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通達:高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律等の施行について

 

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律等の施行について

平成24年11月9日職発1109第2号

(各都道府県労働局長あて厚生労働省職業安定局長通知)

 

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第78号。以下「改正法」という。)については、平成24年9月5日に公布され、同日付け職発第0905第2号「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律について」により貴職あて通達したところである。また、本日、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第154号。以下「改正省令」という。[別添1]<編注:略>参照。)、高年齢者等職業安定対策基本方針(平成24年厚生労働省告示第559号。以下「基本方針」という。[別添2]参照。)及び高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針(平成24年厚生労働省告示第560号。以下「指針」という。[別添3]参照。)が公布され、改正省令については平成25年4月1日から施行され、基本方針及び指針については同日から適用されることとされた。

改正法による改正後の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号。以下「法」という。)、改正省令による改正後の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則(昭和46年労働省令第24号。以下「則」という。)、基本方針及び指針の内容等については、下記のとおりであるので、これに十分留意の上、その円滑な施行について遺漏のないよう特段の御配慮をお願いする。

 

第1 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止等

1 改正の趣旨

少子高齢化が急速に進展する中、労働力人口の減少に対応し、経済と社会を発展させるため、高年齢者をはじめ働くことができる全ての人が社会を支える全員参加型社会の実現が求められている。また、現在の年金制度に基づき平成25年度から特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分(以下「厚生年金報酬比例部分」という。)の支給開始年齢が段階的に引き上げられることから、現状のままでは、無年金・無収入となる者が生じる可能性がある。

このような状況を踏まえ、継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組みを廃止するなどの改正を行ったものである。

2 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止(法第9条第2項及び改正法附則第3項)

事業主は、事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、継続雇用制度を導入したものとみなすものとしている仕組みを廃止することとしたこと。

また、経過措置により、平成37年3月31日までの間、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢以上の者を対象に、利用することができることとしたこと。

3 継続雇用制度の対象者が雇用される企業の範囲の拡大

(1) 継続雇用制度における事業主間の契約(法第9条第2項)

継続雇用制度には、事業主が、特殊関係事業主(当該事業主の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある事業主その他の当該事業主と特殊の関係のある事業主として厚生労働省令で定める事業主)との間で、当該事業主の雇用する高年齢者であってその定年後に雇用されることを希望するものをその定年後に当該特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の雇用を確保する制度が含まれることとしたこと。

(2) 特殊関係事業主の範囲(則第4条の3)

i) 厚生労働省令で定める事業主

法第9条第2項に規定する厚生労働省令で定める事業主は、次に掲げる者としたこと。

① 当該事業主の子法人等

② 当該事業主を子法人等とする親法人等

③ 当該事業主を子法人等とする親法人等の子法人等(当該事業主、①及び②に掲げる者を除く。)

④ 当該事業主の関連法人等

⑤ 当該事業主を子法人等とする親法人等の関連法人等(④に掲げる者を除く。)

ii) 親法人等

則第4条の3に規定する「親法人等」について、次の①から③までに掲げる法人等(会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。以下同じ。)とすること。

ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の法人等の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配していないことが明らかであると認められるときは、この限りでない。

① 他の法人等(破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた他の法人等その他これらに準ずる他の法人等であって、有効な支配従属関係が存在しないと認められるものを除く。以下このiiにおいて同じ。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している法人等

② 他の法人等の議決権の100分の40以上、100分の50以下を自己の計算において所有している法人等であって、次のイからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの。

イ 当該法人等が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、当該他の法人等の議決権の過半数を占めていること。

ロ 当該法人等の役員、業務を執行する社員若しくは使用人である者、又はこれらであった者であって当該法人等が当該他の法人等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該他の法人等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること。

ハ 当該法人等と当該他の法人等との間に当該他の法人等の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。

ニ 当該他の法人等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について当該法人等が融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下同じ。)を行っていること(当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。)。

ホ その他当該法人等が当該他の法人等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。

③ 法人等が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の法人等の議決権の過半数を占めている場合(当該法人等が自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)における当該法人等であって、②ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの。

iii) 子法人等

則第4条の3に規定する「子法人等」とは、親法人等によりその意思決定機関を支配されている他の法人等をいうこと。この場合において、親法人等及び子法人等又は子法人等が他の法人等の意思決定機関を支配している場合における当該他の法人等は、その親法人等の子法人等とみなす。

iv) 関連法人等

則第4条の3に規定する「関連法人等」について、次の①から③までに掲げるものとすること。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかであると認められるときは、この限りでない。

① 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等(破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた子法人等以外の他の法人等その他これらに準ずる子法人等以外の他の法人等であって、当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと認められるものを除く。以下同じ。)の議決権の100分の20以上を自己の計算において所有している場合における当該子法人等以外の他の法人等

② 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等の議決権の100分の15以上、100分の20未満を自己の計算において所有している場合における当該子法人等以外の他の法人等であって、次のイからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの

イ 当該法人等の役員、業務を執行する社員若しくは使用人である者、又はこれらであった者であって当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、その代表取締役、取締役又はこれらに準ずる役職に就任していること。

ロ 当該法人等から重要な融資を受けていること。

ハ 当該法人等から重要な技術の提供を受けていること。

ニ 当該法人等との間に重要な販売、仕入れその他の営業上又は事業上の取引があること。

ホ その他当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。

③ 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、子法人等以外の他の法人等の議決権の100分の20以上を占めている場合(当該法人等が自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)における当該子法人等以外の他の法人等であって、②イからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの。

4 公表等(法第10条第3項)

厚生労働大臣は、事業主に対し高年齢者雇用確保措置に関する勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることとしたこと。

5 再就職援助措置の対象となる高年齢者等の範囲等(則第6条第2項)

法第15条第1項の厚生労働省令で定める理由は、改正法附則第3項の規定によりなおその効力を有することとされる同法による改正前の法第9条第2項の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めた場合における当該基準に該当しなかったことその他事業主の都合とすること。

6 高年齢者雇用状況報告書(則様式第2号)

則第33条の高年齢者の雇用状況の報告の様式は、高年齢者雇用状況報告書(則様式第2号。[別添4]参照。)とすること。

 

第2 高年齢者等職業安定対策基本方針(法第6条第2項)

高年齢者等職業安定対策基本方針に定めるべき高年齢者の雇用の機会の増大の目標に関する事項について、当該高年齢者を65歳未満に限定しないこととしたこと。また、法第9条の事業主が講ずべき同条に規定する高年齢者雇用確保措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針となるべき事項を削除することとしたこと。

1 趣旨

改正法の趣旨等を踏まえ、高年齢者等の雇用・就業についての目標及び施策の基本的考え方を、労使をはじめ国民に広く示すとともに、事業主が行うべき諸条件の整備等に関する指針を示すこと等により、高年齢者等の雇用の安定の確保、再就職の促進及び多様な就業機会の確保を図るため、基本方針を策定することとしたものであること。

2 内容

(1) 対象期間

この基本方針の対象期間は、平成25年度から平成29年度までの5年間とするものであること。

(2) 高年齢者等の就業の動向に関する事項(基本方針第1関係)

高年齢者の雇用・就業の状況や、高年齢者に係る雇用制度の状況等について、最新の統計結果等を盛り込むものであること。

(3) 高年齢者の雇用の機会の増大の目標に関する事項(基本方針第2関係)

平成25年度から公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に65歳へ引き上げられることを踏まえ、希望者全員の65歳までの高年齢者雇用確保措置が全ての企業において講じられるよう雇用の場の拡大に努めること等により、新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)で示された平成32年までの目標(「平成32年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る成長」等としていることが前提。)である60~64歳の就業率を63%とすることを目指すとともに、同年までに65~69歳の就業率を40%とすることを目指すものであること。

(4) 事業主が行うべき諸条件の整備等に関して指針となるべき事項(基本方針第3関係)

現行の基本方針に盛り込まれている内容に加え、再就職援助等の対象者について法施行規則の改正内容を踏まえて改めるものであること。

(5) 高年齢者等の職業の安定を図るための施策の基本となるべき事項(基本方針第4関係)

現行の基本方針に盛り込まれている内容に加え、新たに以下の内容を盛り込むものであること。

ア 高年齢者雇用確保措置の実施に係る指導を繰り返し行ったにもかかわらず何ら具体的な取組を行わない企業には勧告書を発出し、勧告に従わない場合には企業名の公表を行い、各種法令等に基づき、公共職業安定所での求人の不受理・紹介留保、助成金の不支給等の措置を講じること。

イ 特に有期契約労働者であった離職者については、公共職業安定所におけるマッチング支援、担当者制によるきめ細かな支援等の活用により、早期の再就職の促進に努めること。

ウ 生涯現役社会の実現に向けて、国民各層の意見を幅広く聴きながら、当該社会の在り方やそのための条件整備について検討するなど、社会的な気運の醸成を図ること。

 

第3 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針(法第9条第3項)

厚生労働大臣は、事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用(心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含む。)に関する指針を定めるものとすることとしたこと。

1 趣旨

この指針は、事業主がその雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため講ずべき高年齢者雇用確保措置に関し、その実施及び運用を図るために必要な事項を定めたものであること。

2 指針の内容

(1) 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用

65歳未満の定年の定めをしている事業主は、高年齢者雇用確保措置に関して、労使間で十分な協議を行いつつ、適切かつ有効な実施に努めるものとすること。

(2) 高年齢者雇用確保措置(指針第2の1関係)

事業主は、高年齢者がその意欲と能力に応じて65歳まで働くことができる環境の整備を図るため、法に定めるところに基づき、65歳までの高年齢者雇用確保措置のいずれかを講ずるものとすること。

(3) 継続雇用制度(指針第2の2関係)

継続雇用制度を導入する場合には、希望者全員を対象とする制度とすること。この場合において法第9条第2項に規定する特殊関係事業主により雇用を確保しようとするときは、事業主は、その雇用する高年齢者を当該特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約を、当該特殊関係事業主との間で締結する必要があることに留意すること。

心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと等就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。以下同じ。)に該当する場合には、継続雇用しないことができること。

就業規則に定める解雇事由又は退職事由と同一の事由を、継続雇用しないことができる事由として、解雇や退職の規定とは別に、就業規則に定めることもできること。また、当該同一の事由について、継続雇用制度の円滑な実施のため、労使が協定を締結することができること。なお、解雇事由又は退職事由とは異なる運営基準を設けることは高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律の趣旨を没却するおそれがあることに留意すること。

ただし、継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められると考えられることに留意すること。

(4) 経過措置(指針第2の3関係)

改正法の施行の際、既に労使協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めている事業主は、改正法附則第3項の規定に基づき、当該基準の対象者の年齢を平成37年3月31日まで段階的に引き上げながら、当該基準を定めてこれを用いることができるものであること。

(5) 賃金・人事処遇制度の見直し(指針第2の4関係)

高年齢者雇用確保措置を適切かつ有効に実施し、高年齢者の意欲及び能力に応じた雇用の確保を図るために、賃金・人事処遇制度の見直しが必要な場合の留意事項を定めたものであること。

第2の4(4)の周知の方法としては、例えば、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を労働者に交付すること、磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置することが考えられること。

第2の4(6)の後段については、高年齢者になる前の段階から行うものを含むものであること。

第2の4(7)において、見直しを検討することとされている制度は、賃金・人事処遇制度を指し、各事業主の判断で見直しを検討するものであること。

(6) 高年齢者雇用アドバイザー等の有効な活用(指針第2の5関係)

高年齢者雇用確保措置を講ずるに当たって、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に配置されている高年齢者雇用アドバイザーや雇用保険制度に基づく助成制度等の有効な活用を図るものであること。

 

○高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律等の施行について

平成24年11月9日職発1109第3号

(各都道府県知事あて厚生労働省職業安定局長通知)

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第78号。以下「改正法」という。)については、平成24年9月5日に公布され、同日付け職発第0905第2号「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律について」により貴職あて通達したところである。また、本日、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第154号。以下「改正省令」という。[別添1]参照。)、高年齢者等職業安定対策基本方針(平成24年厚生労働省告示第559号。以下「基本方針」という。[別添2]参照。)及び高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針(平成24年厚生労働省告示第560号。以下「指針」という。[別添3]参照。)が公布され、改正省令については平成25年4月1日から施行され、基本方針及び指針については同日から適用されることとされた。

改正法による改正後の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号。以下「法」という。)、改正省令による改正後の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則(昭和46年労働省令第24号。以下「則」という。)、基本方針及び指針の内容等については、下記のとおりであるので、その趣旨を十分御理解いただいた上で、その円滑な施行について特段のご配慮をお願いすべく、通知する。

第1 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止等

1 改正の趣旨

少子高齢化が急速に進展する中、労働力人口の減少に対応し、経済と社会を発展させるため、高年齢者をはじめ働くことができる全ての人が社会を支える全員参加型社会の実現が求められている。また、現在の年金制度に基づき平成25年度から特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分(以下「厚生年金報酬比例部分」という。)の支給開始年齢が段階的に引き上げられることから、現状のままでは、無年金・無収入となる者が生じる可能性がある。

このような状況を踏まえ、継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組みを廃止するなどの改正を行ったものである。

2 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止(法第9条第2項及び改正法附則第3項)

事業主は、事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、継続雇用制度を導入したものとみなすものとしている仕組みを廃止することとしたこと。

また、経過措置により、平成37年3月31日までの間、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢以上の者を対象に、利用することができることとしたこと。

3 継続雇用制度の対象者が雇用される企業の範囲の拡大

(1) 継続雇用制度における事業主間の契約(法第9条第2項)

継続雇用制度には、事業主が、特殊関係事業主(当該事業主の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある事業主その他の当該事業主と特殊の関係のある事業主として厚生労働省令で定める事業主)との間で、当該事業主の雇用する高年齢者であってその定年後に雇用されることを希望するものをその定年後に当該特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の雇用を確保する制度が含まれることとしたこと。

(2) 特殊関係事業主の範囲(則第4条の3)

i) 厚生労働省令で定める事業主

法第9条第2項に規定する厚生労働省令で定める事業主は、次に掲げる者としたこと。

① 当該事業主の子法人等

② 当該事業主を子法人等とする親法人等

③ 当該事業主を子法人等とする親法人等の子法人等(当該事業主、①及び②に掲げる者を除く。)

④ 当該事業主の関連法人等

⑤ 当該事業主を子法人等とする親法人等の関連法人等(④に掲げる者を除く。)

ii) 親法人等

則第4条の3に規定する「親法人等」について、次の①から③までに掲げる法人等(会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。以下同じ。)とすること。

ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の法人等の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配していないことが明らかであると認められるときは、この限りでない。

① 他の法人等(破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた他の法人等その他これらに準ずる他の法人等であって、有効な支配従属関係が存在しないと認められるものを除く。以下このiiにおいて同じ。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している法人等

② 他の法人等の議決権の100分の40以上、100分の50以下を自己の計算において所有している法人等であって、次のイからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの。

イ 当該法人等が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、当該他の法人等の議決権の過半数を占めていること。

ロ 当該法人等の役員、業務を執行する社員若しくは使用人である者、又はこれらであった者であって当該法人等が当該他の法人等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該他の法人等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること。

ハ 当該法人等と当該他の法人等との間に当該他の法人等の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。

ニ 当該他の法人等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について当該法人等が融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下同じ。)を行っていること(当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。)。

ホ その他当該法人等が当該他の法人等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。

③ 法人等が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の法人等の議決権の過半数を占めている場合(当該法人等が自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)における当該法人等であって、②ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの。

iii) 子法人等

則第4条の3に規定する「子法人等」とは、親法人等によりその意思決定機関を支配されている他の法人等をいうこと。この場合において、親法人等及び子法人等又は子法人等が他の法人等の意思決定機関を支配している場合における当該他の法人等は、その親法人等の子法人等とみなす。

iv) 関連法人等

則第4条の3に規定する「関連法人等」について、次の①から③までに掲げるものとすること。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかであると認められるときは、この限りでない。

① 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等(破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた子法人等以外の他の法人等その他これらに準ずる子法人等以外の他の法人等であって、当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと認められるものを除く。以下同じ。)の議決権の100分の20以上を自己の計算において所有している場合における当該子法人等以外の他の法人等

② 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等の議決権の100分の15以上、100分の20未満を自己の計算において所有している場合における当該子法人等以外の他の法人等であって、次のイからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの

イ 当該法人等の役員、業務を執行する社員若しくは使用人である者、又はこれらであった者であって当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、その代表取締役、取締役又はこれらに準ずる役職に就任していること。

ロ 当該法人等から重要な融資を受けていること。

ハ 当該法人等から重要な技術の提供を受けていること。

ニ 当該法人等との間に重要な販売、仕入れその他の営業上又は事業上の取引があること。

ホ その他当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。

③ 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、子法人等以外の他の法人等の議決権の100分の20以上を占めている場合(当該法人等が自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)における当該子法人等以外の他の法人等であって、②イからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの。

4 公表等(法第10条第3項)

厚生労働大臣は、事業主に対し高年齢者雇用確保措置に関する勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることとしたこと。

5 再就職援助措置の対象となる高年齢者等の範囲等(則第6条第2項)

法第15条第1項の厚生労働省令で定める理由は、改正法附則第3項の規定によりなおその効力を有することとされる同法による改正前の法第9条第2項の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めた場合における当該基準に該当しなかったことその他事業主の都合とすること。

6 高年齢者雇用状況報告書(則様式第2号)

則第33条の高年齢者の雇用状況の報告の様式は、高年齢者雇用状況報告書(則様式第2号。[別添4]参照。)とすること。

第2 高年齢者等職業安定対策基本方針(法第6条第2項)

高年齢者等職業安定対策基本方針に定めるべき高年齢者の雇用の機会の増大の目標に関する事項について、当該高年齢者を65歳未満に限定しないこととしたこと。また、法第9条の事業主が講ずべき同条に規定する高年齢者雇用確保措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針となるべき事項を削除することとしたこと。

1 趣旨

改正法の趣旨等を踏まえ、高年齢者等の雇用・就業についての目標及び施策の基本的考え方を、労使をはじめ国民に広く示すとともに、事業主が行うべき諸条件の整備等に関する指針を示すこと等により、高年齢者等の雇用の安定の確保、再就職の促進及び多様な就業機会の確保を図るため、基本方針を策定することとしたものであること。

2 内容

(1) 対象期間

この基本方針の対象期間は、平成25年度から平成29年度までの5年間とするものであること。

(2) 高年齢者等の就業の動向に関する事項(基本方針第1関係)

高年齢者の雇用・就業の状況や、高年齢者に係る雇用制度の状況等について、最新の統計結果等を盛り込むものであること。

(3) 高年齢者の雇用の機会の増大の目標に関する事項(基本方針第2関係)

平成25年度から公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に65歳へ引き上げられることを踏まえ、希望者全員の65歳までの高年齢者雇用確保措置が全ての企業において講じられるよう雇用の場の拡大に努めること等により、新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)で示された平成32年までの目標(「平成32年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る成長」等としていることが前提。)である60~64歳の就業率を63%とすることを目指すとともに、同年までに65~69歳の就業率を40%とすることを目指すものであること。

(4) 事業主が行うべき諸条件の整備等に関して指針となるべき事項(基本方針第3関係)

現行の基本方針に盛り込まれている内容に加え、再就職援助等の対象者について法施行規則の改正内容を踏まえて改めるものであること。

(5) 高年齢者等の職業の安定を図るための施策の基本となるべき事項(基本方針第4関係)

現行の基本方針に盛り込まれている内容に加え、新たに以下の内容を盛り込むものであること。

ア 高年齢者雇用確保措置の実施に係る指導を繰り返し行ったにもかかわらず何ら具体的な取組を行わない企業には勧告書を発出し、勧告に従わない場合には企業名の公表を行い、各種法令等に基づき、公共職業安定所での求人の不受理・紹介留保、助成金の不支給等の措置を講じること。

イ 特に有期契約労働者であった離職者については、公共職業安定所におけるマッチング支援、担当者制によるきめ細かな支援等の活用により、早期の再就職の促進に努めること。

ウ 生涯現役社会の実現に向けて、国民各層の意見を幅広く聴きながら、当該社会の在り方やそのための条件整備について検討するなど、社会的な気運の醸成を図ること。

第3 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針(法第9条第3項)

厚生労働大臣は、事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用(心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含む。)に関する指針を定めるものとすることとしたこと。

1 趣旨

この指針は、事業主がその雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため講ずべき高年齢者雇用確保措置に関し、その実施及び運用を図るために必要な事項を定めたものであること。

2 指針の内容

(1) 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用

65歳未満の定年の定めをしている事業主は、高年齢者雇用確保措置に関して、労使間で十分な協議を行いつつ、適切かつ有効な実施に努めるものとすること。

(2) 高年齢者雇用確保措置(指針第2の1関係)

事業主は、高年齢者がその意欲と能力に応じて65歳まで働くことができる環境の整備を図るため、法に定めるところに基づき、65歳までの高年齢者雇用確保措置のいずれかを講ずるものとすること。

(3) 継続雇用制度(指針第2の2関係)

継続雇用制度を導入する場合には、希望者全員を対象とする制度とすること。この場合において法第9条第2項に規定する特殊関係事業主により雇用を確保しようとするときは、事業主は、その雇用する高年齢者を当該特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約を、当該特殊関係事業主との間で締結する必要があることに留意すること。

心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと等就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。以下同じ。)に該当する場合には、継続雇用しないことができること。

就業規則に定める解雇事由又は退職事由と同一の事由を、継続雇用しないことができる事由として、解雇や退職の規定とは別に、就業規則に定めることもできること。また、当該同一の事由について、継続雇用制度の円滑な実施のため、労使が協定を締結することができること。なお、解雇事由又は退職事由とは異なる運営基準を設けることは高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律の趣旨を没却するおそれがあることに留意すること。

ただし、継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められると考えられることに留意すること。

(4) 経過措置(指針第2の3関係)

改正法の施行の際、既に労使協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めている事業主は、改正法附則第3項の規定に基づき、当該基準の対象者の年齢を平成37年3月31日まで段階的に引き上げながら、当該基準を定めてこれを用いることができるものであること。

(5) 賃金・人事処遇制度の見直し(指針第2の4関係)

高年齢者雇用確保措置を適切かつ有効に実施し、高年齢者の意欲及び能力に応じた雇用の確保を図るために、賃金・人事処遇制度の見直しが必要な場合の留意事項を定めたものであること。

第2の4(4)の周知の方法としては、例えば、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を労働者に交付すること、磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置することが考えられること。

第2の4(6)の後段については、高年齢者になる前の段階から行うものを含むものであること。

第2の4(7)において、見直しを検討することとされている制度は、賃金・人事処遇制度を指し、各事業主の判断で見直しを検討するものであること。

(6) 高年齢者雇用アドバイザー等の有効な活用(指針第2の5関係)

高年齢者雇用確保措置を講ずるに当たって、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に配置されている高年齢者雇用アドバイザーや雇用保険制度に基づく助成制度等の有効な活用を図るものであること。

 

○高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律等の施行について

平成24年11月9日職発1109第4号

(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長あて厚生労働省職業安定局長通知)

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第78号。以下「改正法」という。)については、平成24年9月5日に公布され、同日付け職発第0905第2号「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律について」により貴職あて通達したところである。また、本日、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第154号。以下「改正省令」という。[別添1]参照。)、高年齢者等職業安定対策基本方針(平成24年厚生労働省告示第559号。以下「基本方針」という。[別添2]参照。)及び高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針(平成24年厚生労働省告示第560号。以下「指針」という。[別添3]参照。)が公布され、改正省令については平成25年4月1日から施行され、基本方針及び指針については同日から適用されることとされた。

改正法による改正後の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号。以下「法」という。)、改正省令による改正後の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則(昭和46年労働省令第24号。以下「則」という。)、基本方針及び指針の内容等については、下記のとおりであるので、その趣旨を十分理解の上、その円滑な施行について特段のご配慮をお願いすべく、通知する。

第1 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止等

1 改正の趣旨

少子高齢化が急速に進展する中、労働力人口の減少に対応し、経済と社会を発展させるため、高年齢者をはじめ働くことができる全ての人が社会を支える全員参加型社会の実現が求められている。また、現在の年金制度に基づき平成25年度から特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分(以下「厚生年金報酬比例部分」という。)の支給開始年齢が段階的に引き上げられることから、現状のままでは、無年金・無収入となる者が生じる可能性がある。

このような状況を踏まえ、継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組みを廃止するなどの改正を行ったものである。

2 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止(法第9条第2項及び改正法附則第3項)

事業主は、事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、継続雇用制度を導入したものとみなすものとしている仕組みを廃止することとしたこと。

また、経過措置により、平成37年3月31日までの間、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢以上の者を対象に、利用することができることとしたこと。

3 継続雇用制度の対象者が雇用される企業の範囲の拡大

(1) 継続雇用制度における事業主間の契約(法第9条第2項)

継続雇用制度には、事業主が、特殊関係事業主(当該事業主の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある事業主その他の当該事業主と特殊の関係のある事業主として厚生労働省令で定める事業主)との間で、当該事業主の雇用する高年齢者であってその定年後に雇用されることを希望するものをその定年後に当該特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の雇用を確保する制度が含まれることとしたこと。

(2) 特殊関係事業主の範囲(則第4条の3)

i) 厚生労働省令で定める事業主

法第9条第2項に規定する厚生労働省令で定める事業主は、次に掲げる者としたこと。

① 当該事業主の子法人等

② 当該事業主を子法人等とする親法人等

③ 当該事業主を子法人等とする親法人等の子法人等(当該事業主、①及び②に掲げる者を除く。)

④ 当該事業主の関連法人等

⑤ 当該事業主を子法人等とする親法人等の関連法人等(④に掲げる者を除く。)

ii) 親法人等

則第4条の3に規定する「親法人等」について、次の①から③までに掲げる法人等(会社、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む。)をいう。以下同じ。)とすること。

ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の法人等の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配していないことが明らかであると認められるときは、この限りでない。

① 他の法人等(破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた他の法人等その他これらに準ずる他の法人等であって、有効な支配従属関係が存在しないと認められるものを除く。以下このiiにおいて同じ。)の議決権の過半数を自己の計算において所有している法人等

② 他の法人等の議決権の100分の40以上、100分の50以下を自己の計算において所有している法人等であって、次のイからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの。

イ 当該法人等が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、当該他の法人等の議決権の過半数を占めていること。

ロ 当該法人等の役員、業務を執行する社員若しくは使用人である者、又はこれらであった者であって当該法人等が当該他の法人等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、当該他の法人等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること。

ハ 当該法人等と当該他の法人等との間に当該他の法人等の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。

ニ 当該他の法人等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について当該法人等が融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下同じ。)を行っていること(当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。)。

ホ その他当該法人等が当該他の法人等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。

③ 法人等が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の法人等の議決権の過半数を占めている場合(当該法人等が自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)における当該法人等であって、②ロからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの。

iii) 子法人等

則第4条の3に規定する「子法人等」とは、親法人等によりその意思決定機関を支配されている他の法人等をいうこと。この場合において、親法人等及び子法人等又は子法人等が他の法人等の意思決定機関を支配している場合における当該他の法人等は、その親法人等の子法人等とみなす。

iv) 関連法人等

則第4条の3に規定する「関連法人等」について、次の①から③までに掲げるものとすること。ただし、財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないことが明らかであると認められるときは、この限りでない。

① 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等(破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた子法人等以外の他の法人等その他これらに準ずる子法人等以外の他の法人等であって、当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと認められるものを除く。以下同じ。)の議決権の100分の20以上を自己の計算において所有している場合における当該子法人等以外の他の法人等

② 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が子法人等以外の他の法人等の議決権の100分の15以上、100分の20未満を自己の計算において所有している場合における当該子法人等以外の他の法人等であって、次のイからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの

イ 当該法人等の役員、業務を執行する社員若しくは使用人である者、又はこれらであった者であって当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができるものが、その代表取締役、取締役又はこれらに準ずる役職に就任していること。

ロ 当該法人等から重要な融資を受けていること。

ハ 当該法人等から重要な技術の提供を受けていること。

ニ 当該法人等との間に重要な販売、仕入れその他の営業上又は事業上の取引があること。

ホ その他当該法人等がその財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができることが推測される事実が存在すること。

③ 法人等(当該法人等の子法人等を含む。)が自己の計算において所有している議決権と当該法人等と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該法人等の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、子法人等以外の他の法人等の議決権の100分の20以上を占めている場合(当該法人等が自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)における当該子法人等以外の他の法人等であって、②イからホまでに掲げるいずれかの要件に該当するもの。

4 公表等(法第10条第3項)

厚生労働大臣は、事業主に対し高年齢者雇用確保措置に関する勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることとしたこと。

5 再就職援助措置の対象となる高年齢者等の範囲等(則第6条第2項)

法第15条第1項の厚生労働省令で定める理由は、改正法附則第3項の規定によりなおその効力を有することとされる同法による改正前の法第9条第2項の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めた場合における当該基準に該当しなかったことその他事業主の都合とすること。

6 高年齢者雇用状況報告書(則様式第2号)

則第33条の高年齢者の雇用状況の報告の様式は、高年齢者雇用状況報告書(則様式第2号。[別添4]参照。)とすること。

第2 高年齢者等職業安定対策基本方針(法第6条第2項)

高年齢者等職業安定対策基本方針に定めるべき高年齢者の雇用の機会の増大の目標に関する事項について、当該高年齢者を65歳未満に限定しないこととしたこと。また、法第9条の事業主が講ずべき同条に規定する高年齢者雇用確保措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針となるべき事項を削除することとしたこと。

1 趣旨

改正法の趣旨等を踏まえ、高年齢者等の雇用・就業についての目標及び施策の基本的考え方を、労使をはじめ国民に広く示すとともに、事業主が行うべき諸条件の整備等に関する指針を示すこと等により、高年齢者等の雇用の安定の確保、再就職の促進及び多様な就業機会の確保を図るため、基本方針を策定することとしたものであること。

2 内容

(1) 対象期間

この基本方針の対象期間は、平成25年度から平成29年度までの5年間とするものであること。

(2) 高年齢者等の就業の動向に関する事項(基本方針第1関係)

高年齢者の雇用・就業の状況や、高年齢者に係る雇用制度の状況等について、最新の統計結果等を盛り込むものであること。

(3) 高年齢者の雇用の機会の増大の目標に関する事項(基本方針第2関係)

平成25年度から公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に65歳へ引き上げられることを踏まえ、希望者全員の65歳までの高年齢者雇用確保措置が全ての企業において講じられるよう雇用の場の拡大に努めること等により、新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)で示された平成32年までの目標(「平成32年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る成長」等としていることが前提。)である60~64歳の就業率を63%とすることを目指すとともに、同年までに65~69歳の就業率を40%とすることを目指すものであること。

(4) 事業主が行うべき諸条件の整備等に関して指針となるべき事項(基本方針第3関係)

現行の基本方針に盛り込まれている内容に加え、再就職援助等の対象者について法施行規則の改正内容を踏まえて改めるものであること。

(5) 高年齢者等の職業の安定を図るための施策の基本となるべき事項(基本方針第4関係)

現行の基本方針に盛り込まれている内容に加え、新たに以下の内容を盛り込むものであること。

ア 高年齢者雇用確保措置の実施に係る指導を繰り返し行ったにもかかわらず何ら具体的な取組を行わない企業には勧告書を発出し、勧告に従わない場合には企業名の公表を行い、各種法令等に基づき、公共職業安定所での求人の不受理・紹介留保、助成金の不支給等の措置を講じること。

イ 特に有期契約労働者であった離職者については、公共職業安定所におけるマッチング支援、担当者制によるきめ細かな支援等の活用により、早期の再就職の促進に努めること。

ウ 生涯現役社会の実現に向けて、国民各層の意見を幅広く聴きながら、当該社会の在り方やそのための条件整備について検討するなど、社会的な気運の醸成を図ること。

第3 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針(法第9条第3項)

厚生労働大臣は、事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用(心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含む。)に関する指針を定めるものとすることとしたこと。

1 趣旨

この指針は、事業主がその雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため講ずべき高年齢者雇用確保措置に関し、その実施及び運用を図るために必要な事項を定めたものであること。

2 指針の内容

(1) 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用

65歳未満の定年の定めをしている事業主は、高年齢者雇用確保措置に関して、労使間で十分な協議を行いつつ、適切かつ有効な実施に努めるものとすること。

(2) 高年齢者雇用確保措置(指針第2の1関係)

事業主は、高年齢者がその意欲と能力に応じて65歳まで働くことができる環境の整備を図るため、法に定めるところに基づき、65歳までの高年齢者雇用確保措置のいずれかを講ずるものとすること。

(3) 継続雇用制度(指針第2の2関係)

継続雇用制度を導入する場合には、希望者全員を対象とする制度とすること。この場合において法第9条第2項に規定する特殊関係事業主により雇用を確保しようとするときは、事業主は、その雇用する高年齢者を当該特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約を、当該特殊関係事業主との間で締結する必要があることに留意すること。

心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと等就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。以下同じ。)に該当する場合には、継続雇用しないことができること。

就業規則に定める解雇事由又は退職事由と同一の事由を、継続雇用しないことができる事由として、解雇や退職の規定とは別に、就業規則に定めることもできること。また、当該同一の事由について、継続雇用制度の円滑な実施のため、労使が協定を締結することができること。なお、解雇事由又は退職事由とは異なる運営基準を設けることは高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律の趣旨を没却するおそれがあることに留意すること。

ただし、継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められると考えられることに留意すること。

(4) 経過措置(指針第2の3関係)

改正法の施行の際、既に労使協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めている事業主は、改正法附則第3項の規定に基づき、当該基準の対象者の年齢を平成37年3月31日まで段階的に引き上げながら、当該基準を定めてこれを用いることができるものであること。

(5) 賃金・人事処遇制度の見直し(指針第2の4関係)

高年齢者雇用確保措置を適切かつ有効に実施し、高年齢者の意欲及び能力に応じた雇用の確保を図るために、賃金・人事処遇制度の見直しが必要な場合の留意事項を定めたものであること。

第2の4(4)の周知の方法としては、例えば、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を労働者に交付すること、磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置することが考えられること。

第2の4(6)の後段については、高年齢者になる前の段階から行うものを含むものであること。

第2の4(7)において、見直しを検討することとされている制度は、賃金・人事処遇制度を指し、各事業主の判断で見直しを検討するものであること。

(6) 高年齢者雇用アドバイザー等の有効な活用(指針第2の5関係)

高年齢者雇用確保措置を講ずるに当たって、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に配置されている高年齢者雇用アドバイザーや雇用保険制度に基づく助成制度等の有効な活用を図るものであること。

[別添1]<編注:略。平成24年11月9日改正厚生労働省令第154号>

 

[別添2]

高年齢者等職業安定対策基本方針

平成24年11月9日厚生労働省告示第559号

はじめに

1 方針のねらい

少子高齢化の急速な進行により、今後、労働力人口の減少が見込まれる中で、我が国経済の活力を維持していくためには、若者、女性、高年齢者、障害者など働くことができる全ての人の就労促進を図り、そうした全ての人が社会を支える「全員参加型社会」の実現が求められている。高年齢者についても、その能力の有効な活用を図ることが重要な課題であることから、高年齢者の厳しい雇用環境が依然として続いている現状への的確な対応を図りつつ、高年齢者が健康で、意欲と能力がある限り年齢にかかわりなく働き続けることができる社会(以下「生涯現役社会」という。)の実現を目指す必要がある。

また、平成25年度から公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に65歳へ引き上げられることに対応し、雇用と年金の確実な接続等を図るため、平成24年第180回通常国会において高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号。以下「法」という。)の改正が行われた。

この基本方針は、この法改正の趣旨等を踏まえ、高年齢者の雇用・就業についての目標及び施策の基本的考え方を、労使をはじめ国民に広く示すとともに、事業主が行うべき諸条件の整備等に関する指針を示すこと等により、高年齢者の雇用の安定の確保、再就職の促進及び多様な就業機会の確保を図るものである。

2 方針の対象期間

この基本方針の対象期間は、平成25年度から平成29年度までの5年間とする。ただし、この基本方針の内容は平成24年の法改正を前提とするものであることから、高年齢者の雇用の状況や、労働力の需給調整に関する制度、雇用保険制度、年金制度、公務員に係る再任用制度等関連諸制度の動向に照らして、必要な場合は改正を行うものとする。

第1 高年齢者の就業の動向に関する事項

1 人口及び労働力人口の高齢化

我が国の人口は、世界でも例を見ない急速な少子高齢化が進行しており、平成22年(2010年)から平成32年(2020年)までの10年間においては、15~59歳の者が約492万人減少するのに対し、60歳以上の高年齢者が約418万人増加し、3人に1人が60歳以上の高年齢者となるものと見込まれる。

また、60歳以上の労働力人口は平成22年で約1,183万人であり、平成24年から平成26年にかけていわゆる団塊の世代(昭和22年から昭和24年までに生まれた世代)が65歳に達することから、平成22年と労働力率が同じ水準であるとすれば、平成22年(2010年)から平成32年(2020年)までの10年間においては、60~64歳の労働力人口は154万人減少し、65歳以上の労働力人口は134万人増加すると見込まれる(総務省統計局「国勢調査」(平成22年)、「労働力調査」(平成22年)及び国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成24年)の中位推計)。

2 高年齢者の雇用・就業の状況

(1) 高年齢者をめぐる雇用情勢

高年齢者の雇用失業情勢を見ると、平成23年における完全失業率は、年齢計が4.5%であるのに対し、60~64歳層で5.1%となっており、これを男女別に見ると、男性については年齢計が4.8%、60~64歳層で6.2%であるのに対し、女性については年齢計が4.1%、60~64歳層では3.4%となっている(総務省統計局「労働力調査」(平成23年の数値は、岩手県、宮城県及び福島県を除く結果。以下同じ。))。

(2) 高年齢者の就業状況

常用労働者が31人以上の企業における60~64歳層の常用労働者数は、平成21年の約155万人から、平成24年の約196万人に増加している(厚生労働省「高年齢者雇用状況報告」)。また、同年齢層の就業率は、平成17年に52.0%、平成23年に57.3%となっている。これを男女別に見ると、男性は、平成17年に65.9%、平成23年に70.9%となっている。また、女性は、平成17年に39.0%、平成23年に44.2%となっており、近年高まっている(総務省統計局「労働力調査」)。

55~69歳の高年齢者の勤務形態を見ると、男性の雇用者に占めるフルタイム勤務以外の者の割合は、55~59歳層で13.2%、60~64歳層で35.0%、65~69歳層で64.4%となっている。また、女性の雇用者に占めるフルタイム勤務以外の者の割合は、55~59歳層で55.1%、60~64歳層で65.1%、65~69歳層で81.1%となっており、年齢層が高くなるほど高まっている(独立行政法人労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用・就業の実態に関する調査」(平成22年))。

3 高年齢者に係る雇用制度の状況

(1) 定年制及び継続雇用制度の動向

平成24年6月1日現在、常用労働者が31人以上の企業のうち97.3%が年金支給開始年齢(平成24年現在、64歳)までの改正前の法第9条第1項の規定に基づく高年齢者雇用確保措置(定年の引上げ、継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入又は定年の定めの廃止をいう。以下第1において同じ。)を実施済みである。そのうち、定年の定めの廃止の措置を講じた企業の割合は2.7%、定年の引上げの措置を講じた企業の割合は14.7%、継続雇用制度の導入の措置を講じた企業の割合は82.5%となっている。継続雇用制度を導入した企業のうち、希望者全員を対象とする制度を導入した企業の割合は42.8%、制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めた企業の割合は57.2%となっている。

また、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は48.8%となっている(厚生労働省「高年齢者雇用状況報告」(平成24年))。

定年到達前の労働者が継続雇用時に希望する働き方と実際の状況を比較すると、正社員を希望する者の割合が44.2%と最も多いが、実際には正社員となる(または正社員の可能性が高い)者の割合は18.6%、嘱託・契約社員やパート・アルバイトとなる(または嘱託・契約社員やパート・アルバイトとなる可能性が高い)者の割合は45.7%となっている。また、フルタイムを希望する者の割合が51.6%であるのに対し、フルタイムとなる(またはフルタイムとなる可能性が高い)者の割合は33.2%となっている(独立行政法人労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用・就業の実態に関する調査」(平成22年))。

また、高年齢者雇用確保措置を講じている企業で、継続雇用時の雇用契約期間を1年単位とする企業の割合は83.5%、1年を超える期間とする企業の割合は6.0%、期間を定めない企業の割合は2.1%となっている(独立行政法人労働政策研究・研修機構「高齢者継続雇用に向けた人事労務管理の現状と課題」(平成19年))。

(2) 賃金の状況

イ 賃金決定の要素

過去3年間に賃金制度の改定を行った企業(46.3%)では、その改定内容(複数回答)として「業績・成果に対応する賃金部分の拡大」(23.7%)、「職務・職種などの仕事の内容に対応する賃金部分の拡大」(23.3%)、「職務遂行能力に対応する賃金部分の拡大」(22.1%)を多く挙げている。また、業績評価制度を導入している企業の割合は、45.6%と半分近くになっている(厚生労働省「就労条件総合調査」(平成19年))。

ロ 転職者の賃金

転職時の賃金変動の状況をみると、10%以上の減少となっている者の割合は、一般に年齢が高いほど高くなる傾向にあり、45~49歳で18.7%、50~54歳で20.0%、55~59歳で31.5%、60~64歳で55.2%となっている。ただし、65歳以上では39.2%となっており、その割合は減少している(厚生労働省「雇用動向調査」(平成23年上半期))。

ハ 継続雇用時の賃金

継続雇用時の年収の見通しについては、年金等も含めて定年到達前の年収の6~7割となる者の割合が31.6%、4~5割となる者の割合が27.6%となっている(独立行政法人労働政策研究・研修機構「60歳以降の継続雇用と職業生活に関する調査」(平成20年))。

ニ 継続雇用時の賃金水準決定の要素

60代前半の継続雇用者の賃金水準決定の際に考慮している点(複数回答)をみると、「60歳到達時の賃金水準」(41.1%)、「高年齢雇用継続給付の受給状況」(25.0%)、「在職老齢年金の受給状況」(22.2%)、「担当する職務の市場賃金・相場」(21.7%)、「業界他社の状況」(18.9%)となっている(独立行政法人労働政策研究・研修機構「高齢者の雇用・採用に関する調査」(平成22年))。

4 高年齢者の労働災害の状況

平成23年における労働災害の発生状況を休業4日以上の死傷者数でみると、50歳以上の労働者の割合は44.4%、60歳以上の労働者の割合は20.5%となっている(厚生労働省「労働者死傷病報告」(平成23年))。

5 高年齢者の就業意欲

60歳以上の男女の就業意欲についてみると、60歳くらいまで仕事をしたい者の割合が9.7%、65歳くらいまで仕事をしたい者の割合が19.2%、70歳くらいまで仕事をしたい者の割合が23.0%、75歳くらいまで仕事をしたい者の割合が8.9%、76歳以上まで仕事をしたい者の割合が2.4%、働けるうちはいつまでも仕事をしたい者の割合が36.8%となっている(内閣府「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」(平成20年))。

第2 高年齢者の雇用の機会の増大の目標に関する事項

高年齢者の職業の安定その他の福祉の増進を図るとともに、少子高齢化が進む中で経済社会の活力を維持するためには、生涯現役社会を実現することが必要である。

また、平成25年度から公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に65歳へ引き上げられることから、雇用と年金の確実な接続を図ることが重要である。このため、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第78号。以下「改正法」という。)に基づき、希望者全員の65歳までの高年齢者雇用確保措置が全ての企業において講じられるようにするとともに、年齢にかかわりなく働ける企業の普及を図り、高年齢者の雇用の場の拡大に努める。

なお、高年齢者の雇用対策については、その知識、経験等を活かした安定した雇用の確保が基本となるが、それが困難な場合にあっては、在職中からの再就職支援等により、円滑に企業間の労働移動を行うことができるよう、また、有期契約労働者を含め離職する労働者に対しては、その早期再就職が可能となるよう再就職促進対策の強化を図る。

また、高齢期には、個々の労働者の意欲、体力等個人差が拡大し、その雇用・就業ニーズも雇用就業形態、労働時間等において多様化することから、このような多様なニーズに対応した雇用・就業機会の確保を図る。

これらの施策により、新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)で示された平成32年までの目標(同戦略において、「平成32年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る成長」等としていることを前提。)である60~64歳の就業率を63%とすることを目指すとともに、同年までに65~69歳の就業率を40%とすることを目指す。

第3 事業主が行うべき諸条件の整備等に関して指針となるべき事項

1 事業主が行うべき諸条件の整備に関する指針

事業主は、高年齢者が年齢にかかわりなく、その意欲及び能力に応じて働き続けることができる社会の実現に向けて企業が果たすべき役割を自覚しつつ、労働者の年齢構成の高齢化や年金制度の状況等も踏まえ、労使間で十分な協議を行いつつ、高年齢者の意欲及び能力に応じた雇用機会の確保等のために次の(1)から(7)までの諸条件の整備に努めるものとする。

(1) 募集・採用に係る年齢制限の禁止

労働者の募集・採用に当たっては、労働者の一人ひとりに、より均等な働く機会が与えられるよう、雇用対策法(昭和41年法律第132号)において、募集・採用における年齢制限が禁止されているが、高年齢者の雇用の促進を目的として、60歳以上の高年齢者を募集・採用することは認められている。

なお、雇用対策法施行規則(昭和41年労働省令第23号)第1条の3第1項各号に該当する場合であって、上限年齢を設定するときには、法第18条の2に基づき、求職者に対してその理由を明示する。

(2) 職業能力の開発及び向上

高年齢者の有する知識、経験等を活用できる効果的な職業能力開発を推進するため、必要な職業訓練を実施する。その際には、公共職業能力開発施設・民間教育訓練機関において実施される職業訓練も積極的に活用する。

(3) 作業施設の改善

作業補助具の導入を含めた機械設備の改善、作業の平易化等作業方法の改善、照明その他の作業環境の改善、福利厚生施設の導入・改善を通じ、身体的機能の低下等に配慮することにより、体力等が低下した高年齢者が職場から排除されることを防ぎ、その職業能力を十分発揮できるように努める。

その際には、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「機構」という。)が有する高年齢者のための作業施設の改善等に関する情報等の積極的な活用を図る。

(4) 高年齢者の職域の拡大

企業における労働者の年齢構成の高齢化に対応した職務の再設計を行うこと等により、身体的機能の低下等の影響が少なく、高年齢者の能力、知識、経験等が十分に活用できる職域の拡大に努める。

また、合理的な理由がないにもかかわらず、年齢のみによって高年齢者を職場から排除することのないようにする。

(5) 高年齢者の知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進

高年齢者について、その意欲及び能力に応じた雇用機会を確保するため、職業能力を評価する仕組みや資格制度、専門職制度等の整備を行うことにより、その知識、経験等を活用することのできる配置、処遇を推進する。

(6) 勤務時間制度の弾力化

高齢期における就業希望の多様化や体力の個人差に対応するため、短時間勤務、隔日勤務、フレックスタイム制等を活用した勤務時間制度の弾力化を図る。

(7) 事業主の共同の取組の推進

高年齢者の雇用機会の開発を効率的に進めるため、同一産業や同一地域の事業主が、高年齢者の雇用に関する様々な経験を共有しつつ、労働者の職業能力開発の支援、職業能力を評価する仕組みの整備、雇用管理の改善等についての共同の取組を推進する。

2 再就職の援助等に関する指針

事業主は、解雇等により離職することとなっている高年齢者が再就職を希望するときは、当該高年齢者が可能な限り早期に再就職することができるよう、当該高年齢者の在職中の求職活動や職業能力開発について、主体的な意思に基づき次の(1)から(5)までの事項に留意して積極的に支援すること等により、再就職の援助に努めるものとする。

(1) 再就職援助等の対象者

再就職の援助の対象となる高年齢者は、離職日において45歳以上65歳未満の者であって、解雇(自己の責めに帰すべき理由によるものを除く。)又は改正法附則第3項の規定によりなおその効力を有することとされる改正法による改正前の法第9条第2項の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めた場合における、当該基準に該当しなかったことその他事業主の都合により離職する者をいう。

(2) 再就職の援助等に関する措置の内容

(1)に該当する高年齢者(以下「離職予定高年齢者」という。)に対しては、その有する職業能力や離職予定高年齢者から聴取した再就職に関する希望等を踏まえ、例えば、次の①から⑤までの援助を必要に応じて行うよう努める。

① 教育訓練の受講、資格試験の受験等求職活動のための休暇の付与

② ①の休暇日についての賃金の支給、教育訓練等の実費相当額の支給等在職中の求職活動に対する経済的な支援

③ 求人の開拓、求人情報の収集・提供、関連企業等への再就職のあっせん

④ 再就職に資する教育訓練、カウンセリング等の実施、受講等のあっせん

⑤ 事業主間で連携した再就職の支援体制の整備

(3) 求職活動支援書の作成等

離職予定高年齢者については、求職活動支援書の交付希望の有無を確認し、当該離職予定高年齢者が希望するときは、当該者の能力、希望等に十分配慮して、求職活動支援書を速やかに作成・交付する。交付が義務付けられていない定年退職者等の離職予定者についても、当該離職予定者が希望するときは、求職活動支援書を作成・交付するよう努める。

求職活動支援書を作成するときは、あらかじめ再就職援助に係る基本的事項について、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者と十分な協議を行うとともに、求職活動支援書の交付希望者本人から再就職及び在職中の求職活動に関する希望を十分聴取する。

なお、求職活動支援書を作成する際には、交付希望者が有する豊富な職業キャリアを記載することができる「職業キャリアが長い方向けのジョブ・カード」の様式を積極的に活用する。

(4) 公共職業安定所等による支援の積極的な活用等

求職活動支援書の作成その他の再就職援助等の措置を講ずるに当たっては、必要に応じ、公共職業安定所等に対し、情報提供その他の助言・援助を求めるとともに、公共職業安定所が在職中の求職者に対して実施する職業相談や、地域における関係機関との連携の下で事業主団体等が行う再就職援助のための事業を積極的に活用する。

また、公共職業安定所の求めに応じ、当該離職予定高年齢者の再就職支援に資する情報の提供を行う等公共職業安定所との連携、協力に努める。

(5) 助成制度の有効な活用

求職活動支援書の作成及び交付を行うことにより、離職予定高年齢者の再就職援助を行う事業主等に対する雇用保険制度に基づく助成制度の有効な活用を図る。

3 職業生活の設計の援助に関する指針

事業主は、その雇用する労働者が、様々な変化に対応しつつキャリア形成を行い、高齢期に至るまで職業生活の充実を図ることができるよう、次の(1)及び(2)の事項の実施を通じて、その高齢期における職業生活の設計について効果的な援助を行うよう努めるものとする。

この場合において、労働者が就業生活の早い段階から将来の職業生活を考えることができるよう、情報の提供等に努める。

(1) 職業生活の設計に必要な情報の提供、相談等

職業生活の設計に関し必要な情報の提供を行うとともに、職業能力開発等に関するきめ細かな相談を行い、当該労働者自身の主体的な判断、選択によるキャリア設計を含めた職業生活の設計が可能となるよう配慮する。

また、労働者が職業生活の設計のために企業の外部における講習の受講その他の活動を行う場合に、勤務時間等について必要な配慮を行う。

(2) 職業生活設計を踏まえたキャリア形成の支援

労働者の職業生活設計の内容を必要に応じ把握しつつ、職業能力開発に対する援助を行う等により、当該労働者の希望や適性に応じたキャリア形成の支援を行う。

第4 高年齢者の職業の安定を図るための施策の基本となるべき事項

1 高年齢者雇用確保措置の円滑な実施を図るための施策の基本となるべき事項

国は、高年齢者雇用確保措置が各企業の労使間での十分な協議の下に適切かつ有効に実施されるよう、次の(1)から(4)までの事項に重点をおいて施策を展開する。

(1) 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針の周知徹底

65歳未満定年の定めのある企業において、65歳までの高年齢者雇用確保措置の速やかな実施、希望者全員の65歳までの安定した雇用の確保に関する自主的かつ計画的な取組が促進されるよう、法第9条第3項に基づく高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針(平成24年厚生労働省告示第560号)の内容について、その周知徹底を図る。

(2) 高年齢者雇用確保措置に係る指導等

都道府県労働局及び公共職業安定所においては、全ての企業において高年齢者雇用確保措置が講じられるよう、周知の徹底や企業の実情に応じた指導等に積極的に取り組む。

その際、特に、企業の労使間で合意され、実施又は計画されている高年齢者雇用確保措置に関する好事例その他の情報の収集及びその効果的な提供に努める。

また、高年齢者雇用確保措置の実施に係る指導を繰り返し行ったにもかかわらず何ら具体的な取組を行わない企業には勧告書を発出し、勧告に従わない場合には企業名の公表を行い、各種法令等に基づき、公共職業安定所での求人の不受理・紹介保留、助成金の不支給等の措置を講じる。

(3) 高年齢者雇用アドバイザーとの密接な連携

企業が高年齢者雇用確保措置のいずれかを講ずるに当たり高年齢者の職業能力の開発及び向上、作業施設の改善、職務の再設計や賃金・人事処遇制度の見直し等を行う場合において、機構に配置されている高年齢者雇用アドバイザーが専門的・技術的支援を有効に行えるよう、公共職業安定所は、適切な役割分担の下で、機構と密接な連携を図る。

(4) 助成制度の有効な活用等

高年齢者の雇用の機会の増大に資する措置を講ずる事業主等に対する助成制度の有効な活用を図るとともに、必要に応じて、当該助成制度について必要な見直しを行う。

2 高年齢者の再就職の促進のための施策の基本となるべき事項

(1) 再就職の援助等に関する指針の周知徹底

企業において、離職予定高年齢者に対する在職中の求職活動の援助等に関する自主的な取組が促進されるよう、第3の2の内容について、その周知徹底を図る。

(2) 公共職業安定所による求職活動支援書に係る助言・指導

離職予定高年齢者については、法により事業主に義務付けられている高年齢者雇用状況報告や多数離職届、事業主からの雇用調整の実施に関する相談や本人からの再就職に関する相談等を通じてその把握に努め、また、離職予定高年齢者が希望した場合には求職活動支援書の交付が事業主に義務付けられていることについての十分な周知徹底を図る。

さらに、交付が義務付けられていない定年退職等の離職予定者についても、求職活動支援書の自主的な作成及び交付並びにこれに基づく計画的な求職者支援を実施するよう事業主に対して啓発を行う。

なお、離職予定高年齢者の的確な把握に資するため各事業所における定年制の状況や解雇等の実施に係る事前把握の強化を図るほか、法において高年齢者雇用状況報告や多数離職届の提出が事業主に義務付けられていることについての十分な周知徹底を図る。

(3) 助成制度の有効な活用等

在職中の求職活動を支援する事業主に対する助成制度の有効な活用を図るとともに、高年齢者の円滑な労働移動の支援を図る。また、高年齢者の雇用の実情を踏まえた当該助成制度の必要な見直しに努める。

(4) 公共職業安定所による再就職支援

公共職業安定所において、求職活動支援書の提示を受けたときは、その記載内容を十分参酌しつつ、可能な限り早期に再就職することができるよう、職務経歴書の作成支援等、的確な職業指導・職業紹介及び個別求人開拓を実施する。

また、在職中に再就職先が決定せず失業するに至った高年齢者については、その原因について的確な把握に努めつつ、必要に応じて職業生活の再設計に係る支援や担当者制による就労支援を行うなど、効果的かつ効率的な職業指導・職業紹介を実施し、早期の再就職の促進に努める。

特に、有期契約労働者であった離職者については、離職・転職が繰り返されるおそれがあることから、公共職業安定所におけるマッチング支援、担当者制によるきめ細かな支援等の活用により、早期の再就職の促進に努める。

さらに、事業主に対して、機構と連携し、求職活動支援書の作成等に必要な情報提供等を行う。

(5) 募集・採用に係る年齢制限の禁止に関する指導、啓発等

高年齢者の早期再就職を図るため、積極的な求人開拓を行う。また、高年齢者に対する求人の増加を図り、年齢に係る労働力需給のミスマッチを緩和するため、募集・採用に係る年齢制限の禁止について、民間の職業紹介事業者の協力も得つつ、指導・啓発を行うとともに、労働者の募集・採用に当たって上限年齢を設定する事業主がその理由を求職者に提示しないときや当該理由の内容に関し必要があると認めるときには、事業主に対して報告を求め、助言・指導・勧告を行う。

3 その他高年齢者の職業の安定を図るための施策の基本となるべき事項

(1) 生涯現役社会の実現に向けた取組

生涯現役社会の実現を目指すため、高齢期を見据えた職業能力開発や健康管理について、労働者自身の意識と取組や企業の取組への支援を行うほか、多様な就業ニーズに対応した雇用・就業機会の確保等の環境整備を図る。

また、生涯現役社会の実現に向けて、国民各層の意見を幅広く聴きながら、当該社会の在り方やそのための条件整備について検討するなど、社会的な気運の醸成を図る。

このため、都道府県労働局及び公共職業安定所においては、機構その他の関係団体と密接な連携を図りつつ、各企業の実情に応じて、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止等によって、年齢にかかわりなく雇用機会が確保されるよう周知するなど必要な支援に積極的に取り組む。

また、機構その他の関係団体においては、年齢にかかわりなく働ける企業の普及及び促進を図るため、都道府県労働局等との連携を図りつつ、事業主のほか国民各層への啓発などの必要な取組を進める。

(2) 高齢期の職業生活設計の援助

労働者が、早い段階から自らのキャリア設計を含めた職業生活の設計を行い、高齢期において、多様な働き方の中から自らの希望と能力に応じた働き方を選択し、実現できるようにすることが重要である。このため、公共職業安定所等が行う高齢期における職業生活の設計や再就職のためのキャリアの棚卸しに係る相談・援助等の利用を勧奨するとともに、事業主がその雇用する労働者に対して、高齢期における職業生活の設計について効果的な援助を行うよう、第3の3の趣旨の周知徹底等により啓発、指導に努める。

また、個々の労働者がそのキャリア設計に沿った職業能力開発を推進できるよう、相談援助体制の整備に努める。

(3) 各企業における多様な職業能力開発の機会の確保

労働者が高齢期においても急激な経済社会の変化に的確かつ柔軟に対応できるよう、教育訓練の実施、長期教育訓練休暇の付与等を行う事業主に対して必要な援助を行い、各企業における労働者の希望、適性等を考慮した職業能力開発の機会を確保する。

(4) 職業能力の適正な評価等の促進

高年齢者の職業能力が適正に評価され、当該評価に基づく適正な処遇が行われることを促進するため、各企業における職業能力を評価する仕組みの整備に関し、必要な情報の収集、整理、提供に努める。また、技能検定制度等労働者の職業能力の公正な評価に資する制度の整備を図る。

(5) 教育訓練給付制度等の周知徹底及び有効な活用

高年齢者の主体的な職業能力開発を支援するため、雇用保険制度に基づく教育訓練給付制度の周知徹底及びその有効な活用を図る。

また、高年齢者の雇用の継続を促進するため、雇用保険制度に基づく高年齢雇用継続給付制度の周知徹底及びその有効な活用を図る。

(6) 労働時間対策の推進

高年齢者の雇用機会の確保、高年齢者にも働きやすい職場環境の実現等に配慮しつつ、所定外労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進、フレックスタイム制等の普及促進を重点に労働時間対策を推進する。

(7) 高年齢者の安全衛生対策

高年齢者の労働災害防止対策、高年齢者が働きやすい快適な職場づくり、高年齢者の健康確保対策を推進する。

(8) 多様な形態による雇用・就業機会の確保

定年退職後等に、臨時的・短期的又は軽易な就業を希望する高年齢者に対しては、地域の日常生活に密着した仕事を提供するシルバー人材センター事業の活用を推進する。

(9) 高年齢者の起業等に対する支援

高年齢者の能力の有効な発揮を幅広く推進する観点から、高年齢者が起業等により自ら就業機会を創出する場合に対して必要な支援を行う。

(10) 地域における高年齢者の雇用・就業支援

事業主団体と公共職業安定所の協力の下、企業及び高年齢者のニーズに合ったきめ細かな技能講習や面接会等を一体的に実施することにより、高年齢者の雇用・就業を支援する。

(11) 雇用管理の改善の研究等

高年齢者の雇用機会の着実な増大、高年齢者の雇用の安定を図り、また、生涯現役社会の実現に向けた環境整備を進めるため、必要な調査研究を行うとともに、企業において取り組まれている高年齢者の活用に向けた積極的な取組事例を収集、体系化し、各企業における活用を促進する。また、高年齢者雇用状況報告等に基づき、高年齢者の雇用の状況等の毎年度定期的な把握及び分析に努め、その結果を公表する。さらに、国際的に高年齢者の雇用に係る情報交換等を推進するとともに、年齢差別禁止など、高年齢者の雇用促進の観点について、さらに検討を深める。

 

[別添3]

高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針

平成24年11月9日厚生労働省告示第560号

第1 趣旨

この指針は、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号。以下「法」という。)第9条第3項の規定に基づき、事業主がその雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため講ずべき同条第1項に規定する高年齢者雇用確保措置(定年の引上げ、継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入又は定年の定めの廃止をいう。以下同じ。)に関し、その実施及び運用を図るために必要な事項を定めたものである。

第2 高年齢者雇用確保措置の実施及び運用

65歳未満の定年の定めをしている事業主は、高年齢者雇用確保措置に関して、労使間で十分な協議を行いつつ、次の1から5までの事項について、適切かつ有効な実施に努めるものとする。

1 高年齢者雇用確保措置

事業主は、高年齢者がその意欲と能力に応じて65歳まで働くことができる環境の整備を図るため、法に定めるところに基づき、65歳までの高年齢者雇用確保措置のいずれかを講ずる。

2 継続雇用制度

継続雇用制度を導入する場合には、希望者全員を対象とする制度とする。この場合において法第9条第2項に規定する特殊関係事業主により雇用を確保しようとするときは、事業主は、その雇用する高年齢者を当該特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約を、当該特殊関係事業主との間で締結する必要があることに留意する。

心身の故障のため業務に堪えられないと認められること、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと等就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。以下同じ。)に該当する場合には、継続雇用しないことができる。

就業規則に定める解雇事由又は退職事由と同一の事由を、継続雇用しないことができる事由として、解雇や退職の規定とは別に、就業規則に定めることもできる。また、当該同一の事由について、継続雇用制度の円滑な実施のため、労使が協定を締結することができる。なお、解雇事由又は退職事由とは異なる運営基準を設けることは高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第78号。以下「改正法」という。)の趣旨を没却するおそれがあることに留意する。

ただし、継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められると考えられることに留意する。

3 経過措置

改正法の施行の際、既に労使協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めている事業主は、改正法附則第3項の規定に基づき、当該基準の対象者の年齢を平成37年3月31日まで段階的に引き上げながら、当該基準を定めてこれを用いることができる。

4 賃金・人事処遇制度の見直し

高年齢者雇用確保措置を適切かつ有効に実施し、高年齢者の意欲及び能力に応じた雇用の確保を図るために、賃金・人事処遇制度の見直しが必要な場合には、次の(1)から(7)までの事項に留意する。

(1) 年齢的要素を重視する賃金・人事処遇制度から、能力、職務等の要素を重視する制度に向けた見直しに努めること。

この場合においては、当該制度が、その雇用する高年齢者の雇用及び生活の安定にも配慮した、計画的かつ段階的なものとなるよう努めること。

(2) 継続雇用制度を導入する場合における継続雇用後の賃金については、継続雇用されている高年齢者の就業の実態、生活の安定等を考慮し、適切なものとなるよう努めること。

(3) 短時間勤務制度、隔日勤務制度など、高年齢者の希望に応じた勤務が可能となる制度の導入に努めること。

(4) 継続雇用制度を導入する場合において、契約期間を定めるときには、高年齢者雇用確保措置が65歳までの雇用の確保を義務付ける制度であることに鑑み、65歳前に契約期間が終了する契約とする場合には、65歳までは契約更新ができる旨を周知すること。

また、むやみに短い契約期間とすることがないように努めること。

(5) 職業能力を評価する仕組みの整備とその有効な活用を通じ、高年齢者の意欲及び能力に応じた適正な配置及び処遇の実現に努めること。

(6) 勤務形態や退職時期の選択を含めた人事処遇について、個々の高年齢者の意欲及び能力に応じた多様な選択が可能な制度となるよう努めること。

この場合においては、高年齢者の雇用の安定及び円滑なキャリア形成を図るとともに、企業における人事管理の効率性を確保する観点も踏まえつつ、就業生活の早い段階からの選択が可能となるよう勤務形態等の選択に関する制度の整備を行うこと。

(7) 継続雇用制度を導入する場合において、継続雇用の希望者の割合が低い場合には、労働者のニーズや意識を分析し、制度の見直しを検討すること。

5 高年齢者雇用アドバイザー等の有効な活用

高年齢者雇用確保措置のいずれかを講ずるに当たって、高年齢者の職業能力の開発及び向上、作業施設の改善、職務の再設計や賃金・人事処遇制度の見直し等を図るため、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に配置されている高年齢者雇用アドバイザーや雇用保険制度に基づく助成制度等の有効な活用を図る。

 

[別添4:年齢者雇用状況報告書(則様式第2号)]