により労働者の募集に関する情報その他厚生労働省令で定める情報を提供するときは、正確かつ最新の内容に保たなければならないものとすること。

ハ 公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、募集情報等提供事業を行う者並びに労働者供給事業者は、広告等により求人等に関する情報を提供するときは、厚生労働省令で定めるところにより正確かつ最新の内容に保つための措置を講じなければならないものとすること。

(4) 個人情報の取扱い(令和4年10月1日施行)

公共職業安定所、特定地方公共団体、職業紹介事業者及び求人者、労働者の募集を行う者及び募集受託者、特定募集情報等提供事業者並びに労働者供給事業者及び労働者供給を受けようとする者は、その業務の目的の達成に必要な範囲内で、厚生労働省令で定めるところにより、当該目的を明らかにして求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならないものとすること。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りではないものとすること。

(5) 特定募集情報等提供事業の届出等(令和4年10月1日施行)

イ 「特定募集情報等提供」について、労働者になろうとする者に関する情報を収集して行う募集情報等提供をいうものと定義すること。

ロ 「特定募集情報等提供事業者」について、ハの届出をして特定募集情報等提供事業を行う者をいうものと定義すること。

ハ 特定募集情報等提供事業を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、氏名又は名称及び住所その他の厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならないものとすること。

ニ 特定募集情報等提供事業者は、ハにより届け出た事項に変更があったとき又はハの届出に係る特定募集情報等提供事業を廃止したときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならないものとすること。

ホ 特定募集情報等提供事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業に係る事業概況報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならないものとすること。

(6) 特定募集情報等提供事業者の報酬受領の禁止(令和4年10月1日施行)

特定募集情報等提供事業者は、その行った募集情報等提供に係る労働者の募集に応じた労働者から、当該募集情報等提供に関し、いかなる名義でも、報酬を受けてはならないものとすること。

(7) 募集情報等提供事業を行う者による情報公開(令和4年10月1日施行)

募集情報等提供事業を行う者は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の募集に関する情報の的確な表示に関する事項、苦情の処理に関する事項その他厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行うように努めなければならないものとすること。

(8) 募集情報等提供事業を行う者による苦情の処理(令和4年10月1日施行)

イ 募集情報等提供事業を行う者は、労働者になろうとする者、労働者の募集を行う者、募集受託者、職業紹介事業者その他厚生労働省令で定める者から申出を受けた事業に関する苦情を適切かつ迅速に処理しなければならないものとすること。

ロ 募集情報等提供事業を行う者は、イの目的を達成するために必要な体制を整備しなければならないものとすること。

(9) 募集情報等提供事業者の秘密を守る義務等(令和4年10月1日施行)

イ 特定募集情報等提供事業者及び当該事業者の従業者は、正当な理由なく、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしてはならないものとすること。特定募集情報等提供事業者及び当該事業者の従業者でなくなった後においても、同様とすること。

ロ特定募集情報等提供事業者及び当該事業者の従業者は、その業務に関して知り得た個人情報等を、みだりに他人に知らせてはならないものとすること。特定募集情報等提供事業者及び当該事業者の従業者でなくなった後においても、同様とすること。

(10) 指針(令和4年10月1日施行)

厚生労働大臣は、(3)に定める事項に関し、職業紹介事業者及び募集情報等提供事業を行う者等が適切に対処するため並びに募集情報等提供事業を行う者の責務に関し、募集情報等提供事業を行う者が適切に対処するために必要な指針を公表するものとすること。

(11) 事業者団体等の責務(令和4年4月1日施行)

イ 職業紹介事業者又は募集情報等提供事業を行う者を直接又は間接の構成員とする団体は、職業紹介事業又は募集情報等提供事業の適正な運営の確保及び求職者又は労働者になろうとする者の保護が図られるよう、構成員に対し、必要な助言、協力その他の援助を行うように努めなければならないものとすること。

ロ 国は、イの団体に対し、職業紹介事業又は募集情報等提供事業の適正な運営の確保及び求職者又は労働者になろうとする者の保護に関し必要な助言及び協力を行うように努めるものとすること。

(12) 指導監督(令和4年10月1日施行)

イ 厚生労働大臣による改善命令の対象に、募集情報等提供事業を行う者を加えること。

ロ 厚生労働大臣は、特定募集情報等提供事業者が(4)の個人情報の取扱い、(6)の報酬受領の禁止、(9)の秘密を守る義務等又はイの改善命令に違反したときは、期間を定めて当該特定募集情報等提供事業の全部又は一部の停止を命ずることができるものとすること。

ハ 厚生労働大臣に対する申告の対象に、募集情報等提供事業を行う者を加えること。

ニ 行政庁による立入検査の対象に、募集情報等提供事業を行う者を加えること。

ホ 政府が行う指導監督の対象から、募集情報等提供事業を行う地方公共団体を除くこと。

(13) その他

イ 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で募集情報等提供を行った者又はこれに従事した者について、1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処するものとすること。(令和4年10月1日施行)

ロ (12)ロの事業の停止の命令に違反した者について、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するものとすること。(令和4年10月1日施行)

ハ (6)の報酬受領の禁止に違反して募集情報等提供事業を行う者、(5)ハの届出をしないで特定募集情報等提供事業を行った者又は虚偽の広告をなし、若しくは虚偽の条件を提示して募集情報等提供を行った者若しくはこれらに従事した者について、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処するものとすること。(令和4年10月1日施行)

ニ (5)ハの届出をする場合において虚偽の届出をした者又は(5)ニの届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者について、30万円以下の罰金に処するものとすること。(令和4年10月1日施行)

ホ 職業紹介事業の許可の欠格事由について所要の改正を行うこと。(公布日施行)

ヘ その他所要の改正を行うこと。

3 職業能力開発促進法の一部改正(第3条)

(1) キャリアコンサルティングの機会の確保(令和4年4月1日施行)

イ 事業主は、その雇用する労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発及び向上を促進するため必要に応じ講ずる措置として行うキャリアコンサルティングの機会の確保について、職業能力の開発及び向上の促進に係る各段階において、並びに労働者の求めに応じて行うこととし、また、キャリアコンサルタントを有効に活用するように配慮するものとすること。

ロ 国及び都道府県が行うように努めなければならない事業主等及び労働者に対する援助について、キャリアコンサルティングの機会の確保に係るものを含むことを明確化すること。

(2) 協議会に関する規定の新設(令和4年10月1日施行)

イ 都道府県の区域において職業訓練に関する事務及び事業を行う国及び都道府県の機関(以下このイにおいて「関係機関」という。)は、地域の実情に応じた職業能力の開発及び向上の促進のための取組が適切かつ効果的に実施されるようにするため、関係機関、職業訓練又は職業に関する教育訓練を実施する者、労働者団体、事業主団体、職業紹介事業者又は特定募集情報等提供事業者、学識経験者等により構成される協議会を組織することができるものとすること。

ロ 協議会の事務に従事する者又は従事していた者は、正当な理由なく、協議会の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないものとすること。

(3)国、都道府県及び市町村による配慮規定の追加(令和4年4月1日施行)国、都道府県及び市町村は、職業訓練の実施に当たり、労働者がその生活との調和を保ちつつ、職業能力の開発及び向上を図ることができるように、職業訓練の期間及び時間等について十分配慮するものとすること。

(4) その他(令和4年10月1日施行)

イ (2)ロに違反して秘密を漏らした者について、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処するものとすること。

ロ その他所要の改正を行うこと。

4 労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正(第4条)

(1) 雇用保険率の改正(令和4年4月1日施行)

令和4年4月1日から同年9月30日までの期間における雇用保険率については、1,000分の9.5(うち失業等給付に係る率1,000分の2)(農林水産業及び清酒製造業については1,000分の11.5(同1,000分の4)、建設業については1,000分の12.5(同1,000分の4))とし、同年10月1日から令和5年3月31日までの期間における雇用保険率については、1,000分の13.5(うち失業等給付に係る率1,000分の6)(農林水産業及び清酒製造業については1,000分の15.5(同1,000分の8)、建設業については1,000分の16.5(同1,000分の8))とすること。

(2) 令和4年度の労働保険料の額の算定方法に関する暫定措置(令和4年4月1日施行)

令和4年4月1日から同年9月30日までの期間に係る雇用保険率と、令和4年10月1日から令和5年3月31日までの期間に係る雇用保険率が異なる率となることから、雇用保険に係る保険関係が成立している事業における令和4年度 の労働保険料の額の算定方法等について所要の読替を行うこと。

(3) その他

その他所要の改正を行うこと。

5 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律(令和2年法律第54号)の一部改正(第6条)

(1) 給付日数の延長に関する特例(令和4年4月1日施行)

イ その居住する地域における新型インフルエンザ等緊急事態措置実施期間の末日の翌日から1年経過した日後に所定給付日数に相当する日数分の基本手当の支給を受け終わる者について、特例延長給付を支給しないものとすること。

ロ その他所要の改正を行うこと。

(2) 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金を支給する事業等の改正(令和4年4月1日施行)

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金を支給する事業等について、令和5年3月31日までの休業期間において、支給の対象とするものとすること。

6 その他

(1) 検討(附則第9条)

イ 政府は、令和6年度までを目途に、育児休業給付及びその財源の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。

ロ 育児休業給付費を支弁するために積立金から繰り入れた場合等には、育児休業給付資金の額及び育児休業給付に係る収支の状況等を踏まえ、積立金への組入れの在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。

ハ 令和6年度までを目途に、積立金及び雇用安定資金の額その他の労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況等を踏まえ、積立金に組み入れなければならない金額からの控除の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。

ニ 法律の施行後5年を目処として、この法律により改正された雇用保険法及び職業安定法の規定の施行の状況等を勘案し、当該規定に基づく規制の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。

(2) 経過措置(附則第2条~第8条)

イ 1(8)(改正後の雇用保険法第10条の4第2項)の規定は、令和4年10月1日以後に偽りの届出、報告又は証明をした者について適用し、施行日前に偽りの届出、報告又は証明をした者については、なお従前の例によるものとすること。

ロ 1(2)(改正後の雇用保険法第20条の2)の規定は、令和4年7月1日以後に同条に規定する者に該当するに至った者について適用すること。

ハ 1(4)イからニまで(改正後の雇用保険法第66条から第67条の2まで及び附則第13条)の規定は、令和4年度以後の年度に係る国庫の負担額について適用すること。

ニ 特定募集情報等提供事業者について、以下のとおり経過措置を設けるものとすること。

① 施行の際現に2(5)イ(改正後の職業安定法第4条第7項)の特定募集情報等提供の事業を行っている者(地方公共団体を除く。以下このニにおいて「施行時特定募集情報等提供事業者」という。)は、令和4年10月1日から起算して3ヶ月を経過する日(施行時特定募集情報等提供事業者が同日以前に②の規定による届出をしたときは、当該届出をした日)までの間は、2(5)ハ(改正後の職業安定法第43条の2第1項)の規定にかかわらず、引き続き当該事業を行うことができるものとすること。

この場合において、当該施行時特定募集情報等提供事業者を特定募集情報等提供事業者とみなして、改正後の職業安定法第5条の5、第43条の3から第43条の5まで、第51条、第64条第9号、第65条第6号、第66条第11号及び第67条(改正後の職業安定法第64条第9号、第65条第6号及び第66条第11号に係る部分に限る。)の規定を適用することとすること。

② 施行時特定募集情報等提供事業者は、令和4年10月1日から起算して3ヶ月を経過する日後も引き続き特定募集情報等提供事業を行おうとするときは、同日までに2(5)ハ(改正後の職業安定法第43条の2第1項)の規定の例により厚生労働大臣に届け出なければならないこととすること。

③ ②による届出があった場合は、2(5)ハ(改正後の職業安定法第43条の2第1項)の規定による届出があったものとみなすこととすること。

ホ 2(6)(改正後の職業安定法第43条の3)の規定は、令和4年10月1日以後に支払の確定した報酬について適用し、令和4年10月1日よりも前に支払の確定した報酬については、なお従前の例によるものとすること。

ヘ 5(1)(改正後の新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律第3条)の規定について、以下のとおり経過措置を設けるものとすること。

① 5(1)の規定は、所定給付日数に相当する日数分の基本手当の支給を受け終わる日が令和4年4月1日以後である者について適用すること。

② 令和4年4月1日前の新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)第32条第1項に規定する新型インフルエンザ等緊急事態宣言(以下「緊急事態宣言」という。)による同項第1号に掲げる期間に係る5(1)の規定の適用については、緊急事態宣言に係る緊急事態が終了した日の翌日から1年経過した日後に所定給付日数に相当する日数分の基本手当の支給を受け終わる者について、特例延長給付を支給しないものとすること。

トその他所要の経過措置を設けること。

(3) 関係法律の整備等(第5条及び附則第10条~第28条)

関係法律の規定の整備等を行うこと。

 

第2 雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令関係

1 雇用保険法施行令(昭和50年政令第25号)の一部改正(第1条)

(1) 雇用保険法第66条第1項第1号イの求職者給付の支給に支障が生じるおそれがあるものとして政令で定める基準は、当該会計年度の前々会計年度において、次のいずれにも該当することとすること。(令和4年4月1日施行)

イ 失業等給付に係る徴収保険料額及び国庫の負担額(育児休業給付に要する費用及び雇用保険事業の事務の執行に要する経費に係る分を除く。)の合計額と失業等給付の額並びに雇用保険法第64条の規定による助成及び職業訓練受講給付金の支給の額との合計額(以下このイ及び(3)において「失業等給付額等」という。)との差額を当該会計年度の前々会計年度末における労働保険特別会計の雇用勘定の積立金に加減した額が、失業等給付額等に相当する額未満であること

ロ 各月の基本手当の支給を受けた受給資格者の数を平均した数が、70万人以上であること

(2) 当該会計年度の前会計年度において、雇用保険法第67条の2の規定により国庫が負担した額がある場合には、当該額を(1)イの加減した額に加えるものとすること。(令和4年4月1日施行)

(3) 雇用保険法第67条の2の政令で定める場合は、次のいずれかに該当する場合11とすること。(令和4年4月1日施行)

イ 当該会計年度における雇用保険率が1,000分の15.5(労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定により雇用保険率が変更されている場合においては1,000分の15又は1,000分の14.5)(うち失業等給付に係る率1,000分の8)以上である場合

ロ当該会計年度の前会計年度において、(1)イの加減した額から教育訓練給付額及び雇用継続給付額を減じた額が、失業等給付額等から教育訓練給付額及び雇用継続給付額を減じた額の2倍に相当する額を超えない場合

ハ イ及びロに該当しない場合であって、当該会計年度において、受給資格者の数の急激な増加及び労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況の急激な悪化が認められる場合

(4) 令和4年度における雇用保険法附則第14条の4第2項に規定する政令で定めるところにより算定した額について、令和2年度及び令和3年度の算定方法を準用するものとすること。(令和4年4月1日施行)

(5) その他所要の改正を行うこと。

2 その他(第2条~第6条)

関係政令の規定の整備を行うこと。

 

第3 雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令関係

1 雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)の一部改正(第1条)

(1) 事業を開始等した受給資格者に係る受給期間の特例(以下「受給期間の特例」という。)に係る事業から除外するものとして雇用保険法第20条の2の厚生労働省令で定める事業は、次のいずれかに該当するものとすること。(令和4年7月1日施行)

イ その事業を開始した日又はその事業に専念し始めた日から起算して、30日を経過する日が、雇用保険法第20条第1項各号に掲げる受給期間の末日後であるもの

ロ その事業について当該事業を実施する受給資格者が就業手当又は再就職手当の支給を受けたもの

ハ その事業により当該事業を実施する受給資格者が自立することができないと管轄公共職業安定所の長が認めたもの

(2) 受給期間の特例の対象となる者として雇用保険法第20条の2の厚生労働省令で定める者は、次のいずれかに該当するものとすること。(令和4年7月1日施行)

イ 当該受給期間の特例についての基本手当の受給資格に係る離職の日以前に

事業を開始し、当該日後に当該事業に専念する者

ロ その他事業を開始した者に準ずるものとして管轄公共職業安定所の長が認めた者

(3) 受給期間の特例の申出について、以下のとおりとすること。(令和4年7月1日施行)

イ 受給期間の特例の申出は、受給期間延長等申請書に登記事項証明書その他当該受給期間の特例の対象者に該当することの事実を証明することができる書類及び受給資格者証(受給資格者証の交付を受けていない場合には、離職票(2枚以上の離職票を保管するときは、その全ての離職票)。以下この(3)において同じ。)を添えて管轄公共職業安定所の長に提出することによって行うものとすること。

ロ 受給資格者は、イにかかわらず、職業安定局長が定めるところにより、受給資格者証を添えないことができるものとすること。

ハ イの申出は、当該申出に係る者が事業を開始した日又は当該事業に専念し始めた日の翌日から起算して、2箇月以内にしなければならないものとすること。ただし、天災その他申出をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、この限りでないものとすること。

ニ 管轄公共職業安定所の長は、イの申出をした者が受給期間の特例の対象者に該当すると認めたときは、その者に受給期間延長等通知書を交付しなければならないものとすること。この場合において、管轄公共職業安定所の長は、受給資格者証に必要な事項を記載した上、返付しなければならないものとすること。

ホ ニにより受給期間延長等通知書の交付を受けた者は、次のいずれかに該当する場合には、速やかに、その旨を管轄公共職業安定所の長に届け出るとともに、それぞれ次に掲げる書類を提出しなければならないものとすること。この場合において、管轄公共職業安定所の長は、提出を受けた書類に必要な事項を記載した上、返付しなければならないものとすること。

① その者が提出した受給期間延長等申請書の記載内容に重大な変更があった場合交付を受けた受給期間延長等通知書

② 事業を廃止し、又は休止した場合交付を受けた受給期間延長等通知書及び受給資格者証

(4) その他所要の改正を行うこと。

2 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(昭和47年労働省令第8号)の一部改正(第3条)

(1) 令和4年度の労働保険料の額を算定する場合における労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の規定の適用について所要の読替を行うこと。(令和4年4月1日施行)

(2) その他所要の改正を行うこと。

3 その他(第2条及び第4条~第8条並びに附則)

この省令の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係省令の規定の整備を行うこと。

 

第4 雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係告示の整理に関する告示関係

雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴い、以下の関係告示について規定の整理を行うこと。(令和4年4月1日施行)

(1) 職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針(平成11年労働省告示第141号)

(2) 青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針(平成27年厚生労働省告示第406号)

(3) 青少年雇用対策基本方針(令和3年厚生労働省告示第114号)

 

第5 雇用保険法附則第五条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する地域関係

地域延長給付について、雇用機会が不足している地域として厚生労働大臣が指定する地域は、青森県の区域(五所川原公共職業安定所の管轄区域に限る。)とすること。(令和4年4月1日施行)

 

第6 改正内容の施行に当たっての重要事項

(1) 雇用保険法第67条の2の規定による国庫の機動的繰入の実施に関する事項は、同法第72条第1項に規定する「この法律の施行に関する重要事項」に含まれるものであること。

(2) 雇用保険法第67条の2の規定による国庫の機動的繰入の実施に関しては、労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告(令和4年1月7日)に記載されている以下の考え方を尊重して対応することとすること。

今般の新しい国庫負担の仕組みを制度趣旨に沿って運用するためには、新たな国庫繰入制度の実効性を可能な限り担保することが必要である。そのため、以下のような状況下において、それぞれに記載のように制度が運用されるべきである。

i) 受給者実人員の平均が70万人を下回るが、弾力倍率が1未満であって、かつ、積立金の残高が不足しているなどにより、失業等給付の支払いに支障が生ずるおそれがある場合には、機動的な対応として、当面必要な国庫繰入が行われるべきである。

ii) 受給者実人員の平均が70万人以上、かつ弾力倍率が1未満に該当する場合は、特に安定的な財政運営の確保が求められるため、弾力倍率が1を超えるように国庫繰入が行われるべきである。

iii) コロナ禍において雇用調整助成金等の支出額が増加し、積立金から二事業への貸出額を増加しなければ雇用調整助成金等の支払いに支障が生ずるおそれがあり、かつ積立金の残高が不足している場合には、機動的な対応として、当面必要な国庫繰入が行われるべきである。

iv) i)~iii)に該当しない場合、雇用情勢の急激な悪化など、早期に財政の安定化を図る必要があると認められる場合には、機動的な対応として、当面必要な国庫繰入が行われるべきである。

したがって、厚生労働省においては、i)~iv)に該当し、又は該当するおそれがある場合には、決算確定後などの時点を問わず、まずは当部会に余裕をもった適切な時期に雇用保険財政等の状況を報告し、その上で、当部会において財政安定化のために必要な財源の内容やその確保策も含めて議論を行い、その意見を踏まえ、必要な対応をとるべきである。」

(3) 失業等給付に係る雇用保険料率は、現行の1,000分の2から、令和4年10月から1,000分の6に引き上がることとなるが、この点に関し、

・原則1,000分の8であるところ、労使の負担感も踏まえた激変緩和措置として、労働政策審議会での議論を経て決定されたものであること

・雇用保険制度のセーフティネット機能を維持するための必要最小限の負担をお願いするものであること

 について、その意義を管内の関係団体に丁寧に周知・説明を行い、十分な理解が得られるよう努めることとすること。

(4) 令和4年度前期に係る雇用保険率と令和4年度後期に係る雇用保険率が異なる率となることから、保険料の納付手続を行う事業主等が円滑に対応できるよう、その納付方法等について丁寧な周知及び相談対応を行うこととすること。なお、事業主等の事務負担を軽減するため、計算支援ツールを作成し、ホームページ上に掲載するので、周知及び相談対応にあたっては、適宜、活用することとすること。